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問答無用食道楽坊主

人情旅シリーズ「

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百円本舗の6月小説
「問答無用、食道楽坊主事件控え」
献残屋藤吉郎書房

〇問答無用、、、食の世界の痛快物語
1.問答無用
世の中には我儘な、ワンマンな、独裁者的な会社経営者がいる、また、政治家にも、あらゆる世界に有力者がいる、本当に多いような、、、
陰の実力者と言われるようなフィクサー的な親分がいる、やくざの世界なら良いかもしれない。。
しかし、世間的な通常世界になると、誰にも誰にでもいいと言われるような良識ある人間は少ない。
悪く言えば「八方美人」というような人間は多い。
食生活でも人が上手いと言えば、上手いとなるようなものも多い。
不味いと言えばまずいとなり、不評が広まり、まずくなってしまう。
人の「舌」など、当てにならないものはない。
この世の中で「上手い」「不味い」を決めるのは己であるようなな、、、はっきり、「物言える、人間」が少なくなってきている。
一番基礎となる、活きるためのもとなる、「食」をよくよく考えないと。。。
高級なものは上手い、、、高級料理店の食は上手い。。。、
金を出せばうまいものは食べれるのは当たり前だ。
人間の世界には経済的な問題があり、食べたくても食べれないものもある、、、環境的な与えられた中での食生活があるような。。。
だから、与えれた環境で、食するものが一番うまいのではないのか、、、
会社を経営して、世の中の勢を得たものが、この世の食に物申す、、、「問答無用」と言いたい。
無用主水の食坊主旅物語。

2.食坊主の無用旅、、、
無用主水は会社を経営して、財を成したが、食に豪欲でありその儲けを食べ歩いてしまった。しかし、その食生活や料理店の食べ歩きは全国を股にかけ、、ではなく「口」にかけて豊富であった。
その挙句には財をなくして、若いころから修行を積んでいたこともあって、北国の寺に流れ込んだ。
そして、托鉢という修行をしながら全国を旅して歩いた。
しかし、人は食べないと生きていかない、、、運よく托鉢修行の御かげで「食」には不自由をしなかった。
禅宗の寺に身を寄せていたので、全国の禅宗の寺に「経文」を唱えれば一宿一飯に泊まれた。
無用主水は「経文」を唱えることは苦痛ではなく、楽しいものであった。
一宿一飯にあずかるのには「般若心経」を唱えることが必要だった。
お寺に泊まった場合は朝飯は出る、、、昼飯も出る、、、但し、夜飯は無しだ、、、焼き石を抱いて寝ろ」ということだった。
精進料理はおいしかった。
無用主水は寝る心配と、食べる心配はなく旅ができた。
そして、托鉢等で訪問した家で、ご馳走が出る場合もある、、、まさに天国極楽のらくちん旅だ。
この世の中で坊主ができる、坊主の特権のようなものだ。え
そして、世の中を見て回り、人を見て、好きかっ手なことを
言って、寝たいとき寝て、起きたいときに起きる、
不思議な特権だ。
お寺を巡るうちに無用主水は全国のお寺案内のような説明書、写真集ができた。

3.托鉢旅に出る前に。。。。
無用主水は托鉢の旅に出る前に、茨城県土浦市の東城寺で托鉢の心得などを教えてもらった。
まず、座禅は胡坐上に似た姿勢で座る、そして「目は半開き」で目を閉じてはいけない。目の前に「お線香」を一本立てて、それを見つめて手を組む。
お線香一本の燃え尽きる時間は「20分から30分」だ、、、簡単に言うけど、お線香を。一点を恨めて、座禅を組むには大変だ、、、目が痛くて、涙がこぼれる。
慣れてくると半開きも大丈夫になるような、、、、
托鉢には必ず「お経」が必要になる。朝と昼には「般若心経」」を唱える、、それが終わらないと食事が出来ないのであった。
夜はお経は休み、、、飯抜きで、寝る前に「焼き石」を抱。いて寝るのであった。
東城寺で、托鉢に必要な最低限の心得を教えてもらい、「座禅」「お経」を練習して、いよいよ、、、、
托鉢の旅に出ることにした。
無用主水であった。
たまたま、東城寺で座禅を組んでいるときに知り合った男がいる、、、名前は平正義と言った。
本人は平の将門の末裔と言っていた。
その彼が無用主水の話を聞いて、托鉢につれて行って欲しいといってきた。
彼は武道家で、今まだ修行中なので、武者修行をしたいとのことであり、東城寺の親戚筋にあたるので、一緒に旅することにした。

4.無用主水が最初に旅する処
無用主水が行きたいところがあった。今までに旅して美味い肉を食べたところだった、松阪だ、、、いろいろ食べ歩いたが、本当に肉の美味かった「すき焼き」だった。
松阪の有名肉料理店で「味の肉すき庵」だ、、、和風の座敷に上がって、丸いテーブルを囲んで、中居さんが料理してくれる「すき焼き」は天下逸品だった。
松阪に泊まり、美味いすき焼きを食べて、、、、次に選んだ先は和歌山県の那智寺であった、那智の滝があり、寺院の中にある五重塔は興味をそそった。
まず那智の滝は荘厳だった、、そして、五重塔の中に展示されていた曼荼羅は、凄いなと思った。
展示されていた曼荼羅は「性器が描かれ、色も鮮やかだった」
那智寺を参って、お経の真似ごとをして来た。
那智寺を参ってから、近くの料理屋に入り、びっくりした。まぐろ定食をたのんだ、、、そのでかいことでかいことで、、、頭が一匹まるまるついてきた。
那智は勝浦だったのだ、、、日本一のマグロ漁の漁港だから、、、
近くには熊野神社もあり、、、托鉢なのだからお参りした。
一緒に托鉢に参加した、平正義も感動していた。

5.気が向いたら行くという托鉢旅になった
無用主水とお供の平正義の旅は、足のむくまま、気の向くままの托鉢旅だった。
二人は那智の滝、熊野那智総社を参って、勝浦駅前のまぐろ料理店に入り、地元の名産料理をたらふく食べた。
次に向かうところは橿原神宮だ、、、奈良市橿原市にあり、御祭神として、初代神武天皇が祭られている。
広い敷地を巡り、寺院に参拝して歩いているときに、突然、、、、「」たすけてーー」と。、叫びながら一人の女性が駆け寄ってきた。
無用主水よりも武芸の長けた、平正義が駆け寄り、彼女を助けた。追いかけてきた男は、、、
「何、、、邪魔をするだ、、、その女は俺の女だから、構わないでくれよ」と言いながら、平正義が助けた女を引き離した。
すると、、、その女は「私はあなたの女なんかではありません、、何の権利があって、俺の女、よばわりするんですか、、、やめてください」
と、、助けてくれた平正義の後ろに身を隠した。
そこで、無用主水が、、、、
「まあまあーー」と言いながら割り込んできた。
息まいて追いかけてきた男に、、、「落ち着いてください、、彼女との言い分が違うので、話合いをしましょう」と、、、、
一端落ち着かせた。
両方の話を聞くと、付き合い始めたばかりで、一緒に出掛けてはきたが喧嘩になってしまい、、、あまりにも強引なので、嫌になり、逃げだしたというわけでした。
主水にすれば、ふざけた話であり、勝手にしてくれと言いたかった。
しかし、助けてくれと言われれば、黙って見逃すわけにもいかなかった。
仕方がなく、おせっかい焼きではあるが仲裁をすることになった。
そん場はなんとなく御染まった。そして、その女は主水たちと一緒に旅をした。

6.不思議な女
橿原神宮で仲裁をした女がどういう訳か、
無用主水たちに着いてきた。名前を聞いたら「流かすみ」と言っていて、九州久留米から、喧嘩していた男についてきたらしい。
久留米のディスコクラブで知り合い、その踊りが素敵で、いい男なので奈良までついてきてた、奇跡的な女に巡り合ったとか言って、、、是非、橿原神宮にお参りしたいと連れてこられた。
しかし、一緒にいる間につまらない男と知って、無用主水たちが知っていることになったというわけだった
そして、無用主水たちの旅を聞いて、連れて行って欲しいとなった。
無用主水たちは最初、戸惑ったが、慌てる旅でもなく、女連れの托鉢も悪くないと覆った。
そして、次に行きたいところ、奈良法隆寺に向かった。
旅はすべて歩きというわけではないので、これからは女
連れでり、交通機関も使うことにした。

7.女連れ托鉢旅、、、古都、、奈良の都
無用主水の女連れ托鉢が始まった、、、邪道のような旅ではあるが、もともと修行が目的ではないので、、、
「まあ、、いいか、いろいろと食する旅でもあるので、、」
と、、托鉢旅を反否定していた。
もう一人の平正義は武芸の武者修行を兼ねての、ついでの托鉢旅でもあるので、、、二人は気軽に人生旅を考えていた。
そこへ花が咲いた、、、一輪の花がたまたま、ついてくるのであった。それも橿原神宮で、偶然に咲いた花だった。
九州久留米までの托鉢旅となった。
知り合った、流かすみは一見みると、お転婆なじゃじゃ娘にも見えるが、なかなかしっかりしていた。
托鉢でお寺に泊まるときなどは、寺の住職の話をよく聞き、学んでいるように見える、、と言った要領よさも落ち合わせていた。
そして、頭もいいような、、お経や座禅のコツを習得するのが早かった。
そして、何よりも「酒」が強かった、、、一緒に飲んでいて楽しく、心地よかった。色気もほどほどに有った。
しかし、乱れることはなく、主水や正義につきいる隙を与えなかった。
考えてみれば、主水や正義には楽しいひと時を過ごせた。そして、、可愛い仕草も見せ、、、そんなところが男心をくすぐった。。久留米まで何としても無事に送り届けようと思ったのであった。
歴史ある奈良の都で、、古の事の風に吹かれ、三人は法隆寺、東大寺、興福寺と托鉢の真似事をしながら歩いた。
そして、法隆寺近くの洒落た料理屋の暖簾をくぐった。。。
奈良にも美味しい肉料理があった。
三人は歩いた疲れがあったのか、、、かぶりついた。
奈良の旅だった。

8.京都の旅、、、田辺市で一休寺を訪ねて、
無用主水寄り道したかった「一休寺」へ二人を引き連れて立ち寄った。昔から有名なトンチ話で、一休さんは子供のころの漫画や絵本でよく見ていたような。。。
そんな一休さんが眠るお寺、、最後の住職寺を見たくて立ち寄った。そんなに大きなお寺ではないが、郷愁を感じる。
訪れた時が秋だったのか、、寺に植えられた紅葉が綺麗だった、、、真赤に色鮮やかだった。
感激しながら、一休さんの足跡を少しだけ辿った。
托鉢で歩いていることもあり、一休さんに手を会わせた。
お寺を見学して、お参りをしてから、、、、近くの小料理屋に入り、腹ごしらえをした。
奈良は肉料理店が多く、焼き肉を食べた、、、そして、次の京都を目指した。
秋も押し迫り、肌寒さを覚えるようになった。

。。。京都を訪ねて
日本の歴史の中でやはり京都は都であった。
歴史の中で、何度となく中心的な存在であり、そして、由緒ある名刹の多いところ、、、
近くでは明治維新があり、倒幕だ、勤王だとざわめいていた時代がった。
無用主水にはもともとは武士でもなく、幕府に従っていた侍でもないのに、最後まで武士らしく忠義を尽くした集団、日本最強の機動隊ともいえる「新選組」が心を引いた。
そこで、新選組関わる名所を訪ねた。
誠の旗を掲げて、京都の治安に務めた新選組は心が温まる。
ひと昔前には、今歩いている京都大路を侍たちが駆けていた。負けることが分かっていながら、傾く幕府に忠誠をつくし、刀を振り回していた新選組がなんとも心揺さぶった。
無用主水は荘厳な寺社仏閣が至るとこに存在して、今なお古都の威厳を保っている。
幾多の戦果を潜り抜け、立ち並ぶ寺社にお参りをした。
改めて古都の重みを感じた。
托鉢旅を共にしている流かすみも初めて見る京都に感激しているようだった。
「主水さん、、何か食べたいな、、、」とせがまれて、
京都南禅寺の「湯豆腐料理」をご馳走することにした。
京都で一番の料理屋に連れていき、湯豆腐料理を満腹した。。。無用主水としてはかなり無理をした、散財であった。
京都巡りには三日間の時間を費やした。
殆どが寺院での宿泊でったが、三人で有意義な托鉢旅をしたような。。。
巡ったところは、清水寺、南禅寺、伏見稲荷神社、平安京、そして、祇園祭りの見物だった。
祇園祭りの山鉾は目を見張った。
この祇園祭りはその昔、稲作の豊作を願い、人民の健康を願ったといわれる。

京都を旅して、、美を求めて
無用主水は京都先斗町当たりを散策した、托鉢坊主が何を贅沢なことをと、、、、寺院を巡り、参拝して、お経を唱えて、寺の宿坊に泊まり、、、心の修行をすればいいに、、、
それを夜の京都の花の盛り場と洒落込んだ。
京都先斗町は料理屋やクラブに入るのにも「一見様お断り」だった。
しかし、鴨川のほとりを、先斗町の街通りを歩くだけで、京都色街の雰囲気が肌で身に感じた。
たまたま、、入れた小料理で飲食を楽しんだ、、、座敷に上がり、カウンターがある席に着き、お酒を飲んだ。
摘みは京都の柴漬けが付いてきた、、、そして、馬刺しがあったので、馬刺しを、、、
連れの流かすみが、、、
「やはり、、京都だね、、、座敷にカンターが付いてて、
バーテンダーも着流しよ、、、お洒落だ」
と、周りをキョロキョロしながら、一人で燥いでいた。
窓の外には鴨川が流れていた、、、侍時代にはその河原でチャンバラあったんだろうな。
佐幕だ、、、勤王だと。。。
同じ部屋で飲みながら飲食していた数人に、流かすみが怒鳴られた。
かすみも元気がいいので、突っかかって行った。
そこで生意気だということで喧嘩の用を呈してきたので、無用主水が間に入り。
しかし、遊び人風の男たちは酒も入っていたので、、、
「生意気な小娘だな、、、そっちが先に因縁つけてきて、、、今更ごめんだ、、、ふざけるなよ」
と、、上げ足を取ってきた。
やくざ特有の絡みであり、特異な因縁だった。
無用主水もあまりにも無碍な言い篝だったので、、、、
「謝ってだめなら、、、どうすればいいんですか」
と、、、強気で言い返した。
その間に平正義が入り、こわもてした顔をして、やくざたちをひるまさせた。
その遊び人風の男たちはぶつぶつ言いながら店を出ていった。
お店のバーテンダーが、、、
「すっきりしたわ、、、いつも少しだけお金を使って、他の客にたかってたから、、、でも、気を付けてくだよ」
地元京都の秋田連合会のチンピラだから、、、たちが悪いので、私たちもこまっているのよ、、」
と、、、言いながら心配してくれた。
秋田連合会も幹部の人たちは話が分かって、いいんだけどね、、、と。
なんでもそうだよ、、、どんな組織にもわかる人はいるけど、一皮むけば野獣だから、気を付けないとな。
無用主水たちもその日の寺の宿坊に戻った。
流かすみは二人を頼もしく思っていた。そして、優しいと。
(京都名刹巡り)
次の日、三人は京都の名刹巡りをしたいと、、まずは京都清水寺へ向かう予定でホテルラウンジで朝食を取った。
托鉢修行が目的なので、清水寺まで歩くことにした。
ホテル玄関を出て間もなくだった。
やくざ風な男たちが数人、近づいてきて。。。
「お兄さん方、、、昨夜はどうも恥をかかせてくれたな。。」と、、、因縁をつけてきたのであった。
そして、車に無理やり乗せられた、、、拳銃を突き受けられたので、仕方なく言うがままに車に乗った。
どこか工場跡のような建物に入って行き、降ろされた。
降りるや否や、、鉄パイプのようなもので殴りつけてきたが、平正義がいるので無用主水は安心していた。
相手は三人なので、平正義ひとりで十分だと思っていたら、拳銃の音がした。
平正義が撃たれたのであった、、、無用主水も喧嘩には自信があったが、拳銃には叶わない。
不味いと思った瞬間に、流かすみが飛び掛かっていった。
まるで軽業師ような身のこなしで、拳銃を撃った男を倒した。次にもう一人も足技の一撃で蹴り倒した時には、無用主水も最後の一人を倒した。
そして、平正義のもとに駆け寄り、、
「しっかりしてくれ、、今、すぐに病院に行くからな。。」
と抱きかかえているうちに、、、
流かすみはやくざたちの車を平正義のそばに寄せて、平正義を乗せて病院に向かった。
流かすみの動きは、無用主水は驚いた、そして、感謝した。
「正義、、しっかりしろよ」
と声をかけながら、腹をまじかから撃たれたので心配だぅた。
それにしても流かすみには驚いた、凄いと思った。
そして、こいつ何者かと。。。
今は感謝だ、、、正義が生きられることを願って、病院に着いた、
すぐに手術をしてもらい、何とか一命はとりとめた。
病院側にはすぐに事件と分かり、警察へ連絡されて、間もなく警察も来た。
無用主水は、、兎に角よかった、命があればんでも出来ると、、、
そして、「かすみ、、ありがとう」と。。。
主水はまたまた、かすみを見直した。

(無用主水の托鉢旅は続く)
主水たちの托鉢旅は、世の中の雑多悪に振り回されたが、正義も元気になり、再度、京都の名刹を托鉢して、、日本海に面した国々に向かった。流かすみの動きにも驚かされたが、彼女は九州久留米の合気道道場の娘で、幼いころから鍛錬しているとの事だった。
山陰道を鳥取、島根に向かった。
日本海の風は粗々しく、豪快さを感じた。何か男の荒海というような、、、
大きな砂丘を歩いていた三人は、自然の凄さを覚えた、、、
自然の海、荒波、、、そして、砂丘と人間にはない大らかさを感じながら、人間の小ささに寂しさを漂わせていた。
三人は鳥取砂丘を歩いてから、シジミで有名な穴道湖の近くのシジミ料理店に入った。シジミがデカいので吃驚だ。
かすみは、、「やはり、本場のシジミは美味しい、、それに湖の夕陽は綺麗だよ、、、」
感動していた、砂丘でラクダも乗り、シジミも食べたので、お風呂に入りたいと言い出した。
(松江城余談)
三人が松江に着き、松江城を見学しているときだった、途中から托鉢に参加した、流かすみが携帯電話で話している最中に、突然に泣き出した。
主水は何事かと、聞くと、、、、
実家の母からであり、父親が亡くなったという知らせだった。
兎に角、帰らないと、、そう、思ったのである。
「わかった、、、かすみ、すぐに久留米へ行こう、、、、
どんな理由にしても、久留米に行かなくてはと、、、
とりあえず、鳥取駅に行こうということで、急いだ。
そして、主水たちも一緒に久留米に向かった。
九州久留米に着いた三人は、流かすみの実家に行き、父親の葬儀に参列したのであった。
かすみの母親の話では、いつもの朝練に参加して、家に帰ってきて気持ちが悪くなってしまい横になったら、そのまま亡くなってしまったらしい。
死因はクモ膜下ということだった。
元気な父親があっ気なく亡くなったので、かすみは茫然と数日を過ごした。
そして、道場は手広くしていたので、合気道を習う生徒が多かった。
何日か経った朝、道場から合気道を練習する掛け声が聞こえてきた。正義の鍛錬練習であった、合気道を自ら習得しようという生徒たちの練習風景だった。
その様子を見た流かすみも練習に参加していた。
道場全体に活気が溢れ、かすみも元の元気な娘に戻ったような。。。
そして、「正義、、、ありがとう、、本当にありがとう」
と汗を流していた。
流れた汗は涙だったかも知れない。
人のやさしさの心ある誠意に違いなかった。
かすみが元気になるまで主水と正義は、久留米に滞在していた。。。
子供のいない両親だったこともあり、かすみが道場を継ぐことになった。
そして、正義も一人風来坊だったので、師範という形で合気道道場に残った。
一人になった主水は、ちょっぴり寂しいが托鉢に旅立った。
九州久留米から関東のつくばへ。。。
主水はかすみと正義の安寧を願ってた。
九州久留米の空は青かった、心すがすがしい旅たちであった。
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