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三悪人
三悪人
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短編小説「三悪人」原作 献残屋藤吉朗
1)江戸時代からの火消し組合「芝一家」
東京都港区芝浦に江戸時代からの火消し組の流れを組む博徒一家の「芝運送協同組合」
が芝浦倉庫の一角に事務所を構えたいた。
東京湾に臨む倉庫事務所で、春から夏にかけては海風の清々しい、港湾業務にはもってこいの場所であった。
芝運送協同組合は49級船を二隻所有して、各地の港までの貨物運搬と、各港からのトラックによる陸上運搬をしていた。
現在の芝大三会長が、極道社会の看板は背負っているが、一切の極道稼業からは身を引いて、運送業に専念していた。
曲がったことの嫌いな昔堅気の経営者であり、、組員全員を堅気として,正業である運送業務に従事させていた。
芝運送協同組合の実務は跡目を継いだ、芝大三の独り息子の芝隆一が運営して、社員数も50人の中小企業であった。
芝浦桟橋に事務所を構えていたので、貸倉庫業も併設したいたが、、その貸倉庫に於いて問題が起きた。
船舶運送もしていたので、注意はしていたが、預かった貨物の中に違反物が見つかり、警視庁特別捜査班の捜査が入ったのである。
警視庁特捜班の明智浩二警部が尋ねて来て、、、事務所にいた芝大三会長が対応した。
「どうも、、ご無沙汰しています、、実は垂れ込みがあったので、、調査に来ましたので、宜しくお願いします、、」
と、挨拶をしながら事務所に入ってきたのである。
「おう、、暫くだね、、あんたが来ると碌なことが無いからな、、ところで、用向きはなんだね、、」
と、芝大三はぶっきらぶに聞いてきた。
「実は、会長、御社の貸倉庫業で、密輸品の覚せい剤を扱っているという、、垂れ込みがありましてね。。」と、質問してきたので、、
「馬鹿野郎、、そんなデマを信じて、調べに来たのか、、やってる訳がないだろう、、」
と、怒鳴り返された明智警部であった。
「そうですよね、、すいません、、警視庁に連絡があったので、、一応、念の為に確認させてください。。」と、頭を下げたので、倉庫内の検査を許した芝大三会長であった。
「会長、ところで、隆一は居ますか、、」と、、云われた芝会長は、、
「隆一は出かけているよ、、溜まり掛けの仕事なので明日には帰る筈だよ、、」と、、云いながら、倉庫に案内してくれた。
そして、垂れ込みの通りに、倉庫内から梱包された箱から、違法物のライフルが出てきたのであった。
芝会長ビックリして倉庫担当の大橋郁夫倉庫長から、事情を説明させた。
検査に入った明智警部も驚いた、、そして、困った表情を見せたのである。
2)芝会長、参考人として事情聴衆される
明智警部も密輸品である「ライフル」が20丁も出てきたので、一瞬戸惑った。
しかし、、垂れ込み通りにライフルがあったので。。「会長、、密輸品が倉庫にあった以上は、取り調べなくてはいけないので、、警視庁までご足労をお願いします、、、」
芝会長も慌てた、、、「おい、、大橋、、これはどういうことだ、、お前、しっかり、管理していたのではないのか、、、この始末をつけて於けよ、、」と、、云いながら、
芝会長は明智警部の促すままに、倉庫を後にした。
明智警部も心配して、、隆一に伝言を倉庫責任者の大橋に事付けて、芝会長と共に出ていった。
「会長、、何かの間違いか、、不手際があってのことであれば、いいのですが、、兎に角、今は一緒に警視庁特捜課に、出て来て、説明をして貰いますよ、、、」
と、、云いながら、、現役を引退した芝会長にはあくまで、参考人としての事情聴衆ですからと
心配をかけないようにと気遣いをしていた。
芝運送協同組合は列記とした運送会社であり、実績もあり、、警察当局も信頼して、何かと明智警部などは相談もしていたのであった。
ましてや、社長の隆一とは同級生でもあり、ガキの頃からの幼馴染で、親の居ない明智警部とは兄弟以上の付き合いをしていた。
そんなこともあって、隆一に会えば今回の件は解決すると、明智警部は思っていたのであるが、、芝運送協同組合には深い因縁の有る、、藤和興行(株)との絡みがあった。
藤和興行(株)は関東連合睦会の傘下の組織暴力団であって、芝運送協同組合の縄張りを狙っては、いろいろとが難癖をつけて来ていのるである、、
どうしても、芝運送協同組合の占用する岸壁と倉庫が欲しかったので、幾度となく「買収の話」が出ていた。しかし、、頑として芝運送協同組合は、その話を蹴っていたのであった。
藤和興行(株)の目的は分かっていた、、彼らグループの密輸基地にしたかったのである。
そんな、経緯を知っている明智警部は、ある程度は、今回も藤和興行(株)の仕掛けて来た、罠だとは理解しているが、、警察としては全てが証拠が一番であり、、やはり、目の前の現実で動かざるを得なかった。
それで,垂れ込みのあった倉庫の調査から始めて、芝会長の事情聴衆となったのである。
この事実を知った隆一は出張先から、会社には戻らず、、直に、その調査を始めた。
「やられたな、、、藤和興行(株)に、、」と、、思いながら東京へは戻った。
そして、隆一は明智浩二警部に連絡を入れた。
「おう、、浩二か、、嵌められたな、、今回の事は警察には任せておけないので、俺が直接調べて、犯人て突き出すからな、、お前ら、警察のやり方では、犯人が見つかっても,挙がるのは雑魚ばかりじゃ、、親父の事は宜しく頼むな、、」と、云って電話は切れた。
3)藤和興行(株)のそれからの攻めは激しかった。。。
芝運送協同組合のライフル密輸事件は、すぐに、藤和興行(株)に伝わり、、警視庁特捜課の捜査がが入ったことは拡散された、、しかし、今までの芝運送協同組合の実績からしたら、それではまだまだ、、警察介入で潰すことは出来ないことを知っている、藤和興行(株)の藤島社長は追い打ちを掛けたのだった。
芝運送協同組合の倉庫にライフルを持ち込んだ、人間を抹殺して、、その死体を芝浦桟橋の海に放置したのである、、、それも、芝運送協同組合の船舶を係留している岸壁に、浮かぶようにしての殺人であった。
その殺された人間は、もともと、芝運送協同組合で働いていた作業員「権蔵」であり、不始末をして会社を回顧されていた流れ者であった。
警察としては、その殺された「権蔵」の恨みによる犯行であり、、そのための殺人であると考えての捜査も始めた。
事情聴衆をされている「芝会長」も、参考人から容疑者に変わっての取り調べがされることに変わった。
明智警部は、、「会長、すいません、、上からの指示で、殺人容疑での取り調べもする様にと、、」なった旨を伝えた。
「ああ、、良いよ、、浩二、、この際だから、徹底的に調べてくれ、、、そうすれば無実だと分かる筈だから、、、気にするな、、」と、、芝会長は言ってくれた。
そして、、「浩二、、、頼みがある、、隆一にはこのことを詳しく、説明してやってくれ、、俺の事は心配するなと、、俺は安全な警視庁で、暫く休んでいるから、、」と、伝えてくれるように、、、
「分かった、、会長、、、俺もしっかり、、捜査するから安心してな、、」と、、云いながら、
明智警部も燃えた。
隆一と会うことは出来なかったが、、電話があった時に、その旨を伝えた。
そして、、「気を付けろよ、、、密輸と殺人事件だからな、、警視庁の追い込みも激しくなるから、慎重に、、掴まるなよ、、藤和興行(株)にも十分気をつけてな、、、」と、心配した明智警部であった。
4)警視庁特捜課も芝運送協同組合の密輸、殺人事件に本腰を入れての捜査に入る、、、
警視庁特捜課の合同会議で、大舘監理官から指示が出た、、「いいか、、今回の芝運送協同組合の密輸及び殺人事件は、必ず犯人を挙げるようにと、、柴田刑事部長からも厳命が下ったので、、みんな、頑張ってくれ、、」と、、、そして、、明智警部が別室に呼ばれた。
「明智警部、、、お前は今回の捜査から外れてくれ、、芝運送協同組合とは親戚同様なので、、上層部からの命令なのだ、、悪く思わないで欲しい、、」と告げられたのだった。
明智警部は文句を云いたかったが、、警察内部での命令指示は絶対的なものであり、、無駄な事と分かっていたので、引き下がった。
しかし、、内心は「馬鹿野郎、、誰が黙っているものか、、、腐れ、悪徳官僚警察官の言うことなど聞いていられるかってんだ、、ふざけるな、、」と、、云いたかったのである。
この時に明智警部は刑事感というか、、何か違和感を感じた。
そして、一人で捜査をすることにしたのであった。
更に、芝運送協同組合の隆一の弟分である、、光治に事付けを頼んだ、、、隆一に連絡を取って、明智警部に連絡することを、、、
警視庁の大舘監理官から指示を受けた浜田警部は、明智警部から引き継ぎ、芝運送協同組合の芝大三会長の取り調べを執拗に行った、、、警視庁の柴田刑事部長は、正業に励む芝運送協同組合の存在が目障りだったのである、、、「所詮は極道では無いか、、、看板を外さない芝運送協同組合を潰してやろうと、、機会を狙っていたのだった。
明を智警部は黒い噂の有る、柴田刑事部長の事だから、、更に陰の権力者からの根回しがあるのだろう、、
と、、考え、、その証拠固めをしようとしていた。
明智警部は警視庁留置所の警護の同僚から便宜を図ってもらい、、芝会長に会い、、事情を説明してから、、単独行動を開始した。
「芝会長、、暫く、辛抱してください、、辛いことがあったら、留置所の警護担当に話してください、、
良く、話してありますので、、どんなことがっても、会長は守りますからな、、隆一との約束なので、、
信じて待っていてください、、、」と、、明智警部は一時の別れを告げた。
その頃、隆一はもう一人の信頼の出来る弟分である、、「興信所をしている武」を訪ねていた。
5)隆一、動き出す
芝運送協同組合の密輸、殺人事件についての話を詳しく、警視庁特捜課の明智警部に聞かされた、隆一はその誤解を証明するために、一時、身を隠すことにしたのだった。
芝運送協同組合は「博徒」であり、その看板を掲げたままで運送業を営んでいるので、疑われても仕方がなかった。言い訳は聞かない筈で有り、、取り調べは厳しく追及されると思っていたので、、無実を証明
しなければと考えた隆一であった。
そこで、博徒時代の弟分で、今は神田須田町で「興信所」を開いている、須田武の事務所を訪ねた。
「あれ、、珍しいですね、、、兄貴、、どうしたんですか、、」と、、顔を出した芝隆一に、懐かしく抱き着いてきた。
「おう、、武、、元気だったか、、仕事は上手く行っているのか、、」と、、聞きながら、事務所の応接セットに腰を下ろした。
「いや、、相変わらずの貧乏興信所で、、アルバイトの引っ越し専門に、飯を食ってますよ、、恥ずかしい話ですが、、、」と、、云いながら、、突然訪ねて来た、隆一に何かあったなと、、察して、慎重に聞き返した。
「実は、武に頼みがあってな、、、」と、いいながら、、応接セットの他に机一つの部屋を見渡しながら、、散らかっている様子をみて、、武も苦労しているなと思った。
「武、、今でも調査は出来るか、、」と尋ねんがら、、埃だらけの机の上に、、「300万円」をおいて、云ったのである。
「兄貴に云われれば、、たとえ火の中、水のなかでもやりますよ、、、」と、、威勢のいい啖呵を吐いた。
「そうか、、武、、今回は命がけの仕事かも知れない、、まかり間違えれば、、命取りになるかもな、、いいか、、それでも、やるか、、」
と、、念を押された。
「分かりました、、、やりますよ、、、久しぶりに燃えるな、、兄貴、仕事は何ですか、、」
と、、乗り出す武であった。
仕事相手は「藤和興行(株)」の調査で、、後ろ盾には「関東連合睦会」がついている上での、早い話が「喧嘩」だ、それでもやるかと隆一は念を更に確認した。
それでもやると、武が覚悟を見せたので、事情を話した。
そして、武は準備をして、、、自分の下で動き、信用できる反ぐれ仲間を選び、、隆一に依頼された調査を始めた。
武の事務所は親が経営していた町工場の
後を受け継いで、事務所に改良したので、住まいもあった。
武もまだ、独り者で、心配する身内も居ないので、、、
「兄貴、此処は誰も知りませんから、、自由に使ってください、、、」と、、云って、引き受けてくれた。。これで戦闘開始だ、、隆一は心の中で呟いた。
「親父、、暫く、辛抱してくれよ、、必ず、、藤和興行の鼻を明かしてやるから、、、」
そして、祈った、、親父の無事を、、、
隆一は会社に残した信頼出来る「光治」に連絡を取り、、会社の業務を頼み、随時、連絡するように、、
更に。警視庁特捜課の明智警部にも託を頼み、、警視庁の留置所にいる間は、誰の差し入れも受け取ったり、食べないようにと、、
また。会社の番頭である榊原重吉爺さんにも、伝言を託した。
全ての連絡は弟分の「浩治」が取ることを伝えたのである。。情報漏れを防ぎ、早急に藤和興行の尻尾を掴んでやろう考えていた。
6)須田武興信所は藤和興行(株)を調べる
武は隆一に云われた通りに、藤和興行の現在の内情を探るため、自分の息の掛かった、反ぐれ仲間を動かした、、、そして、どんな情報でも集めて来るように指示を出し、、武の元にあらゆる分野の情報が集まった。
その情報に対して、、金に困っている奴や、詰っている奴らに、一つの情報に武は「3万円」づつを払っていった。
価値のあるネタには「5万円」とか、中には「10万円」を払っていったのである。
その情報集めの話は、、藤和興行にも伝わった。
そこで、須田武興信所にクレームが入ったのである。
武と隆一はある程度は藤和興行(株)でも、調べていることが分かれば、対応はして来るだろうと予測をしていたので、、隆一は隠れ家を移していた。
案の状、藤和興行(株)の山田参与幹部が二人の配下を連れて、訪ねて来て、須田武に面会を求めて来たのだった。
「御免なさいよ、、、須田さんですか、、何かうちの会社を調査しているようですが、、目的はなんですか、、場合によっては名誉棄損で訴えますので、、、」
と、、斬りこんで来た。
やくざ特有の脅しで、、凄みを聞かせて来た、、、、
「はい、、私が須田ですが、、私というほどの者ではないですが、、それが、どうかしましたか、、、世間一般の身上調査ですよ、、、」
軽く、挨拶をしたのである、、、
「そうですか、、、少々、やり過ぎる気がするけど、、気を付けて下さいよ、、余り酷い調査だと、、こっちも考えますから、、」と、啖呵気味な言い方をしたので、、、
「あんたちの、藤和興行に怖くて、逆らえないですよ、、あんたの有名なやくざ会社の週刊誌の取材ですので、、そんな間違った報道はしませんよ、、」と、、云いながら、
武は本音は「舌」を出していた。今に見てろよ、、お前らの弱点を見つけてやるからな、、、と、、下でに出て、すこしだけ煽てて置いた。
武は常に兄貴分の隆一に報告をしていた。
「武、、注意してな、、、慎重に行動しろよ」と、、心配されたが、、
武は動かしている反ぐれの兵隊たちに「はっぱ」を掛けた。
武は自分でも調べていた、、、殺された流れ者の正体を、、そして、殺した奴を探したのである。。警察よりも早く見つけてやろうと、、毎日、聞き込みを続けた。
そして、反ぐれ達には、、絶対扱っている筈の「覚せい剤」の流れ、、藤和興行が関連しているクラブの「秘密売春ルート」を探らしていた。
その間に隆一は藤和興行(株)の会社謄本や関係不動産の登記簿謄本を挙げて、、綿密に調べた、、、役員構成や不動産謄本からの所有者を徹底的に見直したのであった。
その中に面白い役員や、土地所有者が浮かんで来た。
7)藤和興行(株)の会社や土地謄本に出てくる人物は、、、
隆一が取り寄せた会社謄本や、不動産登記簿謄本に記載されている人物が一人いたのを隆一は見つけた。
全て、抵当権権利者だった。隆一が考えるには、おそらく「金融業者」だろうと、、、彼らの金種もとであり、、大きな権限を持っているに違いない、、と思い、、隆一は調べてみた。
その男は「近藤雄之助」と言い、、彼の経営する会社は「近藤金融株式会社」と、、登記されていた。
所在地は山梨県甲府市にあり、、隆一は参考の為にと、確認のために訪れた。
まるで戦国武将の館のような、、武田信玄を彷彿させるような立派な構えの屋敷だった。屋敷は武田神社の近くで、屋敷を見ただけで近寄りがたかった、、、一口で言えば平城といった感じであった。
隆一は来たついでなので、、近藤雄之助なる人物を地元、甲府で調べて分かったことは、、大口の金貸しで、全国のやくざであろうと、、金になる会社、人間には貸し付けをしていた。
取り立ては厳しいが、、担保さえあれば、、時には政治的な絡みでも、大金を融資していたのである。。
日本全国の悪行商法の銀行のような役割を果たしていた、、法律には触れていないので、誰も文句は言えなかった。
地元で調べて分かったことは、、藤和興行が岸壁及び岸壁倉庫を欲しい理由が分かって来たのである。
藤和興行(株)の組織を拡大してきたために、資金稼ぎを考え、、現在、扱っている覚せい剤や銃密売の基地が欲しかったのであった。
そのために、芝運送協同組合が保有する、東京都内の芝浦桟橋岸壁が、何としても欲しかったのである。
そして、仕掛けて来た「密輸事件の偽装」「殺人事件」であり、、国家権力を利用して、合法的に略奪しようとしてきたことを、隆一は腹の底から、怒りが湧きたった。
そんなことを考えながら、、木枯らしが吹く甲州路を旅しながら、東京へ戻った。
東京の夜の冬空の星は綺麗に輝いていたが、、人間の下界の欲望の銭風は寒々しく、隆一は一人、空しく夜の新宿の街を歩きながら、、いつもの暖簾を潜った。
「あら、、隆ちゃん、、、暫くね、、元気だった、、」と、、
いつもの赤提灯「ぼんぼり」の小百合が声を掛けて来た。。。
「何か,元気ないね、、、大丈夫、、」と、、気づかいもしてくれた。
「ああ、、腹減ったな、、なんか、腹に溜まるものを作ってくれないかな。。」
と云いながら、、寒い冬なのに、好きな冷たいビールを飲んだ隆一であった。
その晩は、腹ごしらえをして、隠れ家やに戻って、、考えた。
どんなことがあっても、藤和興行(株)の悪だくみを潰してやろうと、一人、作戦を練っていた。
そこへ、会社の弟分の「浩二」から連絡が入ったのである。
「兄貴、、明智警部から連絡があり、、どうしても会いたい、、」と、云ってきているので、、、「どうしますか、、兄貴、俺はあった方が良いと思うけど、、」と、聞いて来た。
それで隆一も会うことにしたのだった。
浩二の段取りで、場所と時間を決めて、会うことにしたのだった。
8)警視庁特捜課の明智警部と会う。。。
隆一は、警視庁特捜班の明智警部と、光治の段取りで会うことにしたのであった。
いくら、兄弟の様にしてたからと言っても、やはり、警視庁の刑事なので用心はした。そこで、芝運送の持ち船である「クルーザー」で、光治が明智警部を乗せて、隆一のいる岸壁まで行き、誰も予想出来ない海上での打ち合わせにしたのであった。
「ごめんな、、浩二、、こんな会い方で、、今は誰も信用できないので、、本当にごめんよ、、、」と、隆一は謝った。
「良いよ、、これぐらい用心しないとな、、、話というのは、、警察上層部で、、動きが可笑しんだ、、、どうも、、今回の密輸の件も、殺人の件も有耶無耶にするようなんだよ、、、なんか横槍が入ったみたいだ、、、」
「これ以上、捜査をしていくと、、藤和興行(株)にも余波が及ぶ危険があるので、、いつもの手で,、嫌疑不十分で不起訴にする様に、指示が出たみたいだな、、まったく、ふざけた話だぜ、、、」
「そうか、、警察の方は其れでいいかも知れないが、、俺の方はそうはいかない、、、」
と、、隆一は売られた喧嘩は買ってやるつもりでいたのである。
明智警部は、、、隆一に対して、、、「無理するなよ、、、会長も不起訴で釈放になるから、、穏便にな、、」と、、宥めたが、、、
隆一は収まらなかった、、、
此の明智警部の話で、、隆一は理解できた。しかし、此処までコケにされて、黙って指を咥えている訳にはいかなかったのであり、、これから先もまだまだ、、難癖を漬けてくるだろうと思い、、隆一はここで、決着付けて置こうと決めたのであった。
「浩二、、しばらかく、目をつぶっていて欲しい、、」と、、隆一は頼んだ。
そして、、隆一は浩二を送った。
これで、藤和興行は認めたのであった、、、今回の密輸偽装も殺人も、、隆一は浩二と分かれてから、、須田武と会った。
9)隆一は確信を得て、報復を考えた。。。。
隆一は警視庁特別対策課の明智浩二の話を聞き、藤和興行(株)の今回の仕掛けて来た罠に対して、確信を持ち、報復を考えた。
そこで、弟分の須田武と会い、、情報を確認したのである。
そして、、藤和興行(株)系列の反ぐれ集団「暁連合」の、リーダーである「甘木次郎」に狙いをつけて、、彼を監禁したのだった。
武の事務所で,事の次第を白状させたのである、、、なかなか、口を割らなかったが、所詮は反ぐれの中途半端な男だったので、ちょっとの拷問に耐えられなかった。
そして、芝運送協同組合の倉庫に、ライフル密輸入の箱を持ち込んだことも流れ者にやらせて、、その犯人を殺したのも、全て、藤和興行(株)の副社長原田幸三の差し金であることを吐いたのであった。
そこで、隆一は罠を仕掛けた、、、副社長原田幸三の行動を徹底的に調べて、彼の女に経営させているクラブ「花菱」を探し出した。
やくざが経営しているクラブであり、、監理売春の噂の有る店だったので、須田武の反ぐれ仲間に金を融通して、探らせた。
その反ぐれ「高田勇」は借金で首が回らくなっていたので、金で飛びついて、監理売春の事を調べてくれたのである。
武の指示で、動いた反ぐれたちは、女に付いた客を、、脅かして、売春の実態を写真で撮り、録音まで取ったのであった。
そこで、隆一は、警視庁特捜課の明智警部に情報を流して、管理売春取り締まり法で、家宅捜査をして、、ついでに「銃刀法違反」「覚せい剤取り締まり法違反」で、藤和興行(株)のナンバー2を逮捕させたのであった。
次は藤和興行(株)社長の藤島藤蔵に狙いを付けて、隆一は準備をはじめた。
藤和興行(株)のナンバー2の原田幸三の逮捕で、警視庁刑事部長の柴田勇から、横槍が入って来た。。。藤和興行(株)に関しては、これ以上は関わらないようにと、、、
明智警部には注意指示が出たのであるが、、、
「何を云いやがる、、俺たちは何もしていないよ、、、あんたの指示通りにしているではないか、、、世の中の民意が勝手にしていることだから、、、ふざけるな、、」って
と、、明智警部は居直っていた。
まったく、、警視庁で知らないところでの動きでは無いかと、た、捜査担当の警察官は思っていた、、、陰では拍手喝さいを送っていたのである。
10)藤和興行(株)の社長、藤島藤蔵の反撃、、、
藤和興行(株)の藤島藤蔵社長は、警視庁刑事部長である、柴田勇の仲立ちで、矛を収めようとしていた時に、副社長の原田幸三の逮捕で、怒りを露わにして、牙を剥いてきたのであった。
上部団体の「関東連合会睦会」からも、藤和興行(株)にクレームがついた。
藤島藤蔵社長に対して、、睦会若頭大鳥準之助から、、「馬鹿野郎、、何、嘗められたことをしてゃがるんだ、、、始末を付けろよ、、、あの岸壁は何があっても手に入れろ、、、いいか、、これは厳命だから、わかったな、、」
と、、云われたので、藤島藤蔵は慌てた。
ナンバー2は逮捕される、、上部団体からは厳命されるで、、大ピンチに陥ってしまった。
頼る筈の「睦会」からは、半ば絶縁状状態の言い渡しがされたので、、破れかぶれではあるがやる気で、喧嘩するしかないと覚悟を決めた。
やくざ世界では「駄目になると」見放されるのであった。どんなに今まで,貢献していても、切り捨てられるのが定めの様だ、、、
藤和興行(株)の藤島藤蔵は幹部連中を集めて、、作戦を練ったのであるが、、いい知恵は浮かばなかった。
幹部の一人で武闘派の武田公助が、、、「こうなったら、、芝運送協同組合の芝隆一を執ることを決めたのであった
11)隆一、、狙われる。。。
藤田興行は追い込まれていた、、資金もとである、、甲府市の「近藤金融株式会社」の近藤雄之助から、、関東連合会睦会にも問い合わせが入っていた。資金の回収は大丈夫なのかと、、、
そんなこともあって、睦会としては計画通り進んでいないので、藤和興行(株)に圧力と催促を掛けて来たのであった。
藤和興行(株)としては猶予が無く、、喧嘩してでも、強引に岸壁を手に入れなければならなくなった、、、
そこで、責任者である芝隆一を狙ったのである。
藤和興行の武闘派、武田公助は力づくで、、須田武の指示で動いていた、、反ぐれを探した。
的に絞られ、、強引に監禁されたのが「高田勇」だった、、武田公助の拷問は凄く、武田公助の事務所で、、攻められた、、、そして、、須田武に頼まれたことを吐いてしまったのである。
そこで、:武田公助は配下のやくざ者たちに、須田武を張り込ませて、捕まえた、、、武田公助のやり方は兎に角、捕まえて、監禁して、拷問をするこであった。
その話、、、須田武が藤和興行の武田公助に捕まり、監禁されていることを知った、隆一は、武田公助の事務所に単身、乗り込んだ。
「ごめんよ、、武田さんはいるかな、、、居たら、、出て来いよ、、芝隆一が来たと、、」伝えて
くれ、、、
そして、あんたが預かっている、須田武を出して貰おうか、、、」と、、啖呵を切ったのである。
「おう、、、よく来たな、、隆一、、俺が武田だ、、」と、、奥の部屋から出て来た。
「須田武は返して貰おうか、、、俺が来たんだから、、文句はあるまい、、」と、、云っているところへ、、配下のやくざ者が須田武を連れて来た。
「よかろう、、返してやるよ、、強情な奴だよ、、一言もしゃべらなかった是、、大したもんだよ、、」と、、血だらけになった武が連れて来られた。
「武田、、俺に用事があるんだろう、、武は放せ、、いいか、それからだぜ話は。。」と、云うと、、武田公助も武闘派で慣らしている男だったので、、、
「分かった、、放してやれ、、、」と、、云われて、武はよろよろと隆一の傍に歩いていった。
「武田、、、俺も極道の看板を出しているので、、逃げ隠れはしない、、今日の所は、あんたと
の喧嘩を一日だけ待ってくれないかな。。。」と、、隆一は武の怪我を見て、頼んだのであっ
た。
武闘派の武田は、、隆一が一人で来たことに、、、、「分かった、、隆一、お前が一人で乗り込んできたことで、、一日だけは、お前の命を伸ばしてやるよ、、、逃げるなよな、、」
と、、言って、隆一は武を連れて、外へ出た。
血だらけの武を背蔽って、芝運送協同組合の事務所に戻った。
出迎えた「幸次」たちは、二人を事務所の中に入れた。外は寒い冬のなので、、暖房の聞いた部
屋で,幸次たちは。武の応急処置をした。
隆一は「武、、済まなかった、、口を割れば、こんなに怪我をしなかったのに、、本当に済まなかったな、、、応急処置が済んだら、、いつもの大場医院に連れて行き、手当をして貰え、、」と、、幸次に告げた。
12)隆一は約束通りに、武田公助との待ち合わせ場所に向かった、、、
翌日、隆一は芝浦桟橋で、明け方、立ち向かい、決闘を始めた。。。明け方の寒い冬の岸壁だった、、武田公助が二本の白鞘を用意して待っていた。
「隆一、、逃げずに、よく来たな、、、俺は個人的には何の恨みも無いが、、組の明暗に関わ
り、俺の禄でもない親分だが、、これも義理ある渡世なので、、行くぜ、、」と、、
一本のドスを隆一に渡して、斬りかかって来た。
暫く、斬り合いが続いたが、、なかなか,勝負がつかなかった、、、
「隆一、、お前もやるな、、、」と、、二人は斬り合いをしていた。
そこに、、「武田の兄貴、、助太刀するぜ、、、」と、2人の配下のやくざが襲って来た、、
「馬鹿野郎、、引っ込んでろ、、手をだすな、、」と、、武田公助が怒鳴りつけた。
そして、、一台の車が近づき、、藤和興行(株)の藤島藤蔵が降りて来て、、、
「武田、、、何をしているんだ、、、やくざとか恰好付けないで、、隆一を殺せや、、」と、、言いながら拳銃を撃ったのであった。
討たれた隆一は倒れた、、、武田公助が「何をしやがる、、汚いぞ、、やめろ、、」
と云いながら、藤島藤蔵は向かってくる、武田公助も撃ったのである。
討たれた武田公助はヤクザでも豪の者であり、、撃たれながら、、藤島藤蔵を斬り殺した、、そして、、「隆一、、済まなかった、、、まだまだ、、お前の岸壁を狙っている奴らが居るから、、気を付けろ、、」と、、言いながら、絶命した。
そして、、最後に「隆一、、俺の所の二人、寛治と誠二を頼む、、」と、、言って。。
二人の寛治と誠二は、、この場は始末しておきますので、、とりあえず、逃げてください、、と云われて、隆一はその行為に甘えた。
13)警視庁特捜課の明智警部が知らせを持って、
朝早くから、警視庁特捜課の明智警部が血相を変えて、飛んで来た、、、
「おはよう、、、ビックニュースだよ、、、藤和興行の藤島藤蔵が仲間うちのトラブルから、参与幹部の武田公助に殺されたよ、、、武田も撃たれて死んだらしい
慌てて、芝運送協同組合の事務所に飛びこんで来た。
しかし、藤和興行は上層団体の関東連合会睦会が直接に引き継いでいくというらしい、、、
「隆一、、睦会はお前の芝浦桟橋の岸壁と倉庫の利権は諦めそうにないぞ、、、厄介になった
な、、」と、、明智警部は心配してた。
「睦会は東京都内にある、芝浦桟橋の岸壁が欲しいらしい、、、巨大組織の関東連合会としては資金調達の為の密輸基地を確保したいので、、これからは「牙を剥き出して」攻めかかって来るからな、、本当に用心しろよ、、、」と、、、真剣に心配したのであった。
「分った、、ありがとう,、浩二、、、」用心することに心掛けた。
そして、、本当に「不味い、、」と、、考えた。
芝運送協同組合としてのガードを固めないと、、潰されてしまうかも知れないと、、真剣の思っ
た。今回の事件で、迷惑を掛けて、、怪我をさせた須田武を、隆一は芝運送協同組合に入って
貰った。
頼り甲斐もあり、信頼も出きるので、、、頼んで、自分の傍にいて貰った
そして、彼が信頼する反ぐれ仲間も連れて来て貰い、芝浦倉庫の管理と警護を頼んだ。
更に、武田公助に頼まれた二人のやくざ者、、「寛治と誠二」の二人を引き取り、芝運送協同組合の本社事務所の警護を任せたのであった。
武田公助の若衆であっただけに、筋を通す男として信じて、二人は隆一の付き人となり、、いつもどちらかが、警護していた。
そして、隆一の弟分の幸次も、、本社で指示する隆一に代わり、、外交をする様になった。
とにかく、少数精鋭で、慎重に仕事を進めた。常に関東連合会睦会との闘いを警戒して、、
日々、注意していった。
それでも攻める方が有利であり、、守ることは難しかった。
14)隆一、、覚悟を決めて闘う、、
藤和興行に代わって、前面に睦会が出てきたのであった。当たり前のような顔をして、喧嘩を
売って来たが、、噂だけでは手の打ちようがなかった。警察としては指を咥えて、見ているしかなかった、、、芝運送協同組合としては、守りを固めるより仕方がなく、社員一同で踏ん張っていた。
そして、警視庁特捜課の明智警部も心配しのように顔を出してたのである、、、
「浩二、、大丈夫だよ、、そう簡単には潰されないから、、相手が大きくても、負けはしない、、心配してくれて、ありがとう、、」と、いつも言いながら、、浩二は飯を食って、帰っていった。
心配してくれる、浩二に感謝していた。
しかし、関東連合会睦会は絡めてからせめてきたのだった。
権力と暴力を使って、芝運送協同組合の取引先に圧力をかけて来た、、暴力で邪魔をして、権力を利用して、、運送関係の規制に制限を掛けたりしてきたのであった。
権力は政治家や高級官僚の法制規制や決まりを盾に取り、、圧力をかけたきたのであった。
そして、睦会関連の運送業者を使わなければ、出来ない仕組みに仕上げて、芝運送協同組合に加盟していた、中小企業の運送業者を追い込んでいった。
その為に、芝運送協同組合の仕事が回らなくなり、、依頼会社からクレームが出て、、仕事がほとんど止まった状態になってきたのであった。
しかし、極道時代からの取引のある運送会社は、芝運送協同組合を離れなかった、、ありがた
く、、隆一は大事にしていった。
苦しくても、、みんなが、仲間が辛抱してくれて、どうにか踏ん張っていた。
「隆一さん、、頑張ってください、、俺たちは昔から、海の権蔵時代から、、世話に成って来て
いるので、、これからも、頑張りますから、、よろしく、お願いします、、」と、、励ましてく
れた。。。
そして、、睦会の嫌がらせは激しくなり、、からめ手が駄目ならと、、権力者の力を利用して、
法的手段で攻めて来たのであった。
岸壁を利用するなら、、船舶への積み込み、設備の不備を訴えて、行政サイドからの圧力をかけたきたのであった。
その為には「資金」が必要であり、、隆一は困った。
15)隆一は感謝した、、父、芝大全の凄さに、、
隆一は関東連合会睦会の政治的な繋がりの圧力に捻じ曲げられそうになったいた。
なんの世界でも「金の力」とそれに繋がる「権力」は凄い、、法律を作り、、行政を正当化して、捻じ伏せてしまうのだから、、恐ろしい。。。
それに対抗するには「金」が必要だった。。。困った息子、隆一を助けたのは。父、大三であった
「隆一、、、今回の設備にはいくら必要なのだ、、、」と、、聞いてきたから、、、
「会長、、行政の指導通りの設備には,,約5億円はかかりますよ、、、とても、そんな資金は用意できません、、参りましたよ、、、今回の嫌がらせには、、、」と、、言いながら、、何とか
工夫をしようとしていた隆一であった。
「分かった、、2,3日待ってろ、、、」と云いながら、、「浩二を借りるぞ、、」と、言って出
かけた。
そして、帰って来た大三会長は、、「隆一、、金は出来た、、心配するな、、設備工事や設備を始めろ、、
男なら、:でっかい喧嘩をしろよ、、」と、、現金を用意してくれた。
大三会長の話だと、、昔、命を救った男が、今は北海道で「北の金融王」と云われており、、訳を話したら、何も言わずに、今、自分があるのは大三親分のお陰だと、用立てしてくれたとのことであった。
「義理と恩義」の分かる人が、今の時代に居たのであった。
特に、関東連合会睦会に命を狙われ、助けてもらった恩義は死んでも忘れません、、、と、、隆一は感謝した。
父、大三にも心から感謝したのであった。
そして、芝浦桟橋に行政の指導の下に、法律に合致した港湾設備ができあがり、、、芝運送協同組合には事業会社からの仕事が直接に入って来た。
隆一たちの踏ん張りで、運送業務は元通りに動き出した。
これを見て、困ったのは関東連合睦会であった、、、甲府の伊藤金融からの取り立てがきびしくなった
16)関東連合会睦会は窮した、、、
芝運送協同組合は資金調達も出来て、港湾設備も行政の指導通りに完成たので、港湾事業及び海運、陸上運送共に順調に動き出した。
絡めてから攻めて、芝運送協同組合を締め出そうとしていた、、関東連合睦会関連の運送会社の目論見は外れて、、借り入れした多額の資金運営が旨く行かなくなり、、窮地に陥っていた。
何がなんでも、欲しい「芝運送協同組合」の芝浦桟橋と岸壁倉庫であった。
関東連合会睦会の傘下である「芝桜会」が悪だくみを企て、、、船舶の輸送だけでも止めてやろうと、、画策をしていた。
そして、芝桜会の権蔵組合に圧力をかけたり、、労働賃金を挙げたりして、、邪魔をして来た。
船舶での荷役には、どうしても「権蔵」の手が必要であり、、クレーン作業ではあっても、、「玉掛」などに居ないと困るのであった。
そんな邪魔が度重なると、、荷役作業が遅れ、、依頼主からもクレームが付いた。
そこで、現場責任者でもある、、浩二が新しい権蔵を探したり、、臨時の人夫を探して来たり、忙しかった、、、然し、根を挙げずに頑張っていた。
そんなある日、芝浦桟橋の港湾荷役で事故が起きた、、、手が足りなかったので、現場責任者の浩二も玉掛の仕事を手伝っていた。。
その時に事故が起きたのであった。その時のクレーン作業で、クレーン操作を誤り、、空のコンテナが移動中にロープが外れて、落下して、、其の下敷きになった浩二であった。
即死であり、、知らせを聞いた隆一は、芝浦桟橋の現場に飛んで行つたが、、すでに、浩二は息が切れていた。。
「くそ、、」と言いながら隆一は、浩二の傍に行き、抱き上げた。
余りにも突然の事なので、、その時は呆然として、何も出来なかった。
後で分かったことでは在るが、、故意にコンテナを吊り上げていたロープが切れるように細工がしてあったのであった、、、警視庁特捜班の明智警部補の調べで分かった。
彼が言うのには「浩二は殺されたのだ、、事故では無く、殺人事件として、、徹底的に捜査してやるからな、、」と、、言ってくれた。
隆一も怒りを覚えた、、悔しかった、、、証拠を見つけて、この報復はしてやると、、誓ったのである。
どんなことが会っても、許せない、、「絶対に許さない、、間違いなく、睦会の仕業と、、」隆一は思っていた。
証拠など関係なく、、今すぐにでも、睦会に乗り込み、浩二の仇を討ちたかった、、然し、今は会社企業であり、社員たちがいるので、それは出来なかった。
幼馴染の警視庁特捜班の明智警部に任せた、、、然し、拉致が行かなかったときには、、隆一は覚悟を決めていた。
亡くなった浩二の為にも踏ん張って、やろうとも決心した隆一であった。
17)警視庁特捜課に横槍が入る、、、
警視庁特捜課の明智警部は、今回の芝運送協同組合の、コンテナ墜落事故を捜査して、証拠固めもして立件しようとしていたら、、警察上層部から横槍が吐いたのである、、、今回の事故は「証拠不十分」により、「不起訴処分」となり、、「事故扱いで」決済されてしまった。
明智警部は怒った、、、「馬鹿野郎、、、故意にロープが斬られて証拠もあり、、殺人事件を事故だと、、ふざけやがって」明智警部は上訴部に怒鳴り込んでいった。
そして、、「こんな腐った警察なんか、、やってられねえーや、、馬鹿野郎、、、」と、喚いて、辞表を叩きつけて、警視庁を飛び出した。
冬の枯れ葉舞い散る、日比谷公園を通り抜け、、いつの間にか芝浦桟橋の芝運送協同組合に来ていた、
「隆一はいるか、、、」と、言いながら事務所に入って行った。
「どうしたの、、、怒り狂ったような顔をして、、、なんかあったのか、、」と、、隆一は心配した。
「隆一、、、俺を芝運送で、、使ってくれ、、、亡くなった浩二の代わりだ,、、幸次だからいいよな、、あ、、俺な警察、辞めて来たから、、何でも使ってくれ、、、用心棒でも何でもするか
ら、、」
と、、言いながら、、頼み込んで来た。
隆一は、、、幸次なら有難かった、、、「分かった、、最初は事務所で座って、いてくれ、、用心棒のようなもんだな、、、宜しくな、、、」と、、
気軽に受けた隆一であった。
関東連合会睦会や芝桜会の反ぐれが相手なので、、幸次は頼もしかったので、、助かったのは隆一であった。
これから、押し寄せる荒波を返さなくてはいけないのだ、、、だからと言って、喧嘩をするのではなく、、あくまでも降りかかる火の粉は払う心構えだった。
そして、防御だけはしっかりして、、襲ってくる巨悪な渦に対抗して、、「法的な処理で」で抹殺してやろうと考えたいた。
あくまでも守りであり、、攻めてくる相手を、政治的な圧力を仕掛けても、悪徳官僚の罠に嵌らないように、攻めてくる敵を抹殺してやろうと、隆一も罠を張り葎していた。
武器は「民意」であり、、報道関係を駆使していく方針であった。
その為には我慢、辛抱が必要であり、、どんな痛みに身にも耐えていく覚悟したのであった。
18)関東連合会睦会の傘下の「芝桜会」が止み雲に、、、
本部の目論見であった、、芝浦桟橋岸壁とヤード倉庫の買収または抗争に寄る、「奪還」が出来ない今は、、何としても「手段」を選んではいられなかった。
芝運送協同組合を殲滅するほかに方法が無かった、、暴力団の最後の武器である「暴力」で、奪い取る道しか残されていなかった。
暴力的な嫌がらせは、、其の頻度を増して来た、、岸壁に駐車してるトラックへ悪戯、、タイヤのパンクだけならいいが、、燃料タンクへ「さとう」の投入や、岸壁に止めてある建設機械やクレーンの作動油の所へ、水を投入された。
その為の防備として、、燃料タンクに鍵を付けたり、、重機の鍵を二重にしたり、、いろいろ工夫をしていた。
門扉を頑丈にして、監視のための警備員も増やした。。。
それでも、、悪戯をされても、現場を押さえなければ、、「現行犯」でなければ警察も動けなかった。監視カメラも設置したが、、旨く,躱されていた。
そんな中で、会長芝大三が、隆一の姿を見ていて、、老骨に鞭打って動いてくれた。
隆一には黙って、、元警視庁刑事の浩二を連れ出した、、、
息子の隆一には、まだ、不慣れでいる、、幸次を杖代わりに借りだしての、、「腰痛の湯治」であった、、隆一も苦労掛けている親父なので、、幸次を付けて行かせた。
実際は北海道の「北の金融王」と云われる、、熊田信三の元を訪ねていた、、、付き添う、幸次
には理由は言ってあったので、、幸次は黙って、しっかりガードしようと覚悟決めて、付き添って来た、、、どんな邪魔が入るか分からないので、、、
そして、北海道に付き、、熊田信三宅を訪れた。
「信三さん、、度重なる頼みで、済まないが、、これは俺の最後の頼みになると思うので、、
何とか、力を貸して欲しい、、」と、詳細を、述べて、大三は頭を下げた。
「会長、、頭を挙げてください、、私が今あるのは、全て、会長に命を助けて貰ったからなのです、、、会長、私のすべてをかけて、、今回の依頼は、間違いなく引き受けました、、どうか、、安心してください、、」と、、言ってくれたのであった。
大三に付き添い、立ち会った、幸次は改めて「大三会長の男気」を見直した、、これだけのことが頼めるからには、余程の命がけの事をしたのだろうと思った。
男というものは普段の心がけ、行動がいかに大事か、、そして、命がけで生きなければならないと、、中途半端ないい加減な生きざまは飛んでもないと知らされた幸次であった。
19)北の金融王、、動く、、、甲府へ、、、
1)江戸時代からの火消し組合「芝一家」
東京都港区芝浦に江戸時代からの火消し組の流れを組む博徒一家の「芝運送協同組合」
が芝浦倉庫の一角に事務所を構えたいた。
東京湾に臨む倉庫事務所で、春から夏にかけては海風の清々しい、港湾業務にはもってこいの場所であった。
芝運送協同組合は49級船を二隻所有して、各地の港までの貨物運搬と、各港からのトラックによる陸上運搬をしていた。
現在の芝大三会長が、極道社会の看板は背負っているが、一切の極道稼業からは身を引いて、運送業に専念していた。
曲がったことの嫌いな昔堅気の経営者であり、、組員全員を堅気として,正業である運送業務に従事させていた。
芝運送協同組合の実務は跡目を継いだ、芝大三の独り息子の芝隆一が運営して、社員数も50人の中小企業であった。
芝浦桟橋に事務所を構えていたので、貸倉庫業も併設したいたが、、その貸倉庫に於いて問題が起きた。
船舶運送もしていたので、注意はしていたが、預かった貨物の中に違反物が見つかり、警視庁特別捜査班の捜査が入ったのである。
警視庁特捜班の明智浩二警部が尋ねて来て、、、事務所にいた芝大三会長が対応した。
「どうも、、ご無沙汰しています、、実は垂れ込みがあったので、、調査に来ましたので、宜しくお願いします、、」
と、挨拶をしながら事務所に入ってきたのである。
「おう、、暫くだね、、あんたが来ると碌なことが無いからな、、ところで、用向きはなんだね、、」
と、芝大三はぶっきらぶに聞いてきた。
「実は、会長、御社の貸倉庫業で、密輸品の覚せい剤を扱っているという、、垂れ込みがありましてね。。」と、質問してきたので、、
「馬鹿野郎、、そんなデマを信じて、調べに来たのか、、やってる訳がないだろう、、」
と、怒鳴り返された明智警部であった。
「そうですよね、、すいません、、警視庁に連絡があったので、、一応、念の為に確認させてください。。」と、頭を下げたので、倉庫内の検査を許した芝大三会長であった。
「会長、ところで、隆一は居ますか、、」と、、云われた芝会長は、、
「隆一は出かけているよ、、溜まり掛けの仕事なので明日には帰る筈だよ、、」と、、云いながら、倉庫に案内してくれた。
そして、垂れ込みの通りに、倉庫内から梱包された箱から、違法物のライフルが出てきたのであった。
芝会長ビックリして倉庫担当の大橋郁夫倉庫長から、事情を説明させた。
検査に入った明智警部も驚いた、、そして、困った表情を見せたのである。
2)芝会長、参考人として事情聴衆される
明智警部も密輸品である「ライフル」が20丁も出てきたので、一瞬戸惑った。
しかし、、垂れ込み通りにライフルがあったので。。「会長、、密輸品が倉庫にあった以上は、取り調べなくてはいけないので、、警視庁までご足労をお願いします、、、」
芝会長も慌てた、、、「おい、、大橋、、これはどういうことだ、、お前、しっかり、管理していたのではないのか、、、この始末をつけて於けよ、、」と、、云いながら、
芝会長は明智警部の促すままに、倉庫を後にした。
明智警部も心配して、、隆一に伝言を倉庫責任者の大橋に事付けて、芝会長と共に出ていった。
「会長、、何かの間違いか、、不手際があってのことであれば、いいのですが、、兎に角、今は一緒に警視庁特捜課に、出て来て、説明をして貰いますよ、、、」
と、、云いながら、、現役を引退した芝会長にはあくまで、参考人としての事情聴衆ですからと
心配をかけないようにと気遣いをしていた。
芝運送協同組合は列記とした運送会社であり、実績もあり、、警察当局も信頼して、何かと明智警部などは相談もしていたのであった。
ましてや、社長の隆一とは同級生でもあり、ガキの頃からの幼馴染で、親の居ない明智警部とは兄弟以上の付き合いをしていた。
そんなこともあって、隆一に会えば今回の件は解決すると、明智警部は思っていたのであるが、、芝運送協同組合には深い因縁の有る、、藤和興行(株)との絡みがあった。
藤和興行(株)は関東連合睦会の傘下の組織暴力団であって、芝運送協同組合の縄張りを狙っては、いろいろとが難癖をつけて来ていのるである、、
どうしても、芝運送協同組合の占用する岸壁と倉庫が欲しかったので、幾度となく「買収の話」が出ていた。しかし、、頑として芝運送協同組合は、その話を蹴っていたのであった。
藤和興行(株)の目的は分かっていた、、彼らグループの密輸基地にしたかったのである。
そんな、経緯を知っている明智警部は、ある程度は、今回も藤和興行(株)の仕掛けて来た、罠だとは理解しているが、、警察としては全てが証拠が一番であり、、やはり、目の前の現実で動かざるを得なかった。
それで,垂れ込みのあった倉庫の調査から始めて、芝会長の事情聴衆となったのである。
この事実を知った隆一は出張先から、会社には戻らず、、直に、その調査を始めた。
「やられたな、、、藤和興行(株)に、、」と、、思いながら東京へは戻った。
そして、隆一は明智浩二警部に連絡を入れた。
「おう、、浩二か、、嵌められたな、、今回の事は警察には任せておけないので、俺が直接調べて、犯人て突き出すからな、、お前ら、警察のやり方では、犯人が見つかっても,挙がるのは雑魚ばかりじゃ、、親父の事は宜しく頼むな、、」と、云って電話は切れた。
3)藤和興行(株)のそれからの攻めは激しかった。。。
芝運送協同組合のライフル密輸事件は、すぐに、藤和興行(株)に伝わり、、警視庁特捜課の捜査がが入ったことは拡散された、、しかし、今までの芝運送協同組合の実績からしたら、それではまだまだ、、警察介入で潰すことは出来ないことを知っている、藤和興行(株)の藤島社長は追い打ちを掛けたのだった。
芝運送協同組合の倉庫にライフルを持ち込んだ、人間を抹殺して、、その死体を芝浦桟橋の海に放置したのである、、、それも、芝運送協同組合の船舶を係留している岸壁に、浮かぶようにしての殺人であった。
その殺された人間は、もともと、芝運送協同組合で働いていた作業員「権蔵」であり、不始末をして会社を回顧されていた流れ者であった。
警察としては、その殺された「権蔵」の恨みによる犯行であり、、そのための殺人であると考えての捜査も始めた。
事情聴衆をされている「芝会長」も、参考人から容疑者に変わっての取り調べがされることに変わった。
明智警部は、、「会長、すいません、、上からの指示で、殺人容疑での取り調べもする様にと、、」なった旨を伝えた。
「ああ、、良いよ、、浩二、、この際だから、徹底的に調べてくれ、、、そうすれば無実だと分かる筈だから、、、気にするな、、」と、、芝会長は言ってくれた。
そして、、「浩二、、、頼みがある、、隆一にはこのことを詳しく、説明してやってくれ、、俺の事は心配するなと、、俺は安全な警視庁で、暫く休んでいるから、、」と、伝えてくれるように、、、
「分かった、、会長、、、俺もしっかり、、捜査するから安心してな、、」と、、云いながら、
明智警部も燃えた。
隆一と会うことは出来なかったが、、電話があった時に、その旨を伝えた。
そして、、「気を付けろよ、、、密輸と殺人事件だからな、、警視庁の追い込みも激しくなるから、慎重に、、掴まるなよ、、藤和興行(株)にも十分気をつけてな、、、」と、心配した明智警部であった。
4)警視庁特捜課も芝運送協同組合の密輸、殺人事件に本腰を入れての捜査に入る、、、
警視庁特捜課の合同会議で、大舘監理官から指示が出た、、「いいか、、今回の芝運送協同組合の密輸及び殺人事件は、必ず犯人を挙げるようにと、、柴田刑事部長からも厳命が下ったので、、みんな、頑張ってくれ、、」と、、、そして、、明智警部が別室に呼ばれた。
「明智警部、、、お前は今回の捜査から外れてくれ、、芝運送協同組合とは親戚同様なので、、上層部からの命令なのだ、、悪く思わないで欲しい、、」と告げられたのだった。
明智警部は文句を云いたかったが、、警察内部での命令指示は絶対的なものであり、、無駄な事と分かっていたので、引き下がった。
しかし、、内心は「馬鹿野郎、、誰が黙っているものか、、、腐れ、悪徳官僚警察官の言うことなど聞いていられるかってんだ、、ふざけるな、、」と、、云いたかったのである。
この時に明智警部は刑事感というか、、何か違和感を感じた。
そして、一人で捜査をすることにしたのであった。
更に、芝運送協同組合の隆一の弟分である、、光治に事付けを頼んだ、、、隆一に連絡を取って、明智警部に連絡することを、、、
警視庁の大舘監理官から指示を受けた浜田警部は、明智警部から引き継ぎ、芝運送協同組合の芝大三会長の取り調べを執拗に行った、、、警視庁の柴田刑事部長は、正業に励む芝運送協同組合の存在が目障りだったのである、、、「所詮は極道では無いか、、、看板を外さない芝運送協同組合を潰してやろうと、、機会を狙っていたのだった。
明を智警部は黒い噂の有る、柴田刑事部長の事だから、、更に陰の権力者からの根回しがあるのだろう、、
と、、考え、、その証拠固めをしようとしていた。
明智警部は警視庁留置所の警護の同僚から便宜を図ってもらい、、芝会長に会い、、事情を説明してから、、単独行動を開始した。
「芝会長、、暫く、辛抱してください、、辛いことがあったら、留置所の警護担当に話してください、、
良く、話してありますので、、どんなことがっても、会長は守りますからな、、隆一との約束なので、、
信じて待っていてください、、、」と、、明智警部は一時の別れを告げた。
その頃、隆一はもう一人の信頼の出来る弟分である、、「興信所をしている武」を訪ねていた。
5)隆一、動き出す
芝運送協同組合の密輸、殺人事件についての話を詳しく、警視庁特捜課の明智警部に聞かされた、隆一はその誤解を証明するために、一時、身を隠すことにしたのだった。
芝運送協同組合は「博徒」であり、その看板を掲げたままで運送業を営んでいるので、疑われても仕方がなかった。言い訳は聞かない筈で有り、、取り調べは厳しく追及されると思っていたので、、無実を証明
しなければと考えた隆一であった。
そこで、博徒時代の弟分で、今は神田須田町で「興信所」を開いている、須田武の事務所を訪ねた。
「あれ、、珍しいですね、、、兄貴、、どうしたんですか、、」と、、顔を出した芝隆一に、懐かしく抱き着いてきた。
「おう、、武、、元気だったか、、仕事は上手く行っているのか、、」と、、聞きながら、事務所の応接セットに腰を下ろした。
「いや、、相変わらずの貧乏興信所で、、アルバイトの引っ越し専門に、飯を食ってますよ、、恥ずかしい話ですが、、、」と、、云いながら、、突然訪ねて来た、隆一に何かあったなと、、察して、慎重に聞き返した。
「実は、武に頼みがあってな、、、」と、いいながら、、応接セットの他に机一つの部屋を見渡しながら、、散らかっている様子をみて、、武も苦労しているなと思った。
「武、、今でも調査は出来るか、、」と尋ねんがら、、埃だらけの机の上に、、「300万円」をおいて、云ったのである。
「兄貴に云われれば、、たとえ火の中、水のなかでもやりますよ、、、」と、、威勢のいい啖呵を吐いた。
「そうか、、武、、今回は命がけの仕事かも知れない、、まかり間違えれば、、命取りになるかもな、、いいか、、それでも、やるか、、」
と、、念を押された。
「分かりました、、、やりますよ、、、久しぶりに燃えるな、、兄貴、仕事は何ですか、、」
と、、乗り出す武であった。
仕事相手は「藤和興行(株)」の調査で、、後ろ盾には「関東連合睦会」がついている上での、早い話が「喧嘩」だ、それでもやるかと隆一は念を更に確認した。
それでもやると、武が覚悟を見せたので、事情を話した。
そして、武は準備をして、、、自分の下で動き、信用できる反ぐれ仲間を選び、、隆一に依頼された調査を始めた。
武の事務所は親が経営していた町工場の
後を受け継いで、事務所に改良したので、住まいもあった。
武もまだ、独り者で、心配する身内も居ないので、、、
「兄貴、此処は誰も知りませんから、、自由に使ってください、、、」と、、云って、引き受けてくれた。。これで戦闘開始だ、、隆一は心の中で呟いた。
「親父、、暫く、辛抱してくれよ、、必ず、、藤和興行の鼻を明かしてやるから、、、」
そして、祈った、、親父の無事を、、、
隆一は会社に残した信頼出来る「光治」に連絡を取り、、会社の業務を頼み、随時、連絡するように、、
更に。警視庁特捜課の明智警部にも託を頼み、、警視庁の留置所にいる間は、誰の差し入れも受け取ったり、食べないようにと、、
また。会社の番頭である榊原重吉爺さんにも、伝言を託した。
全ての連絡は弟分の「浩治」が取ることを伝えたのである。。情報漏れを防ぎ、早急に藤和興行の尻尾を掴んでやろう考えていた。
6)須田武興信所は藤和興行(株)を調べる
武は隆一に云われた通りに、藤和興行の現在の内情を探るため、自分の息の掛かった、反ぐれ仲間を動かした、、、そして、どんな情報でも集めて来るように指示を出し、、武の元にあらゆる分野の情報が集まった。
その情報に対して、、金に困っている奴や、詰っている奴らに、一つの情報に武は「3万円」づつを払っていった。
価値のあるネタには「5万円」とか、中には「10万円」を払っていったのである。
その情報集めの話は、、藤和興行にも伝わった。
そこで、須田武興信所にクレームが入ったのである。
武と隆一はある程度は藤和興行(株)でも、調べていることが分かれば、対応はして来るだろうと予測をしていたので、、隆一は隠れ家を移していた。
案の状、藤和興行(株)の山田参与幹部が二人の配下を連れて、訪ねて来て、須田武に面会を求めて来たのだった。
「御免なさいよ、、、須田さんですか、、何かうちの会社を調査しているようですが、、目的はなんですか、、場合によっては名誉棄損で訴えますので、、、」
と、、斬りこんで来た。
やくざ特有の脅しで、、凄みを聞かせて来た、、、、
「はい、、私が須田ですが、、私というほどの者ではないですが、、それが、どうかしましたか、、、世間一般の身上調査ですよ、、、」
軽く、挨拶をしたのである、、、
「そうですか、、、少々、やり過ぎる気がするけど、、気を付けて下さいよ、、余り酷い調査だと、、こっちも考えますから、、」と、啖呵気味な言い方をしたので、、、
「あんたちの、藤和興行に怖くて、逆らえないですよ、、あんたの有名なやくざ会社の週刊誌の取材ですので、、そんな間違った報道はしませんよ、、」と、、云いながら、
武は本音は「舌」を出していた。今に見てろよ、、お前らの弱点を見つけてやるからな、、、と、、下でに出て、すこしだけ煽てて置いた。
武は常に兄貴分の隆一に報告をしていた。
「武、、注意してな、、、慎重に行動しろよ」と、、心配されたが、、
武は動かしている反ぐれの兵隊たちに「はっぱ」を掛けた。
武は自分でも調べていた、、、殺された流れ者の正体を、、そして、殺した奴を探したのである。。警察よりも早く見つけてやろうと、、毎日、聞き込みを続けた。
そして、反ぐれ達には、、絶対扱っている筈の「覚せい剤」の流れ、、藤和興行が関連しているクラブの「秘密売春ルート」を探らしていた。
その間に隆一は藤和興行(株)の会社謄本や関係不動産の登記簿謄本を挙げて、、綿密に調べた、、、役員構成や不動産謄本からの所有者を徹底的に見直したのであった。
その中に面白い役員や、土地所有者が浮かんで来た。
7)藤和興行(株)の会社や土地謄本に出てくる人物は、、、
隆一が取り寄せた会社謄本や、不動産登記簿謄本に記載されている人物が一人いたのを隆一は見つけた。
全て、抵当権権利者だった。隆一が考えるには、おそらく「金融業者」だろうと、、、彼らの金種もとであり、、大きな権限を持っているに違いない、、と思い、、隆一は調べてみた。
その男は「近藤雄之助」と言い、、彼の経営する会社は「近藤金融株式会社」と、、登記されていた。
所在地は山梨県甲府市にあり、、隆一は参考の為にと、確認のために訪れた。
まるで戦国武将の館のような、、武田信玄を彷彿させるような立派な構えの屋敷だった。屋敷は武田神社の近くで、屋敷を見ただけで近寄りがたかった、、、一口で言えば平城といった感じであった。
隆一は来たついでなので、、近藤雄之助なる人物を地元、甲府で調べて分かったことは、、大口の金貸しで、全国のやくざであろうと、、金になる会社、人間には貸し付けをしていた。
取り立ては厳しいが、、担保さえあれば、、時には政治的な絡みでも、大金を融資していたのである。。
日本全国の悪行商法の銀行のような役割を果たしていた、、法律には触れていないので、誰も文句は言えなかった。
地元で調べて分かったことは、、藤和興行が岸壁及び岸壁倉庫を欲しい理由が分かって来たのである。
藤和興行(株)の組織を拡大してきたために、資金稼ぎを考え、、現在、扱っている覚せい剤や銃密売の基地が欲しかったのであった。
そのために、芝運送協同組合が保有する、東京都内の芝浦桟橋岸壁が、何としても欲しかったのである。
そして、仕掛けて来た「密輸事件の偽装」「殺人事件」であり、、国家権力を利用して、合法的に略奪しようとしてきたことを、隆一は腹の底から、怒りが湧きたった。
そんなことを考えながら、、木枯らしが吹く甲州路を旅しながら、東京へ戻った。
東京の夜の冬空の星は綺麗に輝いていたが、、人間の下界の欲望の銭風は寒々しく、隆一は一人、空しく夜の新宿の街を歩きながら、、いつもの暖簾を潜った。
「あら、、隆ちゃん、、、暫くね、、元気だった、、」と、、
いつもの赤提灯「ぼんぼり」の小百合が声を掛けて来た。。。
「何か,元気ないね、、、大丈夫、、」と、、気づかいもしてくれた。
「ああ、、腹減ったな、、なんか、腹に溜まるものを作ってくれないかな。。」
と云いながら、、寒い冬なのに、好きな冷たいビールを飲んだ隆一であった。
その晩は、腹ごしらえをして、隠れ家やに戻って、、考えた。
どんなことがあっても、藤和興行(株)の悪だくみを潰してやろうと、一人、作戦を練っていた。
そこへ、会社の弟分の「浩二」から連絡が入ったのである。
「兄貴、、明智警部から連絡があり、、どうしても会いたい、、」と、云ってきているので、、、「どうしますか、、兄貴、俺はあった方が良いと思うけど、、」と、聞いて来た。
それで隆一も会うことにしたのだった。
浩二の段取りで、場所と時間を決めて、会うことにしたのだった。
8)警視庁特捜課の明智警部と会う。。。
隆一は、警視庁特捜班の明智警部と、光治の段取りで会うことにしたのであった。
いくら、兄弟の様にしてたからと言っても、やはり、警視庁の刑事なので用心はした。そこで、芝運送の持ち船である「クルーザー」で、光治が明智警部を乗せて、隆一のいる岸壁まで行き、誰も予想出来ない海上での打ち合わせにしたのであった。
「ごめんな、、浩二、、こんな会い方で、、今は誰も信用できないので、、本当にごめんよ、、、」と、隆一は謝った。
「良いよ、、これぐらい用心しないとな、、、話というのは、、警察上層部で、、動きが可笑しんだ、、、どうも、、今回の密輸の件も、殺人の件も有耶無耶にするようなんだよ、、、なんか横槍が入ったみたいだ、、、」
「これ以上、捜査をしていくと、、藤和興行(株)にも余波が及ぶ危険があるので、、いつもの手で,、嫌疑不十分で不起訴にする様に、指示が出たみたいだな、、まったく、ふざけた話だぜ、、、」
「そうか、、警察の方は其れでいいかも知れないが、、俺の方はそうはいかない、、、」
と、、隆一は売られた喧嘩は買ってやるつもりでいたのである。
明智警部は、、、隆一に対して、、、「無理するなよ、、、会長も不起訴で釈放になるから、、穏便にな、、」と、、宥めたが、、、
隆一は収まらなかった、、、
此の明智警部の話で、、隆一は理解できた。しかし、此処までコケにされて、黙って指を咥えている訳にはいかなかったのであり、、これから先もまだまだ、、難癖を漬けてくるだろうと思い、、隆一はここで、決着付けて置こうと決めたのであった。
「浩二、、しばらかく、目をつぶっていて欲しい、、」と、、隆一は頼んだ。
そして、、隆一は浩二を送った。
これで、藤和興行は認めたのであった、、、今回の密輸偽装も殺人も、、隆一は浩二と分かれてから、、須田武と会った。
9)隆一は確信を得て、報復を考えた。。。。
隆一は警視庁特別対策課の明智浩二の話を聞き、藤和興行(株)の今回の仕掛けて来た罠に対して、確信を持ち、報復を考えた。
そこで、弟分の須田武と会い、、情報を確認したのである。
そして、、藤和興行(株)系列の反ぐれ集団「暁連合」の、リーダーである「甘木次郎」に狙いをつけて、、彼を監禁したのだった。
武の事務所で,事の次第を白状させたのである、、、なかなか、口を割らなかったが、所詮は反ぐれの中途半端な男だったので、ちょっとの拷問に耐えられなかった。
そして、芝運送協同組合の倉庫に、ライフル密輸入の箱を持ち込んだことも流れ者にやらせて、、その犯人を殺したのも、全て、藤和興行(株)の副社長原田幸三の差し金であることを吐いたのであった。
そこで、隆一は罠を仕掛けた、、、副社長原田幸三の行動を徹底的に調べて、彼の女に経営させているクラブ「花菱」を探し出した。
やくざが経営しているクラブであり、、監理売春の噂の有る店だったので、須田武の反ぐれ仲間に金を融通して、探らせた。
その反ぐれ「高田勇」は借金で首が回らくなっていたので、金で飛びついて、監理売春の事を調べてくれたのである。
武の指示で、動いた反ぐれたちは、女に付いた客を、、脅かして、売春の実態を写真で撮り、録音まで取ったのであった。
そこで、隆一は、警視庁特捜課の明智警部に情報を流して、管理売春取り締まり法で、家宅捜査をして、、ついでに「銃刀法違反」「覚せい剤取り締まり法違反」で、藤和興行(株)のナンバー2を逮捕させたのであった。
次は藤和興行(株)社長の藤島藤蔵に狙いを付けて、隆一は準備をはじめた。
藤和興行(株)のナンバー2の原田幸三の逮捕で、警視庁刑事部長の柴田勇から、横槍が入って来た。。。藤和興行(株)に関しては、これ以上は関わらないようにと、、、
明智警部には注意指示が出たのであるが、、、
「何を云いやがる、、俺たちは何もしていないよ、、、あんたの指示通りにしているではないか、、、世の中の民意が勝手にしていることだから、、、ふざけるな、、」って
と、、明智警部は居直っていた。
まったく、、警視庁で知らないところでの動きでは無いかと、た、捜査担当の警察官は思っていた、、、陰では拍手喝さいを送っていたのである。
10)藤和興行(株)の社長、藤島藤蔵の反撃、、、
藤和興行(株)の藤島藤蔵社長は、警視庁刑事部長である、柴田勇の仲立ちで、矛を収めようとしていた時に、副社長の原田幸三の逮捕で、怒りを露わにして、牙を剥いてきたのであった。
上部団体の「関東連合会睦会」からも、藤和興行(株)にクレームがついた。
藤島藤蔵社長に対して、、睦会若頭大鳥準之助から、、「馬鹿野郎、、何、嘗められたことをしてゃがるんだ、、、始末を付けろよ、、、あの岸壁は何があっても手に入れろ、、、いいか、、これは厳命だから、わかったな、、」
と、、云われたので、藤島藤蔵は慌てた。
ナンバー2は逮捕される、、上部団体からは厳命されるで、、大ピンチに陥ってしまった。
頼る筈の「睦会」からは、半ば絶縁状状態の言い渡しがされたので、、破れかぶれではあるがやる気で、喧嘩するしかないと覚悟を決めた。
やくざ世界では「駄目になると」見放されるのであった。どんなに今まで,貢献していても、切り捨てられるのが定めの様だ、、、
藤和興行(株)の藤島藤蔵は幹部連中を集めて、、作戦を練ったのであるが、、いい知恵は浮かばなかった。
幹部の一人で武闘派の武田公助が、、、「こうなったら、、芝運送協同組合の芝隆一を執ることを決めたのであった
11)隆一、、狙われる。。。
藤田興行は追い込まれていた、、資金もとである、、甲府市の「近藤金融株式会社」の近藤雄之助から、、関東連合会睦会にも問い合わせが入っていた。資金の回収は大丈夫なのかと、、、
そんなこともあって、睦会としては計画通り進んでいないので、藤和興行(株)に圧力と催促を掛けて来たのであった。
藤和興行(株)としては猶予が無く、、喧嘩してでも、強引に岸壁を手に入れなければならなくなった、、、
そこで、責任者である芝隆一を狙ったのである。
藤和興行の武闘派、武田公助は力づくで、、須田武の指示で動いていた、、反ぐれを探した。
的に絞られ、、強引に監禁されたのが「高田勇」だった、、武田公助の拷問は凄く、武田公助の事務所で、、攻められた、、、そして、、須田武に頼まれたことを吐いてしまったのである。
そこで、:武田公助は配下のやくざ者たちに、須田武を張り込ませて、捕まえた、、、武田公助のやり方は兎に角、捕まえて、監禁して、拷問をするこであった。
その話、、、須田武が藤和興行の武田公助に捕まり、監禁されていることを知った、隆一は、武田公助の事務所に単身、乗り込んだ。
「ごめんよ、、武田さんはいるかな、、、居たら、、出て来いよ、、芝隆一が来たと、、」伝えて
くれ、、、
そして、あんたが預かっている、須田武を出して貰おうか、、、」と、、啖呵を切ったのである。
「おう、、、よく来たな、、隆一、、俺が武田だ、、」と、、奥の部屋から出て来た。
「須田武は返して貰おうか、、、俺が来たんだから、、文句はあるまい、、」と、、云っているところへ、、配下のやくざ者が須田武を連れて来た。
「よかろう、、返してやるよ、、強情な奴だよ、、一言もしゃべらなかった是、、大したもんだよ、、」と、、血だらけになった武が連れて来られた。
「武田、、俺に用事があるんだろう、、武は放せ、、いいか、それからだぜ話は。。」と、云うと、、武田公助も武闘派で慣らしている男だったので、、、
「分かった、、放してやれ、、、」と、、云われて、武はよろよろと隆一の傍に歩いていった。
「武田、、、俺も極道の看板を出しているので、、逃げ隠れはしない、、今日の所は、あんたと
の喧嘩を一日だけ待ってくれないかな。。。」と、、隆一は武の怪我を見て、頼んだのであっ
た。
武闘派の武田は、、隆一が一人で来たことに、、、、「分かった、、隆一、お前が一人で乗り込んできたことで、、一日だけは、お前の命を伸ばしてやるよ、、、逃げるなよな、、」
と、、言って、隆一は武を連れて、外へ出た。
血だらけの武を背蔽って、芝運送協同組合の事務所に戻った。
出迎えた「幸次」たちは、二人を事務所の中に入れた。外は寒い冬のなので、、暖房の聞いた部
屋で,幸次たちは。武の応急処置をした。
隆一は「武、、済まなかった、、口を割れば、こんなに怪我をしなかったのに、、本当に済まなかったな、、、応急処置が済んだら、、いつもの大場医院に連れて行き、手当をして貰え、、」と、、幸次に告げた。
12)隆一は約束通りに、武田公助との待ち合わせ場所に向かった、、、
翌日、隆一は芝浦桟橋で、明け方、立ち向かい、決闘を始めた。。。明け方の寒い冬の岸壁だった、、武田公助が二本の白鞘を用意して待っていた。
「隆一、、逃げずに、よく来たな、、、俺は個人的には何の恨みも無いが、、組の明暗に関わ
り、俺の禄でもない親分だが、、これも義理ある渡世なので、、行くぜ、、」と、、
一本のドスを隆一に渡して、斬りかかって来た。
暫く、斬り合いが続いたが、、なかなか,勝負がつかなかった、、、
「隆一、、お前もやるな、、、」と、、二人は斬り合いをしていた。
そこに、、「武田の兄貴、、助太刀するぜ、、、」と、2人の配下のやくざが襲って来た、、
「馬鹿野郎、、引っ込んでろ、、手をだすな、、」と、、武田公助が怒鳴りつけた。
そして、、一台の車が近づき、、藤和興行(株)の藤島藤蔵が降りて来て、、、
「武田、、、何をしているんだ、、、やくざとか恰好付けないで、、隆一を殺せや、、」と、、言いながら拳銃を撃ったのであった。
討たれた隆一は倒れた、、、武田公助が「何をしやがる、、汚いぞ、、やめろ、、」
と云いながら、藤島藤蔵は向かってくる、武田公助も撃ったのである。
討たれた武田公助はヤクザでも豪の者であり、、撃たれながら、、藤島藤蔵を斬り殺した、、そして、、「隆一、、済まなかった、、、まだまだ、、お前の岸壁を狙っている奴らが居るから、、気を付けろ、、」と、、言いながら、絶命した。
そして、、最後に「隆一、、俺の所の二人、寛治と誠二を頼む、、」と、、言って。。
二人の寛治と誠二は、、この場は始末しておきますので、、とりあえず、逃げてください、、と云われて、隆一はその行為に甘えた。
13)警視庁特捜課の明智警部が知らせを持って、
朝早くから、警視庁特捜課の明智警部が血相を変えて、飛んで来た、、、
「おはよう、、、ビックニュースだよ、、、藤和興行の藤島藤蔵が仲間うちのトラブルから、参与幹部の武田公助に殺されたよ、、、武田も撃たれて死んだらしい
慌てて、芝運送協同組合の事務所に飛びこんで来た。
しかし、藤和興行は上層団体の関東連合会睦会が直接に引き継いでいくというらしい、、、
「隆一、、睦会はお前の芝浦桟橋の岸壁と倉庫の利権は諦めそうにないぞ、、、厄介になった
な、、」と、、明智警部は心配してた。
「睦会は東京都内にある、芝浦桟橋の岸壁が欲しいらしい、、、巨大組織の関東連合会としては資金調達の為の密輸基地を確保したいので、、これからは「牙を剥き出して」攻めかかって来るからな、、本当に用心しろよ、、、」と、、、真剣に心配したのであった。
「分った、、ありがとう,、浩二、、、」用心することに心掛けた。
そして、、本当に「不味い、、」と、、考えた。
芝運送協同組合としてのガードを固めないと、、潰されてしまうかも知れないと、、真剣の思っ
た。今回の事件で、迷惑を掛けて、、怪我をさせた須田武を、隆一は芝運送協同組合に入って
貰った。
頼り甲斐もあり、信頼も出きるので、、、頼んで、自分の傍にいて貰った
そして、彼が信頼する反ぐれ仲間も連れて来て貰い、芝浦倉庫の管理と警護を頼んだ。
更に、武田公助に頼まれた二人のやくざ者、、「寛治と誠二」の二人を引き取り、芝運送協同組合の本社事務所の警護を任せたのであった。
武田公助の若衆であっただけに、筋を通す男として信じて、二人は隆一の付き人となり、、いつもどちらかが、警護していた。
そして、隆一の弟分の幸次も、、本社で指示する隆一に代わり、、外交をする様になった。
とにかく、少数精鋭で、慎重に仕事を進めた。常に関東連合会睦会との闘いを警戒して、、
日々、注意していった。
それでも攻める方が有利であり、、守ることは難しかった。
14)隆一、、覚悟を決めて闘う、、
藤和興行に代わって、前面に睦会が出てきたのであった。当たり前のような顔をして、喧嘩を
売って来たが、、噂だけでは手の打ちようがなかった。警察としては指を咥えて、見ているしかなかった、、、芝運送協同組合としては、守りを固めるより仕方がなく、社員一同で踏ん張っていた。
そして、警視庁特捜課の明智警部も心配しのように顔を出してたのである、、、
「浩二、、大丈夫だよ、、そう簡単には潰されないから、、相手が大きくても、負けはしない、、心配してくれて、ありがとう、、」と、いつも言いながら、、浩二は飯を食って、帰っていった。
心配してくれる、浩二に感謝していた。
しかし、関東連合会睦会は絡めてからせめてきたのだった。
権力と暴力を使って、芝運送協同組合の取引先に圧力をかけて来た、、暴力で邪魔をして、権力を利用して、、運送関係の規制に制限を掛けたりしてきたのであった。
権力は政治家や高級官僚の法制規制や決まりを盾に取り、、圧力をかけたきたのであった。
そして、睦会関連の運送業者を使わなければ、出来ない仕組みに仕上げて、芝運送協同組合に加盟していた、中小企業の運送業者を追い込んでいった。
その為に、芝運送協同組合の仕事が回らなくなり、、依頼会社からクレームが出て、、仕事がほとんど止まった状態になってきたのであった。
しかし、極道時代からの取引のある運送会社は、芝運送協同組合を離れなかった、、ありがた
く、、隆一は大事にしていった。
苦しくても、、みんなが、仲間が辛抱してくれて、どうにか踏ん張っていた。
「隆一さん、、頑張ってください、、俺たちは昔から、海の権蔵時代から、、世話に成って来て
いるので、、これからも、頑張りますから、、よろしく、お願いします、、」と、、励ましてく
れた。。。
そして、、睦会の嫌がらせは激しくなり、、からめ手が駄目ならと、、権力者の力を利用して、
法的手段で攻めて来たのであった。
岸壁を利用するなら、、船舶への積み込み、設備の不備を訴えて、行政サイドからの圧力をかけたきたのであった。
その為には「資金」が必要であり、、隆一は困った。
15)隆一は感謝した、、父、芝大全の凄さに、、
隆一は関東連合会睦会の政治的な繋がりの圧力に捻じ曲げられそうになったいた。
なんの世界でも「金の力」とそれに繋がる「権力」は凄い、、法律を作り、、行政を正当化して、捻じ伏せてしまうのだから、、恐ろしい。。。
それに対抗するには「金」が必要だった。。。困った息子、隆一を助けたのは。父、大三であった
「隆一、、、今回の設備にはいくら必要なのだ、、、」と、、聞いてきたから、、、
「会長、、行政の指導通りの設備には,,約5億円はかかりますよ、、、とても、そんな資金は用意できません、、参りましたよ、、、今回の嫌がらせには、、、」と、、言いながら、、何とか
工夫をしようとしていた隆一であった。
「分かった、、2,3日待ってろ、、、」と云いながら、、「浩二を借りるぞ、、」と、言って出
かけた。
そして、帰って来た大三会長は、、「隆一、、金は出来た、、心配するな、、設備工事や設備を始めろ、、
男なら、:でっかい喧嘩をしろよ、、」と、、現金を用意してくれた。
大三会長の話だと、、昔、命を救った男が、今は北海道で「北の金融王」と云われており、、訳を話したら、何も言わずに、今、自分があるのは大三親分のお陰だと、用立てしてくれたとのことであった。
「義理と恩義」の分かる人が、今の時代に居たのであった。
特に、関東連合会睦会に命を狙われ、助けてもらった恩義は死んでも忘れません、、、と、、隆一は感謝した。
父、大三にも心から感謝したのであった。
そして、芝浦桟橋に行政の指導の下に、法律に合致した港湾設備ができあがり、、、芝運送協同組合には事業会社からの仕事が直接に入って来た。
隆一たちの踏ん張りで、運送業務は元通りに動き出した。
これを見て、困ったのは関東連合睦会であった、、、甲府の伊藤金融からの取り立てがきびしくなった
16)関東連合会睦会は窮した、、、
芝運送協同組合は資金調達も出来て、港湾設備も行政の指導通りに完成たので、港湾事業及び海運、陸上運送共に順調に動き出した。
絡めてから攻めて、芝運送協同組合を締め出そうとしていた、、関東連合睦会関連の運送会社の目論見は外れて、、借り入れした多額の資金運営が旨く行かなくなり、、窮地に陥っていた。
何がなんでも、欲しい「芝運送協同組合」の芝浦桟橋と岸壁倉庫であった。
関東連合会睦会の傘下である「芝桜会」が悪だくみを企て、、、船舶の輸送だけでも止めてやろうと、、画策をしていた。
そして、芝桜会の権蔵組合に圧力をかけたり、、労働賃金を挙げたりして、、邪魔をして来た。
船舶での荷役には、どうしても「権蔵」の手が必要であり、、クレーン作業ではあっても、、「玉掛」などに居ないと困るのであった。
そんな邪魔が度重なると、、荷役作業が遅れ、、依頼主からもクレームが付いた。
そこで、現場責任者でもある、、浩二が新しい権蔵を探したり、、臨時の人夫を探して来たり、忙しかった、、、然し、根を挙げずに頑張っていた。
そんなある日、芝浦桟橋の港湾荷役で事故が起きた、、、手が足りなかったので、現場責任者の浩二も玉掛の仕事を手伝っていた。。
その時に事故が起きたのであった。その時のクレーン作業で、クレーン操作を誤り、、空のコンテナが移動中にロープが外れて、落下して、、其の下敷きになった浩二であった。
即死であり、、知らせを聞いた隆一は、芝浦桟橋の現場に飛んで行つたが、、すでに、浩二は息が切れていた。。
「くそ、、」と言いながら隆一は、浩二の傍に行き、抱き上げた。
余りにも突然の事なので、、その時は呆然として、何も出来なかった。
後で分かったことでは在るが、、故意にコンテナを吊り上げていたロープが切れるように細工がしてあったのであった、、、警視庁特捜班の明智警部補の調べで分かった。
彼が言うのには「浩二は殺されたのだ、、事故では無く、殺人事件として、、徹底的に捜査してやるからな、、」と、、言ってくれた。
隆一も怒りを覚えた、、悔しかった、、、証拠を見つけて、この報復はしてやると、、誓ったのである。
どんなことが会っても、許せない、、「絶対に許さない、、間違いなく、睦会の仕業と、、」隆一は思っていた。
証拠など関係なく、、今すぐにでも、睦会に乗り込み、浩二の仇を討ちたかった、、然し、今は会社企業であり、社員たちがいるので、それは出来なかった。
幼馴染の警視庁特捜班の明智警部に任せた、、、然し、拉致が行かなかったときには、、隆一は覚悟を決めていた。
亡くなった浩二の為にも踏ん張って、やろうとも決心した隆一であった。
17)警視庁特捜課に横槍が入る、、、
警視庁特捜課の明智警部は、今回の芝運送協同組合の、コンテナ墜落事故を捜査して、証拠固めもして立件しようとしていたら、、警察上層部から横槍が吐いたのである、、、今回の事故は「証拠不十分」により、「不起訴処分」となり、、「事故扱いで」決済されてしまった。
明智警部は怒った、、、「馬鹿野郎、、、故意にロープが斬られて証拠もあり、、殺人事件を事故だと、、ふざけやがって」明智警部は上訴部に怒鳴り込んでいった。
そして、、「こんな腐った警察なんか、、やってられねえーや、、馬鹿野郎、、、」と、喚いて、辞表を叩きつけて、警視庁を飛び出した。
冬の枯れ葉舞い散る、日比谷公園を通り抜け、、いつの間にか芝浦桟橋の芝運送協同組合に来ていた、
「隆一はいるか、、、」と、言いながら事務所に入って行った。
「どうしたの、、、怒り狂ったような顔をして、、、なんかあったのか、、」と、、隆一は心配した。
「隆一、、、俺を芝運送で、、使ってくれ、、、亡くなった浩二の代わりだ,、、幸次だからいいよな、、あ、、俺な警察、辞めて来たから、、何でも使ってくれ、、、用心棒でも何でもするか
ら、、」
と、、言いながら、、頼み込んで来た。
隆一は、、、幸次なら有難かった、、、「分かった、、最初は事務所で座って、いてくれ、、用心棒のようなもんだな、、、宜しくな、、、」と、、
気軽に受けた隆一であった。
関東連合会睦会や芝桜会の反ぐれが相手なので、、幸次は頼もしかったので、、助かったのは隆一であった。
これから、押し寄せる荒波を返さなくてはいけないのだ、、、だからと言って、喧嘩をするのではなく、、あくまでも降りかかる火の粉は払う心構えだった。
そして、防御だけはしっかりして、、襲ってくる巨悪な渦に対抗して、、「法的な処理で」で抹殺してやろうと考えたいた。
あくまでも守りであり、、攻めてくる相手を、政治的な圧力を仕掛けても、悪徳官僚の罠に嵌らないように、攻めてくる敵を抹殺してやろうと、隆一も罠を張り葎していた。
武器は「民意」であり、、報道関係を駆使していく方針であった。
その為には我慢、辛抱が必要であり、、どんな痛みに身にも耐えていく覚悟したのであった。
18)関東連合会睦会の傘下の「芝桜会」が止み雲に、、、
本部の目論見であった、、芝浦桟橋岸壁とヤード倉庫の買収または抗争に寄る、「奪還」が出来ない今は、、何としても「手段」を選んではいられなかった。
芝運送協同組合を殲滅するほかに方法が無かった、、暴力団の最後の武器である「暴力」で、奪い取る道しか残されていなかった。
暴力的な嫌がらせは、、其の頻度を増して来た、、岸壁に駐車してるトラックへ悪戯、、タイヤのパンクだけならいいが、、燃料タンクへ「さとう」の投入や、岸壁に止めてある建設機械やクレーンの作動油の所へ、水を投入された。
その為の防備として、、燃料タンクに鍵を付けたり、、重機の鍵を二重にしたり、、いろいろ工夫をしていた。
門扉を頑丈にして、監視のための警備員も増やした。。。
それでも、、悪戯をされても、現場を押さえなければ、、「現行犯」でなければ警察も動けなかった。監視カメラも設置したが、、旨く,躱されていた。
そんな中で、会長芝大三が、隆一の姿を見ていて、、老骨に鞭打って動いてくれた。
隆一には黙って、、元警視庁刑事の浩二を連れ出した、、、
息子の隆一には、まだ、不慣れでいる、、幸次を杖代わりに借りだしての、、「腰痛の湯治」であった、、隆一も苦労掛けている親父なので、、幸次を付けて行かせた。
実際は北海道の「北の金融王」と云われる、、熊田信三の元を訪ねていた、、、付き添う、幸次
には理由は言ってあったので、、幸次は黙って、しっかりガードしようと覚悟決めて、付き添って来た、、、どんな邪魔が入るか分からないので、、、
そして、北海道に付き、、熊田信三宅を訪れた。
「信三さん、、度重なる頼みで、済まないが、、これは俺の最後の頼みになると思うので、、
何とか、力を貸して欲しい、、」と、詳細を、述べて、大三は頭を下げた。
「会長、、頭を挙げてください、、私が今あるのは、全て、会長に命を助けて貰ったからなのです、、、会長、私のすべてをかけて、、今回の依頼は、間違いなく引き受けました、、どうか、、安心してください、、」と、、言ってくれたのであった。
大三に付き添い、立ち会った、幸次は改めて「大三会長の男気」を見直した、、これだけのことが頼めるからには、余程の命がけの事をしたのだろうと思った。
男というものは普段の心がけ、行動がいかに大事か、、そして、命がけで生きなければならないと、、中途半端ないい加減な生きざまは飛んでもないと知らされた幸次であった。
19)北の金融王、、動く、、、甲府へ、、、
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