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献残屋藤吉郎

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引きこもり

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  短編小説「引きこもり」 献残屋藤吉郎

1)家族団欒が少なくなる。

家族とは勝手な生き物の集まりだ、、、子供が幼少の頃には一緒に遊んだり、、可愛いと言ってはいつしょにいる時間が長く、、というよりは作っていたような、、、
そして、、子供が小学5年とか6年の頃になると、、不思議な現象が家庭内にも起こる。
人とは家族であっても「慣れあい」が出来る、、「これくらいはいいか」とかの甘えである。
そして、、「無いとは言えない、飽きである、、」男と女がまず、、「いても居なくても同じなような」
いわゆる「空気」になってしまう。
親と子供も同じで、、何時もいるから、ついつい、、何かあるごとに「後回し」になる、
そして、、いつの間にか夫婦でも、親と子供の間にも「会話」が減っていくような、、極端な話が無言が多くなる、、それが「親子の断絶」の始まりのような、、、
そして、、昔は子供部屋などは特別な環境以外にはなかった。ほとんどが家族が寝る時には一緒の部屋で布団を並べて敷いて寝ていた。大きな家の場合に年より夫婦だけが別の部屋で、、夫婦とその子供たちは一緒だった。。そして、ご飯を食べる時にも同じ「ちゃぶ台」昔のテーブルだ、、一緒に食べた。。
農家などへ行くと、俗にいうお大臣の家などでは一人一人の小さなお膳で食べていた、、、それでも同じ部屋の中だった。
そんな訳で家族の親と子供、、年より夫婦の会話があった。
古い仕来りはあったが、、礼儀もしっかりしていた。
夜の団欒の時にも一部屋で過ごしていたのである、、、
ところが戦後になって、、時が過ぎ、、経済的にゆとりが出たきた日本では建売住宅とか、土地の分譲が始まり、、各家庭が独立して家を持つようになった。そして、田舎から都会への進出が始まり、、ひと家庭で一つの家を所有する時代が来たのである。
また、、少子化が始まり子供一人が多く成り、、家の中に子供部屋が出来るようになった。
そして、個人個人のプライバシーなどと称して、、秘密が多くなった。
夫婦でも子供でも分からない時間が出来た。それも「引きこもり」の要因の一つのようでもあるような、、、
誰が悪いわけもなく、、自分たちで子供の各部屋生活を作り、、人の持っている性格により「引きこもり」などという現象を起こしたような気もする。


2)会話が無くなるような、、、

一人の少年、無太郎は3人弟妹の長男です、、、小学に入るまではおしゃべりな明るい子供だった。小学校へ通うようになっても同じように明るく振舞っていた。しかし、二人の弟が妹が小学校へ入学して、無太郎が小学5年生に成ったころに、親からテストの成績が悪いと怒られた、そして、弟や妹と比較されたのである、、そんな学業などのテストの点数で弟や妹は褒められて、、自分は怒られた。
それがたび重ねているうちに、無太郎は勉強が嫌いになっていった、、世の中の出来事から見れば些細な事であるが、子供無太郎には大きな痛手となり、心に刻み込まれていって自然に負い目となっていった。
そして、いつもいい成績の弟や妹は褒められて行くのを見ていて、、徐々に物いわぬ子供になっていったのであった。
そんな両親は無太郎の痛みを知るわけがなかった、、なぜかというと、、、
親は無太郎に、、、「どうしたの、、あなたはテストが良くないね、、もう少し、頑張らにと、、弟や妹に負けないようね、、あなたは長男なのだからしっかりして頂戴、、」と、、親にしてみれば怒っている訳ではない、、励ましているのだった。
しかし、そこに大きな落とし穴があったのだった。
子供も大人も誰しも人間のプライバシーを比較されたり、、本人の前で「よしあし」を言われたりすることは禁物である、、
誰しも自分の欠点というか負の面を云われるのは辛いもので、、
云われるくらいなら顔を見せないほうがいい、、会わないほうがいい、、会話を避けた方がいいとなり、、自分の部屋がある子供は出て来なくなる。
人は誰しも小言を云われたり、注意をされるのは嫌である、、、なるべく言われないように一人になるようだ、、、
それが度重なっていくうちに、、やることが全て、面倒くさく成っていく。そして、起きることさえ面倒になっていくのだった。
子供も大人も「楽」な行動を選ぶような、、、「言い訳」を考えて寝てしまう、、、
無太郎も母親が朝、起きて来ないの起こすと、、「お母さん、頭が痛くて学校を休みたい、、動けないよ、、」と、甘えることは知っていた。
最初は良かったが「言い訳」が通用しなくなっていくのだった。
そんなことの繰り返しをして行くうちに親も騙せなくなり、、今度は何をするかというと、、、居直ることをするのであった。
部屋の鍵を空けない、、親が少し強く言うと、、、「うるさい、、うるさいんだよ」と更に不貞腐れるのだった。
そして、、優しい親の心を知ってか知らずか、、逆らってくるのだった、
何も食べずに部屋に閉じこもる子供が心配で、親は怒ることが出来ずに優しく接しようとする、、、
無太郎の場合も最初は部屋から出てこないが食事時間には出てきたのであった。
しかし、「登校拒否」が始まり、部屋から出て来なくなって1か月が過ぎたころからには親に物を投げつけたりするようになった。
母親は一人では対処できなくなり、、無太郎の父親にも相談したが、、そのうちにそのうちにと言ったが、、手遅れになっていった。
子供は体も多きくなり、、体格的にも対応が出来なくなっていた。
そして、家庭内は一人の「引きこもり」が始まってから、環境が一遍していったのである。。毎日,重苦しい、笑いの無い家庭になっていったのであった


3)引きこもりにはいくつかの要因が絡み合って、、

子供も大人も引きこもりには生活環境や親子や身内の関係、、更には学校とか職場とかの人間関係が絡んで起きるので、一概には「これが原因」とは言えないような気がする。
そして、本人の性格や気性などが関わるので難しい。引きこもりは「突然」に起こるのではなく、、徐々に行動や気持ちに変化が表れて、親がよくよく本人を観察していれば分かる筈である、、しかし、誰しも日々の生活が忙しい、、、心にゆとりを持って生活していることが少ないのだ、、、子供が幼少の頃には親も注意を払って、、「危ない、、それは駄目よ、、」とか、、「それはしてはいけない、、」とか、窘めることが多い。
そして、、関わることが親も子供も、なぜか楽しいような、、笑顔を見せながら生活にも余裕があった。
しかし、子供も成長してくると、、、「うるさいよ、、そんなことは分かっている、、」とか関りから逃げるような、、、
そんなこともあり、、「放任主義」をとる親も出てくる。
また、、「それくらいは自分でやりなさい、、いつまでも子供じゃあないのだから、、」と、、突き放す親もいる。
親子関係は難しい、、、本当は構ってもらいたいと思う子供もいる筈で有る、、その親子関係の距離が人により違いがあって、「こうだと、、」と言えない。
その辺にも気持ちのくい違いが出来て、、心の行き来が狂ってくるようだ、、、
そして、気が付いたら「会話」が無くなり、、引きこもりにつながっていく、、親子の断絶が始まってしまう。
子供が成長する頃には経済的にもお金が必要になり、、共働きが多くなって、孤立化していくようだった。
親も仕事と家庭の両立で肉体的に疲れ、、子供も部活や課外授業や「学習塾」などで肉体的に精神的にも負担が増えて、疲れがでるようだった、、、
御互いの肉体的疲れや精神的な悩みが増えて、、いつの間にか無口になり、、「会話」が少なくなる
そんな家庭環境で生活空間で生活することが、、正直言って「面倒臭く」なり、、お互いが無理をして「背伸び」をしているような、、
そこに「引きこもり」という落とし穴に嵌るようであった。
しかし、、「引きこもり」問題は課題が多く難しい、、言えることがひとつだけあるような「早く気が付き、傷口が小さい時」に、、お互いで話し合うことの様な気がする。。。。
































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