祭り旅

献残屋藤吉郎

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第二部南国の女番長

第二部南国の女番長

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第二部「南国の女番長」原作献残屋藤吉郎


「南国の女番長」


小百合は沖縄警察宮古島警察署に赴任してから2年が経ち、すっかり警察官として、その姿勢が板に付き、毎日を張り切っていた。



また、同居している桃子も社会福祉士の資格を執り、介護施設で元気に明るく働いていた。



二人は姉妹の様に仲良く、沢口家の住人になり、、日々が平穏な日常であった。



そんな、ある日、沖縄の警察学校で一緒だった、白川由美子が転属してきたのである。



小百合は久し振りに会う、彼女に桃子を紹介して、三人で沖縄で食事をした。



白河由美子も独りでの転勤なので、、小百合は沢口先生に話して、一緒に住むことにしたのだった。



沢口先生のお母さんは、、「わあ、、大変だわ、、娘が三人になって、、忙しい、、私も頑張らないと、、、」都、、云いながら、喜んでくれた。



丘の上の家に三人が住むようになり、、沢口家は賑やかになり、、毎日が花が咲いたように明るく、三人娘の笑顔が絶えなかった。



小百合は昇級試験に合格して、この春、警部補に昇格したのであった。そして、宮古島警察署の刑事課に配属になり、、そのために生活安全課に白河由美子が転属してきたのであった。



小百合は刑事課に配属になってから、捜査刑事として日々、忙しくなっていった。



そんなある日、宮古島警察管内では珍しく、殺人事件が起きた。



宮古島高校の3年生の「寺島敦子18歳」が誘拐されて、殺されたのである、、両親は宮古島で教員をしており、沢口教諭とは同級生の教員仲間であった。



人に恨みを買うような人間では無く、本人も至って目立たない、女学生だったので、誘拐されて殺される理由が分からなかったのである。



宮古島警察でも捜査したが、、犯人の検討がつかず、捜査にも行き詰っていたのであるが、、刑事課に配属になった小百合が、妙な噂を聞いてきた。



それは、殺された寺島敦子には家出をした兄がいて、本島でやくざをしているということであり、、それらの関係で巻き添えを喰ったのではないかと、、、そんな噂が出たのであった。



その理由は分からなかったが、、今回の殺人事件には謎が多く、宮古島警察刑事課としても、どんな些細な事でも、情報が欲しかった。

そこで、言い出しっぺの小百合警部補と、、刑事課のベテラン刑事である、山南警部が東京へ行くことになった。

その晩、小百合警部補は自宅での夕食の時間に、東京出張の話をした。。

お母さんが「小百合さん、、気を付けてな、、大事な嫁入り前の娘なのだから、、、」と、、心配してくれた。

沢口教諭や、桃子も、由美子も心配して送り出してくれたのだった。

今は暖かい家族の愛に包まれて、小百合警部は幸せだった、、そのためにも、なので今回の事件は自分が解決してやろうと、心の中で呟いた。



2)小百合警部補、東京の捜査で、、、



小百合警部補は初めての東京出張なので、同行のベテラン警部の山南警部に従って行動した。

警視庁特別捜査課の澤本警部と会い、事情を説明した、前もって連絡をしておいたので、、寺島敦子の兄、寺島郁夫の事は調べておいてくれた。

彼は関東連合会睦会の幹部やくざであり、、その業界では名が通っていて、、「南海の闘牛」と、異名を取る、恐ろしい「殺し屋」でもあった。彼に狙われて逃げ延びた者は居ないと言われるほど、凄腕の殺し屋でもあった。

そして、関東連合会睦会に於いて、覚せい剤密輸の責任者でもあり、、その辺の絡みで、妹さんは巻き込まれたのではないかと、云うのであった。

それらの情報を得て、小百合警部補と同行のベテラン刑事の山南警部はその日の宿泊先のホテルに引き上げた。

小百合警部補は確信した、、今回の謎の誘拐殺人事件は、兄の寺島郁夫を探せば、、解決すると、、、

しかし、その寺島郁夫が今のところ、行方不明だというのであった、、

小百合警部補は同行の山南警部と共に、案内役の警視庁特捜班の澤本警部と、寺島郁夫の経営するクラブの捜査に行くことにしたのであった。





3)寺島郁夫の経営するクラブ「宮古ブルー」へ



小百合は山南警部と共に、案内してくれる警視庁特捜班の澤本警部と新宿歌舞伎町にあるクラブ「宮古ブルー」を訪ねた、、夜の商売なので昼間は、お店も開いては居なかったが、、清掃係りの職員が居たので、分かる範囲のことを聞いた。清掃会社は依頼で清掃しているだけで、何も知らなかった。

しかし、クラブ「宮古ブルー」の関連事務所を聞き出して、その事務所へ行くことにした。

事務所の看板には「寺島芸能プロ」と、書かれており、留守番の女子事務員だけが居ただけで、、詳しいことは余り聞けなかった。

只、寺島社長は出張であることは分かった、クラブ「宮古ブルー」は立派な店構えだっが、事務所は貸しビル2階の古びた構えだった。

そして、寺島郁夫が所属する関東連合会睦会も訪ねたが、立派な自社ビルで、、、それは同行した警視庁特捜班の澤本警部が説明してくれた。

さほどの収穫というか、情報は得られなかったが、寺島郁夫が出張中であることが分かり、関東連合会睦会の幹部であり、覚せい剤密輸の責任者ということを知らされたのである。

やはり、、寺島敦子の誘拐殺人は兄、寺島郁夫と関係していた事だけは理解できた。

後日、澤本警部の報告で分かったことがあった。

寺島郁夫は関東連合会の若頭大泉仙太郎から、沖縄に帰る休暇を取っていたことである。

澤本警部が調べたことによると、、寺島郁夫は関東連合会睦会から「破門状」を出して、貰おうと願い出たらしい、、

しかし、若頭大泉仙太郎の取り計らいで、休暇願で処理をして。。東京から消えたのであった。

別れ際に、若頭大泉仙太郎は寺島郁夫に、、、

「いつでも、戻って来いよ、、郁夫、、死ぬなよ、、」と、、云ったと、小百合は澤本警部から聞かされた。

小百合は「不味い、、寺島郁夫はやる気だ、、、」と、、思い、、山南警部と急ぎ宮古島に帰った。



4)東京新宿から消えた寺島郁夫は宮古島に、、、



寺島郁夫は沖縄宮古島へ帰って来ていた、、久しぶりの帰郷であったが、家には戻らず、妹、敦子の墓参りをしていた。

「ごめんな、、敦子、、、兄ちゃんのせいで、、お前にすまないと思っている、、本当にごめんよ、、あの世で一杯詫びるからな、、、許して欲しい、、」と涙しながら
そして、自分が絡んだ関東連合会睦会の覚せい剤絡みの密輸の沖縄進出で、、妹、敦子を犠牲にしたことを悔やんだ。

沖縄宮古島に密輸基地を創ったことで、沖縄地元のやくざ組織との問題が原因となり、妹、敦子を巻き添えにしてしまい、悔やんでも悔やみきれない、後悔を残してしまった。

寺島郁夫にはやることは一つしかなかった。

やくざ解決ではあるが、妹、敦子の仇を討つより方法がなかったのである。仇を討ったからと言って、妹、敦子は戻っては来ないのであるが、、彼女の無念を晴らすより、それしかないと寺島郁夫は考えたのであった。

寺島郁夫の調べたことによれば、見せしめの為にと、、その殺され方は惨かった、、絶対に許せ
ないと涙した郁夫であった。その殺しに加わった、沖縄連合の幹部である「宮地三郎」以下、5
人のやくざや反ぐれを必ず、始末してやると、、「南国の猛牛」と云われた寺島郁夫は妹、敦子の墓前で誓った。

生きて戻る気はなかった、命を掛けて、自分も妹、敦子の元に行き、詫びたかったのである。
sいてきたか東京新宿を出る時に、「生きて、戻れよ、、」と云われた、若頭大泉仙太郎の言葉は嬉しかったが、、寺島郁夫は初めから、妹の敦子の元へと誓っていたのであった。


5)寺島郁夫、、宮古島の同級生、津島和夫を訪ねる、、


寺島郁夫は妹、敦子の墓参りをしてから、、宮古島の山奥で放牧をしている「津島和夫」を訪ねた、、、久しぶりの訪問に驚いた津島和夫であった。
「ご無沙汰だな、、、驚かしてごめんな、、、何年振りかな、、、元気にやっているみたいだな、、」と、寺島郁夫は話しかけた。。。
「本当だよ、、、生きていたのか郁夫、、いやあ、、良かったな,、会えた嬉しいよ。。」と、、
出迎えたくれた。
「郁夫が居なくなってから、、いろいろな噂が出てたよ、、兎に角、良かった、、」
心から喜んでくれた。
「ああ、、それから、、妹さん敦子さんは大変だったな、、お前、墓参りして来たか、、、
そうか、、今夜は泊まって行けよ、、、積る話がいっぱいあるよ、、、」
と、、云いながら、津島和夫は、、「今日は仕事は終わりだ、、家へ行こう、、」と、云いながら、寺島郁男を連れて帰った。
冬も終わり、、これから宮古島は海の綺麗な季節になる時だった、、宮古ブルーと云われて、本当に美しい季節であり、、もう一度、妹の敦子と海を見たかった。
心から悔いの残る郁夫であった。
その晩は、津島和夫の家に泊まることになり、、彼の家で家族を紹介して貰った。
嫁さんの由香里と子供たち二人も元気だった。。南国の暖かい島国で幸せそうだった、、、それを見ていて。妹、敦子を思べていた、、、生きていれば、、こんな家庭を持って、平凡であっても、幸せに暮らしていたのではないかと、、、
その晩は同級生和夫と、嫁さんの由香里さんと、酒を酌み交わした。
そして、、寺島郁夫は和夫に、、「古民家」を探してくれるように頼んだ、、、出来るだけ山の中でと、、、
郁男は昔から好きな、、音楽を作りながら、、絵を描きながら過ごしたいのでと目的を話した。


6)寺島郁夫、、古民家を手に入れる。。。

宮古島丘陵地域の山奥のの古民家を買い取った、、同級生の津島和夫には宮古島に戻り、、昔から、したかった音楽の制作や写真や絵を描きたいことを告げての購入だった。
静かな山奥が良いということで探して貰った。
そして、工務店を紹介して貰い、改装をしたのである、、、写真を現像するための暗室や、、デッサンするための部屋や、、、音楽を作曲する為と称して、防音の壁を施したりして、、、、
外からの侵入は頑丈な扉を付けて、、防犯のカメラなどを設置したのである。
車もワンビックカーを用意した。
そして、寺島郁夫は同級生の津島和夫には、其のことを徹底して、信用させるために、改装祝いをの為に彼を招待したのであった、、勿論、家族も招いて、庭でバーべキュウ食事会をひらいたのであった。。
そして、、寺島郁夫は復讐の計画を練ったのである。

そのころ、宮古島警察署の小百合警部補は東京から戻って、、どうしても、東京新宿歌舞伎町から消えた、寺島郁夫が気になり、、宮古島の彼の実家や訪ねそうなところを探した。
しかし、、その行方は分からなかった、、足取りが消えてしまい、小百合警部補はそれとなく、調べていた
そして、寺島郁夫は密輸荷揚げ港の問題で、トラブった「沖縄連合」の「宮地三郎幹部」を狙い、、捕まえて、、古民家に監禁したのであった。


7)沖縄連合の宮地三郎を拷問する、、、、

寺島郁夫は沖縄連合の幹部宮地三郎に狙いを定め、、宮古島市内の繁華街で、一人になったところを、、、「宮地、、、久しぶりだな、、ちょっと付き合って貰おうか、、、」と、いきなり、拳銃を突き付け、車に乗せた。
そして、寺島郁夫は買い取った古民家に、宮地三郎を監禁した。
改装した部屋に連れ込み、、、
「おい、、、宮地よ、、お前と一緒に、俺の妹を殺した奴の名前を全部,吐いて貰うからな、、
5人全員だ、、、」と、、言いながら、、宮地の太ももに銃弾を撃ち込んだ。
宮地三郎は痛みで、蹲った、、、
「馬鹿野郎、誰が言うものか、、俺もやくざだ、、仲間を売るものか、、」と、、啖呵を切った。
「分かった、、粋がっているのも、今のうちだ、、精一杯踏ん張れや、、」と、、言いながら、南国の猛牛と、恐れられた寺島郁夫の残酷さが始まった。
「いいか、、、お前たちの、、妹にした非情さはこんなもんじゃないからな、、」と、、言って、宮地三郎を天井の梁から吊るした。
素っ裸にして、、南国の猛牛の拷問がはじまったのである。。
「おい、、宮地、、吐くなよ、、、いいか、、妹の苦しみを、じっくりさせてやるからな、、」と、言いながら、、真っ赤に焼いた鉄の焼き鏝を、体に焼き付けていった。
悲鳴を上げて、、泣き喚いた。
「宮地、、、お前の男を使えなくするまで、焼き焦がしてやるから、、、いいか、吐くなよ、、」と、、言いながら攻めた。
そして、一日の拷問で根を挙げた「宮地三郎」であった。
妹、敦子の殺しに加わった、5人のやくざ、反ぐれの名前を全て吐いた。
寺島郁夫は既に利用価値の無くなった「宮地三郎」を殺した、、、泣いて、喚いて、命乞いをしたが、許さなかった。
それから、、5人の沖縄連合のやくざ組員「近江貞夫」「石田建夫」「後藤次郎」を探して、宮地三郎の名前を利用して、罠にかけて、古民家に監禁した。
そして、、宮地三郎と同じように拷問して、殺した。
反ぐれの二人は、何の噂を聞いたか、隠れたのであった。
二人は「相場徹」と「大川紘一」の反ぐれで、「相場徹」の父親が、沖縄連合の若頭相場惚太郎で、あったために、、事情を知った若頭が、寺島郁夫に向かってきたのであった。
それでも、寺島郁夫は沖縄連合に戦いを挑んで行き、、二人を追いかけた、、、命捨て身の南国の猛牛には敵はいなかった。
いつもガードマンが付いていたが、寺島郁夫は隙を狙い、付け回した。
逆に、襲われてたこともあったが、、百千練磨の殺し屋である、寺島郁夫は急場を逃れた。
一時は沖縄連合のやくざ達に銃弾を撃ち込まれて、、怪我もした。
しかし、その時には寺島郁夫も雲隠れをして、、湯治湯で傷を癒した。
昔、尋ねた、九州大分の法泉寺温泉でしばらく、療養した。。。秋の法泉寺温泉は紅葉も綺麗で、渓谷を流れる川風で心を癒した。
そして、、誓ったのである、、残る二人を始末するまでは、仇は終わらないと、、、








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