64 / 80
※64
しおりを挟む「ごめんね、ツェイ」
「許しません……」
「うっ……うん。ツェイを怖がらせたくなくて……初めのときにツェイが震えていたから嫌なのかなって……」
(あれは武者震いというか……)
そう伝えようかと思ったけれど、さすがに恥ずかしいので口を閉じた。
「怖くありません。テオドール様となら怖いことはありません」
身体を離して潤む上目でじっとテオドールを見上げるとまた困ったように眉を寄せたので、なぜかわからず首を傾げた。
「……それ、無自覚なの本当に困る」
「え?」
怒ったように眉を寄せるのに頬を染めてるから、またツーツェイは首を傾げた。そんな首筋に触れる指先。そのままベッドに押し倒されて上から見下ろされる。
「ツェイが途中でやめたくなっても止めないから」
「ッ!?」
初めてみるテオドールの悪そうな笑顔。そんな笑顔に背中がぞくりとする。固まってしまうけれど、それを無視して長い指が胸元のボタンを外していく。
「ッあ……んんっ」
ボタンを外して開くように滑らせて脱がせていく。その間も何度も胸元にキスを落とされて、その微かに触れる熱い吐息と柔らかな唇に声が漏れる。
「ッあぁ!?」
下着の上から胸の先を摘まれて部屋に響く高い声。初めて聞く自分のいやらしい声に堪らず手で塞ぐけれど、すぐに手を掴まれて外される。
「やぁっ、はず、はずかしぃっ……あぁっ!」
「煽ったのはツェイでしょう? 塞がないで」
「っ!? んんっ、ああぁっ……」
(うぁっ!? 格好いい!!)
髪をかきあげながら口の端をあげて笑うテオドールに心の中で呑気に惚気けてしまう。そんなツーツェイを知ってか知らずかすぐに下着も外されて直接胸を揉まれる。
テオドールの大きな手が胸を柔らかく沈み込み、形を変えるのにツーツェイが恥ずかしいけれど、目を逸らせない。手の隙間から立ち上がる胸の先に赤い舌がみえたとき……。
「ッああぁ!?」
温かく柔らかな濡れた口に胸の先を含まれる。舌先で刺激するように上下に弾かれたり乳輪をなぞるように丸く舐められて、あまりの刺激に瞳に涙が浮かぶ。
片方の胸の先は摘まれて指先で何度も弾かれて、こちらもぷっくりと赤く立ち上がってしまっている。
(こ、こんな……)
「っああぁっ、んんっ……んんぁ!?」
胸の先に与えられる快感に悶えていれば、下の下着の上から割れ目をなぞる指。
「びしょびしょ。ずっとこんなに濡らしてたの?」
舌を出して胸の先を舐めながら上目で問いかけられる。指が濡れる下着の上を滑らかに上下している。
「ねぇ、ツェイ。答えて?」
「や……はずか……やぁっ、ああぁっ」
「いままでもキスしてたとき濡れてた? 限界だって言ってたもんね」
「うぅ、っあああっ……んんっ」
(その通りだけど! その通りなんだけども!!)
テオドールとキスをするたびに股がしっとりと濡れて気持ちが悪かったのはツーツェイもわかっていた。けれども正直にそう答えるのが恥ずかしくて答えられない。それがわかっているはずなのにテオドールは愉しそうに何度も問いかけてくる。
1
お気に入りに追加
1,254
あなたにおすすめの小説
【R18】初夜を迎えたら、夫のことを嫌いになりました
みっきー・るー
恋愛
公爵令嬢のペレーネは、婚約者のいるアーファに恋をしていた。
彼は急死した父に代わり伯爵位を継いで間もなく、ある理由から経済的な支援をしてくれる先を探している最中だった。
弱みに付け入る形で、強引にアーファとの婚姻を成立させたペレーネだったが、待ち望んでいた初夜の際、唐突に彼のことを嫌いだと思う。
ペレーネは離縁して欲しいと伝えるが、アーファは離縁しないと憤り、さらには妻として子を生すことを求めた。
・Rシーンには※をつけます。描写が軽い場合はつけません。
・淡々と距離を縮めるようなお話です。
表紙絵は、あきら2号さまに依頼して描いて頂きました。
【R-18】年下国王の異常な執愛~義母は義息子に啼かされる~【挿絵付】
臣桜
恋愛
『ガーランドの翠玉』、『妖精の紡いだ銀糸』……数々の美辞麗句が当てはまる17歳のリディアは、国王ブライアンに見初められ側室となった。しかし間もなくブライアンは崩御し、息子であるオーガストが成人して即位する事になった。17歳にして10歳の息子を持ったリディアは、戸惑いつつも宰相の力を借りオーガストを育てる。やがて11年後、21歳になり成人したオーガストは国王となるなり、28歳のリディアを妻に求めて……!?
※毎日更新予定です
※血の繋がりは一切ありませんが、義息子×義母という特殊な関係ですので地雷っぽい方はお気をつけください
※ムーンライトノベルズ様にも同時連載しています
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
美貌の騎士団長は逃げ出した妻を甘い執愛で絡め取る
束原ミヤコ
恋愛
旧題:夫の邪魔になりたくないと家から逃げたら連れ戻されてひたすら愛されるようになりました
ラティス・オルゲンシュタットは、王国の七番目の姫である。
幻獣種の血が流れている幻獣人である、王国騎士団団長シアン・ウェルゼリアに、王を守った褒章として十五で嫁ぎ、三年。
シアンは隣国との戦争に出かけてしまい、嫁いでから話すこともなければ初夜もまだだった。
そんなある日、シアンの恋人という女性があらわれる。
ラティスが邪魔で、シアンは家に戻らない。シアンはずっとその女性の家にいるらしい。
そう告げられて、ラティスは家を出ることにした。
邪魔なのなら、いなくなろうと思った。
そんなラティスを追いかけ捕まえて、シアンは家に連れ戻す。
そして、二度と逃げないようにと、監禁して調教をはじめた。
無知な姫を全力で可愛がる差別種半人外の騎士団長の話。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】鳥籠の妻と変態鬼畜紳士な夫
Ringo
恋愛
夫が好きで好きで好きすぎる妻。
生まれた時から傍にいた夫が妻の生きる世界の全てで、夫なしの人生など考えただけで絶望レベル。
行動の全てを報告させ把握していないと不安になり、少しでも女の気配を感じれば嫉妬に狂う。
そしてそんな妻を愛してやまない夫。
束縛されること、嫉妬されることにこれ以上にない愛情を感じる変態。
自身も嫉妬深く、妻を家に閉じ込め家族以外との接触や交流を遮断。
時に激しい妄想に駆られて俺様キャラが降臨し、妻を言葉と行為で追い込む鬼畜でもある。
そんなメンヘラ妻と変態鬼畜紳士夫が織り成す日常をご覧あれ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※現代もの
※R18内容濃いめ(作者調べ)
※ガッツリ行為エピソード多め
※上記が苦手な方はご遠慮ください
完結まで執筆済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる