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Scene11 〝正しい〟が持つ魔力
scene11-8 血まみれの共鳴 前編
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天沢奏との一騎打ち。
これまで何度か機会はあったが、今回は今までと明らかに違う。
七緒はすでに従僕としてこちら側、真弥と千紗はまだ七緒ほどでは無いがもう自分に逆らいはしないだろう。
そして、如月和成もすでに奏の傍にはいない。
いよいよかつての屈辱を清算する時が来た……そう思ったが、正直司は冷めていた。
「シィッッ!!」
細めた唇から鋭く息を抜き、手首のスナップで戦闘棒を回転させながら腰の捻りも加えて正拳突きの様に左腕を突き出す奏。それと同時に戦闘棒が爆音と閃光を放ち、まるで弾丸を射出する様に先端の打突部が司の顔面に目掛けて軌線を引く。
「……――ふッ!」
瞬き一つの内に頭部が弾け飛ぶ様な不意打ちにも動じず、司は手にしていた外骨格の黒剣を顔の前に持ち上げて飛来物を弾く。
――ジャラララッ!!
「ん?」
弾かれて勢いを失った先端から響く奇妙な金属音。
飛んで来た先端と奏が握る戦闘棒の本体は細い鎖で繋がっていた。
「はぁぁッ!!」
奏が再度手首を返す。
緩んだ鎖はまるで意志を持っているかの様にうねり跳ねて、司が持つ黒剣に巻き付いたかと思えば奏は即座に戦闘棒を引いて司の武器を奪取に掛かる。
だが、それは意味の無い行為であり司は即座に外骨格であるその黒剣を分解。
巻き付く対象を失った鎖は、今度こそ力無く垂れ落ち、司は消した黒剣を再度形成し直そうとする。
しかし……。
「はぁあああぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
ほんの一瞬の単剣状態に陥った司。
その隙を逃すまいと、奏は瞬時に間合いを詰めて両手に握る戦闘棒の高速連打を叩き込む。
――ダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!
「むッ!?」
やはり外骨格での戦いの心得は奏の方に一日の長があるかもしれない。
未来の超合金や摩訶不思議な鉱物ではなく、自身に内包するナノマシンから形成してその形を維持するのも分解するのも意のままである外骨格を奪うという行為には何の意味も無い。
つまりは単なる装備崩しや相手のリズムを狂わせるためのブラフ。
出だしのタイミングを外されて手数を半減させられた司は残る黒剣を盾状に再形成して防御体勢を取る。
その華奢な見かけによらず岩の塊でも投げ付けられているかの様な衝撃が連続して襲い掛かり、司は押さえ付けられる様な形で防戦を強いられた。
「初手小細工とか……随分と小物ムーブだな?」
「素人がそれっぽいことを言って自己保身かしらッ!? 見苦しいからやめた方がいいわよ? まぁ、どの道お前みたいな人類のゴミは今日こそ処分するんだから反省する意味も無いけどッ!!」
息継く間もない連撃を続ける奏。
こうしてみると、やはり伊達で討伐隊である【修正者】の上官職に就いている訳ではないことが伺える。
七緒との戦いで負傷しているのは間違いないはずの右腕の打撃も骨身に響く威力を放って来ており、司の黒盾も堅牢に防いでいる様に見えてその実、絶えず補強し直して形状を維持している状態。
だが、奏の攻撃力と司の防御力は丁度拮抗していて、その分司には思考の猶予が出来ていた。
(和成より一発一発の出力は控えめだけど動きのキレが比べ物にならない。速度的に見れば綴より下だけど緩急があってこっちの方が断然対処し辛い。アベレージが軒並み高いって感じだな。万能型って言うだけのことはある。イマイチ良い攻め筋が見えてこないし……俺がこれまで戦った奴らの中では間違いなく一番強い)
切れ間の無い奏の攻撃に、このまましばらく耐えていればスタミナ切れに追い込めるかとも思ったが、その勢いは衰えるどころか次第に勢いが増してゆき、もう一撃一撃の打撃音は大砲の様な轟音を上げ始めていた。
「――うぐッ!?」
攻撃を放つ本人の体重より数倍は重い打突。
助走を付けたり高低差を利用している訳でも無く、至近距離で打ち込む際の腕の回転だけでどうやってこの重さが出せるのかと疑問に思うが、今更未来人が物理法則に縛られているなど司も考えておらず、仕組みは不明だがこのまま好き放題に打たせていれば、いずれ彼女の攻撃は耐え切れない威力にまで増して来るのだろうと司は仮定した。
「ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハハッ! アハハッ!! こ、殺す! お、おま……お前をこの世から消し去って! 私は和君と平和に暮らすのッ!!」
「…………」
これだ。
この今の奏は、どうにも司の中で復讐の対象にそぐわない。
崩壊まではいかずとも亀裂の修復が間に合わなくなり始めていた黒盾越しに見る奏。
達真のことを和成だと誤認し、運命共同体だったであろう七緒達のことももう居ないも同然に見ているその顔には、すでに色濃い狂気が見え始めていた。
「ひ、ひひッ! 手も足も出ないわねッ!? いいわよ! お似合いだわッ! このまま死になさいよッッ!」
瞬きもせず見開かれた両目は、まるで血色の瞳からヒビが入っている様に見えるほど血走っていて、本人の意志とは裏腹に身体は酸素が足りていないのか、口端に少し泡立つ唾液が滴っている。
命を狙われていた司から見れば前々からのことだが、もう今の彼女は誰の目から見てもまともな精神状態ではない。
(……こういうの嫌だな。どうせなら最初から最後まで〝俺にとっての悪魔〟でいてくれたらよかったのに……)
自分の身の上に付け込み暗殺の機会を狙っていた天沢奏。
我ながら単純にもまんまと好意を抱かされ、それを最後には全部ひっくり返す前提の仕打ち。
その行為に対する復讐こそ司の一つのモチベーションだったのに、彼女はもうすでに自分の行動を理解しておらず他の誰かの操り人形に成り果てている。
(くそがッ! 達真の野郎……前々から計画していたのか知らねぇけど、俺の領分にまで踏み込んでゴチャゴチャと状況をややこしくしやがってッ!)
司は視線だけ僅かに横へ向け、自分と奏の対戦など小競り合いにも満たない規模で戦う良善と達真の方へ目を向ける。
「「――――――――――」」
片手を突き出し合い、微動だにしない良善と達真。
本人達にはまるで動きが無く、超越者同士の本気の戦いというにはかなり地味で拍子抜けな様相。
しかし、それはあくまでも良善と達真だけを見た感想。
二人の周囲は渦巻く暴風や横に走る雷などが荒れ狂い、街の中心部は隕石でも落ちたかの様な大規模なクレーターが出来ていた。
――た、助けてくれッ! 誰かぁッ! 誰――あああああああぁぁぁぁッッッ!!!
――いやぁぁぁぁぁッッッ!!! 助け――ぎゃあああああああああああぁぁぁッッ!!!
荒れ狂う人外二人の特設リング。
そこに不運にも巻き込まれてしまった一般人達は必死に瓦礫にしがみ付いて耐えていたが、等々耐え切れずに手を滑らせてしまったが最後、男も女も木の葉の様に巻き上げられて二人の方へ吸い寄せられてゆき、一定の距離まで近付いた刹那、一瞬血の様な赤い霧が飛び散ったかと思えば、そのあとにはにもうその不幸な犠牲者は影も形も無くなってしまった。
一体何が起きたのか?
予想は出来るが精神衛生的にやめておいた方がいいと思った司は、お願いだから二人ともそのままそこから動かず戦っておいてくれと願わずにはいられなかった。
(まぁ、本当に睨み合ってるだけってはずはないよな。ビルや地面があちこちで爆発したりミキサーにぶち込まれたみたいに粉々になって消えてる。見えない何かをぶつけ合ってるのか? どっちにしてもマジでそこから動かないでくれって感じだな。……それにしても、あぁして向かい合ってるだけで世界が壊れていくとか、これほど相容れないってのもすごい話だな)
同じ組織の首領と副首領でどうしてこうなるのか?
馴れ合いはしない以前にそもそも一時とはいえ協力関係を結んでいたこと自体が不思議でならない。
(理解出来ない……いや、あの二人を理解しようとすること自体、今の俺には無理だ)
無駄な労力だと思考を切り上げる司。
それにそろそろ奏の攻撃が無視出来ない威力になりつつあり、司は改めて奏の方へ視線を戻す。
「ハァッ! ハァッ! このぉッ! わ、私を前にして余所見とかッ! 調子に乗ってんじゃないわよッッ!!」
「は? あぁ……悪い悪い。別に舐めてる訳じゃねぇよ。心配しなくても俺はお前をお前の大好きな和君より強いと思ってる。もちろん……だからなんだってレベルだけどな?」
「――くッ!? 殺すッ!!」
一旦間合いを取り直して腰を落とす奏。
その身から溢れ出る存在圧は髪を逆立て周囲の空気を弾き飛ばして十分に司の肌をヒリ付かせる。
(完全に七緒や綴を越えた……紗々羅やルーツィアが相手でも見劣りしないだろ、これ)
軽々しく相手を『殺す』という様な奴にロクな者いた試しは無かったが、ギアを上げた今の奏には相応なモノを感じた。しかし、残念ながらすぐ傍で〝別格〟を見て来てある意味強さというモノに対する不感症になってしまった今の司では、やはりどこか危機感にスイッチが入り切らなかった。
心が酷く凪いでいて、奏が怒号を上げて再度殴り掛かって来ても――。
「うぁあああああああああああああぁぁぁぁぁッッ!!!!」
「……――んッ!」
黒盾を消し、手甲に切り替えて迫る奏の戦闘棒を側面から叩いて逸らす。
当たれば致命的な威力。
しかし、どこか安全なラインでもあるかの様に、司にはまるで奏の攻撃が怖くない。
もしかすると、覚えたての〝感情〟の能力を使ってしまっているのかもと思ったが、何となく察する自分の〝D・E〟解放度は第三階層の二割ほど。
達真の見立てを参考にするならまだそれほど力を発揮してはいない。
「ぐッ!? こ、のぉぉぉぉぉッッ!!!」
再び腕の輪郭が霞むほどの連打。
さらに先ほどまでとは違い、足蹴りや微妙に位置をズラした小刻みな動きも混ぜて一辺倒にはならない多角的な攻撃を繰り出して来る。
威力も十分。当たれば〝D・E〟があっても骨どころか肉ごと爆ぜ散るんではないかと思わせるし、当たっていなくともその空振りだけで頬や腕に切り傷が走る。
だが……。
「…………」
「このッ! このぉッ!! 澄ました顔で余裕気取ってッ!! いい気になってんじゃないわよッ!!」
「……気取ってる訳じゃねぇぞ? 実際余裕なんだよ。この程度なら何千何万打ち込んで来ても絶対当たんない」
「――ッ!? こ、このぉぉぉッッ!!!」
黒盾で受けている間に奏の攻撃感は掴んだ。
おまけに別格達の傍で慣らされた〝眼〟は奏の凶打を確実に捉えれている。
油断ではなく明確な余裕……そのゆとりが焦らず冷静な見極めを司にもたらし、次第に手甲で逸らす手間も省略して、腰の捻りや上体反らしだけで奏の攻撃を躱し切り始める。
そして、何もこちらは一切反撃をしないなんてつもりはない。
司は男女平等派だ。
「すぅ……――ふッ!!」
「――ぐぶッ!?」
突き出した奏の左の戦闘棒に手甲を宛がい滑る様に間合いを詰めて奏の左脇腹へフックパンチを打ち込む。
〝Arm's〟の鎧を纏っていても片腕が回り切りそうなくびれた腰にあるまじき大木でも殴りつけたかの様な反発を感じたが、確実にダメージは通ったらしく奏の目が焦点を失い、身体がくの字に折れ曲がって攻撃が止む。
「あ、ぐぅ、あ……――ん゛ッッ!!」
「うぉッ!?」
一瞬意識が飛び裏返りかけた奏の瞳がギョロッと司を捉え直し、強引に身体を捻り右手に掴んだ戦闘棒が司の頭部があった場所をコンマ数秒遅く振り抜かれていく。
「くはッ!? けほッ! こほッ! ハァ……ハァ……さ、触るんじゃない……わよ、ゴミぃッ!」
「……よく叫べるな? っていうか今ので落ちないのかよ。感触的にあばら四~五本は取ったと思ったんだが? 何がお前をそうさせるんだよ?」
口から血雫を吐きながら叫ぶ奏に呆れた顔を見せる司。
和成との甘い日々を夢見て戦っている?
実に下らない。そもそも本物と偽物の区別も付かない程度のモノを戦う理由にしているなど、もはや怒りを通り越して憐れみすら覚えてしまう。
ただ、そんな虚飾の戦う意味もいよいよ勢いは衰えた。
能力の差……意義の差……司の中でもう奏に負ける道理は見出せなかった。
「諦めろよ、天沢。俺はもうお前を越えてる。まぁ、周りに無理矢理引き摺り上げられた感があって誇れたモンではないけどさ。ただ、お前程度とまともにやり合うレベルにはもういない。このままかつての憂さ晴らしに袋叩きにしたって誰にも文句を言われる筋合いはないけど、正直……今のお前にだと何の意味も無――」
――ピキッ!
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!」
ゴミと貶す男に見下されて絶叫する奏。
とうとうキレてヒステリックを起こしたのかとうんざりする司だったが、すぐに少々様子がおかしいことに気付く。
「……なんだ?」
ひたすらに叫び散らし、頭を掻きむしり身を捩る奏。
次第にその叫ぶ声に文法が無くなり、いよいよ本格的に狂ってしまった様に見える。
ところが、勢いが止まったはずの存在圧が再び溢れ始めて、その見開かれた両目から血涙が流れ出た途端。
「――うッ!?」
全身に鳥肌が走る。
まだこちらの〝感情〟に関わる能力を使っていなかったが、和成との戦いの時に学んだ雰囲気。
見栄を張っている場合ではない……司は紛れも無く奏に対する怖気に襲われた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁッッッ!!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁッッッ!!!! ぐがッ!? がッ! がぁッ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁッッッ!!!!」
――ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ!
司の耳に突き刺さる様な騒音。
自分の心臓の音?
違う……それは目の前で喚き仰け反る奏から聞こえるあり得ないほど大きな鼓動だった。
「お、おい……何しやがったあいつッ!?」
両手に持つ戦闘棒が形を失い、苦しそうに胸を抑えて藻掻く奏。
耳や鼻からも血が滴り、ついには全身の至る所から血が溢れ出しているのか〝Arm's〟の隙間から鮮血が漏れ出てきた。
「身体中から血が溢れてる? まさか……血の入れ替えッ!?」
見覚えがある……いや、身に覚えがあると言った方が正しいか?
いよいよ〝Arm's〟すら維持し切れずアンダースーツ姿になっていく奏の全身は、もう殆ど肌が覆い尽くされるほど血の膜を張った様な流血姿。
それはかつて司が人間を辞めた夜の姿とあまりにも酷似していた。
「俺と同じ? 〝D・E〟が本気で天沢と同調した? い、いや……でも、あいつは元々ナノマシンを持ってたはずで、いまさら……くそッ! お前のどこにそんな力の根源があるって言うんだよッ!?」
認められない……認めたくない……。
さっさと自分を殺してお役御免になって心置きなく平和に暮らす。
そんな腐った動機で戦って来た奴に並ばれるなど不快極まる。
頭に上る沸騰した血。
だが、司ももうすでにそんな衝動的に行動する時期は越えていた。
「――チッ! ダメだ切り替えろ! この存在圧……ついさっきまでとはモノが違うッ!」
納得出来ないという感情に身を任せている場合ではない。
目の前で血達磨になっているあの奏が、もしもそのまま倒れず自分に襲い掛かって来る様なことがあれば、恐らくそれを自分が単身で対処し切れるかはかなりギリギリのライン。
それ程までに膨れ上がっていく存在圧。
無駄な思考をしている暇は無く、司は『どうして?』などという後でも出来る思考を脳内の机上から払い除けて『どうする?』という現状対処を組み立てに掛かった…………。
これまで何度か機会はあったが、今回は今までと明らかに違う。
七緒はすでに従僕としてこちら側、真弥と千紗はまだ七緒ほどでは無いがもう自分に逆らいはしないだろう。
そして、如月和成もすでに奏の傍にはいない。
いよいよかつての屈辱を清算する時が来た……そう思ったが、正直司は冷めていた。
「シィッッ!!」
細めた唇から鋭く息を抜き、手首のスナップで戦闘棒を回転させながら腰の捻りも加えて正拳突きの様に左腕を突き出す奏。それと同時に戦闘棒が爆音と閃光を放ち、まるで弾丸を射出する様に先端の打突部が司の顔面に目掛けて軌線を引く。
「……――ふッ!」
瞬き一つの内に頭部が弾け飛ぶ様な不意打ちにも動じず、司は手にしていた外骨格の黒剣を顔の前に持ち上げて飛来物を弾く。
――ジャラララッ!!
「ん?」
弾かれて勢いを失った先端から響く奇妙な金属音。
飛んで来た先端と奏が握る戦闘棒の本体は細い鎖で繋がっていた。
「はぁぁッ!!」
奏が再度手首を返す。
緩んだ鎖はまるで意志を持っているかの様にうねり跳ねて、司が持つ黒剣に巻き付いたかと思えば奏は即座に戦闘棒を引いて司の武器を奪取に掛かる。
だが、それは意味の無い行為であり司は即座に外骨格であるその黒剣を分解。
巻き付く対象を失った鎖は、今度こそ力無く垂れ落ち、司は消した黒剣を再度形成し直そうとする。
しかし……。
「はぁあああぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
ほんの一瞬の単剣状態に陥った司。
その隙を逃すまいと、奏は瞬時に間合いを詰めて両手に握る戦闘棒の高速連打を叩き込む。
――ダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!
「むッ!?」
やはり外骨格での戦いの心得は奏の方に一日の長があるかもしれない。
未来の超合金や摩訶不思議な鉱物ではなく、自身に内包するナノマシンから形成してその形を維持するのも分解するのも意のままである外骨格を奪うという行為には何の意味も無い。
つまりは単なる装備崩しや相手のリズムを狂わせるためのブラフ。
出だしのタイミングを外されて手数を半減させられた司は残る黒剣を盾状に再形成して防御体勢を取る。
その華奢な見かけによらず岩の塊でも投げ付けられているかの様な衝撃が連続して襲い掛かり、司は押さえ付けられる様な形で防戦を強いられた。
「初手小細工とか……随分と小物ムーブだな?」
「素人がそれっぽいことを言って自己保身かしらッ!? 見苦しいからやめた方がいいわよ? まぁ、どの道お前みたいな人類のゴミは今日こそ処分するんだから反省する意味も無いけどッ!!」
息継く間もない連撃を続ける奏。
こうしてみると、やはり伊達で討伐隊である【修正者】の上官職に就いている訳ではないことが伺える。
七緒との戦いで負傷しているのは間違いないはずの右腕の打撃も骨身に響く威力を放って来ており、司の黒盾も堅牢に防いでいる様に見えてその実、絶えず補強し直して形状を維持している状態。
だが、奏の攻撃力と司の防御力は丁度拮抗していて、その分司には思考の猶予が出来ていた。
(和成より一発一発の出力は控えめだけど動きのキレが比べ物にならない。速度的に見れば綴より下だけど緩急があってこっちの方が断然対処し辛い。アベレージが軒並み高いって感じだな。万能型って言うだけのことはある。イマイチ良い攻め筋が見えてこないし……俺がこれまで戦った奴らの中では間違いなく一番強い)
切れ間の無い奏の攻撃に、このまましばらく耐えていればスタミナ切れに追い込めるかとも思ったが、その勢いは衰えるどころか次第に勢いが増してゆき、もう一撃一撃の打撃音は大砲の様な轟音を上げ始めていた。
「――うぐッ!?」
攻撃を放つ本人の体重より数倍は重い打突。
助走を付けたり高低差を利用している訳でも無く、至近距離で打ち込む際の腕の回転だけでどうやってこの重さが出せるのかと疑問に思うが、今更未来人が物理法則に縛られているなど司も考えておらず、仕組みは不明だがこのまま好き放題に打たせていれば、いずれ彼女の攻撃は耐え切れない威力にまで増して来るのだろうと司は仮定した。
「ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハハッ! アハハッ!! こ、殺す! お、おま……お前をこの世から消し去って! 私は和君と平和に暮らすのッ!!」
「…………」
これだ。
この今の奏は、どうにも司の中で復讐の対象にそぐわない。
崩壊まではいかずとも亀裂の修復が間に合わなくなり始めていた黒盾越しに見る奏。
達真のことを和成だと誤認し、運命共同体だったであろう七緒達のことももう居ないも同然に見ているその顔には、すでに色濃い狂気が見え始めていた。
「ひ、ひひッ! 手も足も出ないわねッ!? いいわよ! お似合いだわッ! このまま死になさいよッッ!」
瞬きもせず見開かれた両目は、まるで血色の瞳からヒビが入っている様に見えるほど血走っていて、本人の意志とは裏腹に身体は酸素が足りていないのか、口端に少し泡立つ唾液が滴っている。
命を狙われていた司から見れば前々からのことだが、もう今の彼女は誰の目から見てもまともな精神状態ではない。
(……こういうの嫌だな。どうせなら最初から最後まで〝俺にとっての悪魔〟でいてくれたらよかったのに……)
自分の身の上に付け込み暗殺の機会を狙っていた天沢奏。
我ながら単純にもまんまと好意を抱かされ、それを最後には全部ひっくり返す前提の仕打ち。
その行為に対する復讐こそ司の一つのモチベーションだったのに、彼女はもうすでに自分の行動を理解しておらず他の誰かの操り人形に成り果てている。
(くそがッ! 達真の野郎……前々から計画していたのか知らねぇけど、俺の領分にまで踏み込んでゴチャゴチャと状況をややこしくしやがってッ!)
司は視線だけ僅かに横へ向け、自分と奏の対戦など小競り合いにも満たない規模で戦う良善と達真の方へ目を向ける。
「「――――――――――」」
片手を突き出し合い、微動だにしない良善と達真。
本人達にはまるで動きが無く、超越者同士の本気の戦いというにはかなり地味で拍子抜けな様相。
しかし、それはあくまでも良善と達真だけを見た感想。
二人の周囲は渦巻く暴風や横に走る雷などが荒れ狂い、街の中心部は隕石でも落ちたかの様な大規模なクレーターが出来ていた。
――た、助けてくれッ! 誰かぁッ! 誰――あああああああぁぁぁぁッッッ!!!
――いやぁぁぁぁぁッッッ!!! 助け――ぎゃあああああああああああぁぁぁッッ!!!
荒れ狂う人外二人の特設リング。
そこに不運にも巻き込まれてしまった一般人達は必死に瓦礫にしがみ付いて耐えていたが、等々耐え切れずに手を滑らせてしまったが最後、男も女も木の葉の様に巻き上げられて二人の方へ吸い寄せられてゆき、一定の距離まで近付いた刹那、一瞬血の様な赤い霧が飛び散ったかと思えば、そのあとにはにもうその不幸な犠牲者は影も形も無くなってしまった。
一体何が起きたのか?
予想は出来るが精神衛生的にやめておいた方がいいと思った司は、お願いだから二人ともそのままそこから動かず戦っておいてくれと願わずにはいられなかった。
(まぁ、本当に睨み合ってるだけってはずはないよな。ビルや地面があちこちで爆発したりミキサーにぶち込まれたみたいに粉々になって消えてる。見えない何かをぶつけ合ってるのか? どっちにしてもマジでそこから動かないでくれって感じだな。……それにしても、あぁして向かい合ってるだけで世界が壊れていくとか、これほど相容れないってのもすごい話だな)
同じ組織の首領と副首領でどうしてこうなるのか?
馴れ合いはしない以前にそもそも一時とはいえ協力関係を結んでいたこと自体が不思議でならない。
(理解出来ない……いや、あの二人を理解しようとすること自体、今の俺には無理だ)
無駄な労力だと思考を切り上げる司。
それにそろそろ奏の攻撃が無視出来ない威力になりつつあり、司は改めて奏の方へ視線を戻す。
「ハァッ! ハァッ! このぉッ! わ、私を前にして余所見とかッ! 調子に乗ってんじゃないわよッッ!!」
「は? あぁ……悪い悪い。別に舐めてる訳じゃねぇよ。心配しなくても俺はお前をお前の大好きな和君より強いと思ってる。もちろん……だからなんだってレベルだけどな?」
「――くッ!? 殺すッ!!」
一旦間合いを取り直して腰を落とす奏。
その身から溢れ出る存在圧は髪を逆立て周囲の空気を弾き飛ばして十分に司の肌をヒリ付かせる。
(完全に七緒や綴を越えた……紗々羅やルーツィアが相手でも見劣りしないだろ、これ)
軽々しく相手を『殺す』という様な奴にロクな者いた試しは無かったが、ギアを上げた今の奏には相応なモノを感じた。しかし、残念ながらすぐ傍で〝別格〟を見て来てある意味強さというモノに対する不感症になってしまった今の司では、やはりどこか危機感にスイッチが入り切らなかった。
心が酷く凪いでいて、奏が怒号を上げて再度殴り掛かって来ても――。
「うぁあああああああああああああぁぁぁぁぁッッ!!!!」
「……――んッ!」
黒盾を消し、手甲に切り替えて迫る奏の戦闘棒を側面から叩いて逸らす。
当たれば致命的な威力。
しかし、どこか安全なラインでもあるかの様に、司にはまるで奏の攻撃が怖くない。
もしかすると、覚えたての〝感情〟の能力を使ってしまっているのかもと思ったが、何となく察する自分の〝D・E〟解放度は第三階層の二割ほど。
達真の見立てを参考にするならまだそれほど力を発揮してはいない。
「ぐッ!? こ、のぉぉぉぉぉッッ!!!」
再び腕の輪郭が霞むほどの連打。
さらに先ほどまでとは違い、足蹴りや微妙に位置をズラした小刻みな動きも混ぜて一辺倒にはならない多角的な攻撃を繰り出して来る。
威力も十分。当たれば〝D・E〟があっても骨どころか肉ごと爆ぜ散るんではないかと思わせるし、当たっていなくともその空振りだけで頬や腕に切り傷が走る。
だが……。
「…………」
「このッ! このぉッ!! 澄ました顔で余裕気取ってッ!! いい気になってんじゃないわよッ!!」
「……気取ってる訳じゃねぇぞ? 実際余裕なんだよ。この程度なら何千何万打ち込んで来ても絶対当たんない」
「――ッ!? こ、このぉぉぉッッ!!!」
黒盾で受けている間に奏の攻撃感は掴んだ。
おまけに別格達の傍で慣らされた〝眼〟は奏の凶打を確実に捉えれている。
油断ではなく明確な余裕……そのゆとりが焦らず冷静な見極めを司にもたらし、次第に手甲で逸らす手間も省略して、腰の捻りや上体反らしだけで奏の攻撃を躱し切り始める。
そして、何もこちらは一切反撃をしないなんてつもりはない。
司は男女平等派だ。
「すぅ……――ふッ!!」
「――ぐぶッ!?」
突き出した奏の左の戦闘棒に手甲を宛がい滑る様に間合いを詰めて奏の左脇腹へフックパンチを打ち込む。
〝Arm's〟の鎧を纏っていても片腕が回り切りそうなくびれた腰にあるまじき大木でも殴りつけたかの様な反発を感じたが、確実にダメージは通ったらしく奏の目が焦点を失い、身体がくの字に折れ曲がって攻撃が止む。
「あ、ぐぅ、あ……――ん゛ッッ!!」
「うぉッ!?」
一瞬意識が飛び裏返りかけた奏の瞳がギョロッと司を捉え直し、強引に身体を捻り右手に掴んだ戦闘棒が司の頭部があった場所をコンマ数秒遅く振り抜かれていく。
「くはッ!? けほッ! こほッ! ハァ……ハァ……さ、触るんじゃない……わよ、ゴミぃッ!」
「……よく叫べるな? っていうか今ので落ちないのかよ。感触的にあばら四~五本は取ったと思ったんだが? 何がお前をそうさせるんだよ?」
口から血雫を吐きながら叫ぶ奏に呆れた顔を見せる司。
和成との甘い日々を夢見て戦っている?
実に下らない。そもそも本物と偽物の区別も付かない程度のモノを戦う理由にしているなど、もはや怒りを通り越して憐れみすら覚えてしまう。
ただ、そんな虚飾の戦う意味もいよいよ勢いは衰えた。
能力の差……意義の差……司の中でもう奏に負ける道理は見出せなかった。
「諦めろよ、天沢。俺はもうお前を越えてる。まぁ、周りに無理矢理引き摺り上げられた感があって誇れたモンではないけどさ。ただ、お前程度とまともにやり合うレベルにはもういない。このままかつての憂さ晴らしに袋叩きにしたって誰にも文句を言われる筋合いはないけど、正直……今のお前にだと何の意味も無――」
――ピキッ!
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!」
ゴミと貶す男に見下されて絶叫する奏。
とうとうキレてヒステリックを起こしたのかとうんざりする司だったが、すぐに少々様子がおかしいことに気付く。
「……なんだ?」
ひたすらに叫び散らし、頭を掻きむしり身を捩る奏。
次第にその叫ぶ声に文法が無くなり、いよいよ本格的に狂ってしまった様に見える。
ところが、勢いが止まったはずの存在圧が再び溢れ始めて、その見開かれた両目から血涙が流れ出た途端。
「――うッ!?」
全身に鳥肌が走る。
まだこちらの〝感情〟に関わる能力を使っていなかったが、和成との戦いの時に学んだ雰囲気。
見栄を張っている場合ではない……司は紛れも無く奏に対する怖気に襲われた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁッッッ!!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁッッッ!!!! ぐがッ!? がッ! がぁッ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁッッッ!!!!」
――ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ!
司の耳に突き刺さる様な騒音。
自分の心臓の音?
違う……それは目の前で喚き仰け反る奏から聞こえるあり得ないほど大きな鼓動だった。
「お、おい……何しやがったあいつッ!?」
両手に持つ戦闘棒が形を失い、苦しそうに胸を抑えて藻掻く奏。
耳や鼻からも血が滴り、ついには全身の至る所から血が溢れ出しているのか〝Arm's〟の隙間から鮮血が漏れ出てきた。
「身体中から血が溢れてる? まさか……血の入れ替えッ!?」
見覚えがある……いや、身に覚えがあると言った方が正しいか?
いよいよ〝Arm's〟すら維持し切れずアンダースーツ姿になっていく奏の全身は、もう殆ど肌が覆い尽くされるほど血の膜を張った様な流血姿。
それはかつて司が人間を辞めた夜の姿とあまりにも酷似していた。
「俺と同じ? 〝D・E〟が本気で天沢と同調した? い、いや……でも、あいつは元々ナノマシンを持ってたはずで、いまさら……くそッ! お前のどこにそんな力の根源があるって言うんだよッ!?」
認められない……認めたくない……。
さっさと自分を殺してお役御免になって心置きなく平和に暮らす。
そんな腐った動機で戦って来た奴に並ばれるなど不快極まる。
頭に上る沸騰した血。
だが、司ももうすでにそんな衝動的に行動する時期は越えていた。
「――チッ! ダメだ切り替えろ! この存在圧……ついさっきまでとはモノが違うッ!」
納得出来ないという感情に身を任せている場合ではない。
目の前で血達磨になっているあの奏が、もしもそのまま倒れず自分に襲い掛かって来る様なことがあれば、恐らくそれを自分が単身で対処し切れるかはかなりギリギリのライン。
それ程までに膨れ上がっていく存在圧。
無駄な思考をしている暇は無く、司は『どうして?』などという後でも出来る思考を脳内の机上から払い除けて『どうする?』という現状対処を組み立てに掛かった…………。
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