アナザー・リバース ~未来への逆襲~

峪房四季

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Scene10 被告:綴真弥

scene10-4 血塗れの産声 中編

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 先遣隊同士が衝突した地点から少し離れた森の中。
 大人二人が手を広げてようやく外周を囲える様な太い木々が立ち並び、陽の光を遮って薄暗くなっていたが、その合間を縫う様に通り過ぎる二つの風が全てを蹴散らしていく。

「だぁあああああああああぁぁぁッッッ!!!」

「はぁあああああああああぁぁぁッッッ!!!」

 片方はまるで子どもの喧嘩。
 手足を全力で力任せに振り回すだけなのだがその威力が尋常ではない。
 木の幹と交差すれば、太さは十倍でも利かない大木の方が弾け散り、地面に向かって振り下ろされたらまるで地雷が炸裂する様に土が舞い大穴が空く。
 だが、その異様な破壊力よりも不自然なのは、木も土もどこを取ってもその破壊を生み出す手と足がという点だった。

「ハァッ! ハァッ! フゥ――ッ! くそッ! やっぱりこの戦い方じゃダメだ! 疲れるッ!!」

 自分が巻き上げた土を被った髪を払い荒れた息を整える司。
 この側流世界に到着して以降、ようやく〝D・E〟の外骨格の理解へ手が届き掛けていた彼は、自分の手足の延長へ瞬間的に外骨格を伸ばすことでリーチと破壊力を底上げしてみたのだが、使い捨ての様なこの手法ではあまりに燃費が悪く必要以上に疲労感を感じてしまう。

「はッ! ゴミクズのあんたにはお似合いの馬鹿な戦い方よッ!!」

 荒れる暴風の様な司に対し、もう一つの風は刃を持った突風。
 一度吹けば大木が巻き藁の様に切り払われ、地面には土煙さえ上がらず深い裂創が走る。
 洗練された無駄の無い動きは最短で司の首を狙い、司はその凶風を強引に跳ね返すばかりという構図。
 特に息の乱れも無く、なびく髪に手櫛を加える余裕さえある真弥。
 二人の戦いは実質互角ではあったが、このまま続けばいずれ有利なのはやはり経験値で勝る真弥だろう。

「舐めんなッ!!」

 リーチを捨て、手足の硬質化に全力を注いだ近接戦に切り替える司。
 鍛えたプロボクサーでも一撃で身体を貫通させてしまうであろう司のフックが真弥の脇を刈りにいく。
 だが、振り下ろされた刀がそれを払い落とし、もう一度今度は逆の手で顎先を狙った拳を繰り出しても刃を返した切り上げで払い退けられる。

「このッ!!」

 拳打では真弥の刀捌きを抜けれない。
 ならば腕の三倍は威力があるとされる足主体の攻撃へと切り替えたが、真弥もすぐさま対応の組み立てを変えて今度は回避を主体に立ち回って来る。

「単純……センス無いからさっさと死ね」

 バックステップで司から一旦距離を取り、足が地面に付いた瞬間その身体の輪郭がボヤけるほどの動きで司の真後ろに回り込んだ真弥は全力で刀を司の頭部へ振り下ろす。
 身体の正中線に沿って司の身体を二等分するかの如き一撃。
 だが、動き出しを見失いながらも司はその強烈な殺気だけは最初から最後まで見逃さず捉え続けて、頭の上に両腕を交差させたノールックで真弥の刃を受け止めてしまう。

「プロの人殺し訓練を受けて来たくせにこの程度かよ、お前の能無しさも大概だろがッ!?」

 背後から攻撃を見もせずに受け止めた司とそこからの不意打ちの後ろ上段蹴りを掠りもさせずバク転で避けて距離を取る真弥。

「チッ、攻撃するよりそうやって逃げ回る方が上手いじゃね? お似合いだぜ……デーヴァ」

「陰キャのゴミがちょっと力を手にしただけで随分イキってるわね? 滑稽過ぎてウケるわ」

 言葉でも殴り合い続ける司と真弥。
 互いこめかみに青筋を浮かべ、目の前に立つ存在がとにかく癪に障る。
 しかし、そんな二人の視殺合いに、突如森の中から乱入者達が現れた。

「綴卿! 微力ながら援護させて頂きます!」

 やって来たのは、カリメラに命じられた〝ディグニティ・ナイツ〟の女騎士達。
 剣やメイスの近接タイプ、弓や投擲槍の遠距離タイプなど、バランスよく編成された数人の小隊。
 向かわせたカリメラもしっかりと考えた人選はしていた様だが……。

「はぁッ!? あ……くッ! あ、ありがと。極力前に出過ぎるんじゃないわよ」

 一瞬明らかに真弥の顔に出ていた『邪魔だ』という内心。
 だが、こちらが巻き込んでその上善意で協力してくれている者達にそんなことが言える筈も無く、真弥はどう考えても自分の戦闘速度に合わせれないであろうただの足枷達を受け入れざるを得なかった。

 そして、形的には単対多の状況に置かれた司。
 投擲槍から火花と共に電撃を放っている者や、メイスから冷気を放出している者など、RPGゲームから出て来た様な異世界戦士達がジリジリと広がり司を包囲していく。

 街でチンピラに囲まれるのとは訳が違う。下手に避けようの無い範囲攻撃でもされたら万が一も十分に考えられるが、その割に何故か司はフッと肩の力を抜いて寧ろ冷静さを取り戻した様子がして、それを見逃さなかった真弥は警戒して刀を持ち上げる。

「丁度いい……まだこれでいいのか確信は持ててなかったんだけど、お前らでの試し打ちをさせて貰うことにする」

「は? 試し……打ち?」

 意味深な言葉は、司の事情を知らない女騎士達にも警戒を促す。
 そして、司は真弥達を睨みながら一度大きく深呼吸して右腕を真横へ伸ばす。

(色々考えたけど……やっぱり〝これ〟が一番イメージに合う)

 ゆっくりと握り込まれる指。
 そのまま拳を固めるかと思えたが、司のその手には何か筒状の物体を握る様な僅かな隙間が掌の中に残っていて、司はその手の形のまま腕をゆっくり左右へ揺らし始める。

「な、何をしているの?」

「何かの儀式かしら?」

「…………」

 女騎士達が不審がる。司が〝D・E〟を持っていることを知る真弥もまだこの段階は司が何をしようとしているのか判断出来ない。
 そのまま状況は膠着し、司の振る腕が少しずつ速さを増していく。
 すると……。

「ん?」

 微かに聞こえる何かを弾く音。
 それは次第にパシンッパシンッと鮮明な音へと変わってゆき、目を凝らした真弥は、司の足下で司の腕の振りに合わせて不自然に土が弾けていることに気付き、その跡と腕の振りから司の手に持たれた物を想像する。

「…………鞭?」

「流石に気付いたか……ご名答」

「「「なッ!?」」」

 女騎士達が思わずゾッと後退る。
 真弥の言葉に司が反応した瞬間、彼の両目に輝く血色の瞳がまるで溶け爛れたかの様に司は血涙を流した。

「くッ!? 不味い! みんな下がってッ!!」

 その血の涙で真弥は司の中の〝D・E〟がギアを上げたのだと察した。
 しかし、不意に声を荒げてしまい、それに驚いた女騎士の一人が逆に踏み込んで手にした剣を振り上げて司に攻撃を仕掛けてしまう。

「なッ!? ば、馬鹿ッ! 戻――」


「――ぎゃんッ!?」


「……え?」

 慌てて制止しようとした真弥。
 ただ、切り掛かろうとした女剣士は、まだ大分距離があるところで妙な呻き声を上げながら身体をくの字に曲げ、手にした剣を滑り落としたあと、ガクガクと足を震わせてそのままその場にペタリと座り込んでしまった。

「え? な、何ッ!?」

「やられたのッ!?」

 他の女騎士達が狼狽える。
 そして、それは少なからず真弥も同じだった。

(嘘でしょ? 私でも何したのか分からなかったわよ?)

 一気に警戒の針が振り切れる真弥。
 そして、改めて司を見ると、想像通り司の手には真っ黒な鞭が握られていた。

「俺はお前ら〝ロータス〟みたいに全く関係の無い奴らをやたらめったら巻き込む趣味は無い。そして俺のメインの標的であるお前ら〝ロータス〟に関しても殺したいほど恨んではいるけど殺す気は無い。だって〝死ぬ〟ってのは〝反省する〟ではないだろ? そんな後悔も無く楽になれる結末を俺が用意してやるなんてそれこそ癪に障る」

 司が握る鞭を空打ちする。
 空気を弾く甲高い音が響いてその打部の速度を物語る。

「巻き込まない、殺さない……そういう前提条件となると、俺の意志に深く影響して発現する俺の戦闘手段に求められるのは、殺傷性じゃなくてなんだと思う訳よ。相手を如何に殺すんじゃなくて相手を如何に戦えなくするか。俺はそんな条件を外骨格に込めてこの鞭を作った。〝D・E〟は欲望を具現化させるモノ。つまりこの能力を使いこなす鍵は……とにかく本気でわがままになること。ガキの癇癪じゃなくて『こうしたい』『ああしたい』を事細かに全力で妄想して〝D・E〟に注ぎ込んで、そのまま相手に……叩き込むッッ!!」

「――あッ!」

 突然の語りとその内容に虚を突かれた真弥は、司が背後に回ろうとしていた弓持ちの女騎士に飛び掛かる瞬間に一歩で遅れた。
 一呼吸で距離を詰められてしまった女騎士は咄嗟に矢を放つも躱されてしまい、司の黒鞭を叩き込まれて後ろへ吹き飛ぶ。

「くそッ! ――え?」

 司が何かを始めた。真弥は慌てて遅れながらに飛び出したが、その時最初に司の攻撃を受けて座り込んでしまった剣持ちの女騎士の様子をすれ違いざまに確認したのだが……。

「あ♡ あぁ……♡ ん、ぁあ……♡」

 ガクンと首を落して座り込んでいた女騎士は、何故は放心して弛緩した顔でウットリと地面を見つめていた。半開きになった口からは気の抜け切った吐息が漏れていて、まるで心地良い湯船に浸かりその日一日の疲労を湯で洗い流している様な恍惚とした表情。

「は? な、何……これ?」

「ぎゃあッ!?」

「なッ!?」

 思わず足を止めてしまった真弥。
 その遅れの内に、今度はメイス持ちの女騎士が司の鞭に背中を撃たれて地面に倒れ込む。

「あがッ!? あッ! ぐ、ぁッ……あ! あ、ぁ…………ぁぁぁ……♡」

 鞭打を受けた背中に弾ける激痛で目を剥いた女騎士は、そのまま地面に倒れ込み悶え苦しむかと思われたが、逆にその身体は瞬く間に力が抜けてゆき、女騎士は穏やかとすら思える緩んだ顔で弛緩し切ってしまった。

「な、なんなのこの力ッ!?」

 悠長に驚いている場合ではない……そんなことは真弥だって百も承知だ。
 しかし、どう考えても戦場で起こり得る事態に理解が及ばず、どう対応すべきかの判断が遅れる。
 そうこうしている内に、司の鞭は女騎士達を手当たり次第に乱れ打ち、そして誰一人としてその命を奪わずに、全身が脱力した呆け顔で地面に倒れ伏せさせて完全に無力化してしまった。

「あ、あぁ……――くッ!?」

 愕然……増援に来た女騎士達が一人残らず無力化されてもまだ意味が分からない司の武器。
 加えてそれまでよりも格段に攻撃のリーチが伸びたことで、すでに司は背後で有効射程に真弥を捉えていた。

「このッ!」

 如何に正体不明であろうがその鞭打は喰らってはならないことだけは確か。
 真弥は迫り来る鞭を刀で捌きそのまま距離を取り直そうとしたが、刀身に当たった後からも複雑な軌道を描く鞭に対応が遅れ、その先端が太ももに掠ってしまった。


「ぐッ!? ――ッッ!? あッ、あああああああああああぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」


 すでに蹴り出して後ろへ飛び退く勢いは付いていた。
 しかし、真弥はほんの少し掠っただけの鞭打に悲鳴を上げて刀を手放し、両手で太もも掴んでそのまま地面へ転がり込んでしまった。

「ハァ! ハァ! ハァ! あッ、ぐッ!? な、にッ!? なんで!? なんで、こんな痛……ぐうぅううぅぅぅッッ!!!」

 経験したことの無い激痛で涙が溢れる。
 視角に収めていないと、太ももの部分から足が千切れてしまったのではないかと思えてしまう。

「い、痛いッ! あぁッ!? な、なんでぇ……うぅ――ッ! ぐあ、ぁッッ!? うぅうううぅぅッ!!」

 不味い。
 戦うどころか立ち上がることさえままならない。
 そして、目の前に踏み込まれた足にハッと上を向くと、地面に死にかけて虫を見る様な目で見下ろして来る司がいた。

「月並みだが言ってやるよ…………いいザマだな、お似合いだぜ?」

 安い挑発。
 だが、事実泣きながら地面に倒れている今の自分を見下ろして言って来る怨敵に言われる衝撃は頭がおかしくなりそうなほどの屈辱だった。

「こ、このッ!? う、ぐぅぅッ!? み、御縁ぃぃぃッッ!!!」

 叫び散らして活を入れ、立ち上がろうとする真弥。
 しかし、どうしても打たれた足だけは今も情けなく痛みを訴えて来てまともに身体を起こすことも出来ない。

「ぎゃあぎゃあうるせぇな……結局は根性論か? お前らしくはあるけど無駄だぜ? 自分で言うのも難だけど、俺のって思いは、割とシャレにならないレベルだと思うからな」

 寒々しく言い放つ司に、今なお引かない不自然な激痛で脂汗が止まらない真弥は言葉を返す余裕が無かった。

「俺の能力はさ……相手に好意を持たせる魅了の力みたいなんだが、そういう感情って案外複雑じゃん? 分かっていても上手く言葉に出来ないって言うか、自分が思って言ったことが相手には全然違う意味に捉えられていたりとか。〝赤〟って言っても〝薄い赤〟だったり〝濃い赤〟だったり、言い出したらキリがないくらい不確定なモノだ」

 そこで司は周囲に倒れている女騎士達に目を向ける。己の品格に従い、真弥達に命を掛けて協力する覚悟を決めていたはずなのに、今はもうただただ心地良さげに惚けて完全に腑抜けてしまっていた。

「あいつらには程々の魅了でゆったり戦意を削いでやった。鞭で叩かれた痛みなんて一切感じなかったと思う。ふんわり気持ち良~くトロけて、もうお前らに協力する意味とかもどうでもよくなってるはずだ」

 ヘラヘラと笑って微睡んでいる女騎士達。
 注意を割く意味も無さそうなので司は再び真弥を見下ろし、歯を剥いて邪悪に嘲笑を向ける。

「でも、お前にそんな心地良さを与えてやる義理はねぇだろ? だから魅了の力限界まで濃縮して叩き込んでやった! 濃縮還元のおいしいオレンジジュースをコップ一杯原液で飲むみたいもんだ。そりゃ身体が悲鳴を上げるだろって話だよな?」

 司が掴んだ〝D・E〟の真髄。
 それは外骨格を理解することでようやく掴む能力の強弱。
 強くすればこうなる、弱くすればこうなるという加減を理解することで、その能力の輪郭を見極めて、初めてそれを自在に操ることが出来る。

「くッ……くそ、小賢しい頭働かせて……――うぐッ!?」

「ははッ、当たり前だろ? せっかく手に入れた力なんだ。使いこなすために工夫するっての」

 血涙の痕は痛々しいが、司の顔は実に晴れやかだった。
 自分がまた一つ高みへ登った向上の実感。
 そして、その顔は真弥の脳裏にとの対比を呼び、自身が今敵の前に倒れている屈辱をさらに陰鬱な暗色に染めていく。

「さぁて……掠っただけでそのザマだ。モロに叩き込めばどうなるかな?」

「――うッ!?」

 悔しいが怯えの息を飲んでしまう真弥。
 鞭を振り被り、いたぶりの笑みを浮かべる司の鞭に込められた激毒の魅了。
 そんなモノに負けるかという思いはあるが、足の痛みがその決意をジリジリと削って来る。

「どうする? 泣いて命乞いしてみるか? もしかしたら俺の心に何か響いて手が緩むかもしれないぜ?」

「ハァ……ハァ……う、ぅ! じ、冗談じゃない……わよ」

「あぁそう……それはよかった! 何したってこの場で許す気は無かったからなッッ!!」

 腰を捻り全力で鞭を振り下ろそうとする司。
 だが、そこでふと司はもっとも振り被った体勢からピタリと動きを止めて、真弥は固く瞑ってしまっていた目を開く。
 すると何を思ったのか突然司は鞭を下ろし、自分達が破壊してここまで来た木々の残骸跡の方向へ目を向ける。

「……なんだ、この感じ?」

 怪訝な顔色になる司。
 その声と司が見る方角に目を向けると、真弥も奇妙な見慣れぬ存在圧を感じた。

「これ、紗々羅じゃない……――ッ!? まさか美紗都かッ! あいつ一体何を!?」

 恨む敵の中でも、もっともその憎しみが深い対象の一人である真弥を好きなだけ叩きのめせる状況。
 しかし、そんな待ち焦がれた機会を手にしたというのに、司はあっさりと踵を返してもはや真弥に目もくれず元来た道を引き返して行った…………。
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