102 / 136
Scene10 被告:綴真弥
scene10-1 大して役にも立たず 前編
しおりを挟む敗走から辛くも命拾いした菖蒲達・新生【修正者】を聖人の来訪かの如くに迎え入れる側流世界の住人達〝ディグニティ・ナイツ〟
身に着けている衣服や周囲の物品から察するに、その技術や生活水準は本流世界で言う所の中世レベル。
しかし、彼女達はこの世界だけの固有事象〝牙法〟と呼ばれる特殊な能力を有しており、羽も無く空を飛んだり自分の体重の何倍もあろうかという物資を片手をかざすだけで宙に浮かせて運んだり、その光景はまさにファンタジーそのもの。
こうした摩訶不思議な力は、各側流世界において様々な変化が現れる。
そして、そんな各側流世界のもっとも大きな特徴である本流世界へ与える〝テーマ〟
この側流世界のそれが何であるかは〝ディグニティ・ナイツ〟の矜持が体現していた。
「え? あ、あの……本当に人員の配置をこちらで全て決めても? 協力をお願いしておきながら言いにくいんだけど、敵は……その、強いですよ? あなた達の身の保証は……」
「いえ、大丈夫です。どうかお気になさらず如何様にもなさって下さいまし」
〝アクエケス〟から降りて来た真弥は、ジャミングが利いている内に次の戦闘に備えた準備に取り掛かるべく【修正者】と〝ディグニティ・ナイツ〟による混成部隊の編制を相手側の担当者――カリメラと名乗った少女と行っていた。
漫画でしか見たことのない様な完璧なまでにキープされた金髪縦ロールを揺らすカリメラは、これから命に係わる戦いに参加するというのにその戦場での自分達の配置を全て真弥に一任して来たのだ。
「あなた方の長……如月卿が初めてこの地に来た時、我らはこの地の魔物〝ヴァルナラブル〟との戦いで窮地にありましたわ。個々の力では勝っていても圧倒的な物量で攻め立てられ、ジリジリと消耗していたのです。如月卿があの巨大な空魚の砲で一掃してくれなければ、我々はもう魔者達の血肉になっていたかもしれません」
そう言ってカリメラは中破した〝アクエケス〟を見た後、目を細めて空を仰ぎ見る。
菖蒲達が彼女達を救ったというのは、事前にこの側流世界を拠点化するための下準備に訪れた時の話だろう。
その時に同行していなかった真弥には当時の彼女達がどういう状況だったかは分からないが、こうして今生きていることに感謝しているのはその表情から察することが出来た。
「受けた恩義には必ず返礼を。恩人の窮地に剣を抜かずば我らの〝品格〟に関わります。我らの牙法がどこまでその敵に通じるかはまだ分かりません。ですが、〝ディグニティ・ナイツ〟全騎士が勇猛果敢に戦うことをお約束いたしますわ。どうぞ何なりとご命じ下さいまし」
胸に手を当て凛々しく微笑むカリメラ。
それは他人任せという訳では無く、どこでどんな敵とでも戦って見せるという強い意思。
彼女はそれを勇猛果敢と表現していたが、真弥には少し違って見えた。
(すごい真っすぐな目。自分の言ったことは必ず最後までやり通すっていう強い気持ちを感じる)
人の評価は長い時間が掛かる場合もあれば、顔を合わせたその瞬間で分かる時もある。
彼女達〝ディグニティ・ナイツ〟と会うのは今日が初めてだったが、すでに真弥の中では彼女達に戦場でも背中を預けるに足る存在だと感じた。
「……分かった。あなた達を信頼する。どうか私達に力を貸して」
「お任せ下さいまし」
真弥とカリメラは固く握手を交わす。
腰に剣を帯びてはいるが本当に戦場でそれを振るえるのかと思うほど細くなめらかな指先。
しかし、なんて頼もしい手だと真弥は胸に久方ぶりの安堵を覚える。
だが……。
「それはそうと……綴卿? 付かぬ事お伺いしたいことがあるのですが、よろしくて?」
「え、何?」
少し身を寄せ小声になるカリメラ。
真弥が首を傾げると、カリメラはスッと視線を〝アクエケス〟の真下の辺りへ向ける。
「あの……あちらにいる殿方、その……何と申し上げればよいのか分かりませんけど、本当にあの方があなた方の戦闘隊長様ですの? その……わたくしにはどう考えても、あなたの方が……――あッ! 差し出がましいことを申してすみません!」
「…………いいえ、いいのよ。気にしないで。一応……あんなのでも、まぁ……いないよりはマシだと思う……多分。さぁ、あっちで部隊の配置を決めましょう」
サッと顔色が冷める真弥を見て彼女が気分を害したと思ったのか、カリメラが慌てて詫びを入れて来る。
本当に気にしなくていい。
真弥はそう思いながら、周りが皆戦闘準備に走り回る中一人だけ何もせず手持無沙汰で突っ立っているだけの和成を見て、陰鬱な気持ちを振り払う様に踵を返し、カリメラの手を取って歩き出した…………。
真弥達が着々と準備を進めている中、先遣隊として地上に降りた司達。
こちらもこちらで早速戦闘への足掛かりを掴んでいた。
「なるほどね……つまり、お前らはこの世界で人を襲う化物みたいなのと戦っていたけど、相手の数が多過ぎて劣勢だった。このままではマズいって状況の中、バカでかい空飛ぶ魚に乗って突然現れた〝天ノ使〟を名乗る女達に助けて貰った。だから奴らへの恩義から協力することにした訳だな?」
「「「はい……その通りです」」」
仁王立ちして肩にルーを立たせた司の前に跪いて首を垂れる少女達。
脱いだ鎧と武装を全て地面に並べ置いたその姿は、完全な降伏の意志を示している。
戦う者としては実に惨めなこれ以上に無い敗北者の姿。
しかし、少女達の表情にはまるでその姿に屈辱を感じている様子はなく、肩から力が抜けたとても穏やかなで半分夢の中の様な放心した顔をしていた。
「あ、あのぉ……あ、あなたは、一体……?」
少女の内の一人が司を見上げて尋ねる。
初対面でいきなり司達を〝悪魔〟などと断じた少女だ。
だが、今はもうそんな敵意など微塵もなく、モジモジと内股を擦り合わせてほんのりと頬が染まるそのウットリとした顔は、どこか切なげにすら見えて司に対して甘い感情を感じさせていた。
「まだ俺の話が終わってないだろ? 俺の許可なく喋るな」
「――あぅッ!? は、はひぃ……ご、ごめんなさいぃ……あ、ぁあ♡」
辛辣だが語勢は抑えめに司がやんわりと少女の質問を払い除ける。
その言葉に少女はビクンと怯え竦む様に身体を震わせてすぐに謝罪するが、どこか気の抜けた吐息を漏らしてまた深々と司に頭を下げた。
まさか、司にたしなめられてそれを心地良く感じたのか?
他の少女達もゾクゾクと身震いして頭を下げている。
もうこうなって来ると、いよいよ彼女達が抵抗して来る恐れは低く思えた。
「す、すごいね? あの子達……もう完全に司君の言いなりだ」
並んで土下座する少女達を見て、美紗都が畏怖の念を乗せた視線を司へ向ける。
その視線の先にいた司は、目の前で美少女達を平伏させていることに然したる関心も示さず、最近顕著になり始めて口元を片手で覆う考え中の癖を見せていた。
「〝魅了〟の力……恐らく司様はもうほぼその感覚を掴んだ様だわ」
「えぇ、ただ……それでもまだ司様的にはしっくり来ていないご様子も感じられるけど……」
主の現在位置を話し合う七緒と曉燕。
その隣で美紗都は改めて自分と司の差を感じ、そこに焦りが生じ始めていた。
(別にもう私は司君に勝てなくてもいいんだけど……やっぱり、私だってそれなりに戦えるくらいには強くなりたい)
ほぼ同期と言ってもいい自分と司。
だが、これほどまで明らかな差があると〝何とかしないと〟という気持ちが胸の内から湧いて来る。
頼りになる者がいるならその者に任せてしまえ。
そんな風に考えられたら気楽でいられるのかもしれないが、生憎美紗都はそういう性格ではなかった。
「分かった。正直お前達には何の恨みも無い……言い方が悪いかもしれないけど、要はどうでもいい。ただ、お前らの拠点に俺の敵がいる可能性が高いからそこまで案内をして欲しいんだけど、いいか?」
「「「はい……ご案内致します!」」」
明らかに敵意があったはずの少女達が、司にお願いされて嬉しそうに返事をする。
七緒と曉燕は「当然♪」とばかりに自分達のご主人様の格の違いに得意げ。
でも美紗都はそんな他人の意志をも捻じ曲げる司の力に、ただただ圧倒される。
このままでは置いて行かれる……いや、すでにもう十分過ぎる程に差は開いている。
早く追い付きたい……。
どうにか彼の隣にいたい……。
……また一人になりたくない。
渦巻く不安に押し潰されそうになる美紗都。
だが……。
「焦ること無いわよ、美紗都。良善さんの〝D・E〟を受けてそのまま死なずに目を覚ました時点で、あんたの中に人外の力が目覚めることは確定している。あの人の作ったモノはそういう代物なのよ」
美紗都の肩に手が掛かる。
声に出していたつもりはなかったが、表情でバレてしまったのかと焦り身体が跳ねさせながら美紗都が視線を向けると、ニヤニヤとほくそ笑みながら見上げて来る紗々羅の顔があった。
「え? あ、の……いや、私は別に……」
「誤魔化しても意味ないっての。今のあんたからは〝功を焦って余計なことをする馬鹿〟の匂いがプンプンするわ。そういうヤツを放置してると大抵ロクなことが起きないの。司く……つ、司様の邪魔をされたくないから、大人しくしてなさい」
「うッ!?」
勘付かれた所ではない……完全に断定されてしまった。
確かに現状足手纏いなくせに出しゃばって余計な手間を掛けさせては目も当てられない。
弱いなら弱いなりに今はその歯痒さを噛み締めておくべきだと思い直した美紗都は、紗々羅の言葉に無念の溜息を吐いて理解したことを示した。
ただ……。
「あ、あの……紗々羅さん? 私、ずっと司君の能力が紗々羅さんに効き続けてるのかと思ってたんだけど……実は、そうでもない?」
司の能力で堕ちて以降、紗々羅は幼児化……というよりも著しくIQが下がっていた様に感じられていたが、段々時間が経つに従い、無邪気なはしゃぎ具合が落ち着きを取り戻して来ている感じがする。
そして、今の釘差しには戦い慣れした豊富な経験則から来る視線が感じられ、司に抱き着いて「しゅき♡ しゅきぃ♡」と頬擦りしていた時とは明らかに別人に見えた。
「えッ!? な、なな……何のこと!?」
「いや……その慌てっぷり、認めている様なもんだよ?」
カァァ……っと顔を赤らめる紗々羅。
どうやら途中で正気に戻ったという美紗都の見立ては間違いなかったらしい。
「くぅ……し、しょうがないでしょ! 〝ルシファー〟の中で段々意識が戻って来たけど、それより前の記憶はしっかり残ってんのよ。今更素面になんてなってられなかったから、もうこのまま押し通すしか無いと思ってぇ……」
着物の袖に手を隠してパタパタと振りながら俯き唇を尖らせる紗々羅。
その仕草に不覚にもキュンキュンしてしまった美紗都だが、そこで……。
「あ……やっぱりある程度経つと元に戻るんだ? まぁ、流石に一発喰らわせたら永続ってのは能力として壊れ過ぎてるもんな」
不意に声が掛けられ、美紗都と紗々羅がバッと振り返ると、トロ顔の少女達を引き連れた司が二人の傍までやって来ていた。
「あ、あぁ……うぅ……」
「で、どういう感じ……紗々羅さん? 正直言って真正面から正々堂々とやったんだから逆恨みは無しにしてくれよ? あと、とりあえず今は先にやるべきことがあるからまずはそっちを優先で協力して欲しいんだけど?」
あの対決からここまでの間、紗々羅が司の能力で晒させられたあまりにも腑抜けた姿。
紗々羅の元の性格を考えれば、当然今すぐリターンマッチを要求して来るはず。
だが、流石に今それをされては色々と予定が崩れる。
司は真剣な顔で紗々羅を見下ろし、それに対する紗々羅は……。
「あ、うぅ……わ、分かってる……わよ」
身を縮込めて頬を赤らめ視線を逸らす紗々羅。
その様子から察するに、どうやらたとえ意識が戻ろうとも正気じゃなかった時に感じていた〝司に屈服する味〟はしっかり彼女の中に残っていたらしい。
「フフッ……ありがと、紗々羅さん。この戦いが終わったらちゃんと勝負を受け――」
「……それ、やだ」
「え?」
その場にしゃがんで紗々羅と視線を合わせた司に、紗々羅は頬を膨らませて不満を示す。
「紗々羅って……呼んで。〝さん〟付け……なんか、距離感じて……やだ」
着物の前面を握り上目遣いに司を見る紗々羅。
美紗都、曉燕、七緒が口元を押さえてその愛くるしさに悶えている中、司は一瞬キョトンとしたあと、肩を竦めて苦笑して片手で紗々羅の顔を上向かせて下唇に指を当てる。
「何? 俺の事……本当に好きになって来た?」
「うみゅ!? う、ぅう……う、うるさ、ぃ……――ぷぇあッ♡」
ニヤニヤと笑う司に唇を撫でられ、背後の少女達と同じトロ顔にされてしまう紗々羅。
「くくッ! すげぇかわいいよ……紗々羅」
「ひぅッ!? う、うるしゃいぃ……そ、そんなこと……い、言われたって……う、嬉しくない……もん」
「じゃあやめた方がいい?」
「――ッ!? や、やだッ! も、もっと……可愛いって……言ってぇ」
「じゃあ……そう思える様に、これからも俺の言う事何でも聞いてね?」
「…………うん♡」
ゾクゾクと身体を震わせながら耳まで真っ赤にして頷く紗々羅。
能力が切れた状態でも逃れられない司の魅了。
そして一行は、そんな司の前に己の〝品格〟も忘れた少女達に先導されながら、森の中を進んで行った…………。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ
海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。
衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。
絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。
ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。
大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。
はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?
小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる