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Scene8 反転攻勢の狼煙
scene8-9 染まるも残るモノ 前編
しおりを挟む「はぁあああああぁぁッッ!!」
「…………」
強引に振り上げた美紗都の蹴りを上体反らしで躱し、七緒は軸足でバレエの様な軽やかなターンで勢い付けた蹴りを美紗都の背中へ叩き込んで吹き飛ばす。
「――ぐふッ!?」
床に倒れ込む美紗都だったが、錐揉みしながらも身体を起こしてまたすぐに七緒へ攻め掛かる。
しかし、やはりそれは呆れるほど素人のそれだ。
自分のパンチやキックに自分自身の身体が振り回されているまるで怒った幼児の様な攻撃。
ただ、そんな必死な美紗都を見て、七緒は逆にそれが羨ましく思えていた。
(そうよね。人の殴り方が分からない……人の蹴り方が分からない……そっちの方が遥かに正常な事だと思うわ)
髪を振り乱し、歯を食い縛って遮二無二掛かって来る美紗都。
大振り過ぎて熱可視の能力を使わなくてもどう攻撃が来るかは丸分かりだし、何より狙いが全くの見当外れで、人体の急所というモノをまるで分っていない。
でも、それが普通だ。
そんなことを学ばずとも生きて行ける世界こそ本来あるべき姿。
こうして拙い攻撃を躱している間でも、相手を殺し得る急所を自然と目で捉えてしまう自分の方がおかしいのだ。
(この子は普通に生きて行けるはずだった。狂気に落ちる出来事を知っている未来の私達がそこを上手く調整してあげれば、きっとこの子は一生人の殴り方なんて知らずに生きて行けたかもしれない。でも、私達はそれをしなかった……する気が無かった。私達は彼女を殺す理由をキープしたかっただけ。なんて外道なのよ……)
七緒は自分の視野狭窄に絶望した。
一度気付いてしまえばそれ以降は「なんでその考えに至らなかった?」と愕然としてしまうほどの単純な発想の転換。
結局はやられたことをやり返したかっただけだったのだろう。
しかし、それは決して間違った発想ではない。
極々ありふれた〝仕返し〟という考え。
だが、そんな発想をするなら「自分達は正義だ!」なんて主張をするのは間違っている。
(〝Answers,Twelve〟が正しかったとは言わない。でも〝ロータス〟だって間違ってるじゃない)
それに気付いた七緒がまずするべきだと思ったのは、自分が狂わせてしまった被害者達への贖罪。
司はもちろん、自分達のせいで〝人の殴り方〟を覚えねば命が危ない立ち位置にしてしまった美紗都にも、自分は誠心誠意お仕え申し上げねばならないと七緒は感じていた。
「美紗都様……先ほどから私の攻撃がどれほど痛いか身を持って体験しておられるのに、どうしてその狙いやモーションを真似てみようという思考に至らないのでしょうか?」
――パシッ、グリッ!!
眉間に真っすぐ飛んでくるストレートパンチ。
それを横から払う様に手首を掴んで易々と捩じり上げる七緒。
「がぁッ!? い、痛いッ! う、ぐぅッ!! う、うるさいッ! 黙れぇッ!!」
涙に濡れた血色の瞳が睨み付けて来る。
自分の愚かさを認識した七緒にはその怒りが心底堪えた。
(デーヴァを嫌う練習台……美紗都様の情切りに必要だという司様のお考えは分かるけど、これならサンドバッグになって無様に許しを乞う姿で見下して貰う方が遥かにマシだわ)
無抵抗に殴り続けられるなら「自分が悪かった」という意識とも吊り合いが取れる。
しかし、今の七緒は司から事前に「美紗都を小馬鹿にして見下せ」と指示されていた。
自分が悪いと自覚しているのにその上でまだ地獄を味わわせてしまった者に追い打ちを掛ける様な態度を取ることに七緒の心はギシギシと軋みを上げる。
だが、この痛みも贖罪の内だ。
「……少し、畳み掛けます」
七緒の声のトーンが下がり美紗都の顔が恐怖に引きつる。
そんな顔をしていてはダメだ。
貴女の敵はあなたが怯え竦む姿に愉悦を感じる異常者集団。
(あいつもきっと自分より弱いと見るや優越感に浸った顔で二ヤ付くんでしょうね……吐き気がするわ)
一瞬浮かんだ元恋人の顔を掻き消し、七緒の貫き手が美紗都の右脇腹に突き立てられる。
「ぐぶッ!?」
間髪入れずに今度は逆に左の肋骨を拳で撃ち抜く。
「あぁあ゛ッッ!?」
攻める本人でさえ耐え難い。
辛い思いをさせた上でまだ痛みを与えなくてはならないのか?
もう許して欲しい。
でも……。
(〝ロータス〟は絶対こんなモノじゃ済まない……ホント、何が正義よッ!?)
仰け反る様に倒れていく美紗都の痛々しい姿。
でも、異常者集団などと言ったが自分だって、もし司に屈服する前なら今の美紗都の姿に勝利を確信して達成感に笑みを浮かべていただろう。
悍ましい……汚らわしい……。
いよいよ攻める七緒も目に涙が溢れ始めるが、それを堪えてさらに美紗都へ〝相手にダメージを与える〟攻撃を教えるべく、その仰け反った喉へ真っすぐに拳を……。
――ガシッ!
「えッ!?」
〝D・E〟の治癒があるとはいえ、一旦ダウンするだろうと踏んでフェイントも無く単調に放ってしまった七緒の腕がここへ来て初めて美紗都の手に捕まる。
「つ……ぁ……ぁぁ……つ゛、かま゛……え、たぁ……」
「うぐッ!?」
薄く開いた唇の隙間から漏れる血混じりの吐息。
そして、七緒の手首と肘の丁度中間の辺りをようやく掴んだ手は、その細くしなやかな指からは想像も出来ない程の強烈な握力で握り込められて七緒の顔が痛みに歪む。
「おぇッ! ハァ、ハァ……ひ、人の急所とか、弱点とか……そんなの……し、知らない。でも……こ、こ゛れなら……もう、そんなの……関係、な゛いッ!!」
仰け反る身体を起こした美紗都。
その目は血色の光を溢れ漂わせていて、七緒の脳裏に司に打ちのめされた時の恐怖がフラッシュバックする。
「くッ!?」
七緒の中の防衛本能が思わず働き、美紗都の腕に籠る力の熱分布からウイークポイントを見つけ出して手刀を叩き込む。
力の入りが甘い箇所を的確に打たれて美紗都の手から一瞬力が抜け、その隙にどうにか逃れる七緒だったが……。
「ぐぶッ!? に゛……逃げん、なぁぁッッ!!!」
床を蹴る美紗都。
その動きは先ほどまでとは違い、一足で凄まじい推進力を得てあっという間に回避する七緒に迫る。
しかし、やはり加減は効いていないのか、勢い余って拳を放つ前に距離が詰まり過ぎて体当たりになってしまう。
「ふざ、けないでよッ! なんで……なんであんた今更……そ゛んな……も、申し訳……なさそうな……顔、してんのよッッ!!!」
「――ッ!? がッ!?」
無理矢理振った美紗都の頭突きが七緒の側頭部にぶつかり眼鏡が弾け飛ぶ。
そして、ぶつかった勢いのまま二人は絡み合う様に床を転がり壁にぶつかると、そのまま左右に弾け別れる。
上手く体勢を整え両足で立つ七緒。
対する美紗都はまた地面に強かに頭をぶつけて転がるが、それでもその勢いのまま立ち上がりすぐさま殴り合いを再開する…………。
「おほぉ~~! 美紗都ちゃん頑張るね~~!」
「はい、思った以上です。それに七緒はさっきの頭突きが少し足に来ていますね。掠りもせず躱していたのに、今は両手でいなしに掛かっています」
予想外な美紗都の健闘に紗々羅と曉燕が二人の戦いに目を奪われている。
そんな横で司は小さくため息を吐いた。
「ん? 如何なされましたか、閣下? 美紗都が思ったよりやれているのに浮かないお顔ですが……」
「いや、あいつじゃなくて……俺の話」
司は組んでいた腕を解き二の腕の辺りを擦る。
司は鳥肌が立っていていた。
七緒が一度仕留めに掛かろうとした瞬間に、それを遮った美紗都の圧とあの赤黒い血色の目の輝き。
「あれ……美紗都が第二階層に入った目だろ。マジかよ……俺より全然あいつの方が才能あるんじゃないか」
頭を抱え意気消沈する司。
まだ目覚めて数時間と経たずに司が数日掛かりに到達した領域に踏み込んだ美紗都。
これでは自分が教える側に立つなど笑い話だ。
ここへ来ても自分はやっぱり無能な部類なのかと思うと、流石にショックが大きかった。
しかし……。
「へ? 何言ってんの? 確かにあの圧は美紗都ちゃんも第二階層に入ったっぽいけど、司君の圧の方が数段上だよ?」
「え?」
紗々羅が首を傾げてこちらを向き放った一言に司が固まる。
さらにそこへ曉燕が同調する。
「司様……階層とは確かに強さのバロメーターになりますが、それが絶対的な基準という訳ではございません。現に司様は第一階層の時点で上位階層のデーヴァ達と互角以上に戦っていたではありませんか」
「あッ! そういえば……そうか」
二人の言葉にハッとする司。
そして再び顔を上げると、頭突きを喰らったダメージは抜けたのか、また七緒が優勢な展開になり始めていた。
「美紗都は恐らく閣下とは逆のパターンです。閣下の場合、階層を上げるのには苦労しましたが、上げた瞬間に能力が発現出来た。しかし、見ての通り美紗都は階層は割と早く上がりましたが、まだ自分の〝特徴〟を掴めていないせいか特に能力を使えている様子が無い。要はエンジンのかかりやすさの違いでしょう。美紗都は低出力に機敏、閣下は重たくとも高出力。人それぞれ特色があるのと同じ様に〝D・E〟にも特色があります。階層がどうこうでご自身の才を判断するのは早計かと存じます」
「あ、あぁ……そうだな」
少々格好の悪い事を言ってしまい、今度はそのことが恥ずかしくて頭を抱えてしまう司。
そして、そこでさらに畳掛ける声が司の脳に響く。
『はっはっはッ! 相変わらず自己評価が低いね……司。なかなか面白い切り口で美紗都に勉強させていると感心していたのに……』
「うぇッ!? り、良善さん!?」
突然、素っ頓狂な声を上げる司に紗々羅達が驚くが、どうやら良善が脳波で語り掛けているだけかと察すると、再び美紗都と七緒の戦闘に視線を戻した。
「うわぁ……何これ、気持ち悪い! 頭の中に別の人がいるみたいな感じだ……」
『おいおい、気持ち悪いとは酷い言い草じゃないか? そして初めて脳波会話をする割に意外とすんなり受け入れている様に見えるが?』
「いや、良善さんなら全然あり得るかなと……」
『はぁ、慣れというのは本当に白けるモノだね……まぁ、そのことはいい。それよりさっきも言ったが興味深いアプローチ方法だ。どうして私が君に教えた時の様に〝イメージ〟の話をせずいきなり美紗都に実戦をさせた? 君の考えを聞かせて欲しい』
この室内の状況を見ている様子の良善。
だったら直接来ればいいのにと思う司だったが、恐らく他にやることがあり片手間にちょっと覗きに来たのだろう。
この程度のマルチタスクなど、良善にとっては朝飯前であろうし、司はそれ以上深く考えず返答した。
「べ、別にそれほど大した考えがあった訳じゃないです。ただ、美紗都にイメージをさせたところで、あいつが〝戦う〟というイメージをしっかり持てるとは思えませんでした。するとまずはどうイメージするかってところから教えないといけなくなるから段階が増えちゃうと思ったんです。だから、あいつには申し訳なかったんですけど、デーヴァに対する情切りをかねていきなり戦い自体を身を持って覚えさせようと……」
これが合っているという確証はない。
しかし、司なりに考えた美紗都の戦闘観構築方法。
対する良善の評価は……。
『実にいい考えだ。君の選択は私が作った〝D・E〟の特性に非常に合致した選択をしている。その中でも〝いきなり戦闘をさせる〟という点がとてもいい。司……私が君に〝D・E〟に関して教えた時の言葉を覚えているかい?』
「え? は、はい……人の拡張性を高めるとかなんとか……」
『そうだ。君の今回の選択は常人には決して出来るモノではない。何故なら常人は負傷すればその傷が癒えるまでかなりの時間を要する。しかし〝D・E〟を持つ者はある程度の傷はその場ですぐに治癒出来る。つまりは気軽にトライ&エラーを試すことが出来るということだ。これは研究分野においても非常に重要な要素と言える。壊れやすい検体がたった一つで絶対に失敗出来ないのと壊れやすいが何度でも試せるだけの数が用意出来ているのとでは研究速度に雲泥の差を付ける。それと同じ要領だ。ただ、凡人の思考ではなかなかその点に関して踏ん切りが付かないだろうが、君はしっかりその点を割り切った。好判断と言える』
満足げな良善。
司としてはあまり褒められている気はしないが、とりあえず間違った判断では無かったことに安堵する。
「ただ、美紗都がここで一気に第二階層に踏み込んだきっかけが分かんないです。俺の時みたいにあと一歩で死ぬってくらいの強烈なきっかけがあった様にも見えないのに……」
『さぁね……そればかりは本人に聞いてみないと分からない。今君達の前で行われている戦いで彼女の中にある何かが琴線に触れたのではないかと……あ』
「え? ……あ」
良善との答え合わせに気が取られていて見逃してしまったが、いつの間にか肩で息をする七緒の前で美紗都が床に崩れ落ちていた。
肘を付いてどうにか倒れ込むのは堪えていたが、荒い息を吐き震えるその様子から流石にもう立てなくなっている様だった…………。
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