アナザー・リバース ~未来への逆襲~

峪房四季

文字の大きさ
上 下
79 / 136
Scene8 反転攻勢の狼煙

scene8-1 別格 前編

しおりを挟む

「お帰り、司」

 〝側流世界〟で午後八時を迎えた司と七緒は、時間と共に〝ルーラーズ・ビル〟の談話室に立っていて、目の前には席に座す良善がコーヒーカップを片手に微笑んでいた。

 幾何学的な模様が浮かぶワープ空間を飛んでいる様なこともなく、周囲に光が沸き上がり身体を包む様なこともない。
 瞬き一回の間に周囲の全てが変わり世界を飛び越えたという実感も沸かず、正直つまらなかった。

「あぁ……はい、戻りました。あの、良善さん? 行きの時もそうだったんですが、現代人としてはもう少しこういうワープ的なモノには摩訶不思議な空間を移動する的なのを期待してたんですが、流石にあっさり過ぎて情緒の欠片も感じないんですけど?」

 自分の足元においてある砂時計を拾い上げて不満を零す司。
 対する良善はクスクスと肩で笑いコーヒーを啜る。

「君がどんなスペクタクル視覚的感動を期待していたかは知らないが、そんなモノは最初の数回だけであとは面倒だったり煩わしく感じるモノさ」

「いや、その最初の一回を味わってみたかったんですけど……」

 そういう技術に慣れ親しんだ未来人には現代人の期待は感じ取って貰えないのかと少々ガッカリしてしまう司。
 しかし、そんなことはどうでもいい良善はカップをテーブルにおいて少し真面目な顔で司……そして、その背後に立つ七緒を見る。

「それで? 調査はどうだったかな? あと後ろの子に関してもどういう結果になったのか教えてくれるかい?」

 尋ねてはいるが大体予想は付いている様子の良善。
 司は自分の席に腰を下ろしてその問いに答える。

「調査……って言うほどでもなかったですけどね。まぁ、自分の〝幸せに暮らせる可能性〟っていうのを知れたのはよかったです。おかげで色々踏ん切りが付きました。それと、もう一つに関しては……七緒」

「はい、司様」

 視線も向けて来ない司の一言に、まだ少し目元が赤い七緒は胸に手を当て恭しくその場に跪く。
 その顔は柔らかな微笑を浮かべていて、司の傍に居られることを喜んでいる様に見受けられるが……。

「ん? おい……どうした? ちゃんと良善さんに挨拶しろよ?」

「あッ……う、ぅ……は、はい」

 司が椅子に座る際、わざわざ良善から遠い方へ回り込んでいた七緒。
 それもそのはず、司に服従を誓ったとはいえ良善は彼女にとって自分を地獄へ落とした張本人だ。
 しかし、司の命令であれば致し方ない。
 七緒は少し表情を曇らせながらも良善の方を向き挨拶をしようとしたが……。

「構わん。心中は察してあげようじゃないか。それに彼女はあくまで君の従僕なのだろう? ならばわざわざ私にまで忠義立てする必要はない。その代わりしっかり手綱は握っておいてくれよ?」

 苦笑を浮かべて肩を竦める良善。
 その二人の様子から、流石に少々自分が意地の悪いことを言ったと気付く司。

「あ、そうか……はい、その辺は大丈夫ですよ。だろ? 七緒」

 椅子に座ったまま七緒の頭へ手を置き撫でる司。
 すると、すぐに七緒は頬を赤らめ心地良さそうに目を細める。

「あぅ……あぁん、司様ぁ♡」

 頭から頬へと手を流し、司に撫でられるがままになる七緒。
 そのトロけ顔からして、良善には一線引いたものの従僕として主が属する組織に手を出すことは無いだろう。

「それより、他のメンバーはどうしたんですか? 一応今後の為に顔合わせだけはしておいた方がいいと思って――」


 ――ドサッ!!


「えッ!?」

 突如背後から聞こえる音。
 司が慌てて振り返ると、そこには……。


「ハァ……ハァ……――ぐはぁッ!?」

「うぐッ!? う、ぅぅ……がはッ!?」

「ハァ――ッ! ハァ――ッ! げほッ!?」


 つい先ほど司が七緒と共に帰って来て降り立った場所。
 そこには、全身ボロボロになるまで痛め付けられた紗々羅とルーツィア、そして曉燕が立つことさえままならないほどに疲弊して床に倒れ伏していた。

「なッ!? お、おい! どうしたんだ三人とも! 大丈――」


「よぅ……その黒髪ちゃんが新しい僕か? 


「ぐッ!?」

「ひぃッ!?」

 振り向いた司は思わず口を手で押さえ、椅子を挟んで反対側にいた七緒はその場に尻餅を付く。
 不意に聞こえて来た若い男性の声。

 ただ、その姿を見る前に何故か司は肺が押し潰される様な圧迫感を感じた。
 視界では広々として窓もあり開放的な談話室なのに、まるで透明な何十何百という人を無理矢理詰め込んだ様な耐え難いほどの窮屈さが唐突に襲い掛かって来る。

「あぁ、そういうことか。初めましてだな……

 こめかみに冷や汗を掻きながらも口元から手を離し身体を起こす司。
 その視線は良善の対面……赤い蛇が描かれたペナントを背にするこの談話室のトップが座す№Ⅰの席へと向く。
 そこにはつい数秒前まで空席だったはずの場所でテーブルに足を掛けて横柄に座る一人の男性がいた。

「お? には耐えられるか。上出来上出来♪ 流石は先生が気に入った逸材じゃん」

 目には見えずとも、動物的本能で感じるたった一人で室内を占領してしまう存在感。
 〝Answers,Twelve〟の首領にして№Ⅰである司の子孫――御縁達真が、丸縁のサングラスを外して自分以外のこの世の全てを見下す様な嘲笑を司に向けてきた。
 ただ、司はその顔を見た瞬間、達真が放つ理解不能な存在感とはまた別の意味でさらに驚いてしまう。

「え? お、お前が……達真、なのか?」

 日常の中で鏡や窓ガラスの反射などで何気なく目にする
 そういう意味で、達真の顔はまさに司の生き写しの様にそっくりだった。
 細かく見ていけば、多少目が吊り気味であったり、髪型もボサボサだったりするが、基本的に司の顔立ちや背丈はほぼほぼ同じだった。

「おうよ! あんたの意志を継いで一回は世界を征服した子孫だ。顔が似てるのに驚いたか? ははッ、分かる分かる。俺も実は結構驚いてる。まぁ、そりゃそうだろ……血が繋がってんだしな」

 クルクルとサングラスを回してニヤ付く達真。
 目が合ってまだ僅か数秒。
 しかし、司はもう良善達が彼の存在の話をする時にげんなりしていた理由が分かった。
 たった数秒だが、司はもう彼の事が嫌いになっていた。

(なんだ? ただ見てるだけなのに物凄く癪に触るというか……なんか滅茶苦茶ウザく感じる。なんでこんな第一印象だけで人をここまで不快な気分に出来るんだよ。それにこの異様な存在感……こいつ、本当に人間か?)

「あ、あの……司様」

 否応なく刺激される警戒感に司が気を張っていると、七緒がサッと腕に抱き付いて来た。
 その手は震えからして、七緒は完全に達真の圧に気圧されて怯え竦んでいる。

「かはッ! おいおいネエちゃん!? いきなりビビってどうすんだよ? 今は違うのかもしれないけど、お前ついこの前まで俺を殺そうとしていたんだろ?」

 七緒の怯え具合にケラケラと笑い、椅子から立ち上がり両手を広げて歩み寄って来る達真。
 確かに達真の言う通り、こんな体たらくでは流石に笑われても仕方ない気がする。
 だが……。

「先輩……意地の悪いことを言ってやるな。君の存在圧は〝D・E〟によって以前とは桁が違う。元々旧式でも圧倒していたところにさらにパワーアップしているのだから無理もない話だよ」

「あ? あぁ……それもそうか。いや、にしてもよ~~♪」

 良善の説明に納得する達真。
 しかし、それでもなお七緒の怯えっぷりが笑えて仕方ない様で、歩み寄って来た達真が七緒に手を伸ばし……。


 ――パンッ!


「気安く触ろうとしてんじゃねぇ」

「…………あ?」

 達真の手を払い、七緒を自分の背後に下がらせて前へ出る司。
その司の態度に達真の雰囲気がガラリと一変する。

「おいおいおいおい……なんだ? まさか、この俺に調子乗って牙向けてくる馬鹿がいるとはな……〝D・E〟を手に入れてようやく第二階層に上がった程度のひよっこがイキるじゃねぇか? 実力もねぇのに気だけでかくするのはみっともないぞ?」

「うるせぇ……牙剥かずにいつ剥くんだよ?」

 達真の目を真っすぐに睨みながら、司は親指を立てて横を差す。
 そこにはボロボロになった三人がまだ立てずにうずくまっていた。

「その三人をボコしたのはお前だろ?」

「あぁ、そうだが? それが何か?」

「だったら理由は十分だろ。まぁ、紗々羅さんとルーツィアさんは俺がどうこう言う立場じゃねぇが……。てめぇ、何を断りも無く人のモノに手ぇ出してんだよ?」

額に青筋を浮かべる司。
七緒に触れようとするのも許せない上、自分が居ぬ間に曉燕に手を出されたのなら、もうそれはイキがるではなく当然の激昂だった。

「ん? あぁ……なるほど、そういう理由ね。でもそれで首領である俺に喧嘩売るのはちょっと身の程知らずなんじゃねぇか? №Ⅻ下っ端?」

「てめぇこそ底が知れるぞ、№Ⅰトップ。自分の持ち物に手を出されてもニコニコ笑顔の腰抜け部下がお望みか? だったらそこら辺のチンピラでも囲ってお山の大将でも気取ってろよ」

 目に血色を滲ませ真っ向から達真を睨み付け詰め寄る司。
 かつて反吐が出るほど嫌いだった不良同士の〝ガンのくれ合い俺強いんだぞアピール〟の様な構図。
 だが、これは決してそんな生半可なものではない。
 少なくとも、今背後にいる七緒が腰を抜かしてへたり込み、意識を失いかけさせる程度には人外級の睨み合いだった。


「おい……もうその辺で終わっておきたまえ、二人とも」


 コーヒーカップを口元に当てその縁から第三の圧を割り込ませて来る良善。
 押し潰されそうな存在圧がまた一つ現れてついに七緒が気を失い床に倒れ込む。
 そして、達真も副首領の言葉は無碍に出来ないのかフッと力を抜く。
 だが……。

「――うぐッ!?」

 口を押えて膝を付く司。
 その指の間からは血の雫が滴り落ちていた。

「キヒヒッ! 緩んだ途端反動が来たか? てめぇから喧嘩売っておいてそのザマかよ? だらしねぇなぁおい?」

 震える司を見下ろしてこれ見よがしに嘲笑顔で見下ろして来る達真。
 だが、そこでふと隣から別の失笑が漏れる。

「やめておけ、先輩。君が言うに喧嘩を売られてそこそこ睨み合いに耐えられただけでも醜態極まる無様だというのに、その上ヘラヘラと軽薄に笑うのは単なる恥の上塗りでしかない」


「……はぁ?」

「なんだい?」


 ――ドンッ!!


「「「「――うぐッ!?」」」」

 今度は良善と達真の威圧合い。
 先ほどまでとはまるで次元が違い、再び吐血する司の横で今度は紗々羅・ルーツィア・曉燕の三人も口を押えて身を丸めて苦しみ出す。

(くそッ! なんだよ……これ!?)

 まるで談話室内の重力が何倍にも増えたかの様に床にうずくまらせられる司。
 達真の目の前で土下座をする様な体勢になどなりたくないと片手を床に付けて耐えようとするが、それでも堪え切れずに身体が押し潰されて行く。

「あぐ、ぁ……――うぶッ!? う、ぐぅ……――ぐぶッ!?」

「うぐッ!? お、お願い……り、良善……さ……やめ、てぇ……――ぐぶッ!?」

「ラ、博士ラーニィド様……無比アニークト……様……お、お許し……を――がはッ!?」

 両手で口を押さえ弱々しく丸まる曉燕に加え、あの紗々羅とルーツィアでさえ血を吐き苦しんでいる。
 それほどまでに別格な№Ⅰと№Ⅱ。
 ただ、幸いなことに片方は周りへの影響を鑑みれる冷静さを持ち合わせていた。

「やれやれ……そろそろやめておこうか? 部下達が全員死んでしまう」

「は? てめぇから喧嘩売って来たんだろうが?」

「今回は君に非があるからだ。彼も言っていた通り、紗々羅とルーツィアに模擬戦を仕掛けるのは君の自由だったが、司のモノである曉燕にのは明らかに礼を失しているぞ?」

 意味深な一言を残し良善が圧を解く。
 その瞬間、良善が羽織っていたコートの襟がスパッとまるで刃物で切り付け様に切れ込みが走ったが、達真もすぐに圧を解いてようやく談話室内の超重力が止んだ。

「――ぶはッ!? ハァ……ハァ……ハァ……」

 血混じりの荒い息を吐く司。
 掠れた視界の端でガクリと首を倒す曉燕と紗々羅とルーツィア。
 認めたくはないが司は痛感させられた。

(良善さんは薄々分かってたけど……達真こいつも、今の俺が太刀打ち出来る次元じゃない)

 結局触れもせず跪かされてしまった相手を見上げ、司は薄れかける意識を保つので精一杯だった…………。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ

海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。  衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。  絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。  ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。  大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。 はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?  小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。 カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。  

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

MMS ~メタル・モンキー・サーガ~

千両文士
SF
エネルギー問題、環境問題、経済格差、疫病、収まらぬ紛争に戦争、少子高齢化・・・人類が直面するありとあらゆる問題を科学の力で解決すべく世界政府が協力して始まった『プロジェクト・エデン』 洋上に建造された大型研究施設人工島『エデン』に招致された若き大天才学者ミクラ・フトウは自身のサポートメカとしてその人格と知能を完全電子化複製した人工知能『ミクラ・ブレイン』を建造。 その迅速で的確な技術開発力と問題解決能力で矢継ぎ早に改善されていく世界で人類はバラ色の未来が確約されていた・・・はずだった。 突如人類に牙を剥き、暴走したミクラ・ブレインによる『人類救済計画』。 その指揮下で人類を滅ぼさんとする軍事戦闘用アンドロイドと直属配下の上位管理者アンドロイド6体を倒すべく人工島エデンに乗り込むのは・・・宿命に導かれた天才学者ミクラ・フトウの愛娘にしてレジスタンス軍特殊エージェント科学者、サン・フトウ博士とその相棒の戦闘用人型アンドロイドのモンキーマンであった!! 機械と人間のSF西遊記、ここに開幕!!

処理中です...