アナザー・リバース ~未来への逆襲~

峪房四季

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SceneN 七緒の懺悔

sceneN-3 あったかもしれない過去

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「……あッ」

 ふと調理場の方へ目を向けると、調理場の更に奥にあるバックヤードの扉が微かに締まり切っておらず中の様子が見えていて、そこでは司が手回し式のロースターで円にコーヒー豆の焙煎を教えていた。

 ロータスーを回す加減をレクチャーしてから「さぁ、やってみて」と円に場所を譲る司。
 円は少しオーバーアクションなくらいに気合いを入れ、司に手解きをされながら豆を煎っている。
 香ばしい豆の香りに彩られた仲むつまじい光景。
 それは、どんなに穿った目線を向けたとしても……。


「なぁ、七緖? あの俺過去の司は……本当にあの子を暴力で従わせる様なクズになるか?」


「うッ!?」

 頬杖を付きながら、七緒と同じく扉の隙間に視線を向けていた司。
 七緖は金縛りにあった様に動けなくなる。

「あ……ぁ……あ、あの……」

「悪いんだけどさ……あの俺は絶対今が一番幸せだぜ? 多分あの子のことを自分より大事に思ってる。何があっても守るだろうな。もしここで、俺がこのナイフを持ってあそこに飛び込んだら、あいつは死ぬ気で立ち向かって来るぜ?」

 ホットサンドを切る用に添えられていたナイフを指先で回す司。
 そして、その持ち手を握り先端を七緒に向ける。


「おい、答えろよ? 俺はほんのちょっと出会う人が違うだけで、あんな風にもあったんじゃねぇのか?」

 司の瞳にジワリと血色が滲む。
 それは紙をかざしただけで切れてしまいそうなほどに鋭い刃の様な眼差しをしていた。

「俺の子孫がこの状況を作ったって言ってた。しかもちょっと寄り道ついでの片手間にだ。それで〝あれ〟だ。でも、お前らは何十年も掛けてクソ質の悪い画策をしておいて結局「御縁司は犯罪者にしかならない」って言う。【修正者】を語るにしては仕事が適当過ぎないか?」

「ち、違ッ! あ、あれはッ!!」

 これは作られた可能性の世界。
 御縁司は世界を不幸にする諸悪の根源。
 たった一人の女性を慈しむそんな心優しい青年であるはずが無いと考え、そこで七緖はふと気付く。

 何故、悪の根源を正そうという選択肢が自分達には無かったのか?
 何故、悪を悪のまま討伐する選択肢しか自分達には無かったのか?

 そもそも〝有無を言わさず殺す〟という時点で、果たしてそれは正義か?
 本当に正義を謳うなら、悪の起源である者達を今後罪を犯さない様に導かなくてはいけないのではないか?

 何故自分達はそれをしなかった?
 答えは簡単だった。

(だって、そうすることが正しいって……起源体はどの道悪党にしかならないって……)

 教わった。
 七緒は特に勤勉だったので〝ロータス〟の施設で行われたデーヴァの常識再構築のカリキュラムだけで留まらず、施設に保有されるあらゆる資料もほぼ読破し、そんな全てで起源体が如何に人類にとって害悪であるかが記されていた。

 真っ当な人になるため、七緒は人類の役に立てる者になりたかった。
 だからこそ、より〝Answers,Twelve〟への憎悪が増し、起源体に対する義憤に燃え、寝る間も惜しんで勉学に励んだのだが……。

(あんなの……知らない。あんなに幸せそうな起源体の可能性があるなんて……初めて知った)

 愛する者同士が笑い合っている。
 それは七緒の理想をそのまま現実にした様な光景であり、あの幸せを壊すなんて許されざる大罪に思えてしまう。

「ん~~よし! ねぇ司、どう?」

 円がロースターから焙煎したコーヒー豆を取り出して司に見せる。
 その司は豆を一粒摘み口に入れた。

「う~ん……うん……うん、いいじゃん!」

 目を閉じて味を確かめ、しっかりと「いい味だ」と言う司。
 あの〝自分には何も無い〟と言っていたはずの彼が自信を持っている。
 味覚の才能というのは、学校や自分ではなかなか見出しにくいモノだ。
 この世界の司はそんな自分の才能に気付いてそれを活かせている。
 こちらの司が言う様にあの司は今、きっとこの上ない生き甲斐を感じて日々を過ごしているだろう。

「本当ッ!? えへへ♪ じゃ…………ん♡」

 司に褒められ嬉しそうに微笑む円は、目を閉じ軽く顎を上げて顔を近付ける。

「え? 何?」

「〝良く出来ました〟ってして♪」

「はぁ!? ば、馬鹿かよお前ッ!」

「……やっぱり、あの二人組の方がいい訳?」

 細く目を開けた円がじっとりと睨む。

「ぐッ! わ、分かったよ……ッ」

「んッ♡ ……あはは♪ やっぱり司はいつもコーヒー味ね」

 ほんのり頬を染め、唇に手を当てはにかむ円。
 同じく顔を赤くする司は、照れ隠しの様にこめかみを掻き円から視線を逸らす。

「そりゃ、豆囓ったあとだから……――はッ!?」

 過去の司と七緒の呆然とした目が合う。
 その顔はみるみる内に熱した鉄の様に赤みを増し、サッと円を抱えて扉の死角に隠れてしまった。

「…………」

「あははッ! キスはコーヒー味か、小っ恥ずかしいことしてんなぁ過去の俺。……羨ましいよ」

 ゆっくりと息を吐き、肩を下ろす司。
 その顔は救われた様な穏やかな顔をしていた。

 司は気付けた。
 あった……自分にもあったのだ。
 ゴミ溜めの中で生きていたあの日々、自分でさえ「本当にあるのか?」と疑ってしまっていた幸せ。

 小さな喫茶店のフリーター。
 きっと裕福とは言えないだろう。
 だが、自信を持てるモノがあって、隣には可愛らしい彼女もいる。
 十分すぎる。
 あの司は……間違いなく幸せ者だと司は確信出来た。

「よかった……ははッ!」

「あ、あの……」

 満たされた様に微笑む司。
 それとは打って変わって、どんどん青褪めた顔になっていく七緖の声を無視して司は小さく呟く。

「……試してみるか」


 ――パシャァァッッ!!


「うぷッッ!?」

 司は突然グラスを手に取り、その中にある冷水を七緖の顔に浴びせ掛けて立ち上がった。

「お~い! ご馳走さ~ん!」

 一体何のつもりなのか?
 びしょ濡れで呆然とする七緖に何の反応も見せず、司は店の奥へ声を掛ける。
 するとまだ顔が赤いエプロン姿の司が出て来た。
 円が出て来る様子は無く、どうやら決定的瞬間を見られたことを知り、今頃裏手で頭を抱えて湯気を出しているのかも知れない。

「あ、あはは……は、はい、お会計……で…………え?」

 引き攣った笑みで出て来たエプロン姿の司は、髪から水を滴らせたまま座る七緒を見て、表情を凍り付かせる。

「いいコーヒーだったぜ、また来るよ。金はそっちの女が払うから」

 視線もくれず七緖を指差し、司はニヤリと笑って店の入り口に向かう。
 当然……。

「お、おいッ! 待てよッ!!」

 カウンターを回り、椅子に躓きながら過去の司は七緖の傍へ駆け寄り司を睨む。

「……あ? 何?」

「何じゃねぇッ! こ、これは……」

 扉の前で首を捻り肩口から過去の司を睨む司。
 その威圧感はそんじょそこらの不良やヤクザでも裸足で逃げ出すそもそもは発する事の出来ない暴風の様な圧。
 過去の司は、まるで本当に身体を突き飛ばされた様に数歩後ろによろめき、その顔はあっという間に真っ青になっていく。

「あぁッ、うぐッ!? あ、あのぉ……」

「なんだ……何か用があるんじゃねぇのかよ?」

 司は踵を返して数歩歩み寄る。
 だが、二人の司の距離は変わらない。

「あ……ぁ……あ……ッ! そ、そその子ッ……に! い、一体……何を…………」

「あ? なんだよ? ちょっと態度が気にくわなくてな、俺が水を掛けた……それだけだが?」

「た、態度って……か、彼女さんなんじゃないのかよッ!? こんな酷いことを……――ぐッ!?」

 まるで腕が伸びた様にいつの間にか距離が詰まり、襟首を締め上げられる過去の司。

「なんだよ? お前に関係あるか? こいつをどう扱おうが俺の勝手じゃねぇ? なんでてめぇがしゃしゃり出てくんだよ? お前、こいつに何か恩でもあるのか?」

「ぐッ! かはッ!? な、何もねぇよッ! 初対面だよッ! で、でもッ! こんな……ことッ! ぐふッ!? み、見て見ぬ振り出来るかッ!! この子に謝れッ!!」

 首を絞める司の顔がニヤリと笑う。
 過去の司からすれば、きっと自分が弱いくせに出しゃばりやがってと嘲笑されていると感じるだろう。

 しかし……それは違う。
 司は過去の司を笑っている訳では無い。
 その笑みの理由。
 それは過去の司には位置的に見えず、丁度司には視線を横に向けるだけで見える七緒の顔。


「あッ、あ、ぁぁ……あッ! あぁぁぁ……」


 七緒の顔は蒼白だった。
 過去の司が自分のことを想い守ろうとしてくれた。
 その温かな言葉で……七緒の心は滅多刺しにされていて、その痛烈な言葉の刃に司は笑みを浮かべていた。

「ハッ、弱いくせに正義のヒーロー気取りかよ? こっちの事情も知らずに……気ぃ悪ッ! おい、訂正しろ。「」って……じゃねぇと二度と人前に出て接客出来ないくらい顔歪めんぞ?」

「ふざけんなッ! ど、どこに……気分で頭から水ぶっ掛けて悪くない事情があんだよッ!?」

 怖くて仕方ないのだろう。
 締め上げられる司は、言葉の勇ましさとは裏腹にまるで視線を固定出来ていない。

「ちょッ! 何が……え? つ、司ッッ!?」

 ただならぬ店内の様子に気付いたのだろう。
 店の奥から円が飛び出して来て調理場で立ち尽くす。

「円ッッ!! 出て来るなッッ!! 君ッ! 奥に隠れてろッ! こいつまともじゃないッッ!!」

 締め上げられた司は締め上げる司の腕を両手で掴み、下を向いてガタガタと震えている七緖に叫ぶ。
 いきなり〝まともじゃない〟と言い切るのは少々大袈裟ではないかと思うが、椅子から転げ落ちそうなほど震えている七緖の姿を見れば、彼女が普段からこの男にどんな目に合わされているのかと邪推してしまうのも仕方ない。

「随分な言い草だな? あぁ、腹立つわ。てめぇ潰してあそこの可愛い子とこいつを奥で滅茶苦茶にでもしちまおうかなぁ~~?」

「――ッッ!? てめぇぇッッ!!」

 床から浮いた足が振り上げられる。
 だが、それより先に身体が投げ捨てられて蹴りは空振りに終わる。

「ぐはッッ!? うぐッ! このぉッ!!」

「おっとッ!?」

 床に倒れ込んだ過去の司は手足で床を掻き、司の腰に飛び掛かって壁に押え付ける。

「き、君ッ! 早く奥にッ! 円ッ! その子連れて奥行けッ! 鍵閉めて警察呼べッ!!」

 喧嘩に自信がある訳でもないくせに、せめて背後の二人は守ろうとしているか?
 ガクガクと足を震わせながら歯を食いしばって押さえに来る優男。
 だが、あまりに必死過ぎて彼は気付いていない。


「や、やめ……てぇ……。違う……違うの。わ、私は……あなた、を…………」


 震えながら首を横に振り、ついには椅子から転げ落ちる七緒の水が滴る頬に新たな筋が流れる。
 身を挺して自分を守ろうとしている過去の司。
 その背中を七緒はガチガチと歯を鳴らして泣き見つめ、司はその絶望顔に背筋が痺れ上がる様なたまらない愉悦を味わいながら、口端を吊り上げて笑っていた…………。

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