アナザー・リバース ~未来への逆襲~

峪房四季

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SceneN 七緒の懺悔

sceneN-1 あったかもしれない過去

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 司と七緒は向かい合う。
 そして、紗々羅が司に良善からの調査指示を記したメモを手渡し、司が手にした砂時計の天地を返す。
 すると二人の身体はその場にいた他三人がその瞬間を認識出来ない一瞬にして影も形も無く、密室から消えて去ってしまった。

「間違いなく目を凝らしていたのに、やっぱり消える瞬間が分からなかった……」

 思わず呟く曉燕。
 時元転移はこれまで何度も目にして来た。
 自分で行ったこともあるし、他人が行う瞬間に立ち会ったこともある。
 だが、その度に何度意識して瞬きすら堪えて見てもまるでスイッチのONとOFFの様な刹那の内に消えてしまうのだ。

「時間の壁を越えるというのは物質の移動とは訳が違うということなのだろう。……ところで紗々羅、貴様さっきから一体何を隠している?」

「ギクリッ!?」

 ルーツィアの辛辣な眼差しに紗々羅は口で擬音を言いながら視線を逸らす。

「貴様が適当なのはいつものことだが、今回は少々不自然だった。まるで一刻も早く閣下に転移して欲しがっていた様に見受けられたぞ?」

 視線を逸らす紗々羅の視界に回り込み、腕組みをして睨み下ろすルーツィア。
 どうやら違和感ではなく核心であるその眼差しに紗々羅は観念して口を開く……が。


「あれぇ~~? じいちゃんは? おいおいマジが……もう行っちまったのかよ?」


「「「――――ッッ!?」」」

 先に言っておこう。
 紗々羅とルーツィアは一騎当千にも収まらない規格外の戦闘力。
 そして、曉燕もこの二人には及ばずとも〝Answers,Twelve〟入りする前から二人が名を知っていた程度には力のある者だ。

 そんな三人の誰もが気付かぬ内に、背後から紗々羅の頭に顎を乗せて不満げなため息を吐く何故か全身ずぶ濡れになった一人の青年。

「「「きゃあッ!?」」」

 三人が思わず飛び退く。

「お~~いおい! なんだよ三人して逃げるなよ? 傷付くだろ? というか、紗々羅はともかくルーツィアの「きゃあ」は意外で可愛いじゃ~~ん♪ もう一回言って?」

「なッ!? ア、無比アニークド様ッ!? ――ッッ!!」

 慌ててその場に片膝を付いて平伏するルーツィア。
 そう、この青年こそが未来の地球を支配する〝Answers,Twelve〟の首領――御縁達真。

「し、首領……良善さんが真っ直ぐ談話室へ来いって言いましたよね?」

 身を抱く様にして少し気圧され気味に尋ねる紗々羅。
 そう、彼女は彼が来ることを警戒していた。
 良善から「あいつは絶対司の転移について行こうとするはずだから止めろ」と言われいて、そのためにさっさと司を転移させたかったし、少しでも来るのを察知しようと部屋の扉を閉めて鍵まで掛けたというのに、彼は平然と誰にも気付かれずすでに部屋の中にいた。

「あ? 俺が言う通りにするだなんて先生も最初から思ってなかっただろうよ。だからお前がここにいるんだろ? それよりも……おい、この胸のデカい女誰さ?」

 丸縁のサングラスを掛けたままズイッと曉燕に顔を向ける達真。
 初手からいきなりセクハラだが、曉燕は文句の一つも言えるはずもなく姿勢を正す。

「あ、あの! 李曉燕と、も……申します! い、偉大なる首領様にお、お会い出来て……光栄でございます!」

 かつて【修正者】の大隊長を務めていた程の実力者である曉燕でも今まで映像や資料上でしか見たことのない〝Answers,Twelve〟のトップ。
 明らかに自分より歳下……恐らく司とさほど変わらないだろう。
 見た目だけなら軽薄極まるが、曉燕は異様なそのプレッシャーに身体の震えが止められなかった。

「ふ~~ん……で? お前はなんでここにいんの? ただのデーヴァがウチの№達と一緒にいるは結構意外なんだが?」

「は、はいッ! 僭越ながら、首領様の先人であられる司様に従僕としてお仕えする栄誉を頂いております!」

「ほぉん…………」

 まるで全身を舐め回すかの様にじっくりと曉燕を見る達真。
 曉燕はもう自分がどういう感情で震えているのかも分からなくなってしまうほどに緊張で顔が上を向いてしまってしまう。

 ただ、紗々羅とルーツィアは察していた……これは値踏みだ。
 達真は今、曉燕を自分の血縁に仕えさせるに足るかどうかを見極めている。
 そして、しばらく無言の時間が続き、達真の中でその答えが出た様で……。


「……ダメだな」


「え? ――んぐッ!?」

 達真の片手が曉燕の顔面を握り掴んだ…………。







 そこは都内にある何の変哲も無い運動公園。
 時刻は昼前で天気がよく散歩を楽しむ老人やベビーカーを押す主婦、スーツ姿でパタパタと胸元を扇ぐサラリーマンなどがいて何気ない日常の時間が流れている。
 ただ、そこに一瞬の波紋が混じり、時間にしてコンマ数秒、その場にいた全ての人の視線から外れた遊歩道の一角にあるベンチの前に司と七緒は忽然と現れて並び立っていた。

「お、おぉぉぉ……! すげぇ! ワープしたみたいだ! なんかここのところあれこれあり過ぎて麻痺してたけど、これこそまさに〝未来の技術〟って感じだ!!」

 少しばかりテンションが上がる司。
 その横で気不味げに顔を歪めている七緒。
 さらに周囲の一般市民も「あれ? あそこに人なんていたかな?」と首を傾げて二人を見てくる視線。
 だが、司はそれらをまるで気にせず早速良善からのメモ書きを開いた。

「これは……地図?」

 いくつかの箇条書きな指示と合わせて描かれているその地図は、司にも馴染みのあるモノだった。
 何せここは司が通っていた大学のすぐ近くであり、見慣れた地図に描かれていたルートを辿ると、どうやら目的地は司が良善に紹介した喫茶店。

「どういうことだ? なんでここに……ん?」

 目的地は分かった。
 次に司は箇条書きにされた良善からの指示に目を通す。
 それによると……。

 ・この〝側流世界〟の現在時刻は午前十時。
 ・君に渡した〝砂時計タイム・グラス〟は片道にしか対応していない。
 ・そのためこちらの時間で午後八時には人気の無い場所で待機しておく様に。
 ・こちらで位置を補足して元の世界へ帰還させる。
 ・そちらの世界の御縁司の現状を確認したらあとは好きに過ごしていい。

 連々と書き込まれたその文字を追っていく司。
 すると最後の一文だけは、何故か〝声に出して読む様に〟と前置きがされていた。

「え? 御縁司はデーヴァの工作により……鷺峰さぎみねまどかと交際していなかっ……た?」


「「うぐッ!?」」


 司と七緒が同時にこめかみを押さえて一瞬の頭痛を感じて顔をしかめる。
 その痛みに、司は似た様な覚えがあった。

「痛ッ……い、今の……記憶の差し込み? ――あッ!?」

 程度は比べ物にならないが、ほんの数時間の記憶を十数年の記憶にまんべん無く適応させた時に感じた痛みに似ていた今の頭痛。
 そして、それが引くと一瞬にして蘇るこれまでの記憶。

「あ、あれ? 俺……なんで忘れてたんだ?」

 どういう訳か記憶にあったに、上書きされる孤独で陰鬱な生活をしていた本当の自分の記憶。

「これが……過去を改変するってことなのか?」

 自分の記憶がごっそり入れ替わっていたことにまるで気付かなかったもはや恐怖体験。
 思わず七緒の方へ目を向けると、七緒も頭を押さえて一瞬の痛みを逃がしている最中だった。

「今の一文をわざわざ声に出して読ませたのは私の記憶も修正するためだったのね。一体私に何を見せる気なのよ」

「さぁな……まだそんな長い付き合いでもねぇけど、あの人の考えは多分一生読めねぇだろうな。とりあえず目的地に行くぞ。面倒臭いからちゃんと付いて来いよ? 逃亡しようとしても俺と一緒じゃないと元の世界には戻れないし、そもそも今のお前ならこの前よりあっさり倒しちまうぞ?」

 ペンダントよりも先に七緒の首に巻かれたままのチョーカーを指差す司。
 この〝錠〟のせいで今の七緒に戦闘力は皆無。
 下手な考えを起こした所で無駄だった。

「くッ……わ、分かったわよ」

 状況を鑑み、今は司と行動を共にするしかないと合理的に判断する七緒。
 そして、二人は傍から見れば「喧嘩でもしたのか?」と思わせる微妙な距離を開けつつも、真っ直ぐ目的地へと向かう。

 〝側流世界〟だの〝過去〟だの諸々あり得ない状況でありながら、一見する分には本物とどこも違いはない。
 人は普通に歩いているし、建物の裏を覗き込んでもハリボテということもない。

「すごいな……どう見ても本物だ。これが別世界だなんて信じられな…………あれ?」

 何もかも本物……そうとしか思えなかったのに、目的地に着いた途端目の前には記憶との大きな相違があった。

 良善と訪れた喫茶店。
 他は全く同じなのに、その喫茶店だけは何故か記憶と全く形が異なり、黄色いロールカーテンにプリントされた喫茶店の名前らしき〝スミレ〟という文字にもまるで見覚えが無かった。

「なんか、全然違うんだけど……」

 司が小首を傾げている。
 七緖もかつて司を監視していた時に、彼がたまに喫茶店に訪れることがあることは知っていたが、確かに店の雰囲気がかなり違っていた。
 すると、その店の扉が開き…………。

「――ッ!? か、奏と……真弥?」

 店から出て来たこの〝側流世界〟内の奏と真弥。
 軽くお茶をしに来たという装いの二人は、扉が閉まる前にもう一度店内へ向け手を振り、扉を閉めて店に背中を向けたと同時に苦々しい表情に変わる。

「あ~あ~ウザッ! なんなのよあいつッ! 起源体のくせに幸せそうに生きちゃってッ! マジでムカつくんだけどッ!」

「ホントだよ。あんな生活をあと一年も続けさせるなんて許せない。死ぬ寸前までもっと苦しむべきなのに……」

 並び歩きながら悪態を付き、徐々にこちらへ近付いて来る二人。

 ――ググッ!

「……うッ!」

 隣で無表情の司。
 しかし、拳がギリギリと握り締められているのが見えて七緒の肝が冷える。
 徐々に近付いて来る二人。
 いつ殴り掛かってもおかしくないその拳の震えに七緒は気が気でなかったが、調査があるのだからここで騒ぎを起こす訳にもいかず司は二人が通り過ぎるまで耐えた。
 だが、そこで……

「……ん?」

「どうしたの、真弥ちゃん?」

「いや、今すれ違ったカップル……なんか女の人の方がすごい七緖に似てた気がして……」

「え? ……そんな訳ないじゃん。生体パルスの波長が完全に別人だよ?」

「そう……だよね? う、うん……私の勘違いだわ」

 背後の二人の会話に七緖は口惜しさで歯噛みする。これは二人が間抜けなのではない。
 未来において人相や身体の形を変えるのは、現代で言えばウィッグを被るに等しい程簡単な行為であり、見た目の判断など当てにならないのだ。

 〝Answers,Twelve〟を追っていた頃の彼女達も、必ず対象の識別に誤魔化し様の無い生体反応を判断材料にする。
 つまり、逆にそこさえ違えば彼女達には例え鏡に写した様に瓜二つでも全く別人に見えてしまうのである。

(二人が迂闊なんじゃない……このペンダントが凄すぎる。なんなのこれ? 意識しないと自分でも自分の身体じゃないみたいに錯覚する)

 遠ざかっていく背後の二人の気配。
 気付いてという気持ちと、そのまま離れてしまってという気持ち。
 その理由はもちろん司だ。
 今の彼が不意を付けば、流石にあの二人もただでは済まない。

「警戒しなくていいよ。この世界のあいつらを倒したところで意味なんてない。……行くぞ」

 どうにか本質は見誤らず耐えた司は〝スミレ〟の前に進み、そこでしばし外観を眺めたあと、入り口のドアノブに手を掛ける。
 そして、店内に入ると…………。



「ち、違うってまどかッ! 信じてくれよ! 俺、そんなつもりなんて無いからッ!」

「いいやッ! 完ッ全に鼻の下伸びてた! いいご身分よね!? テーブル席も空いてるのにわざわざ自分の目の前のカウンターにあんな美人さんが二人が座りに来てくれてッ! ヤラシイッ! ヘンタイッ!!」



「「…………」」

 時刻は良善のメモ書きにもあった通り十時を少し過ぎたところ。
 モーニングには遅くランチには少し早い。
 故にちょっとしたスポットタイミングだったのか店内に客の姿は無く、カウンターを挟んで二人の若い男女が胸焼けしそうな口論を交わしていた…………。
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