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Scene6 独善の一念と偽善の誤算
scene6-8 生感と死感の両立 後編
しおりを挟む「生死の……感覚?」
まるで敵意は感じない。
そもそも、敵として認識されてすらいないのかも知れない。
口惜しくはあるが、ここでそれを逆撫で向けさせる意味も無く七緒は押し黙る。
すると、良善はその無言を「話を聞く気がある」と前向きに肯定し、司の一方的な和成リンチを眺めつつ語り出す。
「司はこの数日だけでウチの№Ⅲと№Ⅳと戦闘訓練を行っている。どちらも一線を越えはしないが、普通に見れば即死級の攻撃で司を攻め立てていた。彼は何度も何度も「死んだ」と思った一瞬を体験しただろう。彼は〝D・E〟により強化された身体によりそれに耐えれた。しかし、君も知る通り彼はまだ〝D・E〟を手にして数日足らず。彼の中にはまだ常人の時の感覚も残っている」
それは七緒には分からない感覚。
生まれた時からナノマシンを体内に宿していた七緒達デーヴァは、余程の事が無い限り死ぬことはない強靭な身体を有しているので、死の恐怖へのハードルが極端に高い。
だが、司は元一般人。
車に突っ込まれただけでも死が過る存在であり、刀で斬られたり銃で撃たれるなどはあまりにも明確な死を連想させ、その反射的思考はすぐに無くなるモノではない。
つまり、今の司は簡単に死なない身体を持ちながら簡単に死に至る感覚を持った状態。
元々死という事象に縁遠いデーヴァ達よりも一瞬一瞬の精神に掛かる負荷が違うのだ。
「ここ数日で何十何百と心の中で「死ぬ」と思ったはずだ。しかし、それもいずれ君達に近い感覚になるだろう。すでに大分自分の超人感を自覚しつつある様だしね。しかし、そのたった数日で味わう〝死んだ〟からの〝死ななかった〟という体験が彼の精神を引き締めたんだ」
「どうせ死なない」と思いながら戦場を駆けるより「いつ死ぬか分からない」と身構えて戦う方が覚悟は強靭となる。子どもが甘やかして教えられた事より怒られながら教えられた事の方が強烈に印象付けられて覚えやすいのと原理は同じ。
つまり司は、たった数日で強くなった訳ではなくまだ一般人の感覚が残っている今の内だからこそ出来るショック学習で戦場での覚悟を心身に叩き込み、その結果、安易に攻撃を受けずそれでいて怯えて身体を強張らせたりしない戦いの中での冷静さを手にした。
「〝D・E〟はイメージを現実にする。といっても常に変化する目の前の状況に合わせて強くイメージを構築する集中力を維持するのはなかなか骨が折れる。だが、司はそれを可能にするだけの冷静さを掴むことでイメージの構成力を保ち、その結果〝D・E〟の高い再現性を可能にしている。あの動きは司の巧みな戦いは彼の戦闘センスではなく「こう身体を動かそう」「次はこうしよう」という冷静に集中したイメージ力の高さの表れなのだよ。まかり間違っても君達の所の猿に出来るモノでない」
「…………」
鼻で笑う良善の言葉に七緒は何も言い返せなかった。
目の前で続く一方的な展開。
和成が一撃空振りする間に司は三発は殴る蹴るを加えて、その後しばらく和成が立てない状態でいるのをただ立って眺めて待っているほどの余裕。
そして、コソコソとタイミングを伺い不意打ちで飛び掛かってもヒラリと躱され頭を床に叩き踏まれる始末。
「…………まだやる? それともそろそろ踏み潰すか?」
ゴリゴリと和成の頭を踏み躙る司。
その顔は酷く冷めていた。
自分達のこれまでして来たことを知ったのなら、この状況は彼にとってまさに痛快の極みであるはず。
それにもかかわらず、もう半分うんざりとしたその顔は、彼にとって和成があまりにも取るに足らない雑魚である何よりの証拠だろう。
「うぶぇッ!? ――ぐッ!」
どうにか首を上げ司の足を振り払う和成。
司は数歩サッと下がり、次の和成の攻撃に備えたが、和成はそのまま司を見ずに手足で床を掻いて……。
「な、七緒ッ! 何呑気に座り込んでんだよッ!? ちゃんと僕をサポートしろよ! 副官だろッ!?」
左足が伸びた膝立ち状態の七緒の後ろに滑り込み、その背中をグイグイと押す和成。
司も、そして良善も、もはやため息さえ付かず、白けた半眼をこちらへ向けて来た。
そして、そんな二人の顔を見せられた七緒も……。
(…………あぁ)
ガクガクと揺れる視界。
そんな中、まるで蝋燭の火を吹き消す様に七緒の中で和成に関する何かが……消えた。
「二人掛かりで来るか? いいぞ……掛かって来い」
司の血色の目が光度を増す。
部屋の中の空気が押された様に七緒と和成の身体が微かに後ろへ仰け反る。
「待ちたまえ、司。そちらの黒髪の子は足を痛めている少し回復の時間をあげたらどうだい?」
良善からのもはやあり得ないレベルな手心。
それを受けた司は……。
「あ、そうなの? ……いいよ」
あっさりと承諾。
そして、踵を返して部屋の片隅に寝かせた曉燕の元へと歩み寄り膝を付く。
「曉燕、大丈夫か?」
「あ、くぅ……あ、ぁ……は、ぃ……き、傷は塞がり、ました……。も、申し訳……ありません……司様」
「ははッ、何で謝るんだよ? 大丈夫だ……ゆっくり休め。そうだ、今日の晩飯には酢豚食いたい。パイナップルありでな」
「あぁ……你得直说」
まるで別人の様な優しい声音の司に身体を支えられ、乱れた髪を整えて貰い幸せそうに目を細める曉燕。
「…………」
なんだ、その顔は……?
悪の根幹である起源体と裏切り者がなんでそんな温かく満たされた空気の中にいる?
「……めない…………そんなの、認めない」
七緒は能力を解き、左足を掴んで打ち込まれた曉燕のナノマシンを除去する事に集中する。
あり得ない程の情けはこの際無視する。
それよりも今はあの幸せを否定しなくてはならない。
(ふざけるな……ふざけるな……ふざけるな……ふざけるな……)
掴んだ足の部分から白煙が上がる。
見詰められた息を忘れるほどの美貌が憎悪に歪む。
物心着いた時、最初の恐怖は鈴が付いた首輪をはめられて山の中へ放たれた時だった。
金持ちのコミュニティで企画された〝人間狩り〟
あえて実弾で古風に狩りを楽しむ趣味の的にされた幼き日の七緒は必死に逃げ惑った。
同じく的役にされた同い年の子が銃声と共に足から血を流して倒れ、撃った老人が小躍りしてその子を持ち上げ、木の枝に括り付けて担いで付き人達に「我々の祖先はこうして獣を持ち帰ったらしい」と得意げに語り、痛みに泣きじゃくるその子に見向きもしなかった。
何処かも分からない森の中を駆けずり回り、銃声が響く度に上がる悲鳴に身を震わせ、七緒は泣きながら逃げ続けた。
そして、雨が降り銃声が鳴らなくなった頃、七緒はたまたま見つけた洞穴に逃げ込んだが、そこは深い鍾乳洞になっていてそのまま迷い込んでしまった七緒は、自分がどちらを向いているかさえ分からぬ闇の中で一週間飲まず食わずで彷徨い続け、脱走を疑われた捜索で見つけられた時には岩の上に倒れた状態で死体と間違えた蝙蝠にたかられていたほど。
ただ、回収された七緒は治療を済まされた後、丁度いいフィールドだと今度は夜光塗料を塗られた首輪を付けられ、今度は最初からその鍾乳洞の中へ投げ入れられて、また別の〝人間狩り〟の的にされた。
(私達がどんな目に合って来たと思っているのよ……〝Answers,Twelve〟は絶対に許さないッ! お前達にそんな笑顔の未来なんて……絶対に認めないんだからッッ!!)
そう、七緒は絶対に〝Answers,Twelve〟を許さない。
そして、そんな悍ましい記憶を土台にその後〝ロータス〟から教育を受けた七緒にとって、もはや司の存在は〝Answers,Twelve〟の一員も同然に見えていた。
「認めない……お前、なんかに……そんな幸せそうな時間なんて……」
「ね、ねぇ……七緒? 足の治療……まだ掛かるかな? あ、あの……い、一応僕に能力を……」
「引っ込んでなさい……あんたなんて、宛てにしてないから……」
「――ひぃッ!?」
肩口から後ろを振り返る七緒の顔はすでに人では無かった。
まるで別の生き物……不用意に手を出せば噛み千切られるのではないかとさえ思えてしまう迫力。
そして、その煮え滾る存在圧は部屋中の空気を震わせ始める。
「ほぉ、これはなかなか……司、大丈夫かい?」
歯を食い縛り、さっさと治れと足を握り締める七緒の圧に感心した良善が司を見る。
すると司はもうすでに曉燕の身体を床に降ろし直し、仁王立ちで拳を握り締め……。
「…………」
細い呼吸で集中を高め血色の両目を見開き、真っ向から七緒と睨み合っていた。
「これはいい……」
――パチンッ!
良善が指を鳴らす。
すると、ベッドに寝ていた美紗都の身体と床に寝ていた曉燕の身体がフワリと浮かび、部屋の扉へ歩いて行く良善の背後に吸い寄せられる。
「あ、うぐぅ……り、良善……様……申し訳、ありません」
「構わん。それよりも今はお前とこの子がここに居る方が司の気を散らす。司……存分にやりたまえ。最悪このビルが世間に知られることになってもいい。後始末は私がしてあげよう」
良善の言葉に司は無言で頷くだけだった。
そして七緒も、悠長に退散する良善達の事は無視して標的を司一人に絞る。
「くくッ! おい、そこの猿……お前も逃げておいた方がいいのではないか? 今から始まるのはお前如きでは――」
「うわああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁッッッ!!!!」
「だぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁッッッ!!!!」
七緒は足から手を離すと同時に背後の和成が壁に吹き飛ぶほどの衝撃で床を蹴りロッドを振り被って突進する。
対する司も一切遅れる事無く飛び出し、部屋の真ん中で七緒のロッドと司の腕がぶつかり、衝撃で壁はひび割れ、残っていた窓ガラスは全て粉になって外へと弾け飛んだ。
「しぃぃッッ!!」
目にも留まらぬ速さでロッドを回す七緒。
縦横無尽に振り回されるそれは床に当たっても捌きが鈍る処か絨毯とその下のコンクリートを抉り飛ばして司に迫る。
「――ぐッ!! おらぁああああぁぁぁッッ!!!」
司も負けじと応戦。
腕でロッドの柄を無理矢理いなして拳を放つがやはり猿真似とは別次元。
殴りも蹴りもまるで分かっている様な無駄の無い最低限と動きで躱され、ロッドの先端にある飾り翼が司の頬を掠り血を滲ませる。
「殺すッッ!! 殺すッッ!! 殺すッッッッ!! 御縁司ぁぁッ!! お前の未来は私が否定するッッ!!」
「ぐぅッッ!? 上等だああぁぁッッ!! 俺だっててめぇらまとめて全否定してやるつもりだよッッ!!!」
司の拳が七緒のロッド殴り七緒ごと吹き飛ばす。
しかし、七緒は空中で華麗に体勢を立て直し、何も無い宙を蹴ってすぐさま司に迫りロッドを振り下ろす。
それを横に飛び退き回避する司。
ただ、空振りに終わったその一撃は床を爆ぜ砕き壁にまで亀裂を走らせる身の毛もよだつ威力を見せた。
「うぉおッ!? これはすごいな!」
「ひぃぃッッ!? な、七緒ッ! ちょ待ッ! うわああぁぁッッ!!」
帽子を手で押さえ慌てて部屋の外へ退散する良善。
はじけ飛ぶコンクリートの塊が頭上を飛び壁を砕き、頭を抱えて伏せる和成。
先ほどまでもお遊びにしたって白ける戦いとは全くの別次元。
そして、未来の技術など使われていないただの部屋はあっという間に二人の戦いに原型を留めていられず、塵煙を撒き散らして床を崩落させた…………。
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