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Scene5 学ぶ者と学ばぬ者
scene5-3 良善の逆鱗 前編
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「お帰り。おや、随分派手にボロボロだね、司……ご苦労様だったよ」
ルーラーズ・ビルへ帰還した司は、白服の案内で良善の待つ〝Answers,Twelve〟の談話室へとやって来た。
紗々羅は『先にご飯!』と一人でどこかへ行ってしまい、ルーツィアは司ほどではないにしろ怪我や汚れが目立つ美紗都を清めてから向かうと言い困惑する美紗都を半ば強制的に連行して行った。
最後に残った曉燕は「あそこは私如きが入れる場所ではない」と言い、鹵獲したデーヴァ達を封じた圧縮牢を司から受け取り下がってしまい、結局司一人だけで良善の元へで向かうというオチ。
何ともまとまりは無いが、悪の組織にそんなモノを求めるのもナンセンスだろうと諦め、司は談話室にやって来た。扉を開けると前回と同じく№Ⅱの席に座していた良善が肩口から振り返り、開口一番労いの言葉を掛けてはくれたのだが、そんな彼の前のテーブルにはサイフォンやコーヒーミル、手回し式の焙煎器等が並び微妙に色味の違うコーヒー豆も広げられて、なかなか洒落た趣味の時間に興じていた様に見受けられた。
「自分の起源体救出任務を与えておいて、当の本人はオリジナルブレンド作りですか?」
文句の一つも言いたくなり半眼で睨む司に対し、良善は全く悪びれる様子も無く№Ⅻの席に腰を下ろす司に出来立てのコーヒーを差し出し「まぁ、飲んでみたまえ」と若干ニヤ気味。どうやらなかなか出来栄えだったらしくそのウキウキとした顔が絶妙にウザかったが、とりあえず口を付ける司。
「…………あぁもう、めっちゃ旨いのがなんか腹立つ!」
「はっはっはッ! さて、まぁゆっくり味わいながら報告を聞かせてくれるかい?」
軽くおふざけを挟みつつ今回の戦果報告を求める良善。
司は明らかに現時点で自分が思う美味しいコーヒーランキング一位になってしまった良善ブレンドを味わいつつ簡潔に説明をまとめた。
「ふむ……私の起源体は無事に保護、中隊相当数のデーヴァ鹵獲、第三階層レベルのデーヴァ鹵獲……初任務のスコアじゃないね、見事としか言いようが無い」
ちょっと驚いた手を叩いて称賛して来る良善。
しかし、司の眼差しは手にしたカップの湖面に落ちる。
「いや、結局は曉燕とルーツィアさんのおかげですよ……俺だけじゃ何も出来てなかったです」
なんだかんだでやっぱり悔しかった司。
他者を上手く使うべきということは学んだが、良善がまるで司の手柄の様に褒めて来るとそれを素直に受け取る気にはなれなかった。
そして、そんな浮かない顔の司に良善はやれやれと苦笑を漏らす。
「その性格はなかなか治りそうにないね……まぁ、歩んで来たこれまでの道を考えれば思ったより順調に立て直して来ている方ではあるがね。しかし、実際に今回の結果を生み出したのは紛れも無く君の行動の結果だ。曉燕を使い厄介な敵を抑え、ルーツィアに「協力しよう」と思わせるだけの行動を示した。しかもルーツィアに〝閣下〟とまで言わさせたのは大きいと思うぞ? 彼女は確かに君の血筋の信仰者だが、大分拗らせているからね……場合によっては「こいつは御縁じゃない!」と、血脈という意味で助けはするだろうが、付き従う者とは認めない可能性は十分にあった」
「そ、そんな厄介なオタクみたいな……」
確かに良善や紗々羅とはまた違った意味で壊れている感じがした。
だが、とりあえずは今後とも協力を期待出来そうであり、今は有り難くその恩恵にあやかっておこう。
しかし……。
「次はもっと自力で何とか出来る様に頑張ります」
いつまでも他人の神輿に乗るのは自分の気が済まない。
その思いを込めて言葉にした司に対し、良善は満足げに口端を緩ませる。
「うむ。向上心のある良い返事だ。それにしても一つ面白い報告があったが、その点をもう少し詳しく聞かせてくれないか?」
「え? お、面白い報告?」
「ほら、全身黒ずくめの男達という件だよ。そういえば前に一度説明を省略したことがあったね。司……君が今まで会ったナノマシンを持つ者達に関して、少々妙な傾向がある様に感じてはいないかい?」
そのまま言ってくれたらいいものの、あえてまず司の意見を前置きさせる良善の回りくどさが少々焦れったいが、それに関しては確かに司も思っていたことがあったためすぐに返答が口から出た。
「えっと、はい……なんか異様に女性が多いなとは思ってました。今回あの黒ずくめ達が出て来たので大分印象のバランスは吊り合いましたけど……」
「あぁ、そうだね。実は私が作り出した最初期のナノマシンは男性に上手く適応しない傾向にあった。それには男性と女性の脳の違いが関係している。専門的な話をしても理解が難しいだろうから簡単に言うと、女性の脳は〝広く・浅く・瞬発的〟な働きが得意とされていて、逆に男性の脳は〝狭く・深く・持続的〟な働きが得意な傾向がある。生体である以上絶対の法則とまでは言えないがね」
「へぇ……でも、なんでそれが適応の差に出るんです?」
「単に相性の問題さ。ナノマシンで人の身体を管理する上では色々と情報を更新しやすい女性脳の方が相性が良く、逆に男性脳は一つ命令を実行させるとそれ凝り固まり蓄積させ過ぎて情報を更新するに従い処理が重くなり最後には脳がパンクする。もちろん例外もいた。男でも女性脳に近いタイプは上手く適応していたね。ただ、やはり数はかなり少なかったし、色々と調整が難しかった。だからもっとも生産数の多い第一世代ナノマシン保有者は殆どが女性だったので今もそれが続いていると言う訳さ」
割と簡潔な理由。
生産数だなんだと言われると少々ゾワゾワするものがあるが、あくまで効率を求めた上でデーヴァ達は殆ど女性である意味に関しては理解出来た。
「じ、じゃあ……俺の脳も女性脳に近かったってことなんですか?」
「いや、それはあくまで最初期のナノマシンでの話だ。私の作ったナノマシンはそこから二度バージョンアップしている。第一世代が最初期のデーヴァ達、そして次の第二世代が紗々羅やルーツィア、それと若い世代のデーヴァ達。この第二段階でもまだなかなか男女の適応差はあった。そして、ようやく男性でも女性と変わらぬ適応性を出せる様になったのが、現行最新である第三世代ナノマシン……君が今持っているモノがそれだ」
「お、おぉ……俺が最新……えっと、まぁつまりパソコンのバージョンアップみたいなモノってことでいいんですよね?」
「あぁ、それくらいの認識でも問題はあるまい。君は単純な初期スペックでも大半のデーヴァに勝る。ただ、使いこなしが未熟だと前任者の様に簡単に負けるぞ? あくまでも仕様変更……決定的な能力の差があるとまでは言わないのでこれからも油断しない様に。そして話を戻すが、その黒ずくめ達は恐らく私の生み出したルートとは別の経緯で生み出された物だと思われる。私が研究で施術した男性被験体は全て私の研究所内で管理していたので過去(こっち)へ来る前にちゃんと処分してからね」
相変わらずサラッと語られる鬼畜な所業。
しかし、そうなると今未来には男性のナノマシン保有者はいないということになる。
それはつまり……。
「〝ロータス〟が自分達で新たに男のデーヴァを作ったってことですか?」
「あぁ、その可能性が高い……はぁ全く、わざわざ塩を送る必要も無かったか」
「え? 塩?」
「あぁ、いや大した話じゃない。それにしても正義を声高に叫びながら悪の手段を参考に兵を増員するとは……もはやその思考回路に興味すら出て来た。ぜひ一度開頭手術をさせて貰いたいね」
手にしたカップをテーブルに置いて嘆息する良善。
それはいよいよ〝起源体殺し〟という理不尽にすら収まらない行為。
自分達が〝Answers,Twelve〟にされて来たことと全く同じ事をしている。
正義の矜持だけでは強い部隊は作れない。だから悪の技術も活用する。
だが、それに対する司の顔は特に驚く様子も無く憮然としていた。
「今更でしょ……大方〝他人がすれば不正悪用・自分達がすれば有効活用〟ってところじゃないですか?」
テーブルに頬杖を付き苛立ちを見せる司。
ただ、それに対して良善も両肘を付いて指を組みそこへ額を乗せる。
「フッ……まぁ、必死なのは結構なんだがね? 人の研究結果を転用したからにはそれなりのモノを作ったんだろうな? これは少々確認が必要だ」
顔を隠したまま肩を揺らしている良善。
一見笑っているのかとも思えたが、それを間近で見ていた司には良善が少し怒っていると感じられ、ゾッと全身に鳥肌が立ってしまった…………。
ルーラーズ・ビルへ帰還した司は、白服の案内で良善の待つ〝Answers,Twelve〟の談話室へとやって来た。
紗々羅は『先にご飯!』と一人でどこかへ行ってしまい、ルーツィアは司ほどではないにしろ怪我や汚れが目立つ美紗都を清めてから向かうと言い困惑する美紗都を半ば強制的に連行して行った。
最後に残った曉燕は「あそこは私如きが入れる場所ではない」と言い、鹵獲したデーヴァ達を封じた圧縮牢を司から受け取り下がってしまい、結局司一人だけで良善の元へで向かうというオチ。
何ともまとまりは無いが、悪の組織にそんなモノを求めるのもナンセンスだろうと諦め、司は談話室にやって来た。扉を開けると前回と同じく№Ⅱの席に座していた良善が肩口から振り返り、開口一番労いの言葉を掛けてはくれたのだが、そんな彼の前のテーブルにはサイフォンやコーヒーミル、手回し式の焙煎器等が並び微妙に色味の違うコーヒー豆も広げられて、なかなか洒落た趣味の時間に興じていた様に見受けられた。
「自分の起源体救出任務を与えておいて、当の本人はオリジナルブレンド作りですか?」
文句の一つも言いたくなり半眼で睨む司に対し、良善は全く悪びれる様子も無く№Ⅻの席に腰を下ろす司に出来立てのコーヒーを差し出し「まぁ、飲んでみたまえ」と若干ニヤ気味。どうやらなかなか出来栄えだったらしくそのウキウキとした顔が絶妙にウザかったが、とりあえず口を付ける司。
「…………あぁもう、めっちゃ旨いのがなんか腹立つ!」
「はっはっはッ! さて、まぁゆっくり味わいながら報告を聞かせてくれるかい?」
軽くおふざけを挟みつつ今回の戦果報告を求める良善。
司は明らかに現時点で自分が思う美味しいコーヒーランキング一位になってしまった良善ブレンドを味わいつつ簡潔に説明をまとめた。
「ふむ……私の起源体は無事に保護、中隊相当数のデーヴァ鹵獲、第三階層レベルのデーヴァ鹵獲……初任務のスコアじゃないね、見事としか言いようが無い」
ちょっと驚いた手を叩いて称賛して来る良善。
しかし、司の眼差しは手にしたカップの湖面に落ちる。
「いや、結局は曉燕とルーツィアさんのおかげですよ……俺だけじゃ何も出来てなかったです」
なんだかんだでやっぱり悔しかった司。
他者を上手く使うべきということは学んだが、良善がまるで司の手柄の様に褒めて来るとそれを素直に受け取る気にはなれなかった。
そして、そんな浮かない顔の司に良善はやれやれと苦笑を漏らす。
「その性格はなかなか治りそうにないね……まぁ、歩んで来たこれまでの道を考えれば思ったより順調に立て直して来ている方ではあるがね。しかし、実際に今回の結果を生み出したのは紛れも無く君の行動の結果だ。曉燕を使い厄介な敵を抑え、ルーツィアに「協力しよう」と思わせるだけの行動を示した。しかもルーツィアに〝閣下〟とまで言わさせたのは大きいと思うぞ? 彼女は確かに君の血筋の信仰者だが、大分拗らせているからね……場合によっては「こいつは御縁じゃない!」と、血脈という意味で助けはするだろうが、付き従う者とは認めない可能性は十分にあった」
「そ、そんな厄介なオタクみたいな……」
確かに良善や紗々羅とはまた違った意味で壊れている感じがした。
だが、とりあえずは今後とも協力を期待出来そうであり、今は有り難くその恩恵にあやかっておこう。
しかし……。
「次はもっと自力で何とか出来る様に頑張ります」
いつまでも他人の神輿に乗るのは自分の気が済まない。
その思いを込めて言葉にした司に対し、良善は満足げに口端を緩ませる。
「うむ。向上心のある良い返事だ。それにしても一つ面白い報告があったが、その点をもう少し詳しく聞かせてくれないか?」
「え? お、面白い報告?」
「ほら、全身黒ずくめの男達という件だよ。そういえば前に一度説明を省略したことがあったね。司……君が今まで会ったナノマシンを持つ者達に関して、少々妙な傾向がある様に感じてはいないかい?」
そのまま言ってくれたらいいものの、あえてまず司の意見を前置きさせる良善の回りくどさが少々焦れったいが、それに関しては確かに司も思っていたことがあったためすぐに返答が口から出た。
「えっと、はい……なんか異様に女性が多いなとは思ってました。今回あの黒ずくめ達が出て来たので大分印象のバランスは吊り合いましたけど……」
「あぁ、そうだね。実は私が作り出した最初期のナノマシンは男性に上手く適応しない傾向にあった。それには男性と女性の脳の違いが関係している。専門的な話をしても理解が難しいだろうから簡単に言うと、女性の脳は〝広く・浅く・瞬発的〟な働きが得意とされていて、逆に男性の脳は〝狭く・深く・持続的〟な働きが得意な傾向がある。生体である以上絶対の法則とまでは言えないがね」
「へぇ……でも、なんでそれが適応の差に出るんです?」
「単に相性の問題さ。ナノマシンで人の身体を管理する上では色々と情報を更新しやすい女性脳の方が相性が良く、逆に男性脳は一つ命令を実行させるとそれ凝り固まり蓄積させ過ぎて情報を更新するに従い処理が重くなり最後には脳がパンクする。もちろん例外もいた。男でも女性脳に近いタイプは上手く適応していたね。ただ、やはり数はかなり少なかったし、色々と調整が難しかった。だからもっとも生産数の多い第一世代ナノマシン保有者は殆どが女性だったので今もそれが続いていると言う訳さ」
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「いや、それはあくまで最初期のナノマシンでの話だ。私の作ったナノマシンはそこから二度バージョンアップしている。第一世代が最初期のデーヴァ達、そして次の第二世代が紗々羅やルーツィア、それと若い世代のデーヴァ達。この第二段階でもまだなかなか男女の適応差はあった。そして、ようやく男性でも女性と変わらぬ適応性を出せる様になったのが、現行最新である第三世代ナノマシン……君が今持っているモノがそれだ」
「お、おぉ……俺が最新……えっと、まぁつまりパソコンのバージョンアップみたいなモノってことでいいんですよね?」
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しかし、そうなると今未来には男性のナノマシン保有者はいないということになる。
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「え? 塩?」
「あぁ、いや大した話じゃない。それにしても正義を声高に叫びながら悪の手段を参考に兵を増員するとは……もはやその思考回路に興味すら出て来た。ぜひ一度開頭手術をさせて貰いたいね」
手にしたカップをテーブルに置いて嘆息する良善。
それはいよいよ〝起源体殺し〟という理不尽にすら収まらない行為。
自分達が〝Answers,Twelve〟にされて来たことと全く同じ事をしている。
正義の矜持だけでは強い部隊は作れない。だから悪の技術も活用する。
だが、それに対する司の顔は特に驚く様子も無く憮然としていた。
「今更でしょ……大方〝他人がすれば不正悪用・自分達がすれば有効活用〟ってところじゃないですか?」
テーブルに頬杖を付き苛立ちを見せる司。
ただ、それに対して良善も両肘を付いて指を組みそこへ額を乗せる。
「フッ……まぁ、必死なのは結構なんだがね? 人の研究結果を転用したからにはそれなりのモノを作ったんだろうな? これは少々確認が必要だ」
顔を隠したまま肩を揺らしている良善。
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