アナザー・リバース ~未来への逆襲~

峪房四季

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Scene3 利害の一致

scene3-4 正義が生んだ狂気 後編

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「ち、くしょ……なんだよ……。こ、こんな……こんなの……あんまり、だろ……」

 あの四人、そして和成だけですら無かった。
 顔も名前も知らない大勢の者達が自分達の憂さ晴らしのために司の人生を滅茶苦茶にしていた。
 良善が腕を離すと司はズルズルと床に座り込み、結局曉燕に打ち込めなかった拳を何度も何度も床へ叩き付ける。

 結局だ。昔からいつもそうだ。
 特に理由がある訳でもないのにその場のノリで苛められていたかつての日々。
 いつもいつもただ一方的にやられるだけだった。
 謎の罪悪感を抱きつつも結局は自分が腰抜けなだけなんだと思っていたが、その自分に対する失望すらも〝ロータス〟達を興じさせる物笑いの種だった。

「く、悔し……いッ! くそッ! ちくしょッ!! いずれ犯罪を起こすとか、そんなの知るかよッ!! なんで……なんで俺が、こんな目に遭わないといけないんだよッ!!」

 このまま自分はただやられ損なのか?
 そんなの認められない……認めてたまるか。
 復讐は虚しいだけなどと言われるが、果たしてそれは本当だろうか?
 一方的に自分だけやられても相手のことは許す。
 それは美徳なのかもしれないが、果たしてそれは正しいだろうか?

「納得……出来るかぁッ!!」

 今一度大きく床を殴り付ける司。
 今まで強制的に出来なくされていた反抗心が枷を引き千切り、ようやく本当の〝怒〟が司の拳に籠る。
 だがその瞬間、司の目の前で普通ではあり得ないことが起きた。


 ――バキィッッ!!


「なッ!?」

 振り下ろした拳に感じた奇妙な手応え。
 異変に気付き目を開いた司が見たのは……。

「な、なんだ? これ……?」

 床一面に継ぎ目無く敷かれた絨毯の一部を突き破り、床のパネルを打ち砕いてその下のコンクリートに手首まで埋まった自分の拳。

 一体どういうことだ?
 怒りのあまりとてつもない腕力でも発揮した?
 いや、そんなはずがあるものか。

 しかし、事実固い床を殴り貫いている自分の拳。
 持ち上げた拳からパラパラと落ちていくコンクリート片を見て、司はつい最近その不自然と同様の場面に遭遇したことをあったことを思い出す。

「これって……曉燕の蹴りと同じ?」

 自分の拳を見つめながら思い出す初めて曉燕と会った時の蹴り。
 コンクリートの床を殴り砕いて骨はおろか皮膚にさえ傷一つ無い自分の手を見つめながら、司はどう反応すればいいのか分からず困惑していた。
 すると……。


「これは私の持論だが、人に平等に与えられるべきは地位や名誉やましてや金などではない。与えられるべきは〝向上の機会〟だと……私は思っている」


 司の背後でベッドに腰掛けていた良善が突然語り出す。
 振り返った司が目を向けると、良善は袖机に置いていた帽子を手に取り、司を見下ろしていた。

「こ、向上の……機会?」

「その通り。命とはそこにあるだけで尊いのではない。創意工夫、日々の錬磨など〝今のままではいけない〟〝もっと上を目指したい〟という飽くなき向上心が無くては命を持つ意味がない。そういう意味で、私はデーヴァ達が反乱を起こした時、他のメンバーには申し訳ないが全身が震えるほど歓喜したんだ。彼女達は家畜として生まれた自分達の命を違うモノへと昇華させようとしていた。それは実に素晴らしい向上心だと、私は心から称賛して彼女達の憎悪を諸手を上げて歓迎した」

 命とはどうあるべきか、そんな哲学めいた語りを始める良善。
 いきなり何を言い出すんだと呆気に取られる司だったが、まるでルビーをはめ込んだ様な鮮烈な紅の光を放つ眼で語るその顔は凄まじい迫力に満ちていて、司は思わずこんな状況でありながら聞き入ってしまう。

「御縁君……いや、司。君は今私が与えた〝向上の手段〟をモノにした。君の身体には先ほどから何度も話に出ていたナノマシン――〝Desire欲望,Embodiment〟が定着し、君からという名の枷を取り払ったんだ。今の君は望み取り組めばどこまでも進化出来る。どうだい? 私の元で自分がどこまで行けるのか試してみないか?」

 手を差し出してくる良善。
 それは改めた〝Answers,Twelve〟への勧誘だった。

「ど、どこまで……行けるか? ――はッ!? そ、そんなこと言って、俺のことを利用したいだけだろ!?」

「ははッ! よく分かっているじゃないか。いかにもその通りだ」

「え?」

 ニヤリと吊り上がる良善の口端。
 言い訳の一つも無く、寧ろ開き直るくらいのその反応に、司はもう今日目が覚めて何度目かも忘れた呆然に固まる。
 自分で言うのおかしい話だが、こういう場合は当たり障りの無い会話で論点をズラして言葉巧みに誘導しようとするモノではないのか?
 にもかかわらず、良善の表情には一切の噓偽りの無い本音が剥き出しになっていた。

「散々騙され続けた今の君とのコミュニケーションでもっとも悪手なのは上辺だけの言葉だろう? だから本心を伝えよう。私はね……君が私の作った〝D・E〟でどこまで進化出来るかが見たいんだ。君が何一つ興味深いデータを残せない粗悪品であれば容赦なく廃棄する」

 帽子の唾を擦りながらも、目だけは真っすぐに司を見て語る良善。
 嘘は無い……そもそも隠すべき意図を明確に宣言しているのだから嘘を付く意味も無い。

「だが、それはまだ確定していない未来の話だ。新入りが最初から得難い人材になる訳が無いし、もしなったとすればそれは迎えた組織の側に問題がある。心配いらない……私の興味を損なわない程度にを続けていれば、そうそう簡単に捨てはしないよ。何せ〝D・E〟が定着する素体はなかなか稀で貴重なんだ」

 本当に勧誘する気があるのかと疑いたくなるほど配慮の無い言葉。
 はっきり言って研究用の実験動物モルモットと同レベルに見下している。
 しかし、そうして見下されたまま終わるかどうかは君次第だと意図が理解出来る挑発には、まだ呑み込む余地が感じられた。
 ただ……。

「自分を高める? 組織に忠誠を誓えとかではないんですか?」

「はっはっはッ! それは少々厚かましい事前要望だろう。何せ我ら〝Answers,Twelve〟は、まだ現時点で君に何の利も実感させれてはいない。尽くすに値するだけの価値も示さず尽くせと命じるのは滑稽極まる。我ら〝Answers,Twelve〟は度し難い悪ではあるが、恥知らずの愚鈍な集団ではない」


 ――トンッ!


「あ……」

 司の頭に良善の手が乗り適当に撫でられる。
 一体いつ振りだろうか?
 誰かに頭を撫でて貰うのは……。

「いいか、司……誰かのためになど必要ない。君はまず自分のやりたいことを思う存分貪ればいい。それを実現するために欲望を剥き出しにするんだ。抑圧を解き放ち〝御縁司〟という存在を全開にしてみろ。案ずることはない……早々簡単に

 司の心に一瞬イラッとした反骨心が灯る。
 まるで自分が防波堤となり、お前如きが暴走したところですぐどうにでも出来るとでも言いたげな挑発。

 腹が立つ……何を舐めてくれているんだ?
 しかし、新鮮な感覚だ。
 今まで感じることが出来なかった感情の刺激がバチバチと司の心を加熱させていく。

「……いいんですね? 無茶苦茶しても?」

 司の目が良善を見上げる。
 その瞳がじんわりと、まるで水に絵の具を溶かす様に淡く赤く染まっていく。

「あぁ、やれるものならやってみろ。ただし無駄な暴走は律するぞ? 明確なビジョンを立て意味のある行動と効果的な手順を踏み。私は品の無い狂戦士バーサーカーを観察したい訳ではないのでね」

「そうかよ……じゃあ、まずはシンプルに目標を決めるよ」

 司の手が良善の手を掴み、そのまま握手をする。
 そして、顔を上げた司は口角を吊り上げ汚らわしく笑う。


「俺は〝ロータス〟を許さない……奴らの自惚れた正義を完全に否定するッ! あぁ、でも……殺すってのはよく考えたら違うのかも。だって死んだら〝自分達がただの馬鹿だった〟って自覚させられねぇもんな? くははッ……そんなすぐに楽になんてしてやるかよ。因果応報ってヤツだ……今度は俺があいつらの人生をけなし笑ってやるッ!!」


 血走る目を見開き、唾液が糸を引く獣の様な笑みを浮かべる司。
 単純明快な復讐心……まさに不毛の典型。
 千年経とうが直っていなかった人の憎しみの連鎖は、またこうして繋がっていく。
 だが、ついさっきそれをたしなめていたはずの良善だったが、微妙にニュアンスが変わっているその目標にゾクゾクと笑みを深める。

「いいぞ……司、なかなか見込みのある独善顔だ。彼女達は世間の大多数から見れば確かに〝正義〟だったが、正義はイコール賢いではないということを自覚させる。面白いじゃないか……やってみたまえ。君には十分にそれをなす権利がある。やったやられたの繰り返しは一見愚かしく見えるが、実際には相手を越えようとするという意味で螺旋を描く向上の連続でもある」

 道を踏み外そうとしている青年を煽り立てる大人。
 初めて自分の内から湧き出る本音を口にし、初めて自分の意見に賛同を得る心地良さを知る司。

 全てデーヴァ達が招いた結果だ。

 司の心に火が灯る。
 心臓がエンジンの様に唸り昂る。
 淡い紅色だった瞳が徐々に濃度を上げて行き、息が荒くなっていく。
 だが、そこで……。

「――うぶッ!?」

 一瞬司の頬が膨らみ、片手で口元を押さえようとするも間に合わず、司の口から大量の血が吐き出された。

「おぇッ!? な、なん……だ? ――ぐぶッ! ぶはぁッ!?」

 口と胸を押さえてうずくまる司。
 何度も何度も血を吐き出し、その量はあっという間にどう見ても致死量に達しているが、それでも指の間から滴る血の量は止まらず、丸めた背中からは次第に湯気まで立ち昇り始める。
 明らかに普通の反応ではない。
 痙攣する身体や言葉にならない呻き声も、明らかに司の身体に異変が起きていることを示している。
 しかし……。

「…………素晴らしい」

 目の前で司が今にも絶命しそうなほど吐血して苦しんでいるというのに、良善は一瞬唖然とした後、まるで秀逸な絵画を前にした様に感嘆の吐息を漏らした。

「君の中の〝D・E〟が昂っているぞ、司! 宿主である君の欲望を実現するためにナノマシン達が活性化している……凄いじゃないか! こんなにも早い順応は初めてのケースだ。もうすでに造血機能まで強化されているな? 人間だった時の血は不要だと排泄されているんだ。痛いだろう……苦しいだろう……でも少しの辛抱だ。あははッ! 君は今強くなっているんだよ司!」

 良善の表情が今までに無いほど狂喜に染まっている。
 吐血して苦しみ、目や鼻……耳からまで出血し始めている今の司の姿は、どうやらよほど彼にとって喜ぶべき反応である様だ。
 その証拠に、良善は司が吐き出した血の海に躊躇う事無く膝を付き、汚れるコートの裾も気にせず司の身体を抱えて背中を擦ってやる。

「しまったな……計器を用意しておくべきだった。データを……いや、今はこのまま活性化に専念させよう。余計な刺激を加えるべきではない。フフッ、それにしてもまさかこんなにも早く〝D・E〟が宿主の脳波反応精神とリンクするとは……あははッ! 司、君は最高だ。いきなり私にこんな新鮮な予想外をくれるのかい? 本当にいい子だ」

 声が出ない程血を吐き続ける司を絶賛し続ける良善。
 その姿はあまりにもおぞましく凄惨。
 だが、それでも……こんな状況ですら、司にとっては誰かから誉めて貰えた初めての経験だった。

「ぶはッ!? ハァ……ハァ……がはッ!? 俺……今、つ、強く……なっ――がふッ!?」

「あぁ、そうだ……身体の中が細胞単位で変化しているんだ。辛いだろうが今は耐えなさい。この様子ならしばらくすれば一旦波が引くだろう。そこで一度治療用のカプセルに――――」


 ――ドンッッ!!


「ん?」

 床から感じた微かな振動。
 すぐにその正体を察し、それを裏付ける様な警報が鳴り響き、良善は興奮していた顔を寒気がするほど一気に冷めさせる。

「チッ、あの小娘どもめ……この大事な時に……」

 露骨に不快げな顔で呟く良善。
 だが、その一言に血みどろ顔をしていた司の両目が大きく見開かれた…………。


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