俺の義兄弟が凄いんだが

部屋

 しばらく呆然としながら緑鳥君が去っていった方向を見ていると慶之さんが「緑鳥はあんな感じだけど、意外としっかりしてけど少し抜けてるところもあるからから海渡君、緑鳥とも仲良くしてね。」と言った。

 発言だけ聞くと末の弟を気遣う兄だけど、なぜか慶之さんの声にはそれだけではないような色が含まれているように感じられた。

 ともあれ、緑鳥君には嫌われてはいないようだな。

 そう思い慶之さんに頷くと「良かった。」と言いまた歩き始めた。

そうしてやっと俺の部屋だと思われる扉の前についた。

 なんか、部屋に行くまでがすごく長かったし、色々あったけど今日から俺が暮らす部屋に入るか。

 見るからに高価な扉を開くと中には前の家のリビング並みの空間が広がっていた。
 「うわっ、すっごい広い・・・」

 思わず呟いてしまうと、

 「そうか？普通だろ。」という隼人さんの返事が聞こえた。

 これで普通・・・？なるほど、やっぱりこの人たちとは色々な感覚が狂ってるんだな。

 一人で納得していると、

 「あれ？ここあんまり使ってなかったから多少は汚くなってると思ったんだけど・・・という声が聞こえてきた。

 ん？あんまり使ってない？すごく綺麗だから元々何かに使っていた部屋を片付けたのかなって思ってたんだけど。

 「にしてはやけに綺麗だな。」

 隼人さんの言う通りこれは掃除したと言うよりも新品（？）みたいに見える。

なんで？