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エピローグ~シーソーゲーム・勇敢な恋の歌~⑤
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「さっきの話しを聞いてて思ったんやけど~。『相手には敵わない』とか『おせわになりっぱなしは悔しい』とか言うけど、有間クンと吉野さんの二人は、いったいナニと戦ってるの~?」
不思議そうに、従妹にたずねる。
すると、舞は苦笑をうかべつつ、
「それな~。私にも、あの二人が何を張り合っているのか、言葉にして説明するのは難しいけど……。ただ、吉野さんの話しを聞くと、お互いに、相手に誉められること・認められることが、一番嬉しい、と思ってるみたいで、そこに答えがある気がするねんなぁ」
と、答える。
「ナニ、その《強敵》と書いて《トモ》と読むっていう少年マンガみたいなノリ!?私は、あんまりマンガを読まないから、知らんけど~」
高梨翼は、自分には理解できないといった表情で、話し続ける。
「だいたい、『惚れた方が負け』の考え方で言えば、有間クンは、吉野さんに完敗してるハズやろ~。吉野さんは、そこにつけこむだけで良いのに、何を遠回りしようとしてるんやろ~?」
呆れながら語る従姉の姿に、舞は、
「あ~、ツバ姉の恋愛観じゃ、二人の考え方は、理解できないやろうなぁ」
と、ため息まじりの苦笑で答えた。
「む~。舞ちゃん、上から目線で私に話してない~?なんか腹立つんやけど~。そう言う舞ちゃんは、吉野さんと有間クンの考えてることがわかってるの~?」
抗議の声をあげつつ、疑問を呈する翼に対して、
「う~ん、私も、あの二人の考えてることは良くワカランことが多いけど───。今回、二人の話したことや行動は、自分なりに理解しておきたい、って思って、その理由をアレコレ考えてるところ」
と、自ら想いを語った。
「なにそれ~。舞ちゃんの言ってることも良くわからへん~」
少し困惑した表情で、翼は語り、いつまでも、秀明と亜莉寿の関係性について語っている場合ではない、と感じたのか、
「それより~、舞ちゃんが言ってた校内放送に興味を持ってる、って言ってくれてる子についての話しを聞かせてくれへん~?」
自分たちの今後の活動に関わる話題へと、会話を誘導する。
「あぁ、隣のクラスに、有間と坂野クンたちの会話を面白がってる子が居て、『吉野さんが出演できなくなるし、校内放送に興味があるなら、春休み中に有間に連絡を取ってみたら?』って、連絡先を教えてあげたから、今日か明日くらいには、有間と連絡が取れるんちゃうかな?」
舞は、従姉のリクエストに応じて、文化委員のメンバーとして親しくなった同級生に、『シネマハウスへようこそ』関係者へのコンタクトを進めた経緯を語った。
「えぇ~、有間クンじゃなくて、あきクンか私に連絡してくれる様に言ってくれたら、話しが進むのも早かったのに~」
従妹の返答に、翼は抗議の声をあげる。
「それも考えたけど、その子は、有間と一番面識があるし、一緒に番組を担当するなら、先に有間に判断させる方が良いかな、と思って……」
番組制作者としての翼の体面も気にしないではなかったが、自分の案なら、従姉も気分を害することはないだろうと考え、舞は、そう答えた。
従妹の返答に、翼は、少し膨れっ面をしつつ、
「先に、私に話しを通して欲しかったけど~。でも、舞ちゃんの言うことも間違ってないし、今回は、有間クンからの連絡を待たせてもらうわ~」
従姉が進めた案を受け入れた。
「また、有間クン主導で話しが進むのは、面白くないけど~」
と、本音を吐くことも忘れなかったが───。
不思議そうに、従妹にたずねる。
すると、舞は苦笑をうかべつつ、
「それな~。私にも、あの二人が何を張り合っているのか、言葉にして説明するのは難しいけど……。ただ、吉野さんの話しを聞くと、お互いに、相手に誉められること・認められることが、一番嬉しい、と思ってるみたいで、そこに答えがある気がするねんなぁ」
と、答える。
「ナニ、その《強敵》と書いて《トモ》と読むっていう少年マンガみたいなノリ!?私は、あんまりマンガを読まないから、知らんけど~」
高梨翼は、自分には理解できないといった表情で、話し続ける。
「だいたい、『惚れた方が負け』の考え方で言えば、有間クンは、吉野さんに完敗してるハズやろ~。吉野さんは、そこにつけこむだけで良いのに、何を遠回りしようとしてるんやろ~?」
呆れながら語る従姉の姿に、舞は、
「あ~、ツバ姉の恋愛観じゃ、二人の考え方は、理解できないやろうなぁ」
と、ため息まじりの苦笑で答えた。
「む~。舞ちゃん、上から目線で私に話してない~?なんか腹立つんやけど~。そう言う舞ちゃんは、吉野さんと有間クンの考えてることがわかってるの~?」
抗議の声をあげつつ、疑問を呈する翼に対して、
「う~ん、私も、あの二人の考えてることは良くワカランことが多いけど───。今回、二人の話したことや行動は、自分なりに理解しておきたい、って思って、その理由をアレコレ考えてるところ」
と、自ら想いを語った。
「なにそれ~。舞ちゃんの言ってることも良くわからへん~」
少し困惑した表情で、翼は語り、いつまでも、秀明と亜莉寿の関係性について語っている場合ではない、と感じたのか、
「それより~、舞ちゃんが言ってた校内放送に興味を持ってる、って言ってくれてる子についての話しを聞かせてくれへん~?」
自分たちの今後の活動に関わる話題へと、会話を誘導する。
「あぁ、隣のクラスに、有間と坂野クンたちの会話を面白がってる子が居て、『吉野さんが出演できなくなるし、校内放送に興味があるなら、春休み中に有間に連絡を取ってみたら?』って、連絡先を教えてあげたから、今日か明日くらいには、有間と連絡が取れるんちゃうかな?」
舞は、従姉のリクエストに応じて、文化委員のメンバーとして親しくなった同級生に、『シネマハウスへようこそ』関係者へのコンタクトを進めた経緯を語った。
「えぇ~、有間クンじゃなくて、あきクンか私に連絡してくれる様に言ってくれたら、話しが進むのも早かったのに~」
従妹の返答に、翼は抗議の声をあげる。
「それも考えたけど、その子は、有間と一番面識があるし、一緒に番組を担当するなら、先に有間に判断させる方が良いかな、と思って……」
番組制作者としての翼の体面も気にしないではなかったが、自分の案なら、従姉も気分を害することはないだろうと考え、舞は、そう答えた。
従妹の返答に、翼は、少し膨れっ面をしつつ、
「先に、私に話しを通して欲しかったけど~。でも、舞ちゃんの言うことも間違ってないし、今回は、有間クンからの連絡を待たせてもらうわ~」
従姉が進めた案を受け入れた。
「また、有間クン主導で話しが進むのは、面白くないけど~」
と、本音を吐くことも忘れなかったが───。
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