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第13章~今夜はトークハード~⑦
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♤「IBC!」
♢「『シネマハウスへようこそ!』」
BGM:ロバート・パーマー『Addicted to Love』
♤「みなさん、こんにちは!『シネマハウスへようこそ』館長のアリマヒデアキです」
♢「ビデオショップ『レンタル・アーカイブス』店長のヨシノアリスです」
♤「学年末テストも終了して、三月も半ばになり、いよいよ、このメンバーでお送りする放送も、今回が最後になってしまいます」
♢「去年の六月に番組が始まってから、本当にあっと言う間の十ヵ月という感じでしたね!」
♤「特に、アリス店長は、秋から色々とあったからね(笑)」
♢「その節は、有間クンにも、皆さんにも、ご迷惑をお掛けしました」
♤「いえいえ、お気になさらず。最後も、なるべく湿っぽくならずに行きましょう!それでは、番組スタートです!」
BGM:デヴィッド・デクスターD『Oh la la Tequila』
♢「IBC『シネマハウスへようこそ』は、映画の最新情報を放送室から、お送りしています!」
※
♢「レンタル・アーカイブス!」
BGM:スティーブン・ライト『And now Little Green Bag』
♤「今学期最後の放送は、レンタル・ビデオの紹介です。さあ、アリス店長は、どんな作品を取り上げてくれるんでしょう?」
BGM:レナード・コーエン『Everybody Knows』
♢「今回オススメしたいのは、ずっと前から、私が、この番組に出演する最後の機会に取り上げさせてもらおうと考えていた『今夜は、トーク・ハード』という作品です」
♤「偶然というか、タイミングの良いことに、この放送の翌日三月十六日から劇場公開される、ジョン・ウー監督の最新作『ブロークン・アロー』でも主人公を演じるクリスチャン・スレーターが主演を務めてるんですよね!」
♢「そうそう!そうなんです!!そのクリスチャン・スレーターがハリウッドに認められる出世作となったとも言えるのが、この『今夜は、トーク・ハード』なんですよ!」
♤「映画自体は、一九九〇年公開なので、今から五~六年前の作品になるのかな?ボクも、今回アリス店長に薦められて、初めて観たんですけど───。じゃあ、ストーリーを解説してもらいましょうか?」
♢「はい!映画の舞台となるのは、アメリカ・アリゾナ郊外のハンフリー高校。この学校の生徒たちは、夜中の十時にラジオから流れてくる海賊放送を楽しみにしています。《ハッピー・ハリー・ハード・オン》と名乗る、その放送の語り手は、どうやらハンフリー高校の生徒であるらしい。彼のトークは、高校生活に納得はいかないが、抵抗する術を持たない生徒たちの気持ちを代弁するものでした。そして、彼は、独自に入手した情報で教師の不正を暴露し、ハンフリー高校の生徒たちのカリスマになっていきます」
♤「学園のヒロイン的なお嬢様が楽しみにしていたり、ラジオを録音したテープが校内で出回って、部活のために、夜更かしできない体育会系の連中まで聞いてたりするのが、面白い!」
♢「そして、このカリスマDJを支持する学生たちも、批判の矛先となって敵視する学校側も、《ハッピー・ハリー》の正体探しを始めるんだけど……」
♤「映画を観てる側には、すぐに正体がわかる流れにはなってるんよね(笑)……って、このトークの流れ、一月に紹介した『(ハル)』の時と同じやん!」
♢「そう言えば、そうだね(笑)もちろん、カリスマDJ《ハッピー・ハリー・ハード・オン》の正体は、クリスチャン・スレーター演じるマーク・ハンター。彼は、都会からの転校生で、郊外特有の閉塞感と《SAT》と呼ばれるアメリカの大学進学適性試験の平均点を下げないために成績が悪い生徒を無理やりに退学させる高校に怒りをぶつけるべく、自宅の地下室から番組を放送してるんです」
♤「ラジオ放送の時は、過激でイケイケな感じだけど、高校では、物凄く大人しい生徒なんよね、マーク君は。『トゥルー・ロマンス』でも、冴えない映画オタクの役を演じていて、あんな二枚目の映画オタクなんかおらんわ!ってツッコミを入れてしまったけど、クリスチャン・スレーターは、超イケメンなのに、オタク寄りのキャラクターを演じることが多くて、個人的に好感が持てます(笑)。この映画を観て、いま一番好きなハリウッド俳優になったわ」
♢「相変わらず、アリマ館長は単純ね(笑)もし、クリスチャン・スレーターが気に入ったなら、同じく学園映画の傑作である『へザース/ベロニカの熱い一日』も観てみて下さい!さて、こうして、カリスマ的な人気を得る《ハッピー・ハリー》だけど、ある日、彼の番組宛に自殺予告の手紙が届き、マーク=ハッピー・ハリーは、番組内で手紙の送り主と話します。ジョークを交えて、送り主を励ますんだけど、電話は途中で切られてしまって───。翌日、学校でその生徒が自殺してしまったことが伝えられるんです。マークは、電波に乗せた言葉の重さと責任を痛感し、放送をやめる決意をします」
♤「そして、ついに彼の正体を突き止める生徒が、あらわれて……」
♢「《ハッピー・ハリー》の正体を見破ったのは、サマンサ・マシス演じる図書委員のノーラ。マークが、図書館でレニー・ブルースというコメディアンの本を借りているのを見て、《ハッピー・ハリー》のトークの内容が、レニー・ブルースの影響を受けているんじゃないかと感じていた彼女は、マークを尾行して、正体を突き止め、彼にラジオを続ける様に説得するの」
♤「学園内では、中心的な位置にいる訳じゃないけど、それ故に、共感し合える二人の関係性がイイ感じかんですよね~」
♢「有間クンは、このカップルがお気に入りなの(笑)?ちなみに、スレーターとサマンサ・マシスは、『ブロークン・アロー』でも、共演していて、またコンビを組んでいるみたいね」
♤「マジで!?それは、良いことを聞いたわ!『ブロークン・アロー』を観るのが、ますます楽しみになってきた!」
♢「正体を突き止めて、近付いてきたノーラを最初は拒絶するマークだけど、彼女に励まされて、もう一度、ラジオ放送に向き合おうと決意するの。ここで、マークがリスナーに向けて語るセリフが、とっても熱いんだけど───。これは、ぜひビデオをレンタルして、確認してほしいな、と思います。そして、このラジオ放送復帰の時に、《ハッピー・ハリー》が掛ける曲がコチラ!」
♢「『シネマハウスへようこそ!』」
BGM:ロバート・パーマー『Addicted to Love』
♤「みなさん、こんにちは!『シネマハウスへようこそ』館長のアリマヒデアキです」
♢「ビデオショップ『レンタル・アーカイブス』店長のヨシノアリスです」
♤「学年末テストも終了して、三月も半ばになり、いよいよ、このメンバーでお送りする放送も、今回が最後になってしまいます」
♢「去年の六月に番組が始まってから、本当にあっと言う間の十ヵ月という感じでしたね!」
♤「特に、アリス店長は、秋から色々とあったからね(笑)」
♢「その節は、有間クンにも、皆さんにも、ご迷惑をお掛けしました」
♤「いえいえ、お気になさらず。最後も、なるべく湿っぽくならずに行きましょう!それでは、番組スタートです!」
BGM:デヴィッド・デクスターD『Oh la la Tequila』
♢「IBC『シネマハウスへようこそ』は、映画の最新情報を放送室から、お送りしています!」
※
♢「レンタル・アーカイブス!」
BGM:スティーブン・ライト『And now Little Green Bag』
♤「今学期最後の放送は、レンタル・ビデオの紹介です。さあ、アリス店長は、どんな作品を取り上げてくれるんでしょう?」
BGM:レナード・コーエン『Everybody Knows』
♢「今回オススメしたいのは、ずっと前から、私が、この番組に出演する最後の機会に取り上げさせてもらおうと考えていた『今夜は、トーク・ハード』という作品です」
♤「偶然というか、タイミングの良いことに、この放送の翌日三月十六日から劇場公開される、ジョン・ウー監督の最新作『ブロークン・アロー』でも主人公を演じるクリスチャン・スレーターが主演を務めてるんですよね!」
♢「そうそう!そうなんです!!そのクリスチャン・スレーターがハリウッドに認められる出世作となったとも言えるのが、この『今夜は、トーク・ハード』なんですよ!」
♤「映画自体は、一九九〇年公開なので、今から五~六年前の作品になるのかな?ボクも、今回アリス店長に薦められて、初めて観たんですけど───。じゃあ、ストーリーを解説してもらいましょうか?」
♢「はい!映画の舞台となるのは、アメリカ・アリゾナ郊外のハンフリー高校。この学校の生徒たちは、夜中の十時にラジオから流れてくる海賊放送を楽しみにしています。《ハッピー・ハリー・ハード・オン》と名乗る、その放送の語り手は、どうやらハンフリー高校の生徒であるらしい。彼のトークは、高校生活に納得はいかないが、抵抗する術を持たない生徒たちの気持ちを代弁するものでした。そして、彼は、独自に入手した情報で教師の不正を暴露し、ハンフリー高校の生徒たちのカリスマになっていきます」
♤「学園のヒロイン的なお嬢様が楽しみにしていたり、ラジオを録音したテープが校内で出回って、部活のために、夜更かしできない体育会系の連中まで聞いてたりするのが、面白い!」
♢「そして、このカリスマDJを支持する学生たちも、批判の矛先となって敵視する学校側も、《ハッピー・ハリー》の正体探しを始めるんだけど……」
♤「映画を観てる側には、すぐに正体がわかる流れにはなってるんよね(笑)……って、このトークの流れ、一月に紹介した『(ハル)』の時と同じやん!」
♢「そう言えば、そうだね(笑)もちろん、カリスマDJ《ハッピー・ハリー・ハード・オン》の正体は、クリスチャン・スレーター演じるマーク・ハンター。彼は、都会からの転校生で、郊外特有の閉塞感と《SAT》と呼ばれるアメリカの大学進学適性試験の平均点を下げないために成績が悪い生徒を無理やりに退学させる高校に怒りをぶつけるべく、自宅の地下室から番組を放送してるんです」
♤「ラジオ放送の時は、過激でイケイケな感じだけど、高校では、物凄く大人しい生徒なんよね、マーク君は。『トゥルー・ロマンス』でも、冴えない映画オタクの役を演じていて、あんな二枚目の映画オタクなんかおらんわ!ってツッコミを入れてしまったけど、クリスチャン・スレーターは、超イケメンなのに、オタク寄りのキャラクターを演じることが多くて、個人的に好感が持てます(笑)。この映画を観て、いま一番好きなハリウッド俳優になったわ」
♢「相変わらず、アリマ館長は単純ね(笑)もし、クリスチャン・スレーターが気に入ったなら、同じく学園映画の傑作である『へザース/ベロニカの熱い一日』も観てみて下さい!さて、こうして、カリスマ的な人気を得る《ハッピー・ハリー》だけど、ある日、彼の番組宛に自殺予告の手紙が届き、マーク=ハッピー・ハリーは、番組内で手紙の送り主と話します。ジョークを交えて、送り主を励ますんだけど、電話は途中で切られてしまって───。翌日、学校でその生徒が自殺してしまったことが伝えられるんです。マークは、電波に乗せた言葉の重さと責任を痛感し、放送をやめる決意をします」
♤「そして、ついに彼の正体を突き止める生徒が、あらわれて……」
♢「《ハッピー・ハリー》の正体を見破ったのは、サマンサ・マシス演じる図書委員のノーラ。マークが、図書館でレニー・ブルースというコメディアンの本を借りているのを見て、《ハッピー・ハリー》のトークの内容が、レニー・ブルースの影響を受けているんじゃないかと感じていた彼女は、マークを尾行して、正体を突き止め、彼にラジオを続ける様に説得するの」
♤「学園内では、中心的な位置にいる訳じゃないけど、それ故に、共感し合える二人の関係性がイイ感じかんですよね~」
♢「有間クンは、このカップルがお気に入りなの(笑)?ちなみに、スレーターとサマンサ・マシスは、『ブロークン・アロー』でも、共演していて、またコンビを組んでいるみたいね」
♤「マジで!?それは、良いことを聞いたわ!『ブロークン・アロー』を観るのが、ますます楽しみになってきた!」
♢「正体を突き止めて、近付いてきたノーラを最初は拒絶するマークだけど、彼女に励まされて、もう一度、ラジオ放送に向き合おうと決意するの。ここで、マークがリスナーに向けて語るセリフが、とっても熱いんだけど───。これは、ぜひビデオをレンタルして、確認してほしいな、と思います。そして、このラジオ放送復帰の時に、《ハッピー・ハリー》が掛ける曲がコチラ!」
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