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切ない恋の大集合 その11
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やっぱり・・・あの時は本物のイザベラだったの?
本物のイザベラは一瞬だったけれど、悪役令嬢と言うよりは恋する乙女って感じだったし、聡と交代したことによって私が絶望の顔したからか、謝ってくれる優しい女の子と判明してしまった。
だから、聡も好きになったんだろうなと思ったけれど、それでも聡が消えちゃうとなると、どんなにいい子でも別の話だ。
辛い・・・
極楽鳥は聡の人格交代に気が付いてたみたいで、
「面白いな、人格交代って今までは聡のことしかのぞけなかったが、今回初めて本物のイザベラの心を覗けたな。聡と違って本物のイザベラは素直だしな」
えっ?あんな一瞬で???
「あんな一瞬で何が覗けたの?」
「まあ、普通の人間なら一秒もあれば何考えてるか簡単にわかるさ、エリザベスは一秒もいらないな。まあ聡の場合、あいつ自身が魔力を高めたせいで最近は覗けなかったが・・・」
それはすごいけど、聡になったイザベラが極楽鳥のこと思いっきり睨んでるよ。
「でもなんで俺は今頃人格交代できたんだろ?今まで何回もチャレンジしたけど一回もできなかったのに・・・」
聡がぼそっと言う。
チャレンジしてたんかい!
「チャレンジって!本当に勘弁して下さい、私、聡がいなくなったらどうしていいか、わからなくなるよ」
つい、泣きながら言ってしまう。
「この世界から息子がいなくなっちゃうと思ったら、私だってこんなところにいてもしょうがないでしょ!」
もう言ってることも支離滅裂になってくる。
だってこの世界では厳密に言うと親子関係ではない。
それにイザベラは女の子だし・・・
聡も動揺してるようだったけど、
「お母さん…じゃなかった、エリザベス、たとえ俺がいなくなってもたくさん仲間もいるし、親父だって亮だっている」
「それはそうだけど・・・」
「もっとも今回は事故に近いけど、将来的にはどのみち俺はイザベラに身体を返そうと思ってるから覚悟はしてくれ」
はっきり言われてしまった。
それは仕方がないのは分かってたけれど、それでも嫌なものは嫌だ。
でもそんなことを言っても、聡が今回みたいに勝手に交代してしまったらもう仕方がないので、ひとつ気になったことを聞くことにした。
「ねえ、聡がイザベラと交代していた時はどこにいたの?」
もしかしたら私が見た夢みたいに、日本に帰れてるかもしれないと思った。
元いた世界で、せめて聡がどこかで生きてたら、私だってなんとか受け入れられると思ってたけど聡の答えは意外だった。
「人格が交代していると思われてる間はイザベラの部屋にいたよ、おそらく強制的にな。ああ、この部屋じゃあなくてイザベラの中にある部屋な」
「はあ?そんな部屋があるの?」
「ああ、イザベラの頭の中に部屋があって普段本物のイザベラはその部屋にいる」
「そうなの?」
「俺、前に一度チラッと見せてもらったけど・・・入れなかった。でも今回は隅々まで見れたな」
聡がため息をついて、
「女の子の部屋に幻想を抱いちゃいけないんだよな・・・」
遠い目をした。
本物のイザベラは一瞬だったけれど、悪役令嬢と言うよりは恋する乙女って感じだったし、聡と交代したことによって私が絶望の顔したからか、謝ってくれる優しい女の子と判明してしまった。
だから、聡も好きになったんだろうなと思ったけれど、それでも聡が消えちゃうとなると、どんなにいい子でも別の話だ。
辛い・・・
極楽鳥は聡の人格交代に気が付いてたみたいで、
「面白いな、人格交代って今までは聡のことしかのぞけなかったが、今回初めて本物のイザベラの心を覗けたな。聡と違って本物のイザベラは素直だしな」
えっ?あんな一瞬で???
「あんな一瞬で何が覗けたの?」
「まあ、普通の人間なら一秒もあれば何考えてるか簡単にわかるさ、エリザベスは一秒もいらないな。まあ聡の場合、あいつ自身が魔力を高めたせいで最近は覗けなかったが・・・」
それはすごいけど、聡になったイザベラが極楽鳥のこと思いっきり睨んでるよ。
「でもなんで俺は今頃人格交代できたんだろ?今まで何回もチャレンジしたけど一回もできなかったのに・・・」
聡がぼそっと言う。
チャレンジしてたんかい!
「チャレンジって!本当に勘弁して下さい、私、聡がいなくなったらどうしていいか、わからなくなるよ」
つい、泣きながら言ってしまう。
「この世界から息子がいなくなっちゃうと思ったら、私だってこんなところにいてもしょうがないでしょ!」
もう言ってることも支離滅裂になってくる。
だってこの世界では厳密に言うと親子関係ではない。
それにイザベラは女の子だし・・・
聡も動揺してるようだったけど、
「お母さん…じゃなかった、エリザベス、たとえ俺がいなくなってもたくさん仲間もいるし、親父だって亮だっている」
「それはそうだけど・・・」
「もっとも今回は事故に近いけど、将来的にはどのみち俺はイザベラに身体を返そうと思ってるから覚悟はしてくれ」
はっきり言われてしまった。
それは仕方がないのは分かってたけれど、それでも嫌なものは嫌だ。
でもそんなことを言っても、聡が今回みたいに勝手に交代してしまったらもう仕方がないので、ひとつ気になったことを聞くことにした。
「ねえ、聡がイザベラと交代していた時はどこにいたの?」
もしかしたら私が見た夢みたいに、日本に帰れてるかもしれないと思った。
元いた世界で、せめて聡がどこかで生きてたら、私だってなんとか受け入れられると思ってたけど聡の答えは意外だった。
「人格が交代していると思われてる間はイザベラの部屋にいたよ、おそらく強制的にな。ああ、この部屋じゃあなくてイザベラの中にある部屋な」
「はあ?そんな部屋があるの?」
「ああ、イザベラの頭の中に部屋があって普段本物のイザベラはその部屋にいる」
「そうなの?」
「俺、前に一度チラッと見せてもらったけど・・・入れなかった。でも今回は隅々まで見れたな」
聡がため息をついて、
「女の子の部屋に幻想を抱いちゃいけないんだよな・・・」
遠い目をした。
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