息子が悪役令嬢だった件

神様のお試し その９

「大体なんでうちの生徒にちょっかいをかけるんですか？しかも魔力もない普通の生徒ですよ、大魔法使いとあろうとも人が暇なんですか？悪だくみは終わっったから今度は学園にちょっかいですか？」

　良かった・・・この人私の幽霊姿見えてるんだ、でも声は完全に無視されてるよね。

「俺じゃないといっても信じてもらえそうにないし、お前の顔を見て気分が悪いので今回は消えるよ」

　そういって、アルカナって呼ばれてたフードの人物が消える。

「さて、私も授業があるのでさっさとあなたをもといた部屋に送りましょう」

　えっ？送ってくれるのはうれしいけど、でも今幽霊なんだけどな・・・

「あの、どういう状態か教えてもらってもいいですか？」

　すると急に重力がかかったように体が重くなる、体ってこんなに重かったんだと思ったとたん思わずその場に崩れ落ちるように座り込む。

「ああ、あなたの部屋のドアに悪意の種が仕込まれたドアノブをつけられて幻を見せられたんですよ」

「幻？あれが？」

　幻というにはあまりにもリアルでしたよ、それに私が体験してきた過去や未来までも見えたけどあれが幻・・・

「悪意の種のアイテムっていう奴は厄介でしてね、発動すると最初は自分の理想を見せるんですが、それでいい気分になると段々と地獄を見せるんですよ、じわじわと見せることによってアイテムに憎しみや悪意がたまっていく仕組みですが、ドアノブのようなアイテムだとそんなに多くの悪意はためられないので単なるアルカナのいたずらでしょう」

「いたずら？」

「ガラクタに詰めてるようだといたずら範囲です、びっくり箱程度ですね、だから師匠も目をつぶってました。禁止されてますが本来は魔石に詰め、兵器にします」

「兵器って・・・でも、アルカナって人、自分がやったって言ってなかったですよ」

　悪意の種をまいた人っていうのは知っているけど、何というか自分がしたことを隠すような人じゃないと思う。

「はあ」

　大きなため息をつかれてしまった

「あなたは犯人が本当のことを言うと思いますか？

　まあ、それはそうかな？

「アルカナがおもちゃのように悪意の種をあちこちに蒔いたのは、こっちはとっくに調査済みなんですよ、しかも、あなたはイザベラ嬢が必死に守っている存在ですよね？」

　守っている・・・確かにそうですね。

「イザベラ嬢があなたに固執している理由は分かりませんが、イザベラ嬢は私達がには貴重な人材なのでね、あなたに何かあるといけないので一応監視対象だったのですが、本当にアルカナが現れるとは思ってなくて隙をつかれました」

　アルカナがイザベラを気に入ったせいで起きた事件なのね・・・確かに、私の事元母親だとは思わないだろう。