息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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懐かしの我が家? 21

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 起きたら朝ではなく昼だった。

 どうして起こさなかったの?と聞いても、たまにはゆっくりしようって言われて、ランチを食べに行くことになった。

 身体中べとべとかと思ったら、寝ている最中に彼が全身暖かいタオルで拭いてくれたようだった。

 でも、急いでシャワーを浴びる。

 昨日は挿れてくれなかったな・・・とぼんやり思いながら、そのことがだいぶ気になったけど、思った以上に体が筋肉痛で痛い。

 激しく悶えたりしたからかな???

 昨日は感じすぎて、痙攣を起こしたみたいにあちこちヒクヒクしてたから無理もないのかも。

 ちらっと鏡を見ると、身体中ものすごい数のあざができてたので、色っぽいというより犯罪チックな感じになっていた。

 とりあえずシャワーを浴びながらホテルのアメニティの中にあるいい香りがするシャンプーを使うと、なんだかすっきりした。

 それにしても昨夜はホテルに入るとき泣きながら入ったから気づかなかったけれど、珍しくラブホテルじゃなく、高めのホテルに泊まっていたことに気づいた。

 ここ、相当高いよね?

 昨日の夜はかなり動揺していたから、そういえば部屋の中をゆっくり見ていなかった。

 テレビとかでよく特集されて、私ったらここのカフェに行ってみたいと彼に言ってたな・・・

 彼は今日も泊まるという。

 連泊なんて贅沢だよと言っても、とりあえず結婚に向けて色々と決めないといけない話をしようということで、私はアルバイト先に休むと連絡を入れて、親にもう一泊することを告げた。

 親は疑った様子もなく、あわただしく電話が切られた。

 親は親で親戚たちとようやくできる結婚話に花を咲かせているようだった。

 これがすんだら今度は孫の話になるんだろうな・・・と思ったら、ぞっとした。

 出来ちゃった結婚を反対する癖に、できれば孫の要求は勘弁してほしいな。

 電話が終わった頃を見計らって、ご飯を食べに外に出る?って聞かれたけれど身体がちょっとだるかったので、彼に上着を借りてなるべくデコルテの部分を隠すようにしてランチを食べた。

 二人とも同じランチメニューのステーキ重のセットにした。

 セットにはスープかサラダを選べた。

 彼はスープにして、私はサラダにした。

 スープは透き通った透明のオニオンスープで、サラダはエディブル・フラワーがのった彩り野菜だった。

 結婚前にこんな贅沢していいのかな?と思ったけど、なんだか有無も言わせない雰囲気が続いていた。

 場所を変え、ホテルの中のカフェでお茶をした。

 私の好きなチョコレートのケーキとコーヒーを頼んでくれた。

 ものすごくおいしかったはずなのに正直、お昼も今も食べた気がしなかった。
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