息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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懐かしの我が家? 16

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 ここには参加できなかったが、友人代表として挨拶は紹介してくれた先輩が引き受けてくれたので、とりあえず頼めることは終わった。

 私の友人達も結婚している人、しない人にわかれていて、今思えば優しい人たちに囲まれて本当に恵まれていたのだと思う。

 結婚式場の手配を全部彼がやってくれたというと、意見が二つに分かれた。

「一回しかない結婚式なんだから、自分で理想の結婚式すればいいのに・・・」

 と独身者。

「彼が全部準備してしかもお金も出すんでしょ、いいじゃない、自分がかからなかった分、新婚旅行とか、家賃とかに回せば?どうせ夫婦になったらその財産共有することになるんだから、それに本当にお金がかかるのは結婚してからだしね」

 と既婚者。

 私は、ハッとする。

 そういえば、式場は彼に任せっきりで、新婚旅行もそのプランについているって言ってたっけ???そのお金もすべて彼が払うと言われて正直いくらかかっているのかさえわからない。
 
 今更だったが、ちゃんとお金のこと話しないといけないと思った。

 もう結婚している友人が、ぼそっと

「そういえば、理由は分からないんだけど、結婚が決まると急にモテだしてさ」

「わかる・・・」

 もう一人既婚者も頷く。

「わかるって・・・そうなの?」

「なぜか、ナンパも増えるしね」

 ナンパ?そういえば、遅番帰りに君いくら?っておじさんに言われたのって数にはいるかな?入らないよね?

「だから、何回か結婚、早まったかも・・・なんて思ったりするよね?」

「そうなの?」

 今のところ全くモテを感じていないけど。

「そんなこと言っていいの?学生時代からの一途な恋を実らせたくせに・・・」

 そういえば、学生結婚だったよね。

 しかもいまだにラブラブ。

「それって神様から試されるんじゃない?本当にこの人でいいのかって?」

「そうかな」

「それでぐらついてる女は、結婚しても浮気するんじゃない?」

 独身者があきれたように言った。

「それがさ、思わずぐらつくほどのいい人が現れるのよ」

 へえ、ぐらつくほどの人が来るのか・・・

「でも二人共ぐらつかなかったんでしょ?」

 二人ともあいまいに笑う。

「そうね、ただ、今でも一瞬は考えるよね」

 二人が頷く。

「いいな、私のところにはそのお試しも来ないけどね・・・でもそれって・・・」

 彼女が何か言いかけたときにデザートセットが来たので、その話はそれでおしまいになった。

 独身者がため息をついたけれど、その子はバリバリ働いてるキャリアウーマンだし、美人なので彼氏ができないのはきっと高嶺の花だと思われてるんだと思う。

 今思えば、この頃の私は色々と配慮足りなかったなと反省する。

 そもそも、自分の幸せが、みんなも幸せであるとは限らないのに気づいていなかった。

 それにもかかわらず私は祝福してくれた優しい友人たちに今更感謝した。

 逆の立場に立つと、本当に祝福してくれた友達が人格者なのだとわかったからだ。
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