息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

文字の大きさ
上 下
218 / 295

懐かしの我が家? 13

しおりを挟む
 仕事ができる子はどこに行ってもやっていけるようで、違うバイト先に行ってしまう。

 イケメンの男の子も、今就職活動真っ最中なのでなかなかバイトにこなくなっていた。

 すると、今の時期ありがちだが、いつの間にか仕事をしない子達の方が残ってしまい、私の仕事が増えることがあっても減ることがなかった。

 この頃、少しでも円滑に仕事が進むようにと思って、その子らと休憩が一緒になると話しかけたりした覚えがあったが、残念ながらあまり会話が弾んだ覚えがない。

 それにこうやって客観的にみるまでは、何を話したか正直覚えていなかった。

 しかし、残念ながら人手不足から新人さんのバイトが増え、ある日を境にほとんど新人さんに代わってしまい、私に結婚の話題や恋愛の話題を振る子はいなかった。

 だが、その中には強者もいて私に向かってガンガン質問してくる女の子がいた。

「どうして彼氏を作らないの?」

「どうして就職しないんですか?」

「どうして一人暮らししないんですか?」

 今思えば、どうしての前にきっと、いい年してとか、もう大人なのにとか、下手すればおばさんなのに・・とかがつくんだろうな・・・

 おそらくこれでもオブラートに包んでくれているのだと思う。

 包まなかったらきっとこうだろうな。

「もうおばさんなのに彼氏いないんですか?」(信じられない)

「もうおばさんなのに就職もできないんですか?」(この年でバイト?キッツ)

「もうおばさんなのに自立できないんですか?」(化粧もろくにしてないし、余裕なさそう)

 でも、改めて思い出してみても、こんなこと、この子と話してたっけ???本気で覚えてない。

 飲食業ということで彼にもらった指輪はネックレスにつけていたし、後から入った新人さん達には、彼がいるって言ってなかった。

 もっとも別に報告する義務もない。

 前回、根掘り葉掘り聞かれて懲り懲りしたから、プライベートの話を自分からしないようにした。

 今思うとその子はサバサバして、お酒も強くバイト先の同期で入った男子にも結構モテてたし、美人の分類というよりは化粧で努力しているタイプだった。
  
 バイト先では新人さんたちがバイトあがりに飲んで帰る子たちも多かった。

 居酒屋なので、社割で飲めたからだ。

 賄があればそれをつまみ代わりにするみたいだった。

「今回入った新人達ってみんな仲いいですね」

 たまに様子を見に来た社員さんに言われて、そうですねととりあえず返事をして、深刻な状況の遅番の人数を増やせないか交渉してみたが現状増やせないと言われた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...