息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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懐かしの我が家? 17

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 それに、いま思えば平和でこういった事が当たり前にできると思っていた世界にいたのだったと。

 その頃、彼もちょうど残業が続いて迎えに来れないと言われる日が続いた。

 私も相変わらず遅番が多くて、結婚式も直前なのに二人共すれ違う日が続いていた。

 本音を言えば本当はもっといろいろ話し合わないといけないことがあるのに、ちょっとすれ違ってるようなそんな時期に、私はなぜか年下キラーと呼ばれるようになっていた。

 そういえば結婚するとモテるって友人と、この前話してたっけ?

 でも、年下キラーってどういうこと???と思い、ふと迎えに来てくれた彼のことを、最近になって誰かに見られたのかと思ってた。

 最寄り駅のカフェで待ち合わせしていたから、誰かに見られててもおかしくはない。

 ちょっとお高いけど、遅い時間でも軽い軽食や美味しいケーキとコーヒーが飲めるから気に入ってるお店の一つだ。

 それに、年下ってことだけど、今いるアルバイトの男子達は全員彼女がいるって、聞いたしな。

 一体誰に見られたんだろう?そんなことを思っていたらなんと・・・

 例のイケメン君に告白されたのだ。

 どうやら就職活動も無事に終わったらしく、みんなに告白をするって言ったそうだ。

「彼女いるんじゃなかったの?」

 思わず聞いてしまう。

「前はいたけど、別れました」

「そう・・なの?」

 それにしても、私はちゃんとイケメン君に結婚間近って言ってたんだけどな・・・なるべく二人っきりにならなかったし、彼の惚気もたっぷりしているし、思わせぶりな態度なんか全くしていないと思うんだけどな。

 悶々と考え事をしていたら、いつの間にか二人っきりになっていた。

 周りが気を利かせて、いつの間にか二人っきりにさせたらしい。

「あなたが好きです」

 はっきりと言われてしまい、誤魔化しようがないなと思った。

 好きと言ってくれることにはとても感謝したい。

 なにせ、仕事も手伝ってくれるし、まじめだし、一流と呼ばれる企業に就職も決まったそうだ。

 むしろお祝いしないといけないと思うのだけど。

 それに年齢の差を考えなければ、非の打ちどころがないな・・・なんて考えちゃだめだ。

「好きなんです、ずっと前から・・・就職が決まったら告白しようと思っていました」

 前からって・・・そんな素振り、あったっけ???でも、呆けている場合じゃなかった。

 私は婚約者と結婚するからと告白をその場ではっきりと断った。

 一応ダメ押しで、

「気持ちに答えられられず本当にごめんなさい」

 こんなことを言う日が来るとは思ってなかったなあ・・・
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