息子が悪役令嬢だった件

懐かしの我が家？ １１

　
　でも、彼は結婚が決まる前までは、ちゃんと避妊してくれていたので、私としては、そうだよね、失敗すると年増に結婚迫られちゃうから大変だよね・・・と思っていた。

　だって、結婚が決まってから急に彼がホテルのゴムは信用できないと言って、わざわざ自分で用意して持ってきてたので、子供が好きとか気が付かなかった。

　むしろ、絶対にできないようにしてるって思ってた。

　それに、かなり慎重だなあと思っていた。

「たまには私が買ってこようか？」

　毎回ゴムの購入や、ホテル代を彼任せが悪いと思って聞いてみると、これは男の責任だからと言って断られた。

　そっか、と思って安心してたっけ・・・

　買おうか？と一応提案してはみたけど、実際どうやって買おうかと悩んでいたからだ。

　漫画とかでよく変装をしながらコンビニで買うシーンとかあったから、それを参考にしようか、堂々と薬局にいくか、時々、辺鄙な場所にあるそれ専用の自動販売機で買うか、頭の中では結構シュミレーションしていたのに。

　いい大人の私だって購入するのにハードルが高いのだから、若い人はもっとハードルが高そうだなと思った。

　この件に関しては良かった・・・と心から感謝していたんだけど、そのあと衝撃的なことを聞く羽目になるとは・・・

　どうやらホテルのゴムより信用できなかったのは、彼の方だった。

　いつも購入していたゴムには、針で穴をあけてたらしい。

　なので、結婚が決まってからは、彼はそもそも避妊していなかったらしい。

「どういうこと？？？」

　問い詰めるというより、？？？しかない。

　落ち着いて聞いてみると、彼が言うにはとにかく私と結婚したかったという。

　混乱した私だったけど、でも、正直なところ私との結婚にそんなに固執してるなんて思ってもいなかった。

　でも、私自身、正直なところ結婚を期待しないであきらめていたので、いざ結婚できると思ったら、なんとなく怖くなったのも事実だった。

　私も、プロポーズの返事をラブホテルでしていいのかなって思ったけど、彼を安心させるために答えることにした。

「私だって、好きだから結婚しようと思ったんだよ、だからプロポーズの返事は喜んでお受けします・・・だよ」

　すると、彼は安心したのか、ますますぎゅっとされた。

　ただこの日から渋々とはいえ、私の両親の考えもわかると言ってくれて、理由が理由なだけに、今度はちゃんと避妊に協力してもらえることになった。

　そのかわり、前よりも、ますます執拗に愛されるようになった。

　くっきりとわかるところに次々と印が残されていく。

　でも、さすがに延々と続く自分のエロシーンを見るのも飽きてきた。

　私としては、別人の感覚になっているので、言い方悪いけどパターン化したアダルトなドラマを見てるのと同じだと思う。