息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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週末デート いちゃいちゃ成分 かなり多め 27

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 リンを見ると険しい顔で考え込みながら、
 
「そうだな、そう思うよな、俺達だって早い段階からスカウトされていたが、ある意味貴族だったからと思っていた。魔法協会にスカウトされたが家の力もあったからな」

「家の力?」

「そうだ、だからまさか平民のアリスが、しかも王家がらみですでにスカウトされているとは思わなかったんだよ。言い方が悪いが貴族の連中を差し置いてさ、もっとも暗殺集団の人材集めに関しては、このことでルール無用なのがわかったんだが・・・」

 うーん、

「でも、それってある意味実力主義じゃないの?」

 暗殺集団の方が実力主義って変だけど、かえって実力者なら誰でもいいというところが怖いんじゃないのかな。

 だってさ、しがらみがないんじゃ相当優秀な人材が集まりそうじゃん。

 それにしてもトルマリン王国って、やっぱり、身分制度がはっきりしているんだな。

「一応、学園は実力主義を謳ってはいたが、どうしても貴族達の反発を招くから、学園でも対応に困って、就職や結婚は平民が決まるのは最後なんだよ、騎士団に勤めてるのに息子が入れないとはどういうことだとか、魔力もないのに魔法協会に入ったり、適正な能力もないのに権力だけはあってそういう連中に限って仕事をしないのに入りたがるから面倒な奴らが多くてさ、だけど今はそういう奴らが表向き王宮を守っているから、笑えるけどな」

「そうなんだ・・・」

 権力争いが激しいって、それだけでもトルマリン王国って国としては大丈夫じゃなさそう。

「魔法協会や俺が所属している騎士団には、この数年そういう奴らを追い出したから、そういう奴らはいないけど、まあ、追い出したといっても実際は王宮専属騎士団と王族専属魔法使いにそいつらがなっていて、権力は奴らの方が上になってる」

「そうなの?」

「ああ、でもあいつらは戦いに向いていない、おそらく戦ったことすらないからな、魔法使いたちにいたっては、お高い魔道具に頼りっぱなしだしな。だからあいつらは、きらびやかな服を着て王宮の周りに立っている仕事をしているのさ」

 それって、本当に国としてどうなのかな???それにしても、リンが毒舌なのも引っかかるな。

「リンって、色々詳しいね」

「まあな、そのおこぼれをもらっている貴族ってのが俺の家も含めてるからな」

「あっ・・・」

 じゃあ、今、リンの立場って、なかなか難しいのかな。

「もっとも結婚に関しては身分を買えるから、平民でも比較的結婚に関してはスムーズに事が運ぶけどな、それに実際エリザベスだって身分を買ってるだろ」

「そうだけど・・・」

 やっぱり、ここの身分制度には慣れないな。

「あの頃はまだ、俺、学生だったから詳しくはわからなかったが、どうやら王妃に問題あるみたいで、暗殺集団が実際にしっぽ出したのも王妃のせいだって先生が言ってたな、そのころからちょうど先生達が王国とは一線を引いていたみたいだったからな」

 そういえば私、肝心のトルマリン王国の王妃ってみたことないんだけどな、それに国王も。

 この国はテレビやインターネットもないから、仕方がないんだろうけど。
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