息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

文字の大きさ
上 下
244 / 295

ままならないストーリーその4

しおりを挟む
「可愛くねえ・・・でもそうか、極楽鳥もいたのか、だったらいいのか・・・って亮が空気読めないのはいつものことだし、まあ他の国の内情も知りたいと思ってるんだったらそんなに目くじらを立てなくてもいい・・・って、極楽鳥かよ、はいはいわかりましたよ」

 急に返事したかと思ったら、

「おい、極楽鳥の奴、相当ご立腹じゃないか?」

「そうなの?まあ、舌戦を繰り広げているようには見えたけど、余裕にかわしてたから・・・」

「絶対にエメラルド王国にはいかせないって言ってるぞ、いや怒鳴ってる」

「へえ、珍しい・・・あっそういえば、エルフが言ってたことが原因かな」

「なんだって?」

「あっ、なんでもないわ、気のせいだと思う」

 私にも極楽鳥から余計なことを言うなって声が聞こえた。

 危ない危ない、エメラルド王国って空気がきれいすぎて魔物が入れないみたいなこと言ってたから、もしかしたら極楽鳥ってば入れないんじゃない?

 でもこの場でどう言い訳しようかと考えていると別の話題になった。

「ねえ、私の勘違いじゃないといいんだけど、エルフの留学生って亮のこと一目ぼれなんてしていないよね」

 これでも冗談で言ってみた。

 一応、私もエメラルド王国に招待?というか微妙な誘われ方をしたけど、なんか亮に対する態度がちょっと違うような・・・それに、帰り際には私なんかいなかったようになっていたし。

 イザベラは鑑定でも亮の変化には気づいていたみたいで、オランとごにょごにょ話だした。

 気がつくとオランがいる。

 一体いつの間に来たんだろう

「亮の鑑定の変化って???」

 亮は相変わらず変わらないと思っていたけどなんか変わったかなあ???

「うん、俺のは一行鑑定だから勇者の称号を持つ美しきヒロインになっている、あと乙女・・・」

 あっ、言いにくいか、それにしても、

「はあ???また亮って正式なヒロインになっているの???」

「うーん、おそらく、マリーが王宮に王妃の教育を受けるため学園からいなくなっただろ、そのせいで学園にはヒロイン不在と判断したからなのかどうやら亮がヒロインだな・・・」

 腕を組んで考え込んでる場合じゃないのでは???それにしても、

「王妃教育の為にマリーちゃんが学園にいないだけで交代するんだね」

 そんな簡単に交代するヒロインって誰でもいいんじゃないの???

「元々本当のヒロインは亮で認定されているってことは、マリーがまた学園に帰ってきてもヒロインの座が亮からマリーに移行するとはあんまり思えないけどな」

「そうかなぁ?」

「俺も無事悪役令嬢の称号を取り戻したしな・・・正直いらんけど」

 うーん、よかったねと言うべきなのか悩むわ。

「あっ、でも、食堂になんちゃってイザベラがイザベラがいない間、沢山出来てたよ」

「なんちゃってイザベラってなんだよ?」

「イザベラのドリルの時の髪形をまねした子たちだよ」

 そんな勇気があるやつらがいたんだ・・・しかもドリルってイザベラがぶつぶつ言ってる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...