息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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週末デート いちゃいちゃ成分 かなり多め 25

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「でも、俺は、学生のころからずっとアリスが好きだったから・・・だから、結局どんな女も駄目だった・・・」

 惚気るなあ。
 
「だったら、なんでアリスに手をださないの?」

 つい、本音が出る。

 すると、リンが意外なことを言い出す。

「もちろんチャンスがあればいつでもいける、だが、それ以前にあいつが嫌がるから・・・」

 はああああ?

「嘘だああ、もっと、いちゃいちゃしたいって言ってたよ」

 思わずアリスの気持ち、代弁しちゃったよ。

「本当か?じゃああいつ、無意識なのか?」

 少し考えてたみたいだけど、リンの顔が輝いた。

「どういう事?」

「あいつ怪力だろ、いざヤろうとすると物凄い力で拒否してきたから、てっきり嫌われてるのかと思ってた」

 アリスったら・・・

「俺、魔法の力で怪力を無効にしているけれど、油断すると命が危ないからな」

 リンが独り言のように、流石の俺でも愛し合っている時には油断しているから、怪力に対処できないかもしれないと、ぶつぶついっている。

 アリスったら、緊張しちゃって無意識だから怪力を押さえられないのかしら?

 まあ、なんとなくわかるけど、それならば道のりは長そう。

「でも手を出してないって言うか、正直、欲望を徐々に出していたし、この頃はその、感じさせていると思う。俺としてはだいぶ進展したつもりだったんだが・・・」

 確かに、はたから見たら大人のキスもバンバンしてたし、イチャイチャ度が過ぎるぐらいだったからアリスから聞いた時、あれで手を出してないって信じられなかったもん。

「あのさ、アリスに直接怪力のことを言って、その・・・していいか聞いてみたらよかったのに。こんなこと言っていいかわからないけど、アリスも待ってると思うよ」

 これって、きっと余計なお世話だと思うけど、一応アドバイスしてみた。

「ああ、これからどんどんチャレンジするよ、アリスの怪力が出るのはもしかすると潜在意識のなかで嫌われてるのかと思ってたから、あいつは魔力制御は完璧になったはずだからさ。でもこれからは遠慮しない」

 ギラギラしだしたリンを見て、アリス頑張れって心の中で応援することにした。

 でも、リンってアリスに嫌われてるってなんで思うかなあと疑問に思ったので聞いてみる。

「アリスに嫌われてるって思うなんて、なんで?」

 どう見てもアリスもリンにべた惚れしているのに、このカップルって一体どうなってるの???

「俺、学生時代アリスと仲良くなかったから」

「えっ?そうなの?へえ、意外・・・」

 ずっとイチャイチャしてそうだけど違ったんだ。

 でもそういうシチュエーションあるあるだよね。

「それに、アリスとの交際の始まりは、フェイクだったからな」

 なんだそれ???

「フェイクって・・・」

「正直言うと学生時代に暗殺集団に目をつけられたアリスを守るために、あの糞教師が提案したんだ」

「はあ?暗殺集団って?」

 ラブラブの話から、だんだん話がきな臭くなってきたな。
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