息子が悪役令嬢だった件

週末デート いちゃいちゃ成分 かなり多め １０

　私の不安げな顔を見て、リンが慌てて言う。

「はっきり言って、心配しなくてもイザベラは大丈夫だよ。ブルーノは王族だし、サファイア王国の王は賢王だし、VIP扱いで行くから、悪いことにはならないはずだよ。それに、俺達がいなくても、イザベラには、高位精霊がついているし、レオンは不本意そうだったが、極楽鳥も内緒でついていくそうだし、学園の方からもイザベラに対して侍女を派遣したし、魔法教師も同行するらしい」

　なんだか大がかりだなあ。

「まっ、本当なら、サファイヤ王国の国王に気に入られたってことだから、外交扱いで、トルマリン王国の国王から何か言ってくるのが普通だっだんだけど、今回は、どうやらトルマリン王国の王家に内緒で、学園預かりになってるらしくって、イザベラの他にも特クラの何人か入れて、学園代表という形で短期留学するんだって言ってたな」

「そうなんだ」

「エリザベスに言わなかったのは、心配させたくなかったんじゃないか？せっかくアルのところで、羽伸ばそうとしてたんだから」

「そうかなぁ？」

　どうせ、いつもの秘密主義なだけだと思うけど。

「うん、でも、ホッとした」

　やみちゃんも、極楽鳥もいるんだったら、心配しなくても大丈夫そうだね。

「だったら、みんなで街に散策に行こうよ、まだ明るいし、お腹すいたでしょ、評判のレストラン知っているから腹ごしらえにそこに行こうよ」

　アリスが、お腹を押さえながら言った。

「ねえアリス、私達、新婚旅行の邪魔じゃないの？」

　つい、からかいたくなったけど、

「大丈夫、まだ練習だし、女同士で、買物もしたいし」

　ウインクされた。

　アルには言いたいことがいっぱいあるけど、言われてみれば、お腹もすいたし、私も、たまには女同士で買物したい。

　まあ、アルには、後で部屋に帰ったら、じっくりと説教しようっと。

　それに、前回は、宿から全く出なかった…というか出れなかったので、街の散策もしたい。

　アリスが言っていたレストランはすぐ近くにあった。

　レストランと書いてあったけれど、個室居酒屋っぽくて、落ち着くし、雰囲気がとてもいい。

　メニューを見ると衝撃が走った。

　見間違いじゃないよね？？？

「お寿司がある・・・」

　私は感動に震える。

　ただ、油断はできない。

　問題は、味だけなんだから・・・