息子が悪役令嬢だった件

恋についての相談 ５

　でも、まだ肝心なことを相談してないや、とりあえずは、本題に戻そうっと。

　本来、一番、聞きたい内容だし。

「そもそも、私が一番心配しているのは、イザベラが本物のイザベラに体を返そうとしているってことなんだよね、イザベラの体は、本物のイザベラのものだから、何がなんでも、返さないといけないと思っているみたい。でも、本物のイザベラは体を返せって言ってないって言ってたけど・・・」

　本当に、ややこしい話なんだけど、仕方ない。

　もし、本物のイザベラが性格の悪い悪役令嬢だったら、私も心を鬼にして、息子を守るために、衝動的に極楽鳥に消してって頼んでしまいそうだけど、本物のイザベラったら、悪役令嬢のはずなのにイザベラが言うには、超優しいし、いい子だっていってたしなあ。

「イザベラの奴、本当に、理解不能だな。生存したいっていう生物としての本能は？欲はないのか？こんな事レオンが知ったら、あいつ、とち狂うかもな、万が一イザベラが体を返したら・・・厄介だぞ」

　でも、極楽鳥たら、うっすら笑っているよね・・・

　レオンについては、なんとなく想像がつくから、怖いんだよね。

　だからこそ、レオンにだけは、イザベラの件を相談しないようにしようと思っている。

「イザベラに生存したい欲がないってことは、ないよ。でも、この世界じゃなく、おそらく、どうにかすれば、聡として生きていた元々居た場所に帰れると思っていると思う。自分でそう言ってたし」

　それに、今のところ方法がないって言ってるけれど、元の体に戻れるチャンスが全然ないとはいえないもんね。

「そういえば、亮も時々、違う世界のことを話すな、なんでも、スマホ？を取りにいきたいとか・・・その代わりと言っては何だが、私はこの世界にある、ありとあらゆる不思議なものを、探して亮に渡してるのだが、スマホに代わるものはないって言われ、要らないと言われつづけてるな。大体、スマホって何なんだ？亮に説明されたが、この世界にはないな」

「スマホって…」

　あと、極楽鳥、さらっと亮に貢いでるって言ってるよね。

　そういえば、亮ったら、自分に不必要だと思ったものは、いらないっていう合理主義だし、誕生日プレゼントなどは基本現金だった。

　だから、むしろ、現金か、金塊なら喜ぶんじゃないかな？

「金塊についてはすでに、鉱山ごと持っている」

「なんですって」

「現金もあふれるほどあるしな」

　それじゃあ、欲しがらなくても、あふれるほどあるってことか・・・そりゃ、手に入りにくい、スマホを欲しがるよね。