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王子の秘密 不毛な恋の行方 6
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私はおそるおそる聞いてみる。
「ねえ、それって多分だけど、本物のイザベラって女の子にありがちな乙女のフィルターが働いてるんじゃない?好きな人に対しては、どんなに嫌なところがあっても、多少目をつぶってしまうときあるよね。要するに、どんなダメ男でも、恋をしているときはダメ男ってことがわからなくて、周りの人の意見も聞かない状態になるって」
「うーん、俺もそう思うんだけど・・・違うって言い張る」
こりゃ重症だ。
「乙女フィルターかどうかは分からないけれど、イザベラの記憶の中の王子は、幼いながらも攻略対象らしい王道の王子の輝きを持った顔しているんだよな」
イザベラが首をかしげながら言う。
ふーん、それは参考のためちょっと見てみたいけど・・・
「俺は思いっきりエフェクトがかかりすぎているって思ってるな」
「そうなんだ・・・ってイザベラはカッコイイ王子が見えるの?」
「本物のイザベラに、映像見せられて、王子がどんなに素晴らしい人間か、ずっと説明されて、惚気られた」
同一人物なのに、そんなこともできるんだ・・・
「まあ、どんなに王子がいい奴と本物のイザベラが思ってても、俺とイザベラは全く別人格だから、俺がポンコツ王子に惚れることはまずないけどな」
それなら少しは安心か、そういえば、
「イザベラの中に本物のイザベラがいるって他に誰か知ってるの?」
「ああ、特に秘密にしてないけど、聞かれないから言わないだけで、やみには言ったことがあるけど、でも、やみは信じてくれなかったな」
「そうなの?」
「気のせいだって言われたな」
ええっ、意外・・・やみちゃん、イザベラと一心同体だと思ってたから、やみちゃんが否定してるとなるとなんだかなあ。
一気に怪しくなったので、
「やみちゃんが、そういうなんて・・・何度も言うようだけど、本当に気のせいじゃないんだよね?」
疑いのまなざしを再び向けると、イザベラはため息をつきながら、
「でも、よく考えてみろよ、そもそも、貴族の細かいマナーも知らなくて、ダンスなんてもってのほかの俺がここまでぼろを出さずにいられたのが証拠じゃん、それに、運動神経ゼロなのの知ってるだろ」
確かに、それについては筋金入りだったから、認めざるを得ないけど、でもやみちゃんがね・・・
「俺の苦手分野を全部イザベラが代わってくれたから、協力体制はばっちりだったな、今でも・・・」
だから、夢見るような、とろけるような顔するのは勘弁して。
イザベラ自身が恋をしている事を絶対自覚してないことは分かったけど・・・どうしたらいいのかな?
いや、これはもうどうしようもないな。
私は思いっきり頭を抱えた。
「ねえ、それって多分だけど、本物のイザベラって女の子にありがちな乙女のフィルターが働いてるんじゃない?好きな人に対しては、どんなに嫌なところがあっても、多少目をつぶってしまうときあるよね。要するに、どんなダメ男でも、恋をしているときはダメ男ってことがわからなくて、周りの人の意見も聞かない状態になるって」
「うーん、俺もそう思うんだけど・・・違うって言い張る」
こりゃ重症だ。
「乙女フィルターかどうかは分からないけれど、イザベラの記憶の中の王子は、幼いながらも攻略対象らしい王道の王子の輝きを持った顔しているんだよな」
イザベラが首をかしげながら言う。
ふーん、それは参考のためちょっと見てみたいけど・・・
「俺は思いっきりエフェクトがかかりすぎているって思ってるな」
「そうなんだ・・・ってイザベラはカッコイイ王子が見えるの?」
「本物のイザベラに、映像見せられて、王子がどんなに素晴らしい人間か、ずっと説明されて、惚気られた」
同一人物なのに、そんなこともできるんだ・・・
「まあ、どんなに王子がいい奴と本物のイザベラが思ってても、俺とイザベラは全く別人格だから、俺がポンコツ王子に惚れることはまずないけどな」
それなら少しは安心か、そういえば、
「イザベラの中に本物のイザベラがいるって他に誰か知ってるの?」
「ああ、特に秘密にしてないけど、聞かれないから言わないだけで、やみには言ったことがあるけど、でも、やみは信じてくれなかったな」
「そうなの?」
「気のせいだって言われたな」
ええっ、意外・・・やみちゃん、イザベラと一心同体だと思ってたから、やみちゃんが否定してるとなるとなんだかなあ。
一気に怪しくなったので、
「やみちゃんが、そういうなんて・・・何度も言うようだけど、本当に気のせいじゃないんだよね?」
疑いのまなざしを再び向けると、イザベラはため息をつきながら、
「でも、よく考えてみろよ、そもそも、貴族の細かいマナーも知らなくて、ダンスなんてもってのほかの俺がここまでぼろを出さずにいられたのが証拠じゃん、それに、運動神経ゼロなのの知ってるだろ」
確かに、それについては筋金入りだったから、認めざるを得ないけど、でもやみちゃんがね・・・
「俺の苦手分野を全部イザベラが代わってくれたから、協力体制はばっちりだったな、今でも・・・」
だから、夢見るような、とろけるような顔するのは勘弁して。
イザベラ自身が恋をしている事を絶対自覚してないことは分かったけど・・・どうしたらいいのかな?
いや、これはもうどうしようもないな。
私は思いっきり頭を抱えた。
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