息子が悪役令嬢だった件

新しいフラグ ２

「はじめにそういう設定があるって言ったろ？トルマリン王国が、崩壊寸前になるときに、漆黒の王子が、ヒロインじゃなく、悪役令嬢を迎えに来るって」

「ああ、そういえば、そんなことを言ってたね。でも、隠れキャラで、その可能性はないって言ってたじゃん。」

「そうなんだけどさ・・・どうやら俺の書いた二次小説というより、どうもゲームの方にストーリーが引っ張られているような気がする」

「そうなの？でも、そういえばさ、漆黒の王子って、確か溺愛ルートって言ってなかったっけ？だから、亮は漆黒の王子には向いてないって話だったよね」

「それな」

　顔色が悪いけど、大丈夫かな？

「俺、これまで、色んなフラグ、ボキボキ折っているはずなんだけど、それを、すればするほど、なぜか、厄介ごとが増えていくから、この際ギリギリまで、悪役令嬢を満喫してから、サファイヤ王国に逃げよう、いや、行こうかなって・・・」

　イザベラったら逃げるって・・・言ったよね。

　急に、もじもじし始めたけど・・・

「だってさ、漆黒の王子は、イザベラにベタ惚れで、国に帰って、すぐに嫁にして、溺愛ルートの課金ありの、かなり大人の関係を深める話だよ」

　それって、例の・・・

「１８禁ってやつ・・・ですか？」

「ゲームの溺愛ルート、結構ハードなんだよ。漆黒の王子は・・・溺愛だけど、俺様のドＳだからな」

　げっ・・・

「でも、そこがいいって、人気があったけど」

　ああ、うん。なんとなくわかる。

「ゲーム版ならともかく、小説版になると、やみも危ない」

「まっ、まさか・・・」

「闇の精霊との二次小説も、めっちゃ多くて、多くを語れない」

　へえ、へえ

「でも、漆黒の王子ってショタもオッケーなの？」

「その点はわからない、この本に関しては二次小説・・・がちで自由だもんな」

　マジですか・・・

「それに、本来のクロードは、レオン並みにイケメン設定だし、漆黒の王子も、闇の精霊も、同じ位人気だったし、でも、漆黒の王子の設定はゲームのオリジナルだし、俺は、この世界は、ほぼ小説ルートだと思ってたから、まずないと思ってたんだけどなあ。」

「だからさ、トルマリン王国が破滅しなければ、いいだけじゃないのかなあ？」

「それが無理っぽいから、色々考えているんだろ」

　うーん、そうかなあ。

「そういえば、そもそも、トルマリン王国が滅ぼされるようなこと、情報に入ったの？」

「エリザベスにしては勘がいいね。そうだよ。きっと、ポンコツ王子のせいで、このままじゃ滅びる」

　ポンコツって、一応、一応攻略対象でしょ？