息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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再び学園へ 2

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 学園の編入は、すんなりとできた。

 身分を買ったので、私の名前は、ベルからエリザベスになった。

 本物のエリザベスさんは、サファイア王国の獣人族のかなり腕のいい料理人と恋に落ちたらしく、貴族としてではなく、普通に嫁ぎたかったそうだ。

 それに、このお金でこれを機会に、サファイア王国で、二人でお店を出す軍資金にしたいそうで、このトルマリン王国には二度と戻ってこないということだった。

 私も、サファイア王国に興味あるし、いつか、その店にも行ってみたいと思っている。

 エリザベスのご両親も承知してくれて、学園生活をエンジョイしてねっと茶目っ気たっぷりに言われたのだったが、イザベラとレオンに睨まれて、とにかく私は、評判が悪くならないようにと深窓のご令嬢を装うことにした。

 これがなかなか、さまになっている。

 そういえば、黙っていれば、美人なのにってよく言われてたなあ。

 という点においては余計なお世話だけど・・・

 イザベラ達と一緒にいるせいか、かえって目立ってしまっているように思えるのは気のせいじゃないと思うのだけど、婚約者がいるのを学園全員知ってるので、心配しなくても、全くもてなくなった。

 ブルーノには、さすがに匂いでベルだとすぐばれてしまったが、快く内緒にしてくれた。

 レオンが手をまわしてたせいもあるけど・・・

 それに、ブルーノが失恋したことを知った食堂のみんなが優しくしてくれてるらしく、相変らず、賄いを食べているらしい。

 おまけに、一緒に学園に編入で入った平民の女の子に懐かれてしまった。

 幼少期から教会で過ごしていたらしく、シスターが親代わりだそうだ。

 マリーと呼ばれているらしい。

 彼女は、物凄くかわいくて、性格もいいし、少しばかり天然ちゃんだ。

 学園に偶然に、編入できたのも、教会にいるマリーちゃんの熱狂的な支援者がお金を出してくれたと本人から聞いた。

 なんでも、小さいときから教会でソロパートを歌ってるうちにファンがついたらしい。

 まだ、私は聞いたことないが、噂では、精霊を惑わすぐらい、透き通った歌声らしいのだ。

 でも、熱狂的なファンって・・・

 それって、あとで、とんでもないものや、ことを請求とかされちゃうんじゃないかって、こっちが不安になったが、本人はけろりとしている。

 私としては、一瞬、こういう子がヒロインじゃないのかな?と思っていたのだが、イザベラも、オランも鑑定では違うって言って譲らない。

 私でも、ヒロインもどきになったんだからって言ったが、どうやらヒロインもどきでもないらしい。

 ちなみに鑑定で私は、元騎士団長の婚約者と出るそうだ。
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