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溺愛される理由 3
しおりを挟むレオンのやつ、ドレスの着替えだけでも、スケジュールに三回もいれやがった。
どうせ、水色一色なんだから、三回も着替えるなんて、嫌がらせとしか思えない。
しかも、必ず一回は、騎士団長に見せに行くという謎の時間もある。
恥ずかしいんだけど。
お屋敷の骨董品という名の電化製品の使い方を書いたマニュアルを、一つ一つ、骨董品に貼っていく指示を出したり、新しい骨董品を目録に加えたりで大忙しだ。
あと、この広いお屋敷に置く調度品を選んで欲しいといわれてたが、このお屋敷本当に質素だったので、余計なものがない。
なので、レオンが適当に色んな商人を屋敷に送り込むので、その対応に狂いそうになる。
「なんでこんなに忙しいの」
と叫ぶと、やみちゃんが、ぽんと出てきた。
「ばっかだなあ、ベルは。レオンの言うことなんか無視すればいいだけだろ」
「そう言われればそうか、いやいや、でも一応、肩身の狭い居候だしな、それに、ただ飯食べるわけにもいかないし・・・」
「大体この屋敷の主人はアルフォンスだろ、あいつなら、ベルに甘いから、むしろ何にもしなくていいって言うに決まってる」
「それもなんだかな・・・」
「なんだ、結局我がままかよ。」
「そういえば、やみちゃん夕べはお酒楽しめたの?」
「まあまあだな、今回は、レオンのワイナリーの樽、全部、空っぽにしてやろうかと思ったが、意外と量があるな。」
「へええ、そうなんだ」
「あと1ヶ月、頑張って飲めば一つぐらいは、ワイナリーか酒蔵かウイスキー蒸留所の酒を空っぽに出来ると思うぞ」
「あんまり無理しないほうがいいんじゃない」
「オレ、こきつかわれているんだぜ」
ふううってため息ついて、
「聡に怒られたしさ」
「何かしでかしたの」
「失礼だな、そもそも、しでかしたのはベルだろ」
「わたし?」
なんかしたっけ、心当たりがないな。
「獣人の野郎に餌付けしたじゃないか」
獣人野郎って・・・
「あっ、ブルーノのこと?」
「餌付けって、ちょっとお礼しただけじゃん、一応、クラスメイトでもあったし。」
まあ、認識されてなかったと思うけど。
「そのお陰でオレの賄いは減るし、聡にはおこられるしで、散々だった」
「やみちゃんの分は減らしてないよ」
私の分を減らしただけだし。
「そもそも、ベルが獣人を餌付けしたから、奴が勘違いして、イザベラのところにベルを探しに来たんだと。」
「へえ、それは悪いことをとしたな」
懐いてくれたし。
「なにも言わずに来ちゃったし、ブルーノが心配してくれたってことでしょ」
賄いもらえるか、心配だったかも知れないな。
「違うわ、やつの留学の理由を知らないのかよ」
「番、探しだぞ」
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