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暗躍する攻略対象 その5
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「出たああああ」
夜中なのに、つい、大声あげちゃった。
急に現れるなんて、お化け並みにビックリするな。
「レオン早くないか?まだ暗いし、ちょっとしかヤって・・・」
と言い終わる前に、部屋のドアがあいて
「親父、なにやってんだよ」
聡まで何で???
はっ、よかったああああ。透け透け着ないで。
ベットの布団のなかに、透け透けの服を慌てて隠す。
それにしても、みんな私の部屋のプライバシーをなんだと思っているんだ。
聡が眠そうに、
「やみが、ベルの貞操の危機だって言うから、一応、駆けつけてみたけど、レオンがいるじゃん。なにやってるんだよ、こんな夜中に・・・」
やみちゃんが、レオンに向かってあっかんべーをしている。
やみちゃんもチャレンジャーじゃん。
でも感謝。
後で、特大ローストビーフつくってやろうっと。
聡も寝起きなのか、機嫌悪そうに
「お母さん、まさかと思うが、親父とレオンとの三角関係じゃないだろうな?」
「ぶっっふふふ」
やみちゃん大笑いしてるけど、なんかこの部屋、大勢いるのに、ツンドラ気候並みにすごい寒いよ。
行ったことは、ないけど。
でも、やっぱり怖いのか、やみちゃん、レオンの顔みずに、慌てて聡の影のなかに潜り込んだ。
私も、眠気と疲れピークがきて
「とにかく夜中だし、眠いし、みんな、これで解散してよ」
私はみんなを追い出す。
やみちゃん、ありがとう。
心の中で感謝する。
でもさ、私もレオンの顔、怖くてみれないよ。
でも、レオンは小声で帰り際、私にこっそり耳打ちした。
私は頷くしかなかった。
その夜は、眠かったのに、なぜか、あまり眠れないまま、朝になってしまった。
布団を整えていると、例の透け透けの服が出てきた。
アルが選んだのってこれか。
レースがふんだんに使われた、ブルーの小花がアクセントについている、レースが美しい水色の服だった。
透けてなければ、結婚式のドレスみたい。
サムシングブルーってことだよね。
そういえば、ウエディングドレスの色もパパが選んでこの色だったな。
今度来たら着てあげよう・・・かな?
クローゼットの中をみると、元通りメイド服になってる。
レオンてば、ものすごい魔法使えるんだな。
あの夜、耳打ちで切なそうに、聡には内密にと言われちゃったし、借り1つですね。とまで言ってくれたので仕方がないから色々黙っとこう。
本音は命が惜しいからね。
朝、聡の部屋にいつもより遅れていくと、聡が、猫やみちゃんとまったりしていた。
「やみちゃん、昨日はありがとう」
私とやみちゃんは一緒に、二人とも無事でよかったねとコッソリ言いつつ、抱き合った。
それを、生ぬるい顔で聡がみてる。
「だいたい親父に身分が整うまで我慢しろって言ったのに・・・」
「ごめんなさい、私が、いろいろと話したいことがあって、部屋に呼んだの、夜中にありがとうね。二人とも・・・」
レオンに、貸しを作るなんて、滅多にできることじゃないから、とりあえず、こういうことに、しとこう。
「いいけどさ、お母さんは、もうベルとして生きているから、親父に気にしないで、違う人生を歩んでもいいと思って、せめて俺が学園を卒業するまでにはなんとかしようと思ったんだけど・・・」
ため息をついて、
「お母さんもわかるように、親父が駄目だね。何人かハニートラップかけてみたけど、全然だめだったし、元々お母さんにベタぼれだったしな」
ハニートラップって???もしかして美人令嬢達のこと?
「びっくりしたことに、モブのベルにも、ちゃんと固執している。まあ、普通に考えれば、ベルの方がお母さんよりは、相当可愛いけど、モブだしな」
「確かに・・・デブ専じゃなかったんだよね」
「親父をデブ専だと思ってたのか?」
聡が頭を抱える。
「デブ専かどうかはわからないけど、根本はお母さんだったら、どんな樽になってても、いいってことだろ」
「確かに樽だったけど、樽って言うな」
「まあ、まあ、愛が重いって、ベルが本当に逃げたかったら何とかするけど、家庭教師にマナーを習うとか嫌がらなかったから、うすうす気がついてると思ってた」
「うん、そうかも」
何となくは、思ってた。
釣り合うようになればいいのだということに。
「聡、私は逃げたいなんて思ったことないよ」
多分、固執しているのは、きっと私のほう。
愛され過ぎてるけど、愛してるのも、きっと私のほうだから。
夜中なのに、つい、大声あげちゃった。
急に現れるなんて、お化け並みにビックリするな。
「レオン早くないか?まだ暗いし、ちょっとしかヤって・・・」
と言い終わる前に、部屋のドアがあいて
「親父、なにやってんだよ」
聡まで何で???
はっ、よかったああああ。透け透け着ないで。
ベットの布団のなかに、透け透けの服を慌てて隠す。
それにしても、みんな私の部屋のプライバシーをなんだと思っているんだ。
聡が眠そうに、
「やみが、ベルの貞操の危機だって言うから、一応、駆けつけてみたけど、レオンがいるじゃん。なにやってるんだよ、こんな夜中に・・・」
やみちゃんが、レオンに向かってあっかんべーをしている。
やみちゃんもチャレンジャーじゃん。
でも感謝。
後で、特大ローストビーフつくってやろうっと。
聡も寝起きなのか、機嫌悪そうに
「お母さん、まさかと思うが、親父とレオンとの三角関係じゃないだろうな?」
「ぶっっふふふ」
やみちゃん大笑いしてるけど、なんかこの部屋、大勢いるのに、ツンドラ気候並みにすごい寒いよ。
行ったことは、ないけど。
でも、やっぱり怖いのか、やみちゃん、レオンの顔みずに、慌てて聡の影のなかに潜り込んだ。
私も、眠気と疲れピークがきて
「とにかく夜中だし、眠いし、みんな、これで解散してよ」
私はみんなを追い出す。
やみちゃん、ありがとう。
心の中で感謝する。
でもさ、私もレオンの顔、怖くてみれないよ。
でも、レオンは小声で帰り際、私にこっそり耳打ちした。
私は頷くしかなかった。
その夜は、眠かったのに、なぜか、あまり眠れないまま、朝になってしまった。
布団を整えていると、例の透け透けの服が出てきた。
アルが選んだのってこれか。
レースがふんだんに使われた、ブルーの小花がアクセントについている、レースが美しい水色の服だった。
透けてなければ、結婚式のドレスみたい。
サムシングブルーってことだよね。
そういえば、ウエディングドレスの色もパパが選んでこの色だったな。
今度来たら着てあげよう・・・かな?
クローゼットの中をみると、元通りメイド服になってる。
レオンてば、ものすごい魔法使えるんだな。
あの夜、耳打ちで切なそうに、聡には内密にと言われちゃったし、借り1つですね。とまで言ってくれたので仕方がないから色々黙っとこう。
本音は命が惜しいからね。
朝、聡の部屋にいつもより遅れていくと、聡が、猫やみちゃんとまったりしていた。
「やみちゃん、昨日はありがとう」
私とやみちゃんは一緒に、二人とも無事でよかったねとコッソリ言いつつ、抱き合った。
それを、生ぬるい顔で聡がみてる。
「だいたい親父に身分が整うまで我慢しろって言ったのに・・・」
「ごめんなさい、私が、いろいろと話したいことがあって、部屋に呼んだの、夜中にありがとうね。二人とも・・・」
レオンに、貸しを作るなんて、滅多にできることじゃないから、とりあえず、こういうことに、しとこう。
「いいけどさ、お母さんは、もうベルとして生きているから、親父に気にしないで、違う人生を歩んでもいいと思って、せめて俺が学園を卒業するまでにはなんとかしようと思ったんだけど・・・」
ため息をついて、
「お母さんもわかるように、親父が駄目だね。何人かハニートラップかけてみたけど、全然だめだったし、元々お母さんにベタぼれだったしな」
ハニートラップって???もしかして美人令嬢達のこと?
「びっくりしたことに、モブのベルにも、ちゃんと固執している。まあ、普通に考えれば、ベルの方がお母さんよりは、相当可愛いけど、モブだしな」
「確かに・・・デブ専じゃなかったんだよね」
「親父をデブ専だと思ってたのか?」
聡が頭を抱える。
「デブ専かどうかはわからないけど、根本はお母さんだったら、どんな樽になってても、いいってことだろ」
「確かに樽だったけど、樽って言うな」
「まあ、まあ、愛が重いって、ベルが本当に逃げたかったら何とかするけど、家庭教師にマナーを習うとか嫌がらなかったから、うすうす気がついてると思ってた」
「うん、そうかも」
何となくは、思ってた。
釣り合うようになればいいのだということに。
「聡、私は逃げたいなんて思ったことないよ」
多分、固執しているのは、きっと私のほう。
愛され過ぎてるけど、愛してるのも、きっと私のほうだから。
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