息子が悪役令嬢だった件

知花虹花

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暗躍する攻略対象 その1

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 亮の報告会とは別に、極楽鳥が最近、私の恋の相談にのってくれるようになった。

 変な話、何故か極楽鳥は恋心に詳しいし、ちょっといや、大分踏み込んだ話にも、ついていける。

 極楽鳥って、かなりの長生きなんだろうなと、そうこうしているうちに。

 そろそろ、亮が入試を受ける時期になった。

 「やっと亮がくるのか。長かったな・・・」

 試験を無事一位通過したらしく、聡の顔色も戻ってきてる。

「亮には念のため、入学してもらうけど、今のところ、俺は攻略対象とはいい距離にいるからな」

 確かに、聡は多くの攻略対象とは、ほとんど交流してないようだ。

 ただし一部を除いて。

「それは、よかったね」

 と相づちを打ったけど・・・
 
 実はレオンに一言文句をいってやると、果敢に挑むことにした私は、とんでもない返り討ちに遇うことになる。

 聡は魔道具職人の息子と、レオンと親友になったと喜んでた。

「男の友情ってなかなかいいもんだね」

「そう・・・だね。」

 レオンには、私とパパがお世話になってるし、魔道具職人の息子とは、パパの仕事関係で交流せざるを得なかったらしいが、この魔道具職人の息子は裏表のない超いい子だった。

 しかも魔力ゼロの私に、魔道具を貸してくれる。

 お陰で聡を介さずとも、やみちゃんや、極楽鳥とのコミュニケーションがスムーズになった。

「実験台だから遠慮しないで」

 と言われたけど、聡によると、魔道具は、びっくりするほどお高いらしい。

 本来はお金持ちの貴族階級の人達が、所有を独占しているらしく、口が酸っぱくなるまで聡が

「壊すなよ」

 と言うので、怯えてたら

「壊れることはないと思いますが、壊れても、弁償しなくていいですよ」

 と言ってくれた。

 ほっとした私は、調子にのって冗談で、聡に結婚相手にいいんじゃない?と薦めたら、聡も、いつもはこんな冗談は嫌がって返事をしないんだけど、試験結果に満足して機嫌がよかったんだろうな。

「オランと結婚する子は、幸せだと俺もそう思う」

 と言った。

 とまあ、もちろん本気ではないし、冗談で終わったのだが、レオンの逆鱗に触れたみたいで・・・

 ただ、その場には、確かに、レオンいなかったはずなんだけどな。

 レオンは私には、何故か本性を出すようになった。

 とはいえ、あからさまに出すのではなく、じわりじわりと。
 
 そもそも、攻略対象が、ただの親切でお屋敷に招待したり、私に家庭教師つけたり、パパをお屋敷において面倒を見てくれたりするわけないんじゃないかなと思ってた。

 魔道具職人の息子も、高い道具をただで貸してくれているが、イザベラ狙いなのかと思いきや、これは後から本当に実験の意味があって、商品開発にも役立てたいらしいから、他の学生たちにも、貸してデーターをとっているらしいと知った。

 ただ、魔道具は魔力がない人が使用するものなので、学園では、貴族ではない、魔力ゼロの人を見つけるのは大変で、一応、今のところ、何人かはいるらしいが、探すのは大変らしい。

 というのも、さすがに魔力ゼロを公言する人が、学園に滅多に入れないらしいから、どうしても、侍女や、おつきの人に声をかけるらしい。

 勿論、魔道具職人の息子も、攻略対象だし、最初はちょっと怪しいかな?と思ったけれど、レオンと違って、顔や態度に出るタイプでとっても分かりやすいのだ。

 実は、レオンには、色々積りに積もった恨みを晴らそうと、軽い気持ちで聡にチクッってやろうとしたら、チクる前にものすごいことをされた。

 なので今、聡が嬉しそうに親友だって言ってるのを、生暖かい目だ見るしかないのだ。

 そもそも私がチクろうとしたのは正確には2回目だ。

 我れながらチャレンジャーだと思う。

 一回目の失敗を学習した私は、ちゃんとアドバイザーとして、やみちゃんに作戦を練ってもらったのだが、それも完膚なき敗北を期した。

 レオンは怒らせちゃダメだとは、思ってたんだけど・・・

 普通は一回で懲りるはずだよとやみちゃんに言われたが、怖いもの見たさ?で2回目にチャレンジした。

 結果は2回目もチクれなかった。

 しかも、やみちゃんも、ひどい目に遭ったらしい。

 やみちゃんが

「面白そうだからって、調子に乗るんじゃなかった・・・」

 といってガタブルしてる。

 そして、私のところに奴が送られたのだった。
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