攻略対象の件

魔道具職人の息子 ４ オラン

　実は、この二人を鑑定すると、エラーが出る。

　エラーが出る理由は、イザベラに教わった。

　どうやら、自分よりも、魔力が高いものには、鑑定がバグるらしい。

　イザベラも、レオンハルトの鑑定は、出来なかったらしく、僕も、レオンハルトの鑑定が、バグって、できなかったことに、がっかりしていた。

　それでも、イザベラの鑑定よりは、鑑定の能力は上らしく、イザベラ自身の鑑定は、レオン同様、意味不明なところもあるが、かろうじて、ところどころ、読めるところもあるので、イザベラに教えたら、すごく喜ばれた。

　でも、レオンハルトのは、全く読めない。

　レオンハルトのバグは、文字なのか、記号なのかわからない。

　それらが、綺麗に並んでいて、もしかすると、イザベラなら、わかるかも？と思って聞いてみた。

　イザベラも、興味津々だったが、お手上げだった。

　それにしても、僕は、鑑定に、エラーが出ることすら、知らなかった。

　だけれど、それは、エラーが出るほどの、魔力が強い者に会ってなかったからだと、この学園に来て、イザベラに出会ってから、初めて気づいたのだった。

　もう一つ、気がついたことがある。

　どうやら、レオンハルトは、精霊を２つ、従えているらしい。

　これは、ノッカーが教えてくれたのだが、不死鳥フェニックスは分かるらしいのだが、もうひとつの精霊は、さっぱりわからないらしい。

　どうやら、イザベラの高位精霊も、それについては、わからないらしい。

　それに、驚いたことに、イザベラの精霊も、どうやら、レオンハルトには、勝てないみたいだ。

　僕のノッカーも、レオンハルトに怯えているが、イザベラの精霊とは、元々知り合いだったらしく、仲良しだと言って紹介された。

　それからは、僕も、イザベラの精霊と仲良く話せるようになった。

　普段は黒猫の姿で、やみと名乗っているらしい。

　最近は、黒髪の少年にも、なってるみたいだけど、猫の方が評判がいいといって、僕たちの前では、滅多に少年にはならない。

　ノッカーは、ひたすら、もったいないといっている。

　なんでも、イザベラの精霊は、本来の能力の半分も解放されてないのだという。

　本来の姿は、レオンハルトに決して、負けてないとノッカーは言うのだった。