俺が悪役令嬢だった件

知花虹花

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図書館に避難中 4

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 エリザベスに、まとわりついている奴と言えば・・・

「ああ、マリーとか言ってたな、エリザベスに紹介されたが、編入が一緒だったらしい」

「ふーん、この短い間に、色んな奴にマーキングされてるから、匂いがまじりあって、本当に気持ち悪い」

 まあ、思ったとおりだな。でも、

「そんなのもわかるのか?」

 やっぱり、鼻が利くなあ。

「ああ、それに、その中のひとつは、この国の王子だな。留学してて思ったんだが、将来的にトルマリン王国は結構やばいんじゃないか?」

 個別で匂いがわかるって・・・やばいな。

 まあ、ブルーノは、王家の血筋だしな。

 王家に消されることはないか・・・でも、

「なんでそう思う?」

「あの王子、なんか、ひっかかる。こんなこと言ってはなんだが、王子の資質に欠けるというか・・・」

 鋭いな。

 王子だって、攻略対象の一人のはずなんだが・・・王の資質がなくても、顔は結構イケメンだと思うぞ。

「魔力も、匂いが偽物っぽいし。だけど、王子以外はトルマリン王国も優秀な人材がたくさんいるからな。すぐに国が傾くとは思わないけど。でも、サファイヤ王国は優秀な人材は見逃さないから、優秀な人材は、こちらの国に来るように、どんどんスカウトするつもりだ」

 へえ、さすが。

 でも、魔力が偽物っぽいってなんだ?少し疑問に思ったが、詳しく聞くのは、止めた方がいいかも。

「賢王の国だもんな」

 でも、ブルーノは首を横に振る。

「確かに、親父は賢王と呼ばれているが、実質、国を動かしているのは王妃だからな。」

「へえ、そうなんだ」

 初耳だな。

 賢王の噂が多くて、王妃の方は、政治的な事では、噂すらないぞ。

 しいて言えば、賢王の番として、愛され過ぎて、閉じ込められて、どこかに囲われてるらしいということと、子沢山ということしか、情報がなかったが・・・下手すれば、食われたと死亡説まであったからな。

 でも、そういえば、夫婦そろって立ち食いしてたらしいし、王妃は人間だって言ってたな。

「そもそも、王妃が賢王に仕立て上げたからな、表舞台は面倒くさいから勘弁してって」

 へええ、興味深いな。
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