俺が悪役令嬢だった件

知花虹花

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その46

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 いつもは図書館に入り浸っているだけだったのだが、ちょっと行動を変えて食堂でランチをしてみた。

 食堂は、ベルの残したレシピが残っているので、まあまあ美味しい。

 おしゃれにランチをしてたつもりだったが、食堂だからか男子学生の方が多かった。

 なので、女子学生がよく行きそうな学生寮のカフェに行ったりした。

 カフェは、亮のところのお店でケーキやデザートを卸してるので、味は確実に美味しいし、亮がいなくなったので抹茶オンリーのデザートじゃなくなったので、ものすごく豊富な品揃えになったのだ。

 なのでもちろん軽食もでて、サンドイッチやパスタなども食べれる。

 そこで、つい、まったりとキャラメルケーキを食べながら、ピンクの髪の女の子がいるかどうか常にアンテナを張ったけど・・・マジでいない。

 女の子って甘党じゃないのか!ヒロインならちょっとは可愛いデザートとかに食いつかないのか・・・と偏った知識だったが、頑張って通った結果そのおかげで、同級生の女子学生達と噂話に参加できるぐらい仲良しになってしまった。

 もっとも、女の子の噂話は攻略対象のことや、意外にも下ネタが多くてびっくりしたが、だんだん慣れてくる自分が怖かった。

 だだ、デメリットとして、少し・・・いや、太ってしまった。

 イザベラの衣装は細身が多いから学校卒業するころには全滅かもしれん・・・もっとも、卒業したら実家に帰ることはないが、さすがに制服もきつくなってきた。 

 だが、ここまで特徴的な髪の毛の女の子がいないとなると、まさかと思うがベルの見間違いかと疑い始めた。

 ベルも若くなったといっても中身母親・・・いや、おばちゃんだし、勘違いしがちだからな?

 だんだん俺の中のベルの信用度もだだ下がりになる。

 やみは、

「作戦はうまくいってるよ、ふっ、ふっ、ふっ、」

 ときどき報告にくる。

 楽しそうで何よりだ。

 この作戦については正直、やみだけじゃ不安なので、ちゃんとフォロー出来るようにレオンにも頼んだ。

 これまでの経験上、念には念をいれ、最終的に信用度の高いレオンにも頼んだことはやみには内緒にした。

 なのでレオンからも報告を受けたが、レオンによると現在親父とベルがラブラブすぎて、とてもうざいらしい。

 レオンがうざいっていうのは、よっぽどだと思う。

 どんだけ、バカップルか想像できるのだが・・・俺は、できれば見たくない。

 ピンクの髪の女の子については、オランにも、

「もしも、ピンクの髪の毛の女の子を見たら、すぐに鑑定しといてくれ」

 って頼んである。

 これでやれることは、すべてやった・・・よな。
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