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そのにじゅうろく
しおりを挟むしばらく、見つめあって・・・いや、にらみあって? レオンが 笑っていった。
「極楽鳥と話があるんだろ、私は亮の伝説の品々を見てくるよ」
といって部屋を出て行った。
ああ、そっか、見つめあってると思ってたが、よく考えてみると極楽鳥とテレパスで会話してたのか・・・まあ、いい。
「さあ、俺にも話を聞かせてもらおうか」
話は、簡潔に説明するとこうだったらしい。
なんでも、俺が送った家庭教師を何人も追い出した亮だったが、その中の家庭教師の一人が、ものすごい優秀なやつだったらしく、魔力コントロールは極楽鳥に任せて、自分はマナーと勉強だけに特化して教えると申し出たらしい。
まあ、それはいい。
「じゃ、なぜ伝説の剣を探すことになったんだ?」
極楽鳥によると、その家庭教師がご褒美制度をつくって、マナーや学問を極める度に家庭教師が秘密の地図をくれて教えてくれたとのこと。だからこの国の地理に詳しい極楽鳥が、余裕で亮を連れて伝説の宝物が眠っているとされてるいわくつきの土地に行けたそうだ。
そもそも、亮も極楽鳥も、魔力的にはかなり危険なところに行っても大丈夫なので、宝さがしのようで楽しかったのか、それ目当てに苦手なマナーも勉強し、普通の勉強にも力を入れたそうだ。それに冒険で鍛えることによって魔力コントロールもすぐにバッチリになったらしい。
へえ・・・亮に興味がないことを強要しないで自主的にやらすなんて、その家庭教師なかなかやるな。
どうやらご褒美アイテムとして巾着はそいつからプレゼントでくれたものらしい。
すると極楽鳥が一冊の本を出した。
これは家庭教師が最後の日に極楽鳥と、亮に渡したらしい。
題名が、冒険の友
へええ・・・草
これに沿って数々のアイテムを集めたらしい。
ちょっとやな予感が・・・
ちなみにこれ、一冊だけだろうな、
一応、うなずいたのでほっとしたが、人気のあるゲームの攻略本並みに結構な分厚さだ。
まさかこの分厚い本に書いてあるお宝を全部コンプリートしてるんじゃないだろうなと思って慌てて本の中身をみる
草 草 草
パラパラみただけだが、相当ヤバいものが多数あった。
それにしてもこの冒険の友・・・本当に良くできている。
「オリジナルで手作りだと言ってた」
極楽鳥はこういったが、とても手作りには見えない。
この一冊でゲーム要素もあって、シールやら、宝とは別にもらえるアイテムやらこまごま書いてある。
しかも、どうやら仕掛けのある本みたいだ。
「これを渡した家庭教師はどこ行った?」
気になったので聞いてみると、マナーと勉強の範囲が終わったらいなくなったらしい。
おかしいな、後でイザベラの屋敷に問い合わせてみるか。
何せ、亮の奴何人も追い返してたもんだから、はじめは身元がはっきりとしたものを雇ったはずだが、後半はもしかしたら能力さえあればに変わったかもしれない。
だが、さすがに危険な人物は必ず引っ掛かるはずなのだから、心配はしてないのだが。
家庭教師はジョーンズと名乗ってたらしい。
俺はピンと来た。
あっちゃあ・・・やらかしたな。どこかで聞いたことのある有名な冒険家の名前だ。
うん、名前もきっと偽名だな、 まあ、そうなると、これ以上追うのは難しいな。
「ところで勇者になれるほど剣をマスターしたのは何でだ? あいつ、一応ヒロインだろ?」
「ああ、実は魔物が涌き出ているダンジョンがあって、あっという間にレベルアップ・・・」
あっ、察し。
「もういいです。お腹一杯・・・」
ため息をつきながら、言うと、極楽鳥はにやにや笑いながら出て行った。
とりあえずはこの冒険の友でも読んでみるか。
はああ、次から次へと、やらかしやがっって。
でも、いいこともあった。
後からレオン達に合流してレオン達が亮のお宝を物色してたら、有益なお宝もジャンジャン出てきたらしい。
国中が喉から手が出るほどのお宝の山で、むしろ管理が大変になるといわれた。
それに、万能薬とされているベルを治す薬の原料が入ってたから上手くすれば、治せそうだという。
ただ、薬を精製するのに時間がかかるが、一ヶ月もすればできるという。
そんなにかかるのかよ???
「魔法協会に頼んどいたから」
とレオンに言われた
「助かる」
レオンには世話になりっぱなしで、本当にいくらお礼を言っても足りないな。
相当のお宝だったのか、亮もレオンにベタ誉めされてとっても嬉しそうだった。
俺も一応、誉めてやった。
それに、レオンに頼んで本物のフェニックスを見せてやった。
案の定、亮は興奮している。
亮の隣にいた極楽鳥は俺を見てとっても複雑な顔したけど、仕方がないからこれぐらいの嫌がらせで・・・勘弁してやる。
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