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そのにじゅう
しおりを挟む俺は一か八か、覚悟をもって極楽鳥を呼び出そうとしたのだが、極楽鳥の方もわかっていたのだろう。
次の日には俺の部屋で寛いでいた。
おい、鳥がマッサージ機使うなよ。
と思いつつ、チャンスだと思って鑑定する。
やっぱりバグるな。
このバグり方、いつ見ても異常だな。
それに俺の目では、どう頑張っても鎖が見えなかった。
身体中に張り巡らしてるって言ってるが寛いでるぞ、あいつ
猫やみはやっぱりガタブルしている。
やっぱりこの姿は擬態してるのか。
「寛いでるところ悪いが、お前、何者だ。まあ、どうせ聞いても答えないんだろ」
「私は極楽鳥だといった。私の契約者については話せない」
「亮に執着してるのは、契約者もか」
「いや、契約者は別のものにご執心だ」
なんだと、なんか面倒な予感しかしない。
「契約者についてはこれ以上は話せない」
「縛られているせいか?」
「まあ、それもある」
極楽鳥を縛るなんて相当イカれてる契約者もそうだが、こいつは魔物だってやみがいってたしできれば両方絶対にお近付きになりたくないんだが・・・
ワンチャン、逃げるか?
「私はお前達に興味があるから諦めるんだな」
おい、できれば、心は読まないで欲しい。
仕方がない、
「とりあえず、俺の周りの奴等に被害がなければ、俺もお前と色々と協力することを約束する」
一応、交渉してみる。
「私の方が強いのに交渉だと?」
怖い、怖い、失敗ですか、なら
「じゃあ、言い方を変える」
そうだな・・・
「亮の関係者全部に手を出さないで欲しい」
これでダメならやみ、骨拾ってくれ。
「仕方ないな、元からそのつもりだ」
やっぱり、亮に執着してるのは間違いなさそうだな・・・理由はわからないが、俺達じゃ勝ち目ないしな。
問題は亮だ。
極楽鳥を怒らすことしなきゃいいけど、あいつ・・・やらかしそう。
とりあえずは極楽鳥に亮に光の精霊との契約させることと、学園に通わせることは約束した。
極楽鳥の方も何か企んでそうだったが仕方ない。
俺も話を進めるからには亮が入学してくれないと困るからな。
話し合った結果、亮が光の精霊との契約は学園に入るギリギリ前にする事になった。
受験をするので亮のカフェの両親にはしばらくは面倒をみてもらうことにした。
光の精霊との契約が成立したら亮は娘としていれなくなるから、カフェ経営の援助も考えないとな。
さすがに看板娘がいなくなると、あそこまででかくなったカフェ経営は行き詰まるかもしれない。
とりあえず今から受験まで、亮に勉強やマナーをみっちり叩き込む予定だ。
あと、極楽鳥から亮の駄々漏れの魔力がもったいないとのことで、魔石の中に魔力を閉じ込めて入れろと言われた。
そしてその魔石を寄越せと、なんでもおやつに持ち歩きたいらしい。
やっぱり餌じゃないかと思ったが仕方ない。
そういえば俺の杖にも魔石の中に魔力が入ってたな。
俺は魔力が強いから使うことはないけど。
そうか、言われてみればマッサージ機のように魔力を流して使うのではなく、電池みたいにすることができるのか。
なら充電池が作れたら便利だな。
魔法道具の職人の息子なら色々参考になる方法を知ってるかも?近いうちに接触出来たら聞いてみるか・・・とはいえ、貴族の集まりに出席する機会なんてもうないからなあ。
まあ、当面はとりあえず俺が魔石を調達する方法と、魔石の中に亮の魔力を効率よくいれる方法を考えなければな。
俺はチートで出来そうだが、亮が出来るかどうか。
そうこうしているうちに、俺は無事にトップで学園に入学することができた。
そして計画通り、特別クラスに入れた。
そこにはなんと、魔道具の息子がいた。
もっとも、本来ならば攻略対象の一人だからなるべく近付きたくなかったがこの際仕方ない。
一応、クラスメイトになるし、初対面じゃないしな。
オランはいい奴だった。
友情を育めそうだ。
話は面白いし、頭もいい。
俺はおそらくこの国では職人になってるだろう親父も探したかったし、魔石の中に魔力を詰める方法を聞きたかったし、オランがこの学園にいてくれて本当に助かったのだった。
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