俺が悪役令嬢だった件

そのじゅうに

　意外にも亮は親父と一緒じゃなかったらしい。

　ベルは明らかにがっかりしてる。

「一応オレも最初はパパ探そうと思ったけど・・・」

　ほんとかよ

「よく考えたら・・・めんどいなって」

　やっぱりな。

　おまえはそいうやつだよ。

　でも、二、三日はお母さんを探したらしく、ベルは感激して泣きっぱなしだ。

　甘いな。

　ちなみに俺は探されてなかったけどな。

　でも余計な口を挟むのはやめた。

　大人げないので。

　それにしてもケーキは評判通り美味しかった。

　緑のケーキって野菜かなんかだと思ったけど、抹茶か。

　しかし、これだけ抹茶だらけだとお見事しかいいようがない。

　そういえば亮は抹茶に異常に反応してたからな。

　家のおやつは抹茶味だらけだったし、飲み物は毎回抹茶ラテだった。

　あれ？でも大福は白いお餅なんだ・・・そういえば亮はいちご大福も好きだったような。

　まっ、俺はつぶ餡は苦手だからベルにあげよ。

　俺はこし餡派だし、白餡派でもある。

　でもいちご大福、なんと、こし餡も白餡もあった。

　ここまであったなら抹茶尽くしのはず。

　まさかの抹茶餡なのか・・・

　ないだと。

　あいつのセンスがわからん。

　それにしても、コルセットがないせいか、久しぶりに暴飲暴食をしてしまった。

　明日からまたコルセットが大活躍しそうだな。

　ところで俺はかねてから自分のスキルを磨いている。

　鑑定スキル

　鑑定スキルは使えるって思ってた。

　鑑定スキルがあればおそらく生活するのに無敵に近いはず。

　こういう世界だとおそらくアドバンテージ高いからな。

　実験でこっそりベルにも試したが、モブのせいかわからないが、一行ぐらいしかない。

　こんなものなのかな。

　ちなみにやみにも鑑定したが。

　一行だった。

　イザベラの両親もそんな感じだった。

　要は自己紹介と特技ぐらいがわかるってだけだった。

　これは俺の鑑定能力が劣っているのか、この鑑定スキルがショボいのかいまいちわかってなかったので色々データーを集めようとおもっていたのだった。

　最初、亮をみたときは黒髪のショートの可愛い女の子と鑑定された。

　ところが衝撃的なことがおこる。

　まだ話足りないと言うことで、亮が自分の家の2階に上がらせてくれた。

　家族と住んでいるらしい。

　仕事が終わった亮も合流して。

　ん？

　ヤバい、亮も精霊も持ちか。

　お店では肩にいなかったデカイ、カラフルな鳥が亮の肩にいる。

　まず、亮の肩にのってる鳥。

　鑑定エラーになった。

　エラーは初めてだ、

　文字化けもしているし、しかもエラー表示の数が半端ない。

　どういうことだ

　しかも亮はかつらからピンクの毛を確認したとたん鑑定が変わった

　鑑定が覆されるのも初めての出来事だった。

　なので一度みているからいいかと思ってたベルをもう一度見ると

　変わっている。

　やはり俺の鑑定能力は中途半端なのかもしれないな

　それにしてもおまえ・・・

　よりによってヒロインかよ。