俺達が侍女になった件

知花虹花

文字の大きさ
上 下
4 / 8

その4 アリス

しおりを挟む
 
 王立学園に、運よく入学した平民だが、結局のところ、将来的には、トルマリン王国の貴族たちの相手は身分的に難しい。

 だが、大逆転の可能性もある。

 サファイヤ王国の留学生の存在だ。

 サファイア王国は身分制度のない、人気の国だ。

 主に獣人が多いらしいが、今では、いろいろ混じっているらしく、人間と変わらないものも沢山いる。

 何でも、王妃が人間だったとか。

 平民は、身分制度のないサファイヤ王国の留学生と一緒になったりするので、王立学園は平民が入るのは、ものすごく難しいけど、玉の輿に乗るチャンスがあるということで、平民でも、お金を集めて、ごり押しで入ってくる子もいる。

 しかも、獣人は一途だし、とっても優しいらしい。

 むしろ、この国の男たちより人気があると思う。

 なので、王立学園は表向きは誰でも、学術で平等に入れると、うたってるけど、王族の関係者をはじめ、お金持ち枠等、様々入っている現状がある。

 それに、聞くところによると、一芸入学も個性的枠もあるので、何でもありだし、ぶっちゃけ授業はしなくても卒業できる。

 私としては、とりあえずは国で働ける場所か、どっかの辺境の御息子を捕まえられればいいのだけど・・・と思っていたのだったけど・・・な。

 ところが学園に入ってから、私は自分自身が知らないだけで、運動神経が人より秀でてたことが判明した。

 多分、一応ご令嬢とはいえ、うちは貧乏なので畑仕事から、家のこと、弟や妹の世話などをこなしていたから、そこらへんのご令嬢たちには負けないぐらいの体力と、運動神経があったみたい。

 それに、私には自慢じゃないけど、すごい能力があった。

 怪力だ。

 普通に、生活してたつもりだったので、教師に指摘されるまで、全然気がつかなかった。

 そういえば、思い起こせば、よく物を壊してたなあと。

 壊しても基本、自分で簡単になおすこともできたので、不自由に感じなかったんだけど・・・

 それに、私には剣の才能があった。

 剣を握ったことがなかったので、これもびっくりした。

 でも最大に能力が発揮できるのは、短剣だったらしく、暗殺向きだと秘密裏にそっちの方面からも、なぜか、スカウトが来た。

 まだ学生なので、丁重にお断りしたのだが、卒業を待つと言われてしまった。

 魔力は、そこそこあるらしいのだが、使い方が下手らしくて、魔法だけは、いくら教えてもらっても、なかなか上手くならなかった。

 自分でも、なんでかわからない。
 
 そういえば、教師が、私の入学のいきさつを聞いて、特別枠の学費申請をしてくれたお陰で、ご令嬢の支援を断ることができた。

 正直、友人兼、取り巻き役も、ろくにできないのに、悪いなと思っていたけれど、ご令嬢は特に気にしていないようでだった。

 そもそも、お金に関しては親が払っているので、自分で出している感覚がないのだろう。

 また、今では気の合うお友達や婚約者候補も何人もいるらしいので、むしろ、本当によかったねと言ってもらえた。

 私としては、ご令嬢に感謝しかない。

 私の世界を180度変えてくれた人だ。

 いつの日か、必ず恩返ししようと思う。

 魔法については、教師から、ものすごく優秀な生徒で、魔法を教えてくれるがいるからと、紹介されたのが、リンだった。

 だけど、態度が悪い。

 ものすごく悪い。

 教え方も、下手以前の問題で、いやいや教えているのが、ありありとわかる。

 さすがに心が広い私でも、何回か、ブチ切れたので、早々に教師にチクることにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

離婚した彼女は死ぬことにした

まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。 ----------------- 事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。 もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。 今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、 「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」 返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。 それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。 神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。 大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。 ----------------- とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。 まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。 書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。 作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...