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その4 アリス
しおりを挟む王立学園に、運よく入学した平民だが、結局のところ、将来的には、トルマリン王国の貴族たちの相手は身分的に難しい。
だが、大逆転の可能性もある。
サファイヤ王国の留学生の存在だ。
サファイア王国は身分制度のない、人気の国だ。
主に獣人が多いらしいが、今では、いろいろ混じっているらしく、人間と変わらないものも沢山いる。
何でも、王妃が人間だったとか。
平民は、身分制度のないサファイヤ王国の留学生と一緒になったりするので、王立学園は平民が入るのは、ものすごく難しいけど、玉の輿に乗るチャンスがあるということで、平民でも、お金を集めて、ごり押しで入ってくる子もいる。
しかも、獣人は一途だし、とっても優しいらしい。
むしろ、この国の男たちより人気があると思う。
なので、王立学園は表向きは誰でも、学術で平等に入れると、うたってるけど、王族の関係者をはじめ、お金持ち枠等、様々入っている現状がある。
それに、聞くところによると、一芸入学も個性的枠もあるので、何でもありだし、ぶっちゃけ授業はしなくても卒業できる。
私としては、とりあえずは国で働ける場所か、どっかの辺境の御息子を捕まえられればいいのだけど・・・と思っていたのだったけど・・・な。
ところが学園に入ってから、私は自分自身が知らないだけで、運動神経が人より秀でてたことが判明した。
多分、一応ご令嬢とはいえ、うちは貧乏なので畑仕事から、家のこと、弟や妹の世話などをこなしていたから、そこらへんのご令嬢たちには負けないぐらいの体力と、運動神経があったみたい。
それに、私には自慢じゃないけど、すごい能力があった。
怪力だ。
普通に、生活してたつもりだったので、教師に指摘されるまで、全然気がつかなかった。
そういえば、思い起こせば、よく物を壊してたなあと。
壊しても基本、自分で簡単になおすこともできたので、不自由に感じなかったんだけど・・・
それに、私には剣の才能があった。
剣を握ったことがなかったので、これもびっくりした。
でも最大に能力が発揮できるのは、短剣だったらしく、暗殺向きだと秘密裏にそっちの方面からも、なぜか、スカウトが来た。
まだ学生なので、丁重にお断りしたのだが、卒業を待つと言われてしまった。
魔力は、そこそこあるらしいのだが、使い方が下手らしくて、魔法だけは、いくら教えてもらっても、なかなか上手くならなかった。
自分でも、なんでかわからない。
そういえば、教師が、私の入学のいきさつを聞いて、特別枠の学費申請をしてくれたお陰で、ご令嬢の支援を断ることができた。
正直、友人兼、取り巻き役も、ろくにできないのに、悪いなと思っていたけれど、ご令嬢は特に気にしていないようでだった。
そもそも、お金に関しては親が払っているので、自分で出している感覚がないのだろう。
また、今では気の合うお友達や婚約者候補も何人もいるらしいので、むしろ、本当によかったねと言ってもらえた。
私としては、ご令嬢に感謝しかない。
私の世界を180度変えてくれた人だ。
いつの日か、必ず恩返ししようと思う。
魔法については、教師から、ものすごく優秀な生徒で、魔法を教えてくれるがいるからと、紹介されたのが、リンだった。
だけど、態度が悪い。
ものすごく悪い。
教え方も、下手以前の問題で、いやいや教えているのが、ありありとわかる。
さすがに心が広い私でも、何回か、ブチ切れたので、早々に教師にチクることにした。
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