ジェノサイド

水ノ灯(ともしび)

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pervert 3 *

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ツレが来ているとカウンターに声をかけて龍崎は206号室に向かった。安っぽいつくりのラブホテルの階段を上がりながらドッグタグを上着の中にしまい込んだ。部屋の扉をノックする。

存外簡単に開いた扉の向こうでは髪を茶色に染めた男が立っていた。そういえばターゲットの顔を知らなかった、と龍崎は思うが、この男こそがそうなのだと確信する。血の匂いが染みついている。ぞわりと興奮が沸き立った。

男は龍崎を見ると何も言わずに中に招きいれた。さて、何と言ってこの男は呼び出されたのだろう。本来ならばこの時点で捕らえるか殺してしまうので理由などどうでもいい。しかし楽しむつもりである龍崎からすればそれは重要なことだった。

意外にもシンプルな部屋の中央で二人は向かい合う格好になった。

「おい、さっさと出せよ」

痺れを切らしたように男が声をかけてくる。頭の軽そうな外見とは裏腹にいい声をしていると思った。

「何のこと?」

とぼけて聞き出そうとしてみれば、男は苛ついたようだった。騙されたのではないかと疑いの眼差しが投げられているのがわかる。

「欲しいものはちゃんと口に出しておねだりしなきゃ」

おどけた口ぶりで言えば男は一度舌打ちをし、ヤクだよ、と急いた口調で言った。なるほどドラッグを餌にしたのか、と龍崎は納得する。切羽詰まっていればたとえ怪しい相手からの申し出だろうと受け入れるだろう。

男は薬が切れているのか龍崎の態度が気に入らないのか随分苛ついているようだ。ピアスのついた両耳に長い手足、顔立ちもそう悪くなく、趣味の悪い服装とあいまってホストのように見えないこともない。余裕のない様子がいささか不恰好だが。

龍崎はにんまりと笑って男に一歩詰め寄った。

「ヤクでトリップしなくてもさあ、俺が天国にとばしてあげるよ」

せっかくこんな場所だしね、と笑って龍崎は男を突き飛ばした。咄嗟のことに反応できずに男は背中からベッドに倒れこむ。何か怒鳴ろうとした唇を塞いで龍崎もベッドに乗り上げた。

抗議の声を押し込めるように舌を差し入れ、腰のホルダーにさしていた銃を素早く枕の下に隠した。抵抗しようとする手をシーツに押し付け、ねっとりと口内を探ってやる。口蓋をくすぐり歯列をなぞり、執拗に舌を吸い上げる。

遊んでいそうな男だが自分が攻め立てられたことはないのか刺激に素直に反応していた。徐々に抵抗が薄くなるのを可愛らしいと思いながら観察する。

ドラッグに手を出すような人間は往々にして快楽主義者だ。男同士だろうがなんだろうが気持ちよければ流されるだろう。

舌を離せばつうっと銀糸が伝った。見せつけるように舐めとって光る唇に赤い舌を這わせる。快楽の滲んだ男の目が自分をしっかりと捉えたのが分かった。

「ほら…気持ちいいことしよ?」

心底楽しそうに笑って龍崎は男のベルトを引き抜いた。焦る男の制止の声に耳を貸さず、龍崎は下半身に顔を埋めるとチャックを歯で引き下ろした。

現れたボクサーパンツの下で中心が緩く立ち上がっているのを嬉しそうに見やる。唇で挟むようにして下着の上からやわやわと食んだ。ねっとりと舌を這わせながら男を見上げる。

布越しに柔らかく濡れた感触がして男は興奮した目つきで龍崎を見ていた。にいっと笑って下着を押し下げてやる。男も抵抗をやめ、おとなしく下着を下げた。飛び出してきた中心はすっかり立ち上がっていて、龍崎は満足そうに唇を舐める。

あーん、と先端を口内に導いてくちくちと遊びながら自分もズボンを下ろした。履いたままのブーツを器用に足先で脱ぎ落とし、下着ごとズボンを脱ぎ捨てた。

「んむ、ろーひょんとっれぇ」

咥えたまま言えば男は細い眉を少し歪めてボトルを手渡した。強引な口淫が気持ちよかったのかすっかり受け入れて龍崎の好きにさせている。

龍崎はドボドボと手の平にローションを垂らすと自分の後孔に擦り付けた。零れたローションがシーツに染みをつくる。おざなりにほぐして指を差し入れ、ローションを足して流し込んだ。

ためらいなく後孔に指を入れる龍崎に男は嘲笑した。

「マジかよ、ヤローのケツ穴に突っ込むってか?」

喉奥まで咥え込んでいた龍崎は男の声に上目遣いで目を合わせ、ぬるるるる、とゆっくりと中心を引き抜いた。

「女より具合いいと思うよ?うわ、最近ヤってなかったからキツッ…」

二本の指を押し込め、龍崎は眉を顰めて笑う。誘うように鈴口を舌でくすぐり、わざとぺちゃぺちゃと水音を立てて先ばかりを舐めまわす。はっ、と熱のこもった吐息が頭上から漏れて龍崎は機嫌良く深くまで飲み込んでいった。

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