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絶対零度の共振
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ブラインドの向こう側で車は微動だにしなかった。まるで飛び出してくるのを待っているように、男達に動きはない。緊張状態の中、どれだけの時間が過ぎたのか。このままでは心拍が持たなそうだと、乾は銃を握る手がじとりと汗をかいているのを見下ろした。
「……わんこ」
窓際で様子を見ていた安居は、硬い声で乾を呼んだ。消える寸前の夕日に照らされた安居の顔が覚悟を決めたように見えて、不安に駆られる。先の言葉を聞きたくないと思わされた。
「ここの代表は俺や。俺一人おったら十分やろ」
低い声が静かに告げる。安居は自分がここに残るから乾は身を潜めていろと言っているのだ。二人でもどうしようもない状況を、安居が一人でどうにかできるはずもない。自分が犠牲になると言われて簡単に呑めるわけもなかった。
「あほなこと言うな」
安居を置いて一人助かろうなどと考えたくもない。弱い自分が逃げ出してしまいそうで、乾は抑えた声で言い返す。安居に負けぬような強い瞳で見返せば、自他共に認める頑固者をそれ以上言い負かそうとはしなかった。
「……逃げれそうやったら逃げてくれ」
安居はそれだけ言うと、再び窓へと目をやった。乾に言うということは、安居は最後まで逃げる気はないのだろう。少しも勝ち目はないと分かっていても、みすみすこの事務所を明け渡す気はないのだ。
守りたいのは事務所にある金や膨大な情報だけではない。それ以上に大切なものがここにあるから、捨てたくはないのだ。乾にもその感情が痛いほどに分かった。だから返事はしなかった。乾もまた、この場所を失いたくなかった。
それでも二人に打つ手はなく、このまま籠城するより他はない。向こうが動き出すまで膠着状態は終わらない。息を殺し、今は待っていることしかできなかった。
夕日はすっかり落ち、急速に夜がやってきた。このままどうするつもりだと観察を続けていれば、ついに動きがあった。乗り込んでくるつもりなのか、車を降りる人影が見える。
安居は息を飲み、持ち慣れない銃を手にする。乾を振り返れば張り詰めた表情に恐怖が走りぎこちない頷きが返ってきた。あとはせいぜい悪あがきをすることしかできない。窓から離れ、玄関に向けて銃を構える。ゆっくりと安全装置を外した。扉がいつ開かれるかと穴が空くほど見つめていた時、突如背後で凄まじい破壊音が鳴り響いた。
反射的に安居と乾は自分の体を庇おうとする。それ程までに大きな音だった。しかし衝撃が自分に来たのではないと分かると、慌てて周囲を見回す。事務所には傷ひとつ入っておらず、突破された形跡もない。それならば外かと窓から見下ろすと、驚くべきことに突然突っ込んできた大型トラックが男達の車を跳ね飛ばしていた。
隣にやってきた乾もその惨状を見て呼気を震わせる。先程の轟音はトラックが乗用車を吹き飛ばした音だったらしい。安居や乾と同じようにあまりの出来事に動揺している男達は、何事か言いながら慌てふためいているように見える。一体何事かと呆然としていれば、勢いよく運転席が開いてひょいと人影が飛び降りたのが見えた。ほとんど同時に助手席が開けられ、もう一人地面に降り立つ。その姿を見て息を飲まずにはいられなかった。
「おーおー、よく集まったなぁ」
「全員ぶっ飛ばしてやる」
男達の中心に荒っぽく現れたのは、バーテンダーの神蔵と運び屋の鷹野だった。見慣れた男達の登場に安居と乾は顔を見合わせる。てっきりどちらかが連絡したのかと思ったが、そんな援軍は呼んではいない。いくらなんでもたった二人で武装した男達を相手取るのは無茶だ。
ふと、神蔵がこちらを見上げた。ブラインド越しではあったが乾は目が合ったと確信する。神蔵は二人が無事であることを確認すると、場にそぐわぬ懐っこい笑みを浮かべた。それも一瞬のことで、前を向き直ったと思えば獰猛な顔つきに変わる。神蔵はトラックの助手席からずるりと金属バットを取り出した。
発砲音がして血が舞う。安居はびくりとして慌てて二人を見やったが、どちらも不敵な立ち姿をしている。煙を上げているのは鷹野が構えた銃だった。鷹野は笑みすらなく、冷たい瞳でひたと前を見据えている。その一発が戦いの火蓋を切って落とした。
派手な登場に萎えていた闘争心が再び火をつけたらしい。二人を敵だと認識した男達が一斉に襲いかかってくる。鷹野と神蔵は互いの背中を守るようにして敵と対峙した。鷹野は容赦する気など一切なく、目につく限りの男達に銃弾を浴びせる。神蔵は思い切り振り回したバットに血を吸わせていた。
遠くから狙う敵は鷹野が仕留め、飛びかかってくる男は神蔵の餌食になる。日頃バイクの上から銃撃戦をしていれば正確な射撃は難しいが、どちらも地面に立っているとなれば鷹野の弾が外れるわけがない。一撃で急所を撃ち抜くほどの技巧はなくとも、十分無力化できた。
遠距離で銃を構えるものがいなくなれば神蔵の独壇場だった。近距離では銃より拳の方が余程早い。目の前で仲間が殴り倒されたのを見て慌てた男が、迫る神蔵に銃を構える。しかし銃口が火を噴く前に金属バットが顔面に叩き込まれていた。神蔵は銃を跳ね飛ばしも避けもしなかった。フルスイングで迷いなく正面からぶつかってくる。
男達は数々の修羅場をくぐっているのだろうが、怯えが走っているのがわかる。神蔵は自分が怪我をすることなど少しも恐れず真っ直ぐに向かってくる。威嚇する叫び声にも脅す銃口にも何の反応もなく、地を蹴って正面から突っ込んできた。
しかし直線的な動きをするバットがついに受け止められる。顔面を狙ったバットが止まった瞬間、神蔵の手はあっさりとバットから離れていた。全体重を乗せて振りかぶったのが信じられないほどの身軽さで神蔵は懐に入り込み、固めた拳で顎を殴りつけていた。アッパーが綺麗に入って揺らいだ体に、自由になったバットがとどめを刺す。
思い切りバットを振り下ろした神蔵を狙って四方から男達が押し寄せた。好き放題にされてたまるかと腕に自信のある男が殴り込んでくる。神蔵がそちらに目をやった時にはもう殺気は眼前まで迫っていた。速い拳が神蔵の頬を捉える。骨同士がぶつかる重い音がして思い切り打ち据えられた。体が捩れ、神蔵のポケットからスマートフォンが零れ落ちる。
「いった」
全力で殴りつけられても神蔵は膝を折らなかった。その場に踏みとどまり、ぐるりと男に首を向けると真っ赤に燃える瞳で標的を捕捉した。男の二撃目は神蔵に触れることはなく、多大な隙を作って終わった。神蔵は自分がされたまま同じように顔面を殴り返す。上背はあるが細身な神蔵よりも体躯の大きい男が、拳の勢いに跳ね飛ばされた。揺らいだ体はまるで上げられたボールのごとく金属バットに迎えられる。
どさりと男が倒れたのを見ると、神蔵は身を屈めてスマートフォンを拾い上げた。その真上を弾丸が飛び去り、髪の先をほんの少し焦がす。
「神蔵あっぶな!」
鷹野が慌てて弾丸の先にいた男を撃ち抜く。神蔵は何が危なかったのかすら知らず、幸いにも破損していないスマートフォンを片手にきょとんと鷹野を見やるだけだ。しゃがみこんだ神蔵は上目に鷹野を見上げ、ハッとすると慌てて口を開いた。
「後ろ!」
その声に反応して鷹野は慌てて振り返る。真後ろからドスが振り下ろされ、すんでのところで身を翻した。ほんの少し反応が遅れていたら袈裟斬りにされていただろう。至近距離では銃より刃物の方が有利だ。だからこそ、鷹野は構えた銃の引き金に指をかけない。思い切り銃底でこめかみを殴りつけ、おまけにぐらついた体に蹴りを食らわせてやった。倒れ伏した男はもう起き上がってこられない。
鷹野の髪が舞い上がり、顔の真横で起きた風圧に思わず体が固まる。すぐ真横で金属バットが振られ、鷹野に向けて飛び込んできた男がまんまと食われたのが分かった。
「おっまえ当たったらどうすんだよ!」
「えーっ、当たってないだろ!」
息が合うのか合わないのか、ギャーギャーと言いながらも互いを庇うようにして不利な人数差を埋めていく。いつのまにか向かってくる者は減っていた。
「……わんこ」
窓際で様子を見ていた安居は、硬い声で乾を呼んだ。消える寸前の夕日に照らされた安居の顔が覚悟を決めたように見えて、不安に駆られる。先の言葉を聞きたくないと思わされた。
「ここの代表は俺や。俺一人おったら十分やろ」
低い声が静かに告げる。安居は自分がここに残るから乾は身を潜めていろと言っているのだ。二人でもどうしようもない状況を、安居が一人でどうにかできるはずもない。自分が犠牲になると言われて簡単に呑めるわけもなかった。
「あほなこと言うな」
安居を置いて一人助かろうなどと考えたくもない。弱い自分が逃げ出してしまいそうで、乾は抑えた声で言い返す。安居に負けぬような強い瞳で見返せば、自他共に認める頑固者をそれ以上言い負かそうとはしなかった。
「……逃げれそうやったら逃げてくれ」
安居はそれだけ言うと、再び窓へと目をやった。乾に言うということは、安居は最後まで逃げる気はないのだろう。少しも勝ち目はないと分かっていても、みすみすこの事務所を明け渡す気はないのだ。
守りたいのは事務所にある金や膨大な情報だけではない。それ以上に大切なものがここにあるから、捨てたくはないのだ。乾にもその感情が痛いほどに分かった。だから返事はしなかった。乾もまた、この場所を失いたくなかった。
それでも二人に打つ手はなく、このまま籠城するより他はない。向こうが動き出すまで膠着状態は終わらない。息を殺し、今は待っていることしかできなかった。
夕日はすっかり落ち、急速に夜がやってきた。このままどうするつもりだと観察を続けていれば、ついに動きがあった。乗り込んでくるつもりなのか、車を降りる人影が見える。
安居は息を飲み、持ち慣れない銃を手にする。乾を振り返れば張り詰めた表情に恐怖が走りぎこちない頷きが返ってきた。あとはせいぜい悪あがきをすることしかできない。窓から離れ、玄関に向けて銃を構える。ゆっくりと安全装置を外した。扉がいつ開かれるかと穴が空くほど見つめていた時、突如背後で凄まじい破壊音が鳴り響いた。
反射的に安居と乾は自分の体を庇おうとする。それ程までに大きな音だった。しかし衝撃が自分に来たのではないと分かると、慌てて周囲を見回す。事務所には傷ひとつ入っておらず、突破された形跡もない。それならば外かと窓から見下ろすと、驚くべきことに突然突っ込んできた大型トラックが男達の車を跳ね飛ばしていた。
隣にやってきた乾もその惨状を見て呼気を震わせる。先程の轟音はトラックが乗用車を吹き飛ばした音だったらしい。安居や乾と同じようにあまりの出来事に動揺している男達は、何事か言いながら慌てふためいているように見える。一体何事かと呆然としていれば、勢いよく運転席が開いてひょいと人影が飛び降りたのが見えた。ほとんど同時に助手席が開けられ、もう一人地面に降り立つ。その姿を見て息を飲まずにはいられなかった。
「おーおー、よく集まったなぁ」
「全員ぶっ飛ばしてやる」
男達の中心に荒っぽく現れたのは、バーテンダーの神蔵と運び屋の鷹野だった。見慣れた男達の登場に安居と乾は顔を見合わせる。てっきりどちらかが連絡したのかと思ったが、そんな援軍は呼んではいない。いくらなんでもたった二人で武装した男達を相手取るのは無茶だ。
ふと、神蔵がこちらを見上げた。ブラインド越しではあったが乾は目が合ったと確信する。神蔵は二人が無事であることを確認すると、場にそぐわぬ懐っこい笑みを浮かべた。それも一瞬のことで、前を向き直ったと思えば獰猛な顔つきに変わる。神蔵はトラックの助手席からずるりと金属バットを取り出した。
発砲音がして血が舞う。安居はびくりとして慌てて二人を見やったが、どちらも不敵な立ち姿をしている。煙を上げているのは鷹野が構えた銃だった。鷹野は笑みすらなく、冷たい瞳でひたと前を見据えている。その一発が戦いの火蓋を切って落とした。
派手な登場に萎えていた闘争心が再び火をつけたらしい。二人を敵だと認識した男達が一斉に襲いかかってくる。鷹野と神蔵は互いの背中を守るようにして敵と対峙した。鷹野は容赦する気など一切なく、目につく限りの男達に銃弾を浴びせる。神蔵は思い切り振り回したバットに血を吸わせていた。
遠くから狙う敵は鷹野が仕留め、飛びかかってくる男は神蔵の餌食になる。日頃バイクの上から銃撃戦をしていれば正確な射撃は難しいが、どちらも地面に立っているとなれば鷹野の弾が外れるわけがない。一撃で急所を撃ち抜くほどの技巧はなくとも、十分無力化できた。
遠距離で銃を構えるものがいなくなれば神蔵の独壇場だった。近距離では銃より拳の方が余程早い。目の前で仲間が殴り倒されたのを見て慌てた男が、迫る神蔵に銃を構える。しかし銃口が火を噴く前に金属バットが顔面に叩き込まれていた。神蔵は銃を跳ね飛ばしも避けもしなかった。フルスイングで迷いなく正面からぶつかってくる。
男達は数々の修羅場をくぐっているのだろうが、怯えが走っているのがわかる。神蔵は自分が怪我をすることなど少しも恐れず真っ直ぐに向かってくる。威嚇する叫び声にも脅す銃口にも何の反応もなく、地を蹴って正面から突っ込んできた。
しかし直線的な動きをするバットがついに受け止められる。顔面を狙ったバットが止まった瞬間、神蔵の手はあっさりとバットから離れていた。全体重を乗せて振りかぶったのが信じられないほどの身軽さで神蔵は懐に入り込み、固めた拳で顎を殴りつけていた。アッパーが綺麗に入って揺らいだ体に、自由になったバットがとどめを刺す。
思い切りバットを振り下ろした神蔵を狙って四方から男達が押し寄せた。好き放題にされてたまるかと腕に自信のある男が殴り込んでくる。神蔵がそちらに目をやった時にはもう殺気は眼前まで迫っていた。速い拳が神蔵の頬を捉える。骨同士がぶつかる重い音がして思い切り打ち据えられた。体が捩れ、神蔵のポケットからスマートフォンが零れ落ちる。
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全力で殴りつけられても神蔵は膝を折らなかった。その場に踏みとどまり、ぐるりと男に首を向けると真っ赤に燃える瞳で標的を捕捉した。男の二撃目は神蔵に触れることはなく、多大な隙を作って終わった。神蔵は自分がされたまま同じように顔面を殴り返す。上背はあるが細身な神蔵よりも体躯の大きい男が、拳の勢いに跳ね飛ばされた。揺らいだ体はまるで上げられたボールのごとく金属バットに迎えられる。
どさりと男が倒れたのを見ると、神蔵は身を屈めてスマートフォンを拾い上げた。その真上を弾丸が飛び去り、髪の先をほんの少し焦がす。
「神蔵あっぶな!」
鷹野が慌てて弾丸の先にいた男を撃ち抜く。神蔵は何が危なかったのかすら知らず、幸いにも破損していないスマートフォンを片手にきょとんと鷹野を見やるだけだ。しゃがみこんだ神蔵は上目に鷹野を見上げ、ハッとすると慌てて口を開いた。
「後ろ!」
その声に反応して鷹野は慌てて振り返る。真後ろからドスが振り下ろされ、すんでのところで身を翻した。ほんの少し反応が遅れていたら袈裟斬りにされていただろう。至近距離では銃より刃物の方が有利だ。だからこそ、鷹野は構えた銃の引き金に指をかけない。思い切り銃底でこめかみを殴りつけ、おまけにぐらついた体に蹴りを食らわせてやった。倒れ伏した男はもう起き上がってこられない。
鷹野の髪が舞い上がり、顔の真横で起きた風圧に思わず体が固まる。すぐ真横で金属バットが振られ、鷹野に向けて飛び込んできた男がまんまと食われたのが分かった。
「おっまえ当たったらどうすんだよ!」
「えーっ、当たってないだろ!」
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