上 下
526 / 574

+値限界解放?

しおりを挟む
 俺が速攻で+値を上げまくっていると、ラカラの奴が俺の所にやってきた。

「よっ! 兄ちゃんは今日も+値上げかい?」

「ラカラ、ああ。お前のいう通り俺は今+値を上げていたんだ」

「ふ~ん...、確か昨日は+9程度だったっけ?」

「ああ、俺は【デバフ】魔法を一切使わなかったからな」

「嘘つけ、兄ちゃんはずっと使ってたぞ。と言うかそれしかできなかったし」

「...お前のいう俺の像がどんな物か大体イメージはできるが、惨めになるから言うな」

「惨めって...、私はそういう兄ちゃんの戦い方が嫌いじゃなかったよ?」

 なんか慰められているようで褒められている気がしないな...。

「はいはい、そう言うのは良いから」

「それでさ、どのくらい+値あげれたんだ?」

 そう言われたので俺はこう返した。

「そうだな、+200程度だな」

「+200!?」

 驚くラカラの唾が俺にかかった。

「おいおい、そんなに驚くなよ。と言うか唾が飛んだぞ」

「いやいや! 驚くよ!! たった数日で+9から200まで上がるわけないじゃないか! 私だって半年以上かけてようやく130以上にしたんだぞ!? そんなすぐに+値って上がるもんじゃないだろ!」

 息を切らしながらそう言ってくる彼女に俺は言ってやった。

「そりゃお前、自分の最大限界値のプラス値が130なんだったらそこまで上げるのにはすごく苦労するが、俺があげられるのは500以上だぞ? だったら200なんてすぐに到達できてもおかしくないだろ?」

「そうなの!? そういえば【勇者】の兄ちゃんは+500の技を使っていたな...」

「そうだろ? ちなみに今はお前達とパーティを組んでいるからな。俺の補正が入って直ぐに+値を上げられるはずだ」

「...最近成長が早くなったと思ったら、やっぱり兄ちゃんのおかげか。兄ちゃんと一緒にいるだけで強くなるのは早くなると思っていたけれど、やっぱりあれは気のせいじゃなかったんだな」

 そう言いながら俺の顔を見てくる彼女の表情は、どことなく憧れる者を見る目のようなのでした。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:62,941pt お気に入り:3,052

体質系?異世界召喚者、また召喚され、怒る

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:272

公爵令嬢は、婚約者のことを諦める

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:2,116

行き遅れ聖女の結婚騒動

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:49

【完結】愛は今日も愛のために

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:17

処理中です...