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盗賊少女

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「【回復魔法+500】!!」

 俺は彼女ともう1人の仲間を回復させてあげた。

「う...」

「猛毒がかなり全身に回っているな。一応解毒薬をかけたけどもうちょっとの間は寝てると思う」

 俺の言葉など胃にも返さずに抱きついてくる彼女。

「な...なんだ!?」

「兄ちゃん! 私だよ! ラカラだ!!! 忘れちまったのか!?」

 なんか言ってくるが全く覚えがない。

「ラカラ? 誰だ?」

「そんな...」

 がっくりと肩を落とす彼女の肩を叩いた。

「まあまあ、俺が忘れてるだけかもしれないからさ。今は助けてやるよ!」

「本当!? また兄ちゃんと戦えるなんて思ってなかったらか嬉しい!」

 俺を抱きしめながらそう言ってくる少女ラカラと共に戦争に挑む!

「ラカラ! 状態異常系のブーメラン技で時間を稼いでくれ!」

「分かった!!! 【バインドブーメラン+130】!!」

 魔物どもを動けなくさせる彼女の手腕はなかなかである。

「やるな!」

 そういいながら動けなくなった雑魚的を爆殺する俺。

「兄ちゃんこそ! そんなに強力な攻撃魔法を使えるようになったんだな!」

「はぁ!? 俺はこの世界に来てからずっとここスタイルだぞ? 何言ってるんだ?」

「いやいやいや! 兄ちゃんのスタイルは敵を弱体化させてから仲間に攻撃を任せるってやり方だったよ!」

「はっ? そんなまどろっこしいことしてたの? 俺が?」

 俺の言葉に彼女は首を縦に振る。

「うん!」

 ...。

 彼女の表情的に本当だったのかもしれない...。

 どう見ても嘘をついているようには見えないからだ。

「...まあ昔の俺がどうだったか知らないが今の俺はこの戦闘スタイルなんだ。悪いがこのやり方でやらせてもらう」

「...兄ちゃん」

 少し悲しそうな瞳で俺の事を見ているが、流石に戦闘スタイルを彼女の為に合わせる必要はないと思う。

 俺は再び剣を引き抜き、彼女と共に魔物へと立ち向かうのだった。
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