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水着回⑯

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 夕日に燃え上がる海の情景はとてつもなく綺麗だ。

 この世における風景の中でもかなりロマンチックな情景の中、俺は優樹に話しかける。

「優樹、ちょっと良いか?」

「なに? 和希、そろそろ宿に戻るって言いたいの?」

 そろそろ宿に戻ろうと言う人たちが多い中、俺と優樹は少し浜辺を歩く事にした。

 少し肌寒くなってきていたので、俺たちはパーカーを買ってそれを羽織り体温の低下を防ぎながら少しだけ喋る。

「なあ、優樹」

「なに?」

「お前は

 俺の言葉にキョトンとしている優樹だったが、その質問にこう答えてきた。

「和希と一緒にいられるのなら元の世界に戻っても良いけどさ。多分戻るとしたら高校入学前のあの時間だよね?」

「...多分な」

「だったら私は戻らない方が良いかな。あっちの世界に未練がないと言えばうそになるけど、私の両親もこっちで元気に暮らしていけるというのならきっと了承してくれると思うし、何より和希と一緒にいられるからね」

 そう呟く彼女に俺は賛同しよう。

「分かった。もしも現実の世界に帰れるようになったとしても俺たちはこの世界で生きる事にしよう。石川とシュガーがどう答えるかは知らないが、あいつらは勝手に自分達で決めるだろう」

 ...。

 シュガーの奴がもしも現実の世界に帰るとか言い出したらやばいかもな...。

 奴が現実の世界に戻って吸血鬼幼女になっていた時の周りの様子を考えたら本当に面白いとは思う。

 まさか両親も息子が急にロリになっていたらびっくりするだろうしな。

 俺がそのことを話してみると、彼女も静かに笑っているのでした。
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