上 下
329 / 574

仮想の栄華②

しおりを挟む
 俺が杖を抜くと皆が驚いていた。

「なんだよ高坂!? 急にを抜きやがって!」

 佐藤の言葉に俺は笑う。

「剣? 俺が剣を装備できる訳ないだろ?」

 いや、正確には剣を装備したところでマイナス補正がかかり装備する意味がないと言う事だが...。

「はぁ...、お前が手に持ってる物はなんだよ?」

 あまりにも呆れたような声を上げられたので俺は一度自分が手にした物を見てみてる。

「なっ!?」

 確かに剣だった。

 それも俺が手に入れたことのない剣だったのでより驚く。

「こんな剣持っていたか?」

「おいおい、高坂、本当に大丈夫かよ? その剣手に入れる為に必死に鉱石集めしたのを忘れたのか?」

 佐藤にここまで呆れられるなんて初めてだっただけに屈辱である。

「なんだよ佐藤」

「もうすぐ戦争が始まるんだぜ? しっかりしてくれ」

 そう言われるとタイムリミットが来て俺たちは戦場に送り出された。

「ここは!?」

「和希!! ここはアルセージです!!」

「アルセージだと!? ここで戦争が起きるのは2回目だぞ!」

 そう叫ぶ俺に皆はキョトンとしていた。

「なんだよ!」

「和希? アルセージで戦争が起こるのは今日がだよ」

「なっ!? 優樹! お前は俺をからかってるのか!? 敵はクラーケンにヒノックス! そしてギガントキマイラだっただろうが!」

 俺の言葉に皆が困惑していた。

「何を言っているんですか? 高坂君?」

 石川が呆れたように言葉を漏らしていると...。

 海の方からクラーケンが出没した!

「なっ!?」

「ほら言ったろ! ほんでもってあっちからギガントキマイラがやってくるんだよ!」

 俺が指差した方向からギガントキマイラがやってきているのが見えた。

「すごいな高坂! まさかその情報を集める為にちょっと遅れたのか!?」

 佐藤が妙に驚いているので俺はため息を吐いた。

「もうそう言う事にしておいてくれ」

 俺はそう呟くとまずは倒しやすいギガントキマイラの方に走り出す!

「まずはギガントキマイラから倒す! 全員ついてこい!」

「分かった!」

「よっしゃ! 任せろ!」

「分かりました」

「カズ君! 分かったよ! とりあえずクラーケンの方にはこの子達を送っておくね!」

 彼女はそう呟くとアルミラージと吸血蝙蝠、そしてホワイトブルーバードを向かわせた。

「...ああ任せた!!! 取り敢えずキマイラにデバフをかけるから佐藤は突っ込め!!! デバフ!!!」

 俺は剣を掲げてデバフの詠唱を始めるのだった。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:62,941pt お気に入り:3,049

体質系?異世界召喚者、また召喚され、怒る

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:272

公爵令嬢は、婚約者のことを諦める

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:2,116

行き遅れ聖女の結婚騒動

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:49

【完結】愛は今日も愛のために

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:17

処理中です...