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おたまじゃくし少女②

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「ふ~ん...クリスティアーノ王国ねぇ...。全く知らない」

「そうか...」

 俺は目の前の黒髪少女にこの国の名前をいくつか出してみたのだが全く知らなかったので恐らくこの世界の住民ではないだろうと言う事が分かった。

(異界より現れたって事はこいつも勇者か? いや...それにしてはこの尻尾がな...)

 どう見てもコスプレのクオリティではない者が腰から生えている。

 彼女は俺の方を眺めながら取り敢えず感覚で仲間達を回復させてくれた。

「ほいっ、【水の回復魔法】」

 瞬時に全回まで全員を同時に回復させてくれた力量に俺は目を疑った。

(全員を同時に全回復だと? そんなの今の優樹にだってできるか分からないぞ?)

 俺は思わず彼女の事をジト目で見てしまう。

「まあ、失神してるみたいだから体の傷が回復してもしばらくはこのままだろうさ。そんな事よりもその顔は何?」

「いや...、頭のおかしい回復力だなと思ってさ」

「そうか? 普通に回復魔法を使っただけなんだけどな。所でこの世界の平均身長って高いのか?」

「はっ? 俺は164だぞ? 平均より低いくらいだ」

「えっ? 164!?」

 彼女はキョロキョロしながら「鏡を出して」と言われたので鏡代わりの宝石を出してやると。

「えっ!? 嘘っ!? 身体が小さくなってる!!!」

 などと言い出した。

「体が小さくなってる? それがお前の姿じゃないのか?」

「私は既に成体の【蛙人】だよ! まさか【幼体】にまで戻ってるなんて...」

 大きくため息を吐く彼女はひとしきり落ち込んだ後に名前を聞いてきた。

「ところであんたの名前はなんて言うの?」

「...人に名前を尋ねる時は自分から名乗るものじゃないか?」

「そうだね。私はケロナだよ」

 そう呟いた彼女に俺は自分の名前を名乗るのでした。
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